宮城県で造られる日本酒の特徴とは?
宮城県で造られる日本酒はどんな特徴があるのでしょうか。宮城日本酒は、「淡麗辛口」の銘柄が多いです。
宮城県産の酒造好適米もとても味わい深いです。そのお米を使った「蔵の華」は、すっきりとした味わいが人気です。
宮城の日本酒の選び方 酒蔵・エリアで選ぶ
宮城の醸造元は三陸・県北・仙台・県南と4つのエリアに分類されています。
県北には宮城を代表する酒蔵「一ノ蔵」、仙台市に近い海沿いには「佐浦」というように広く分布していて、それぞれのエリアによって特徴も異なります。そして、銘柄によってさまざまな口当たりや味わいがたのしめるのが宮城のお酒の特徴です。
まずは、宮城の日本酒の選び方についてご紹介をしていくのでぜひ参考にしてください。
それぞれの酒蔵の特徴で選ぶ
宮城には歴史のある蔵元が多く、日本酒好きにはたまらない銘柄も数多くあるのが魅力です。
ここからは伝統ある宮城の醸造元のなかでも、百貨店でも目にするほどの知名度がある、代表的な蔵元をいくつかご紹介します。
一ノ蔵|手作りによる製造を大切にする
米どころとして名高く良質な水に恵まれた地域にあり、昔ながらの製法で職人による手作りを大切にしている蔵元です。
伝統的な日本酒はもちろん、最近では低アルコールの「ひめぜん」や、発泡性のある「すず音」などの画期的な商品も販売しており、女性やあまり日本酒を飲みなれない方にも好評です。
一ノ蔵の日本酒は、はじめて日本酒を口にする方でも飲みやすい、スッキリとした口当たりが特徴。プレミアムな純米大吟醸から、気軽に飲みやすい純米酒までラインナップも豊富で、日本酒の入門としてもおすすめできる酒蔵です。
佐浦|およそ300年の歴史を誇る浦霞醸造元
宮城県の中心部に近い海岸沿いにある、約300年の伝統ある浦霞醸造元「佐浦」。米の旨味を感じる、調和のとれたまろやかな味わいが特徴で、口にするとまろやかな味わいをたのしめます。
その味わいは多くの日本酒ファンを魅了し続けており、数々の品評会や海外のコンテストでも高く評価されています。
勝山|純米酒本来の美味しさを追求する
勝山酒造は320年以上の伝統があり、仙台藩の御酒御用蔵を務めたこともある醸造元です。唯一現存する伊達家の御用蔵として、その伝統を守り続けています。
材料と作りの細部にまでこだわり、深井戸からくみ上げた泉丘から湧き出る軟水を仕込み水として作られる勝山の日本酒は、透明感のあるお酒に仕上がっています。
エリア別の特徴で選ぶ
宮城の日本酒にはエリアによって特徴があります。宮城県の北東に位置する三陸エリア・仙台市を中心とした仙台エリア・県北エリア・県南エリアと4つに分かれておりそれぞれ少し異なった味をたのしめます。
ここからはエリアによって異なる特徴について詳しくご紹介をしていきます。
三陸エリア|ほどよい甘みとすっきりしたキレのある味わい
太平洋側に面している気仙沼や石巻などの三陸エリアは、日本酒の種類が豊富なことで知られています。角星酒造の代表銘柄「水鳥記」は、使うお米や作り方の違いでさまざまなバリエーションがありますが、香り、バランスのとれた甘味と酸味、キレのある後味が特徴です。
さらに同じ気仙沼には「蒼天伝」で知られている男山本店があります。こちらは淡麗でありながらフルーティーでさわやかな味わいなので、はじめて日本酒を飲む方にもおすすめです。
県北エリア|伝統的な技法を継承する
仙台市周辺よりも北に位置する県北エリアは一ノ蔵のほかにも、田中酒造店・中勇酒造店・山和酒造店などの醸造元があります。田中酒造店では江戸時代から200年以上続く伝統的な酒づくりを伝承しており、コクのある芳醇な味わいが特徴です。
また、奥羽山脈から流れ出る伏流水を使用した独自の製法で製造している中勇酒造店の日本酒は、最高峰の日本酒にしか使われない技法をすべての銘柄に惜しみなくほどこし、妥協のない日本酒づくりをしています。
仙台エリア|歴史と共にたのしめる
仙台エリアには、伊達家御用の酒造として現存する勝山酒造があげられます。宮城県のなかで最も古い作り蔵を所有している内ヶ崎酒造店もこのエリアです。
勝山酒造で作られる日本酒のなかでは、世界最大の日本酒品評会で2015年と2016年の2年連続で日本一に輝いた「純米吟醸 献」はとくに需要がある銘柄。歴史ある伝統的な日本酒をたのしみたい方にはおすすめの酒蔵です。
県南エリア|日本酒が苦手な方でもたのしめる
県南エリアでは、淡麗辛口から甘口の日本酒までレパートリーが豊富にあるのが特徴です。甘口の日本酒なら、日本酒が苦手という方でもたのしみやすいので、入門の日本酒として飲んでもいいでしょう。
このエリアにある蔵王酒造では、淡麗辛口の蔵王から甘口で飲みやすい日本酒まで幅広く製造しています。山田錦を使って作られた大吟醸・純米大吟醸などはプレミアム感もあって、特別なときにたのしむお酒、大切な方へのプレゼントとしてもぴったりです。
味や口当たりで選ぶ
日本酒の口当たりは「濃醇・淡麗」、味わいは「甘口・辛口」という言葉で表現されるのが一般的です。この言葉は風味を純粋に表現しているだけと思われがちですが、実は酸度と日本酒度という数値から厳密に決められて使用されています。
ただし一般的には「淡麗辛口」など言葉だけでもだいたいの味の傾向が分かるので、この4つの単語を知っておくだけでも好みの味わいや口当たりの日本酒をたのしみやすくなるでしょう。
原料の米にも注目!
日本酒の原料は米ですが、雑味をおさえるために米を削ったうえで仕込むことがほとんど。そしてその米をどのくらい削っているかを表現する数値が「精米歩合」です。削れば削るほど雑味が少なくなり透明感のある味わいになりますが、そのぶん日本酒の値段も高くなる傾向があります。
もっともお米を磨いているのが純米大吟醸で、精米歩合50%以下の米を使用しています。また、精米歩合が低いお酒は、米の旨味やコクが深いものが多いのが特徴です。宮城では「吟のいろは」など、新しい酒米が誕生しているのも注目すべきポイント。
味の好みと価格のバランスをみて精米歩合を選ぶといいでしょう。
香りで選ぶ
日本酒もほかのお酒と同じように、香りをさまざまな言葉で表現しています。
たとえば、華やかさや甘みや感じる香りは「フルーティー」、酸味を思わせるスッキリした香りは「さわやか」、米の旨味を感じる香りは「ふくよか」、熟成された芳醇な香りは「カラメル」や「ナッツ」などと表現されることもあります。
もちろん、このほかにもさまざまな比喩表現や、ほかの食物にたとえられて香りを表現することもあります。ご自身がどんな香りが好きなのか把握しておくと、香りという側面からも日本酒を選びやすくなるでしょう。
国際唎酒師からの購入アドバイス
郷土料理に合わせて選ぶのもたのしみ方のひとつ
宮城県は日本有数の米どころ。良いお米が育つ地には良い水あり。日本酒づくりに適した風土と、伝統を受け継ぎながらも進化を続ける酒づくりの技術で、国内外で高い評価を得る数々の銘酒が作られています。
全体的にクセの少ないきれいな酒質なので、日本酒初心者でも親しみやすいのも魅力です。「食」との相性やバランスを重視しているお酒が多いので、蔵元のある地の風土や郷土料理なども知って選ぶとたのしみの幅が広がるでしょう。
宮城日本酒のおすすめ13選 人気の「すみのえ」や「伯楽星」など!
ここからは宮城の日本酒おすすめ13選をご紹介していきます。これまでご紹介してきた宮城の日本酒選びのポイントを参考にしながら、あなた好みの日本酒を探してみてください。
昭和48年に、当時はまだ一般的ではなかった吟醸酒の先駆けとして世に出された佐浦の『純米吟醸 浦霞禅』は今も多くの人に愛される銘酒。いつ飲んでも「本当に良いものは色あせない」と感じさせてくれるお酒です。

価格以上のおいしさでご自宅用からギフトまで
浦霞も宮城県を代表する銘柄ですが、こちらはそのなかでも毎年数々の賞に輝いてきた実績もある日本酒。やわらかい味わいとほどよい香りで、全体的にバランスが取れた一品です。
本来はフランスへの輸出目的として製造されましたが、輸出ではなく国内販売でスタートした経緯が。結果的に国内にて知名度が増し、現在も高品質な日本酒として愛されています。淡麗辛口で少しキリっとした味わい。料理やシーンに合わせて幅広い温度帯でたのしめます。
新澤醸造店の『伯楽星 特別純米』はおだやかな香り、酸と甘味のバランスが抜群で、食事とたのしむ定番として選びたい一本。冷たくしてさわやかな酸をたのしんだり、熱めのお燗でキレある味わいを堪能したり、さまざまなスタイルで味わうことができます。

食との相性を考えて作られたさわやかな味わい
「究極の食中酒」をコンセプトに、食事との相性を考えて作られた特別純米酒。2杯目でも飽きのこないさっぱり感のある味わいと、やわらかい香りが特徴です。
60%まで削った山田錦を使い、やさしくもしっかりとした米のうまみを引き出しています。価格もお手頃でご自宅用としても適した一品。冷やして飲むとよりおいしくいただけます。
ほんのりさわやかな辛口が人気の阿部勘!
阿部勘酒造蔵は、仕込みの規模が小さく、量産ができない小さな酒蔵。そのため、高品質少量生産で酒造りにこだわりを詰め込んでいます。
ほんのりとさわやかさのある香りと、スッキリとした切れ味がいい辛口。しかし、ほどよく米の甘みも感じられるバランスのよいお酒です。。
純米吟醸酒の最良部分「中垂れ」のみを瓶詰め。
墨廼江(すみのえ)は、小規模な蔵ですが、地元の軟水と酵母や米を使い、技を駆使して個性的な酒造りをしている酒蔵です。地域性を強く打ち出した酒として人気上昇中のすみのえ。
この「中垂れ」は、大吟醸と同じ低温発酵もろみで醸した純米吟醸酒の最良部分「中垂れ」のみを瓶詰した、高級日本酒。清涼感あふれるキリっとした香り特徴で、きめ細かな味わいと深い酸味が調和した絶妙な味わいが楽しめます。
上品な香りとうまみのつまった食中酒
日本酒がまだ食中酒として定着していなかったころ、勝山酒造の先代蔵元が食中酒にと考えて作られた日本酒です。IWC(インターナショナルワインチャレンジ)の2019年度SAKE部門で最高賞にも選ばれた実績があります。
原料の米には山田錦を使い、上品な香りとうまみがしっかり。白身魚など味が繊細な食材も、米のうまみとほどよく調和してたのしめます。
スッキリとした辛口! 冷酒でも熱燗でもたのしめる
精米歩合55%まで磨かれたスマートな口当たりの特別純米酒。スッキリとした辛口で、飲み飽きしない味わいです。
宮城を代表する日本酒の中でも知名度が高い銘柄で、冷酒・常温・お燗と温度で変わる表情豊かな味わいも魅力。その時の気分や気温などに合わせて、お好みの飲み方でたのしめます。
みずみずしく上品な香りをたのしめます
華やかさもありながら上品な飲み口でフルーティーな味わい。山田錦を贅沢に40%まで磨き上げた純米大吟醸です。この銘柄は山和酒造のなかでも近年できたものですが、すでに日本酒ファンから需要が多くある一品となっています。
気品と華やかさを同時に感じられる香りで、まるでワインを飲んでいるかのような味わいが口の中に広がります。ワイングラスで飲むと香りも一緒にたのしむことができるので、よりおいしく感じられるでしょう。
東日本大震災で津波被害をまぬがれた製造蔵から生まれた角星の『特別純米酒 船尾灯』。以来、復興を願う酒として作りつづけられています。料理によりそう、やわらかなお米の旨味とすっきりとしたキレのある、飽きのこない味わいです。

後味がすっきりとした辛口な味わいで飲みやすい
やわらかい口当たりが特徴的で、お燗で飲むとおいしくいただけます。精米歩合は60%と一般的ではありますが、その柔らかい特徴からお刺身や鍋などにも適している日本酒です。後味がすっきりとした辛口なのでさまざまなおつまみにも合うでしょう。
「震災で真っ暗になった被災地に灯りをともし、復興の礎になるように」との想いが込められた銘柄です。
※楽天のリンク先は720mlになります。
上品で芳醇な味わいとなめらかな酒質
ふっくらとした芳醇な味わいと、なめらかな口当たりが特徴のお酒です。山田錦を精米歩合35%まで削った贅沢な日本酒で、冷やして飲むとよりおいしくいただけます。
日本酒コンテストで金賞を受賞した履歴もあり、外箱やラベルが重厚かつ華やかなデザインなので、目上の方へのギフトにしても喜ばれるでしょう。
コクのある淡麗さと華やかな香り
あっさりとした淡麗のなかに、しっかりとコクのある味わいが特徴の純米大吟醸です。口当たりはやわらかめ、香りはフルーティーで華やかさを感じるので、日本酒がはじめての方でも飲みやすさを感じるでしょう。
おすすめの飲み方はキリッと冷やして。食事をよりおいしくしてくれる、香りがいい日本酒を探している方はぜひお試しください。
白ワインのようなさわやかさで初心者もたのしめる
原料には宮城県産のササニシキが使用されており、やわらかさも感じる穏やかな辛口が特徴。白ワインのようなさわやかで上品な味わいは、日本酒初心者の方でも飲みやすいでしょう。
やさしいうまみのなかにキレのいい味わいがあり、食中酒にも適しています。おすすめの飲み方は冷酒から常温。お酒好きな方へのギフトやお礼としても喜ばれやすい銘柄です。
朝日米を原料とした味の変化がたのしめる食中酒
近年、日本酒の原料として注目されている朝日米で醸した純米大吟醸酒です。キレのある飲み口と純粋な米の甘みがあり、飲むたびに変化する味わいが魅力となっています。
「世界にも通用する食中酒」を目指して作られたこの日本酒は、まさに龍が飛ぶようなインパクトあるおいしさ。縁がうすいグラスでいただくと、より米のおいしさをたのしむことができるのでおすすめです。
魚料理にぴったりの超辛口純米酒
宮城を代表する日本酒のなかでも超辛口な純米酒です。蔵元は海も近い石巻市に構えており、魚料理との相性もすぐれています。
冷酒ではスッキリした飲み口がたのしめます。また、お燗にしても香りが立ち、やわらかくまろやかな味わいが口の中に広がります。うまみがしっかりとあり、コクと酸味もバランスの取れた純米酒です。
「宮城日本酒」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 宮城日本酒の売れ筋をチェック
Amazonでの宮城日本酒の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの地方日本酒のおすすめはこちらから 【関連記事】
魅力がつまった宮城の日本酒を取り寄せよう!
宮城にある日本酒の中でもおすすめの商品をご紹介してきました。選び方の基本は、何といっても味・口あたり・コメの品種や香りです。また日本酒は、酒蔵やエリアによっても特徴が変わりますので、飲み比べてみるのも楽しみのひとつですよ。本記事の日本酒選びのポイントを参考にしながら、ご自分の好みに合った最高の1本を見つけてみてください!
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日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。 外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から400人余りをお迎えしている。 日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。