辛口・甘口は「酸度」と「日本酒度」で決まる!

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酸度と酒度により、日本酒の甘口、辛口が決まります。
日本酒には、甘口と辛口がありますが、辛口の日本酒は糖分が少ない日本酒のこと。甘口か辛口かは、「日本酒度」と「酸度」で決まります。
●日本酒度とは、甘口や辛口の目安になる数値。日本酒度がマイナス=糖分が多く甘口に、プラス=糖分が少なく辛口になります。
●酸度とは、:日本酒に含まれるクエン酸やリンゴ酸などの酸がどのぐらい含まれるかを相対的に表す数値。数値が高い方が辛くて濃く、低ければ甘くてすっきりと感じられます。
日本酒ライターからのアドバイス
日本酒の「辛口」といえば、日本酒度がプラスのものを指します。日本酒度とは、15℃の清酒に日本酒度計という浮秤(ふひょう)を浮かべて出る値のことで、そのお酒の含糖量を測った値です。糖が多く含まれているほど比重が大きくなってマイナスに傾き、少ないほどプラスに傾きます。「辛口の酒」は、含まれている糖の量が少なく、比重が軽いお酒です。
辛口の日本酒の選び方
唎酒師で日本酒ライターの関 友美さんに、辛口日本酒を選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】辛口好きは「日本酒度6以上」を目安に選ぶ
【2】純米大吟醸や純米酒など、種類から選ぶ
【3】辛いだけでなく、米の旨味を感じるものを選ぶ
【4】香りも楽しめるものを選ぶ
【5】プレゼントには木箱入りの高級酒がおすすめ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】辛口好きは「日本酒度6以上」を目安に選ぶ
日本酒度はあくまでも目安ではありますが、プラスの数値が上がれば上がるほど糖分が少なくなるので、感じられる甘みが少なくなってきます。自分で飲むときにこだわるだけでなく、「辛口のお酒が好き」という上司や家族へのプレゼントとして選ぶときには、日本酒度がプラス6以上のものを選ぶのがおすすめです。
日本酒の中には、含まれている糖が多いのに、辛口に感じるお酒もあります。糖のなかには、私たちが甘味を感じない、あるいは感じにくい糖も含まれているため、「甘い」「辛い」という味覚とは必ずしも一致しないのです。含まれる酸の量によっても感じ方は異なるので、同じ日本酒度のお酒があっても味が同じとは限りません。日本酒度はあくまでも甘口・辛口を判断するひとつの目安として覚えておきましょう。
【2】純米大吟醸や純米酒など、種類から選ぶ

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原料や製造方法の違いから、日本酒は特定名称と呼ばれる8種類に分けられています。8種類のうち、米と麹だけで作られている種類を「純米大吟醸酒」「純米吟醸酒」「純米酒」「特別本醸造酒」と呼びます。お米の旨味や甘みを感じられる種類です。
一方、米と麹以外に醸造用アルコールを添加している種類を「大吟醸酒」「吟醸酒」「特別純米酒」「本醸造」と呼びます。お米の旨味より、アルコールの香りや味をダイレクトに味わうことができます。価格もリーズナブルです。
このなかで最上級なのが「純米大吟醸酒」。価格は高いですが、その分味わい深く、特別な日に飲むお酒にぴったりです。反対に、ふだん飲むのであれば「純米酒」がおすすめ。リーズナブルなのに、お米の味をしっかりと感じることができます。
【3】辛いだけでなく、米の旨味を感じるものを選ぶ
辛口で、サラサラとしていてスッキリ飲め、アルコールの刺激が感じられればいいのなら米焼酎でもかまわないでしょう。しかし、香りがいい焼酎には日本酒ほど多くの旨味成分は含まれていません。
辛口の日本酒を飲むならば、ただ辛いだけでなく米の旨味も感じられ、後味がスッキリとしたものを選ぶといいでしょう。そういったお酒は食事ともよくあいます。
【4】香りも楽しめるものを選ぶ
フルーティな香りの薫酒、フレッシュで軽い香りの爽酒、スパイスのような熟成された香りの熟酒など、さまざまな香りのお酒があります。
日本酒単体で飲むのであれば、好みの香りのものを。料理と一緒に楽しみたいなら、香りが強すぎないものを選ぶのがおすすめです。
【5】プレゼントには木箱入りの高級酒がおすすめ
お祝いとして日本酒を送りたいのなら、純米大吟醸や純米吟醸酒などの高級酒がおすすめです。さらに、木箱に入っているお酒を選ぶと、より高級感がアップします。
日本酒好きの方にプレゼントするときは、好きな香りや酒蔵を事前にリサーチして選ぶとよいでしょう。
●「プレゼントにおすすめの日本酒」のおすすめ商品を今スグみる!
【専門家イチオシ】辛口日本酒のおすすめ6選 唎酒師の関 友美さんがおいしさを解説! この銘柄なら安心!
ご紹介した辛口日本酒の選び方をふまえて、唎酒師で日本酒ライターの関 友美さんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。商品ごとに特徴を解説していただきましたので、ぜひチェックしてみてください。

ほどよい酸味とキレが特徴の辛口酒
限定流通の「みむろ杉 ろまんシリーズ」定番の辛口酒です。香りは華やか、かつ、おだやかで、ただ辛いだけではなく芳醇な旨味が感じられます。辛口ですが、口に含んだ感触のやわらかさも注目したいポイントです。ほどよい酸味とキレが特徴で、お酒単体でも食事とあわせても楽しめます。
酒造用の米は現在数百種存在し、その土地で生育するのに適した品種が、県や酒蔵ごとに研究されています。そのなかでもこのお酒は、「みむろ杉」がつくられる奈良県唯一の酒米「露葉風」が使用された貴重なもの。スムースな口当たりは辛口の日本酒が好きな方、そうでない方どちらにもおすすめです。

料理とのペアリングにピッタリの1本
一般の方から日本酒のプロにまで愛される「播州一献」定番の純米酒です。口に入れた瞬間はおだやかで透明感があり、その後ふくよかな旨味が口の中でふくらんで、最後は酸が上回ってスッと消えていきます。「ひと口、もうひと口……」と盃が重なる辛口酒です。
お酒単体で飲むより、料理とあわせるのがおすすめ。ミネラルを含む牡蠣や鯛などの白身魚のほか、醤油など旨味と甘味を持つ発酵調味料ともよくあいます。シャルドネを思わせるような酸味があるので、お寿司や煮物といった日本料理をはじめ、イタリアンやスパニッシュなどさまざまな料理と相性バッチリです。どんな食事にも「これさえあればOK!」という心強い1本。オールマイティに楽しめるお酒をお探しの方におすすめです。

どんな温度でもおいしく飲める究極の食中酒
「ブリュッセル国際コンクール」の日本酒部門「SAKE selection 2018」本醸造部門でトロフィーを受賞した、世界にその味わいを認められたお酒です。「新澤醸造店」は「究極の食中酒、究極の3杯目」をテーマに酒づくりをおこなっているので、この酒も香りがひかえめで、冷酒からアツアツのお燗までどんな温度でもおいしく飲めるようになっています。
お手ごろ価格なので、毎日の食卓や晩酌で活躍してくれるお酒です。毎日飲んでも飽きのこないデイリー日本酒をお探しの方におすすめ。抜栓後、徐々にコクが増していくようにつくられた骨格がしっかりしたお酒なので、日々変化する味わいを楽しむことができます。

米の旨味もしっかり感じる超辛口の純米生原酒
2014年の発売当時「日本で一番辛い日本酒」として話題を呼び、おそらく現在も日本で一番辛いと思われるお酒です。「これが日本酒の辛さだ!」といわんばかりの日本酒度+28は、口に含んだ瞬間、生酒のフレッシュさも手伝って、アルコールなどの辛さをダイレクトに感じるパンチの効いた味。一方で、軽快でスッキリとしているので、飲みにくいというわけではなく、山形県産の酒米「出羽の里」由来の、米の旨味もちゃんと感じさせてくれます。
日本一の辛さに挑戦してみたい方は、ぜひ一度手にとってみてください。このお酒にハマってしまったら、もうほかには移れないかも……と思わせるほど魅力あふれる日本酒です。

弾けるようなフレッシュ感が魅力のさわやかな1本
秋田の押しも押されもせぬ人気酒蔵ユニット、「NEXT5」の5蔵のうちのひとつである「山本合名会社」。にごり酒の『ど』『どピンク』、青色の『ブルーハワイ』『ロイヤルストレートフラッシュ』、自社で発見され分離培養された使用酵母「セクスィー山本酵母」など、ネーミングのユニークさは随一です。
しかし侮ることなかれ。技術力の高さも同様にピカイチで、『ど辛』は、抜栓直後はピチピチとしたフレッシュ感を感じ、+15も日本酒度があるとはわからないほど軽やかで、やわらかくクリアな味わい! 夏にキンキンに冷やして飲みたいお酒です。夏の1本をお探しの方にぜひおすすめです。

飲み疲れしないバランスのいい辛口酒
人気銘柄であるうえに季節限定の生酒なので、買うのがちょっと難しいお酒です。
「くどき上手」は全般的に華やかな香りと甘味、旨味を特徴としています。しかしこの『ばくれん』は、そのイメージをくつがえす超辛口の日本酒度+18です。「亀の尾」という貴重な米を使用したワイルドな味わい(酒蔵で酒の味わいをまるくさせる目的で熟成したあとに出荷される)に、フルーティな香りが加わり、鋭いキレのある後味がさわやかで心地よく、飲み疲れしません。
酸度はそこまで高くありませんが、バランスのよさは抜きん出ており、「さすが」とうなるしかありません。辛口好きを自称するなら飲んでおきたいお酒です。
辛口日本酒【超辛口から中辛口まで】おすすめ7選 日本酒度の高いものを厳選!
これぞ純米大吟醸!華やかな香りと甘みも満喫できる
華やかな香りとともに、蜂蜜を思わせる甘さを堪能できるのが獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分。
口当たりの良い味わいと飲んだ後の余韻の良さが、日本酒好きだけでなく普段日本酒を飲まれない方からも支持されています。
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分はワイングラスで飲むことで、香りや日本酒のおいしさを余すところなく満喫できます。また常温で飲めば、香りとうま味の変化をじっくり堪能できるでしょう。
洗練されたうまさの日本酒が料理をおいしくする
蔵の看板商品ともいえる黒龍は、お米が持つ本来のうまさが生きた、飲み心地の良い日本酒。
洗練された味わいとフルーティーな香り、キリっとした日本酒ならではの辛さは料理との相性も良いです。
黒龍にはさばの味噌煮をはじめ、味噌を使ったコクのある料理が合うでしょう。日本酒と味噌を使った料理が醸し出すハーモニーを、心行くまで堪能してみてはいかがでしょうか。
辛口日本酒【プレゼント用・飲み比べセット】おすすめ6選 有名銘柄の飲み比べや高級商品など
見た目も華やかな日本酒を探している方のために、プレゼントにも最適な辛口日本酒をご紹介します。
「辛口日本酒」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 日本酒の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの日本酒の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
日本酒の飲み方
常温で飲む日本酒は「冷や」と呼びます。冷やで飲むと、日本酒のうま味、味、香りがよくわかります。とくに「純米」系の3種類は冷酒より冷やで味わってみるといいでしょう。
にごり酒やスパークリングタイプの日本酒は、温まると劣化するので冷蔵庫で冷やして、「冷酒」として飲むといいでしょう。
人肌に少し温めた日本酒を「燗酒」と呼びます。お湯で温めて飲む飲み方で、30度程度から50度以上までの間で管理すると、香りや味わいの違いが楽しめます。
辛口日本酒に合う料理を紹介!
日本酒にはアミノ酸が含まれているので、甘口・辛口問わず、みそや醤油、かつお節などアミノ酸の旨味たっぷりの味と相性が良いと言われています。
なかでも、辛口の日本酒は塩味が強い料理と合う傾向があります。ここで紹介する料理は、辛口日本酒ととてもよく合うのでぜひ試してみてくださいね。
【辛口日本酒と合う料理】
●焼き魚
●塩辛
●白身魚の刺身
●鍋
●ウナギの蒲焼
●サバの味噌煮
●すき焼き
●焼き鳥
●クリームチーズ
山陽盃酒造『播州一献(ばんしゅういっこん) 純米超辛口』
お酒単体で飲むより、料理とあわせるのがおすすめのプロイチオシの1本。日本酒に合うとされている定番の日本料理だけではなく、スパニッシュやアジアンフードなどとも相性◎!
>> Amazonで詳細を見る銘柄だけでなく酒蔵にも注目して選ぶと楽しさもアップ!
日本酒は「純米」「純米吟醸」「生酛(きもと)」……など原材料からつくり方にいたるまで、選ぶときに見るべきポイントがたくさんあります。プロでもない限りは、すべて覚えるのはたいへんです。
自分で買ったお酒や人から贈られたお酒を気に入って「違うお酒にチャレンジしてみたいな」というとき、銘柄だけを見て購入を決める人が少なくありません。これから紹介するのは、同じ銘柄であれば辛口以外のものを手にとってもおいしい、信頼がおけるお酒ばかりです。「この蔵なら安心」というものをお伝えするので、ぜひ銘柄だけでも覚えてみてください。
そのほかの日本酒のおすすめ商品はこちら
「辛口」を入り口に、日本酒を堪能する! 唎酒師の関 友美さんからひとこと
日本酒のよさは、ほかのお酒とは比べものにならないほど深い懐、その万能性にあります。繊細な味わいのなかに200を超えるともいわれる旨味成分が凝縮されており、日本食以外にも世界各国の料理とあわせるには日本酒が一番といわれるほど、いま世界中から注目を集めています。
「辛口」か「甘口」という選び方は、実は氷山の一角ほどの小さな視点であり、入り口のようなものです。もっとさまざまな角度から立体的に見て選ぶことができたなら、日本の国酒である「日本酒」をよりいっそう自由自在に楽しむことができるはず。そのためにもまずは気軽に、この記事でご紹介したお酒から手にとっていただければうれしいです。
ポイントを押さえて辛口の日本酒を選ぼう
辛口の日本酒の選び方とおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
飲んだ後の清涼感や香りは、日本酒の種類や産地によってかなり異なります。また、辛口の度合いもかなり差があるため、自分が普段飲む日本酒の日本酒度を参考にしてみてはいかがでしょうか?
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
日本酒アドバイザーや飲食店勤務を経て、現在は「とっておきの1本をみつける感動を多くの人に」という想いのもと日本酒の魅力を発信するさまざまな活動をおこなっている。 記事執筆、セミナーや講演、酒蔵での酒造り、各地の酒場での女将業など、あらゆる場所、あらゆる手段で日本酒の美味しさと日本文化の豊かさ、日本の各地方の魅力を伝えている。