そもそも、インフレーターマットとは
インフレーターマットとは、アウトドアシーンでテント泊や車中泊などをした際、寝袋などの下に敷くことで、寝心地を快適にしてくれるマットのこと。
テント泊などでは、地面の凸凹や小石などのゴツゴツをどうしても感じてしまいます。しかし、インフレーターマットを使用すれば、中のクッション材や空気によって、地面に直接触れなくなるため、気持ちよく寝ることができます。
● インフレーターマットを敷いて寝るメリット
本項では、インフレーターマットを敷いて寝るメリットについて、4つご紹介していきます。
(1)寝心地がアップする
インフレーターマットを敷くことで、自宅のマットレスのような安定感を手に入れることが可能になり、キャンプなどのアウトドア時の寝心地をアップしてくれます。
一度使ってしまったら病みつきになること間違いなし。製品によって厚みが異なるので、自分の好みに合う厚みのインフレーターマットを探しましょう。
(2)底冷え防止にもなる
アウトドアの際に睡眠の質を下げてしまう原因に、地面からの底冷えが挙げられます。しかし、インフレーターマットは断熱性が高いので、地面からの冷気をシャットアウト。
晩秋~春先の寒い時期にキャンプする機会が多いなら、持っておきたいアイテムに加えてみてください。
(3)設営がかんたん
こちらもエアーマットとの違いで少し触れましたが、インフレーターマットには芯材が入っているので、空気を吸い込ませれば膨らんでくれます。
バルブを外すと勝手に膨らむ児童膨張タイプのインフレーターマットなら、テント内に敷いて料理をしている間に膨らむので、とても便利です。
(4)コンパクトに収納できる
インフレーターマットには折りたたみ式のマットと比較した際、コンパクトに収納することが可能です。そのため、移動手段がバイクツーリングや公共機関などでできるだけ荷物の利用を減らしたい場合に重宝するアイテム。
気を付けたいのは、設営はかんたんでも撤収時には少しコツがいるので、事前に説明書をよく読み、慌てることがないように備えておきましょう。
● エアーマットとの違い
インフレーターマットとエアーマットをよく間違える人がいますが、この2つは全くの別物になります。空気を入れて使用する点は同じですが、インフレーターマットにある芯材がエアーマットにはありません。
この芯材がない分、インフレーターマットよりもコンパクトに収納できるものの、空気を入れるのに手間がかかるというデメリットがあります。
なお、寝心地はインフレーターマットが硬め、エアーマットの方がソフトな感触となっているので、好みに合わせて選びましょう。
選ぶ際は用途とサイズをしっかり見極めよう
インフレーターマットを選ぶ際に重要なのが、用途とサイズ。使用するシーンは、テントや車中泊などが代表的ですが、
・『車移動を中心としたキャンプや車中泊など』
・『徒歩やバイク移動を中心とした登山やツーリングなど』
で選ぶポイントが変わります。
キャンプや車中泊の場合は、寝心地を重視!
キャンプや車中泊など、基本的な移動を車で行う場合は、寝心地を重視して問題ありません。もちろん、車の荷台に入れるためにコンパクトの方が嬉しいですが、重視するのは睡眠時です。
寝心地は、インフレーターマットの厚さに関係しますが、厚さは商品によって約2~10cmの種類があります。平均はだいたい4~5㎝ほどです。
厚さが大きければ大きいほど、地面の凸凹や小石などのゴツゴツも感じにくくなり、寝心地が良くなっていきます。さらに、地面から一定の距離が離れることで、寒い時期の「底冷え」も防ぐことができます。また、車中泊の場合も、座席シートよりもより柔らかい感触で寝ることができます。
登山やツーリングの場合は、収納性・持ち運び性を重視!
登山やツーリングなど、基本的な移動が徒歩や収納が少ない乗り物などで行う場合は、収納性・持ち運び性を重視しましょう。
収納性や持ち運び性を重視すると、どうしてもマットの厚さが薄くなってしまいますが、それ以上に山を歩いたり、バイクで走って景色を見たりする「移動」を快適にした方が、より登山やツーリングを楽しめます。
もともと、インフレーターマットは丸めるとコンパクトになりますが、サイズや厚さによって、収納時の直径は10〜20cmほど、長さは30〜80cmほどまで幅があります。重さも1kg以下から5kgほどまで様々。空気の入れ方や素材によっては、収納サイズが大きく変わりますので、しっかり確認しましょう。
(★)利用人数に合わせてマットのサイズを決めよう
『キャンプや車中泊など』と『登山やツーリングなど』では、重要視するポイントが違うとお伝えしましたが、とはいえ、サイズは使用する人数に合わせて選びましょう。
一般的なインフレーターマットの横幅は約60~130cm前後。その中でも、ソロキャンプやツーリング、登山など、1人で使用する場合は、シングルサイズの横幅 約60cmのものを選ぶとちょうどいいです。
一方、家族でのキャンプなど、2人で使用する場合はダブルサイズの横幅 約130cm、4人で使用する場合は、ダブルサイズを2つ用意するなどすると、より快適です。もちろん、1人で広々と使用したい場合でも選んでいいでしょう。
もちろん、テント内で就寝する場合は、縦横の長さがテントに入るかどうかもサイズのチェックポイントです。
使いやすさに関わる機能性
上記では、用途に合わせた重要ポイントをお伝えしましたが、それ以外に機能性にこだわることで、現地での快適さが変わってきます。それぞれ詳しく解説いたします。
【A】空気の挿入方法
空気挿入には「自動」「手動」の2種類があります。
自動空気挿入タイプは、空気穴の栓を開けるだけで自動的に空気が入るタイプ。食事の準備など、他の作業をしている間に、マットに空気を入れることができるので、とても手軽です。
一方、手動タイプは、別売り、もしくは付属の空気ポンプを使用してマットを手動で膨らませるタイプ。価格はおさえられますが、手間がかかるのと、ポンプを忘れると使用できないというデメリットがあります。
【B】結露対策のビニール加工
冬のキャンプは結露との戦いともいわれるほど対策に困りますよね。マットのなかまで水分がしみ込むと完全に乾燥させることが難しく、長く使えずに予想より早く買い替えなければならない、なんていうことも。
なので、防水加工が施されているものや、ビニール加工されていると、水分をはじいてくれるので安心です。
【C】傾斜でもズレない滑り止め加工
自宅のベッドで就寝するのとは異なり、キャンプや登山でマットを敷く場所は平面ばかりではありません。自分の重みによるずれや滑りなどが起こりうる状況では、滑り止め加工が施されているものが安心です。
また、傾斜だけではなく、接し合うテントの素材とマットの素材が滑りやすいと、寝返りが多い場合にずれることもあります。快適な睡眠で日中の疲れを癒やすためにも滑り止めの有無を確認しましょう。
【D】底冷えを防ぐ断熱力
前述しましたが、テントで就寝するときに気をつけたいのが「底冷え」。底冷えは、地面と近い位置で就寝すると、下からの冷気を感じて冷えてしまうこと。
これを防ぐための指標が「R値」です。「R値」は、地面から受ける冷えを防ぐための目安の数値。R値が高いほど、冷気は感じづらくなります。
・1.0以上:春、夏 ・2.1以上:春、夏、秋
・3.3以上:冬 ・5.0以上:極寒地
上記はあくまで参考ですが、R値を決める目安です。表示の有無は商品やメーカーによりけりですが、季節ごとにマットを変えてみると、さらに就寝が快適になります。
エキスパートのアドバイス
使用方法などを念頭に置いて選ぼう
インフレーターマットは消耗品です。これは構造上仕方がなく、繰り返し使用するうちに、劣化してしまい、ある程度のところで寿命が来ます。そのため、使用方法、メンテナンス、保管方法など、少しでも長く使えるよう気にかけてください。
最初のインフレーターマットを選ぶ際も、そのことを念頭に置いておきましょう。
代表的なメーカー・ブランドを紹介
商品を選ぶ際は、どんなブランド・メーカーであるかも大切。本項では、キャンプや登山をはじめとしたアウトドアにおいて、代表的なブランドの特徴を解説いたします。
Coleman(コールマン)
1900年に設立したアメリカ発の老舗アウトドアブランド。取り扱っているのは、テント、タープ、ランタンバーナーなどたくさんのラインナップがあります。
もちろんインフレーターマットもあり、使い勝手抜群のシングルサイズ、カップルや家族でも使えるダブルサイズまで幅広いサイズ展開となっています。
さらに、自宅のマットレスで寝ているかのような極厚モデルもあり、目的に合わせて選べるのが魅力的なポイントです。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)
パール金属の創業者が、アメリカで見た「バーベキュースタイル」を日本にも広げたい! という思いからスタートした日本発のアウトドアブランド。手ごろな価格にもかかわらず、高品質な製品を数多く販売しています。
初心者向けの安価で軽量なモデルから寝心地、肌触りにこだわったインフレーターマットまで展開しています。
スノーピーク(snow peak)
スノーピークは新潟県に本社を置く、テントからキャンプ周辺アイテム、インナー・アウターウェアまで、幅広い製品を取り扱うアウトドアブランド。高い品質と、おしゃれなデザインが人気で、多くのアウトドアファンに支持されています。
インフレーターマットについては、「キャンピングマット」などのネーミングで1万円以下の快適なモデルから、3万円ほどの空気入れ・抜きが簡単な高機能モデルまで展開しています。
インフレーターマットのおすすめ13選
それでは、おすすめのインフレーターマットをご紹介いたします。すぐに各商品が見たい方は、下記のリンクをクリックしてくださいね。
▼キャンプや車中泊向けの快適タイプ
▼登山やツーリング向けの収納性タイプ
▼キャンプや車中泊向けの快適タイプ
それでは、インフレーターマットのおすすめ商品をご紹介いたします。まずは、キャンプや車中泊にピッタリな寝心地がいいタイプです。ぜひ参考にしてくださいね。
マットのふくらみ自由自在
連結ができるインフレーターマット。側面についているスナップボタンでつなぎ、ダブルサイズとして使うことも可能です。もちろんシングルサイズのままの使用でも、厚みや長さがあるので快適な寝心地です。
マットのふくらみが足りない場合は、付属の収納ケースで空気を送ることができるので、好みのふくらみ加減に調整できます。
コールマンの「キャンパーインフレーターマット ダブルセットII」は私も愛用している商品です。ワンタッチテントといっしょに車に積みっぱなしなので、公園でのピクニックに大活躍。
ボタンでつなげるタイプなのでずれる心配もなし。ドリンクや食べ物をこぼしてもサッとふき取れる素材なのでそこも重宝しています。
収納袋が空気れがわりになりますが、膨らますのに時間がかかるので、電動空気入れがあるとなお便利です。
ダブルにもシングルにもなる
便利な2枚組セットなので、つなげればダブルとして、別々にすればシングルとして使えます。テントの形状に合わせ、自在に組み合わせたり分けて使える便利な仕様。また、長さも約195cmと足元までカバーできる長さのため、快適に過ごせます。
収納時は2枚一緒にまとめて収納でき、かさばりにくいのもポイント。収納ケースは空気入れとして利用できます。
インフレーターマットの寝心地を追求したモデル
ポリコットン生地をシーツ部分に使用した肌触りの良さが特徴です。オートマチックエアバルブ機能もついているためエアバルブを開放すると自動的に膨らみ、仕上げに付属のエアポンプ機能付き枕で空気調整をすれば、あっという間にマットレスが出来上がります。
ウレタンの厚さが10cmとインフレーターマットと思えない弾力のあるマットレス。付属のキャリーバッグを使えばコンパクトに収納出来るため持ち運びも簡単です。
体の負担を極限まで軽減
睡眠中に体の各部位の沈み込む部分と沈み込まない部分の圧力を測り、マットレスの設計に生かしているだけあって、ストレスフリーで快適な睡眠を実現! 「まさかキャンプでこんなに快適に眠れるなんて」と感動するでしょう。
4シーズン対応のマットなので、季節ごとに買い替えなくていいのもうれしいですね。表面はストレッチニット素材で肌触りもよいマットです。
高密度のウレタンフォームでしっかり眠れる
中材に高密度のウレタンフォームを使用した、枕つきのインフレーターマット。車中泊にも便利なシングルサイズです。ひとりで広く眠りたい場合や、家族キャンプなどでは連結スナップを使用すると、ダブルサイズにもなります。
枕とマットはバルブが別についているため、別々に空気量の調節が可能。枕だけを高くして寝ることもできます。
家族で寝られるダブルサイズ
表面はフロッキー加工で、手触りが気持ちいいインフレーターマット。厚さも約5cmとしっかりあるので、寝心地も抜群です。バブルを開けると自動的に膨らみます。料理をしている間などに、放っておくだけでかんたん設置が可能。
ファミリーで利用できるダブルサイズ。裏面にはノンスリップ加工が施されているので、ずれ防止になります。
三段構造で寝心地快適
高密度ウレタンで地面の凸凹を感じにくく、三段構造で快適な寝心地を実現します。移動可能な枕も付属し、枕を別に持っていく必要がなく、足枕としても利用できます。ダブルサイズなので、ひとりで広々と眠りたい場合にもおすすめです。
バブルを開けると自動的に膨らみますが、直接息を吹き込むこともできるため、好みのかたさに調節できるのも便利です。
▼登山やツーリング向けの収納性タイプ
続いては、登山やツーリングなどにピッタリな、収納性・持ち運び性のあるタイプです。こちらもぜひ参考にしてくださいね。
肌にペタッとくっつきにくい洗えるシーツつき
4.5cmの厚さがあるウレタンマットはふかふかな寝心地です。裏面には滑り止め加工が施されているので、多少の傾斜でも滑りにくく安心。また、インフレーターマットにはめずらしい、洗えるシーツがついたブックカバー式 なので、取り外しもかんたん。いつでも清潔に使うことができます。
シーツの生地はポリコットンなので肌触りもよく、少し汗ばむ季節でも肌にペタっとくっつきにくく快適です。
3シーズン対応マット
自動で空気が入り、軽量かつコンパクトなインフレーターマット。空気の流れを最小限に抑えるため、フォームを斜めにカットすることによって保温性が保たれ、地面からの冷えを軽減してくれます。
とはいえ、真冬以外の3シーズンに対応したモデルなので、真冬の場合は寝袋とセットにするなど工夫が必要です。コンパクトなので車中泊のマットとしても便利に使えそうですね。
薄くても高弾力で快適な寝心地
ウレタンフォームが空気をたっぷり含んでくれるので弾力もあり、厚さ2.5cmでも快適な寝心地です。また、軽いので広げたままの移動もかんたんで便利。収納時は直径が約12cmと細長く、荷物と荷物の隙間にさっと入れることが可能なので、常時車に積んでおいても邪魔になりません。
バブルを開けると自動的に膨らむので、手間いらず! お子さんもお手伝いできますね。
高弾力で快適な寝心地
従来のモデルよりも厚みが増した極厚マットは、弾力もアップ。どうしても地面の凹凸を感じやすいアウトドアでは、弾力性があるほうがより快適に眠れます。縦のサイズが約190cmと長いので頭部分を折り返して枕代わりにもできますよ。
ワイドバルブなので、空気が早く入って設置もかんたんです。また、連結できるボタンがあり、家族やカップルの使用にも便利です。
KOOLSEN(クールセン)『エアーマット』
枕機能つきで快適睡眠
たまごのような空気の層でふかふか快適な寝心地を実現したインフレーターマット。耐荷重は200~300kgあり大柄な方でも安心です。耐水加工が施されているので濡れたタオルで拭くだけで汚れがかんたんに落ち、お手入れもらくです。
また、頭のほうは枕の役割をしてくれる形状。寝るときには枕が必須、という方にはうれしいポイントですね。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする インフレーターマットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのインフレーターマットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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厚さやサイズは用途に応じて
本記事では、テント泊や車中泊などで使用するインフレーターマットについて、基礎知識や選ぶポイント、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、『車移動を中心としたキャンプや車中泊など』か、『徒歩やバイク移動を中心とした登山やツーリングなど』か、どちらの使用をメインにするのかをしっかり確認しましょう。その上で、使用人数に合わせたマットのサイズや、その他の便利機能を確認することで、より寝心地のいいインフレーターマットを選ぶことができるはずです。
インフレーターマットを1枚敷くだけで、ゴツゴツした地面を避け、快適に寝ることができます。ぜひ本記事を参考に、自分のアウトドア用途にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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