製図用シャーペンは仕事や勉強に役立つ
「製図用シャーペン」は、こまかい作業を伴う図面の作成作業が効率的に行なえるように工夫されているシャーペンです。
専門家のアイテムというイメージもありますが、製図を考慮した書きやすさや使いやすさは、さまざまな用途に活用できます。ふだんの仕事や勉強に使えば効率が高まることもあるので、ぜひチェックしてみてください。
製図用シャーペンの選び方 専門家が解説
文房具ユーザーの他故壁氏さんに、製図用シャーペンを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
製図用なら先端の精度と重量バランスを確認
シャープペンシルで製図をされる方は減ったと思いますが、それでも学習の一環としての手書き製図はまだありますし、そのための製図用具もたくさん販売されています。
製図用ということであれば、まず先端に対して良好な視界を確保し、定規に密着し引きやすく安定した精度を持つ金属製のロングガイドパイプ製品を選びましょう(ガイドパイプ:芯をカバーしているシャーペンの細長い先端部分)
そこから先は、取り回しのしやすさや好みの重量バランスで選びます。軽いボディが好みであれば樹脂軸の製品を、低重心のものが好みであれば先端部分だけでなくグリップ部分まで金属でできた製品を、全体的に重いボディが好みであれば全体が金属軸の製品を選択しましょう。
筆記用なら先端を守る工夫とグリップに注目
一般筆記用に製図用シャープペンシルを選ぶ場合、気をつける点は「先端の保護」と「グリップの素材」です。製図用シャープペンシルはロングガイドパイプ製品が主流ですので、乱雑に扱ったり落下させたりするとかんたんにガイドパイプが曲がり、書けなくなってしまいます。先端を保護する機構が搭載されたものを選ぶと、事故が減ります。
また、一般筆記用と異なり、ラバーグリップ(柔らかいゴム素材を使ってすべり止め加工をした握り)の製品は少ないです。力を入れて書くとパイプが曲がる可能性もありますし、もともと製図では力を入れて文字を書くことはありません。
どうしてもラバーグリップ機能が欲しい場合は、すべり止めにゴム素材が使われているものを選ぶとよいでしょう。
いろいろな芯径を試してみませんか
製図用シャープペンシルには、一般筆記用より多くの芯径が存在します。最近は0.3mmなどの細い芯も強くなり、折れにくくなりました。この機会に、今まで使ったことのなかった細い芯径にチャレンジしてみることをおすすめします。
また逆に、太い芯径も普段と違う感触で楽しいものです。用途によって芯径も変えてみると、気分も変わってよりよい筆記ライフを送ることができるでしょう。
特に0.3mmと0.9mmは、使用した経験がない方にぜひ試していただきたい芯径です。ふだんと違う楽しさを味わってみてください。
握り心地が合えばローレット加工も視野に入れる
グリップ部分は、ラバーのものと金属に細かく凹凸を付けたローレット加工のものがあります。ローレット加工は比較的高級な製品に多く見られるため、憧れで選ぶ人がいるかもしれませんが、実は意外と好みが分かれるグリップです。
できれば事前に、ローレット加工の握り心地について、実際に触って確認しておきましょう。握り心地が合えば、ローレット加工を施した製図用シャーペンも安心して選択肢に入れられます。
できれば店頭で書き味や握り心地を確認しよう
製図用シャーペンは、インターネットで購入する方が、選べる種類も豊富で便利かもしれません。ただ、製図用シャーペンをまったく利用したことがないなら、実物を触ってみて試し書きしてみてはいかがでしょうか。
実際に書き味や握り心地を確認して、比較したほうが製図用シャーペンのイメージがつかみやすくなります。触らないまま購入して「こんなはずではなかった」という後悔のないようにしましょう。
重要なのは価格ではなく手になじむかどうか 文房具ユーザーからのアドバイス
文房具ユーザー
仕事や授業で製図を行う場合でも、一般筆記に使用する場合でも、まずは価格より「自分の理想とするバランスの製品か」を検討してください。高いからといって極端に高性能なわけではなく、文手になじむかどうかのほうが重要です。
また、最近のシャープ芯は性能が向上したため無駄に折れたり詰まったりする可能性は減りましたが、それでも芯詰まりが心配なことはありますよね。そういう場合は、製品の消しゴムにクリーナーピンが装着されているか確認してください。
これは製品によって、また製造の時期によって有無が左右されることがあるので、ここでは断定ができません。必要があればメーカーに問い合わせるなどしてみてください。
製図用シャーペンおすすめ20選 使い心地やグリップなど
ここまで紹介した製図用シャーペンの選び方のポイントをふまえて、文房具ユーザーの他故壁氏さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。





振って芯の出る個性派製図用シャープペンシル
製図用シャープペンシルを謳った製品で、振って芯が出る機構を備えているのは、2018年時点でこのテクトツーウェイシリーズだけです。1,000円と600円のタイプがありますが、ここで紹介するライトは樹脂素材の軽量タイプです。
ゼブラでは「フリシャ」と呼ぶ、振って芯の出る機構を持っています。またボディ中央のリングを回すことでフリシャロックがかかるので、持ち運んだ際に不意に芯が出ることを防止できます。
グリップには3本のゴムリングが入っていて、これで滑りを防止しています。一般筆記でも製図作業時でも、芯を出す行為で作業のリズムを崩したくない方には、これしかありません。

シフト機構でペン先を完全に守る
シフトは正確には製図用シャープペンシルを名乗っていない製品です。しかし実際には、ロングガイドパイプを持ち、金属ローレットグリップを装備した、製図用シャープペンシルの特徴を持ったシャープペンシルです(ローレット:金属にこまかい凹凸をつけて滑りにくくした加工)
ロングガイドパイプを持つシャープペンシルは、ペンケースに入れた状態で持ち運ぶときに振動や落下などの原因で「ペンの生命」とも呼べるパイプを曲げてしまうことがあります。
シフトはボディ中央にシフト機構があり、これをひねってロックを外すことによりグリップパーツが前方に移動します。さらにひねると再度ロックがかかり、ロングガイドパイプを完全に保護します。ペン先を傷めることを気にする方は、ぜひシフトを選択肢に入れてみてください。


シュノークシステムで好みの書き味に
プロユース171は、強い筆圧を掛けると芯が内部に沈み込んで折れを防ぐ「セーフティスライド機構」を搭載しています。
ただ、一般筆記では有効なクッション機能ですが、製図用シャープペンシルとして使う際にはむしろ邪魔なものです。本製品の特徴である「シュノークシステム」は、その「セーフティスライド機構」のクッションONとOFFを切り替える能力を持ちます。
また、ガイドパイプの長さも好みに変えることが可能です。口金が前方にせり出し、露出しているガイドパイプの量を調整できます。このため、使用後などはガイドパイプをすべて隠す状態にしておけば、ペンケース内でのパイプ曲がりなどの事故を防ぐこともできます。

クッション機能の切り替えで充実の筆記性能
ドイツの名門鉛筆メーカー・ファーバーカステルの高級製図用シャープペンシルです。
口金とグリップが金属製で、低重心設計です。グリップは他社の製図用シャープペンシルよりも細く、鉛筆に近い印象を受けます。金属に浅いリング錠の溝があるだけなのですが、指が吸いつくような感触で、筆記中に滑るようなことはありません。
金属グリップを捻ることにより、製図用の芯固定モード(hard)と一般筆記用の芯クッションモード(soft)に切換が可能です。また、回転繰り出し式の極細消しゴムをノックパーツに内蔵しています。細身の軸で低重心の製品をお探しの方にうってつけの製品です。

「製図用シャーペン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 製図用シャーペンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの製図用シャーペンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
製図用シャーペンに関連する記事のご紹介!
先端の精度や保護機能などに注意して製図用シャーペンを選ぼう
文房具ユーザーの他故壁氏さんへの取材をもとに製図用シャーペンの選び方とおすすめ商品をご紹介しましたがいかがでしたか。他故壁氏さんのアドバイスのように、用途に応じて先端の精度や保護機能などに注意しつつ、自分に合った製図用シャーペンを選びましょう。
製図用シャーペンをまったく触った経験がない場合は、一度実店舗で実物を触って、自分の好みはどういうタイプなのかを考えてみるのもひとつの方法です。
ぴったりの製図用シャーペンを購入して、製図や筆記を快適なものにしてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバー。 文房具ユーザーとして数多くの文房具に触れ、その便利さを世に伝えたいと切望する。 筆記具と紙、その周辺の文房具を中心としたパーソナル文具全般に興味がある。 コレクターではないので所有点数は多くないが、文房具は買ったら必ず試す。