IH炊飯器とは?【炊き方の違いも解説】
IH炊飯器は、炊飯器の外釜に張り巡らされているコイルに電流を流し、ジュール熱を発生させてお米を炊く炊飯器のこと。お米をよりおいしく炊き上げるほか、さまざまな炊き分けができるのがIH炊飯器の強みといえます。
主に、「IH炊飯器」と「圧力IH炊飯器」の2種類があります。一般的なのが「IH炊飯器」で、さらに圧力を加え、高温で炊き上げるのが「圧力IH炊飯器」です。
▼IH式の炊き方

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内釜自体を発熱させて、内釜全体にむらなく熱を伝えることができるのがIH炊飯器です。炊飯器の底部だけを加熱するマイコン式に比べて、高火力でごはんが炊けるので、シャッキリとした食感に炊き上がります。
圧力IH炊飯器と比較して価格もリーズナブルなので、売れ筋の人気炊飯器です。
▼圧力IH式の炊き方

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IHの炊飯方式に「蒸気の圧力」を加えて炊き上げるのが圧力IH炊飯器です。内釜全体を熱してふっくら炊き上げるだけでなく、圧力の力で食感のモチモチ感を出したりやお米の甘みを引き出すことが可能。
また、圧力機能があるため、ごはんだけでなく、そのほかの調理ができる機種も多いです。しかし、IH式よりも高機能なため、価格もさらに高価になります。
▼マイコン炊飯器との違いは?
炊飯器には圧力IH式・IH式のほかに、マイコン式もあります。マイコン炊飯器は底にある発熱装置で釜を温めてお米を炊きます。IH式は釜全体を加熱しますが、マイコン式は底だけです。
炊き上がりはふんわりとした食感になる一方、熱にムラが出やすいため、少量の炊飯向き。その分、安価な製品が多く、一人暮らしの方向けの製品と言えるでしょう。
IH炊飯器の選び方
それでは、IH炊飯器の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】炊飯できる容量
【2】内釜の仕様
【3】保温機能
【4】炊き分け機能があるか
【5】お手入れのしやすさ
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】炊飯できる容量をチェック
家庭用炊飯器の容量は、1升炊き、5.5合炊き、3合炊きが主流です。それぞれ用途に合う炊飯量の炊飯器を選びましょう。以下を目安に選ぶのがおすすめです。
・1升炊き:6人以上など大人数のご家庭
・5.5合炊き:3~5人のご家庭
・3合炊き:一人暮らしや世帯人数の少ないご家庭、ご飯の消費量が少ない方など
IH炊飯器は、一般的なIH圧力炊飯器よりも、多くのお米を炊く際に火力不足になることもあります。3合炊きの小容量のモデルなら、IH炊飯器でも充分な熱量をお米に伝えることができますよ。
【2】内釜の仕様をチェック
お米に直接熱を加える内側は、鉄釜や土鍋釜などメーカーごとにこだわりを持って作られている部分。内釜の仕様によって炊けるご飯のおいしさも異なるので、内釜から炊飯器を選ぶのもよいでしょう。
▼素早く熱を加える「鉄釜」
鉄素材でできた内釜の特徴は、発熱性が高いこと。熱を加えると、早く・全体に熱が行き渡るため、ツヤのあるお米の炊き上がりになります。
▼ふっくらととしたご飯に炊ける「炭釜」
炭素材でできた内釜の特徴は、炭自体が熱を発すること。ヒーターで熱を加えた後は内釜からも直接熱を発せられ、より効果的に加熱できます。また、遠赤外線も放射するので、お米の芯まで熱を加え、お米をふっくらさせます。
▼ムラなく炊ける「土鍋釜」
土素材できた内釜(土鍋)の特徴は、熱をため込む性質であること。内釜がヒーターの熱を逃がさずお米に伝えられます。また、加熱中は内釜に「土鍋泡」が発生し、その泡がお米をかき混ぜるため、ムラなく、ふっくらと炊き上げます。
【3】保温機能をチェック
保温状態にすることが多い場合は、保温機能が充実しているかをチェックしましょう。保温機能のなかで重要なのは、ごはんの乾燥やニオイ、黄ばみ防ぐ機能、すぐにおいしく食べられる再加熱機能などです。
保温可能な時間は12~24時間が中心です。なかには40時間まで長時間保温できるタイプもあるので、保温機能と機能ごとの保温時間、保温温度を確かめて選びましょう。
【4】炊き分け機能があるかチェック
炊飯器を活用するさいにあると便利な機能が「炊き分け機能」です。かためややわらかめなどの食感に合わせたり、炊き込みごはんやお粥など調理方式によって変えたりと、炊き分け機能があるだけでより好みの米飯を楽しめます。
さらに、モデルによってはお米の種類や銘柄に合わせて炊けるものもあります。米飯のおいしさを追求して炊飯器を選びたいなら、しっかりとチェックしておきましょう。
同じメーカーでも機種やシリーズによって炊き分け機能の内容は異なるので、どんなモードがあるのか確認し、ほしいメニューの入ったものを選びましょう。米の種類や銘柄に合わせて炊けるものから、甘み、香り、ねばりといったおいしいごはんに欠かせない要素を引き出す独自に開発したメニューまで幅広くあります。
おいしいと感じるごはんを追求するなら、食感を好みに合わせて炊けるタイプに注目してみましょう。
(★)ポイント:ケーキや煮込み料理などの機能もチェック!
炊飯メニューにはごはんを炊く以外に調理メニューのついたモデルがあるのでチェックしてみましょう。煮込みや蒸し料理に対応していればおかずも炊飯器で作れます。
ケーキメニューつきでは焦げ目のないふっくらケーキ作り、生地の発酵から焼き上げまで対応しているパンメニューつきならば食事パンや菓子パン作りが可能です。忙しい人はプレートを使って一度におかずまで仕上げられるタイプを選ぶと便利でしょう。
【5】お手入れのしやすさをチェック
パーツを外せる洗いやすいタイプの炊飯器は、ふだんのお手入れがかんたんです。庫内がフラットであれば、ごはん粒がついて汚れてもきれいに拭き取ることができます。
炊き込みごはんや調理に使ったあとは、内釜や内ぶたを洗ってもなかなかニオイが取れません。そうした炊飯器のニオイは、クリーニング機能のついたものを選ぶとラクにお手入れできるでしょう。
エキスパートのアドバイス
デジタル&家電ライター
おいしさ重視ならIHは必須
IH炊飯器はメーカーによってその立ち位置が大きく異なる商品。安さが売りのモデルもあれば、おいしさを求めた結果、IH炊飯器になったというモデルも存在しています。
そのため、選ぶ際にはなにを重視するか?が重要。おいしさ重視なら上位モデルにも圧力機能がない三菱電機が、保温機能が不要ならバーミキュラが候補となります。
また、すぐに手が届く価格帯でも選択肢は豊富です。こちらは機能やデザインで選ぶといいでしょう。
IH炊飯器のおすすめメーカー 炊飯器はどこのメーカーがいいの?
IH炊飯器は基本的な構造や機能は同じでも、メーカーによって炊き方などに特色があります。そこで、代表的なメーカーのIH炊飯器の特徴を解説していくので、メーカーから好みの炊飯器を選んでみましょう。
象印:コスパがよく高性能で扱いやすい
魔法瓶などで知られている「象印」のIH炊飯器は、使いやすさの目立つ性能が特徴。炊きあがりのよさやお手入れのしやすさなど、毎日使うからこそ使いやすい機能が充実しています。
底にあるセンサーによって温度をコントロールすることで、お米の水分を逃さず30時間までの保温も可能。炊いた直後も時間がたった後もおいしく食べられると人気のメーカーです。
タイガー:本格的な土鍋の炊き方を再現
「タイガー」のIH炊飯器の特徴は、炊飯器でありながら土鍋で炊いたようなふっくら感を再現しているところです。内釜に土鍋素材をコーティングしたものだけでなく、本物の土鍋内釜を採用したもでるもであり、手軽に本格的な味わいのご飯を楽しめます。
また、1合など少量でもおいしく炊ける機能を搭載することで、ひとり暮らしの家庭でも使いやすくなっています。
パナソニック:お米の種類から炊き方にこだわる
「パナソニック」のIH炊飯器の特徴的な機能は、細かな炊き分け機能です。固さと食感の組み合わせにより13通りの炊き分けができ、好みや食べやすさなどを考慮しておいしく炊けます。
さらに、全国の銘柄から厳選した58種類のお米の銘柄に合わせた炊き分けも可能です。お米本来の味を活かして炊けるため、お米にこだわる人ほど活用できます。
おすすめ商品の比較一覧表
IH炊飯器おすすめモデル
それでは、IH炊飯器のおすすめ商品をご紹介いたします。ご紹介するのは、一般的なIH式と、高機能な圧力IH式の2種類です。
▼おすすめ15選|IH式
▼おすすめ7選|圧力IH式
各種類のおすすめ商品をすぐに見たい方は、ぜひ上記のリンクをクリックしてください。
▼おすすめ15選|IH式
まずは、IH式のおすすめ商品をご紹介いたします。ぜひ参考にしてくださいね。
Panasonic(パナソニック)『IHジャー炊飯器 (SR-KT069)』














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Panasonic(パナソニック)『IHジャー炊飯器(SR-HB100-K)』














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Panasonic(パナソニック)『可変圧力IHジャー炊飯器(SR-MPW100)』
















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象印マホービン『IH炊飯ジャー 極め炊き(NW-VA10)』














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象印マホービン『STAN. IH炊飯ジャー(NW-SA10)』














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アイリスオーヤマ『銘柄炊きIHジャー炊飯器(RC-IK30)』
















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40種の銘柄をおいしく炊き分ける2020年モデル
あらゆるお米をおいしく炊き上げてくれる、アイリスオーヤマの銘柄炊きシリーズ2020年モデルです。おいしさの理由はふたつ。ひとつは、40種の銘柄を炊き分ける機能です。米粒の大きさや水分量によって、個別に火力や加熱時間を調整します。もうひとつは、4層構造の極厚の釜と、725Wと強い火力で上下から熱するパワーが理由です。
白米以外にも、雑穀米や玄米などにも対応しています。無洗米や早炊きのコースもあるので、忙しい人も助かるでしょう。
省エネモードにしておけば、約15%も消費電力を減らせます。押しやすく、わかりやすいパネルに、取り外してお手入れもしやすい内釜など、使いやすさにもこだわりありです。
アイリスオーヤマ『銘柄量り炊き IHジャー炊飯器 3合(RC-IA30)』














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アイリスオーヤマ『銘柄炊き IHジャー炊飯器(RC-IE30)』














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東芝『ジャー炊飯器(RC-6XM)』
















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東芝『炊飯器(RC-10VRP)』

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三菱電機『三菱ジャー炊飯器 本炭釜(NJ-SWA06)』

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三菱電機『三菱ジャー炊飯器 備長炭 炭炊釜(NJ-SEA06)』














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SHARP(シャープ)『IHジャー炊飯器 PLAINLYシリーズ 匠の火加減(KS-HF05B)』














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タイガー『IH炊飯ジャー 炊きたて(JKT-J102)』




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愛知ドビー『バーミキュラ ライスポット(RP23A-SV)』




















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自社製の鋳物ホーロー鍋とIHヒーターのセット
一般的な炊飯器とは異なり、独自に製造した鋳物(いもの)ホーロー鍋と専用のIHヒーターをセットしたIH炊飯器です。
鍋にお米と水をセットしてボタンを押すと、自動的にごはんが炊けます。鋳物ホーロー鍋の蓄熱性と密閉性の高さにより、炊きたてのごはんのおいしさはトップクラスです。
ただし、保温機能をはじめとして、やわらかめに炊くなどの食感を変える機能はありません。また、おかず調理ができるのも特徴のひとつ。ハイレベルな無水調理や低温調理がこの鍋ひとつでできます。
あくまで鍋なので、一般的な炊飯器のような使い方はできません。ごはんを保温しない、おかず調理にも使いたいといった方におすすめできる炊飯器です。
▼おすすめ8選|圧力IH式
続いては、圧力IH式のおすすめ商品をご紹介します。こちらも、ぜひ参考にしてくださいね。
アイリスオーヤマ『銘柄炊きIHジャー炊飯器(RC-IK50)』


















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タイガー『圧力IH炊飯ジャー 炊きたて(JPK-A100)』














出典:Amazon
タイガー『圧力IHジャー炊飯器(JPD-A060)』














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日立『ふっくら御膳 RZ-V100DM』












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日立『圧力&スチームIH炊飯器(RZ-BX100M)』

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アイリスオーヤマ『圧力IH炊飯器 銘柄炊き(RC-PD30)』
















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冷めてもおいしい&ヘルシーに変身
おいしさとヘルシーさにこだわりのある炊飯器です。高圧力によって約105度まで温度が上がるおかげで、冷めてもおいしいもちもちと弾力のある食感になります。
炊き方にはいろんな設定あり。たとえば、おこのみ炊きだと、3種類のかたさと3種類の食感を選べるので、同じお米でも9パターンの違った炊き上がりを味わえます。ほかに、すし飯やカレーなど、どんな料理を作るのかに合わせて、炊き上がりを変更できるモードも。おすすめしたいのが「食物繊維」モード。温度を調整して、食物繊維を約2倍も増加させて、ヘルシーなご飯に変身させてくれます。
ほかにも40種の銘柄によって炊き分けたり、無洗米・早炊きコースで時短調理できたり、省エネモードで約5%の消費電力を減らせたり……とかなり多機能です。圧力IHとしては値段も安いため、購入しやすい商品といえるでしょう。
象印マホービン『炎舞炊き(NW-KB10-BZ)』

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東芝『ジャー炊飯器(RC-10ZWP)』

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通販サイトの最新人気ランキングを参考にする IH炊飯器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのIH炊飯器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
炊飯器の寿命や処分方法について
【関連記事】炊飯器特集!
おいしく炊ける炊飯器を見つけよう!
IH式がどんな炊飯器なのかを知ると、どれを選べばいいのかも見えてきます。
同じIH式でも、圧力があるのとないのとでは食感に違いが出ます。容量のような基本的なことから、炊き上がりに関わる内釜の質、保温をはじめとしたさまざまな機能、お手入れのしやすさも考えるべきポイントです。メーカーごとにも強みが違い、それぞれに個性や魅力があります。
本記事を参考に、ぜひ自分が必要なポイントを見極め、ぴったりな炊飯器を見つけてくださいね。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
1973年生まれ。大学在学中にライターデビュー。現在はデジタル&家電ライターとしてパソコンからデジタルガジェット、AV機器、白物家電全般を専門分野として執筆活動を展開。得意分野は調理家電。寄稿先はモノ雑誌を中心で、ファッション誌、ニュースサイト、そしてメーカーのwebサイト、オウンドメディアなど多岐にわたる。AllAboutガイドも勤める。執筆以外に企業へのアドバイスやコンサルティングなども行う。