主要メーカー7社の特徴比較
炊飯器には各機能が有名なメーカーが主に7社あります。
炊飯器を選ぶ際は、まず大前提として、各メーカーごとの特徴・違いを知っておくことが大切です。大まかな特徴は下記になります。
メーカー | 大まかな特徴 |
ZOJIRUSHI(象印) |
「炎舞炊き」でふっくら仕上がる |
TIGER(タイガー) |
「土鍋釜」でふっくら&しっとり炊き上げる |
Panasonic(パナソニック) |
「おどり炊き」でお米を激しくおどらせ、甘みのあるお米に |
MITSUBISHI(三菱電機) |
「炭」を利用し、ふっくら炊き上げる |
HITACHI(日立) |
スチームの力でしっとりした美味しさに |
TOSHIBA(東芝) |
真空技術による炊き上がり時間と保存力が魅力 |
アイリスオーヤマ |
リーズナブルな価格と扱いやすい機能性が魅力 |
それぞれの特徴を解説していきます。ぜひ参考にしてくださいね。
■ZOJIRUSHI(象印)
象印は様々なキッチン家電を扱う有名メーカー。特に、圧力IH炊飯器は「炎舞炊き」をはじめ、釜の中で対流を起こし、お米一粒一粒に熱を加え、ふっくらとした炊き上がりにすることが特徴です。
また、保温機能にも強く、お米の味をしっかり引き出したあと、美味しさを維持することにも長けています。
■TIGER(タイガー)
タイガーは電気ポットや炊飯器などを中心とした家電を扱う有名メーカー。特に、土鍋釜を活用した圧力IH炊飯器は、ふっくらとした炊き上がりになることで人気です。
また、玄米や雑穀米など、白米以外のお米を、適切に炊ける「炊き分け機能」も人気。様々なお米を手軽に味わうことができます。
■Panasonic(パナソニック)
パナソニック炊飯器には「おどり炊き」機能が搭載されているのが特徴。IHの火力によって炊飯器のなかに対流を発生させ、お米を炊飯器のなかで激しくおどらせながら炊き上げます。これにより、ハリやうまみ、甘みのあるふっくらとしたお米が炊き上がります。
ほかにも好みのお米の食感に炊き分ける機能やお米の鮮度を見きわめて炊き分ける鮮度センシングなど、いろいろな機能が搭載されています。
■MITSUBISHI(三菱電機)
三菱電機の炊飯器の大きな特徴は、「炭」を利用した内釜と、かまどの高火力を再現した加熱構造にあります。
炭を利用した内釜は、IHと相性が良く、熱を瞬間的に取り込むため、一気に発熱し、大熱量でお米全体を加熱することができ、お米のうまみを引き出します。
各他社メーカーが、ハイエンドモデルとして圧力をかけて火力を出す「圧力IH式」を取り入れているのに対し、三菱電機はこの構造により、「炭」と「IH」で高火力を出力することが大きな違いです。
■HITACHI(日立)
日立(HITACHI)炊飯器の大きな特徴は、各機能で採用されているスチーム機能です。
炊き方の面では、圧力とスチームを活用し、お米ひと粒ひと粒を丁寧に炊き上げることで、「外硬内軟」となり、甘みをより感じられます。
さらに、保温の面については、6~7時間ごとに3回、保温をしながらスチームを送り込むことで、長時間、お米のしっとりとした美味しさを保つことができます。
■TOSHIBA(東芝)
東芝の炊飯器の大きな特徴は、独自の真空技術による炊き上げです。これは、炊飯器内の内釜を真空にし、圧力差によってお米に吸水させる技術のこと。
これにより、お米のうま味や甘さを最大に引き出すほか、吸水しにくい玄米や麦なども芯までふっくらと炊き上げる事が可能。炊き上がり時間が40分ほどと、他社メーカーと比べ、比較的早いのも魅力です。
また、保温機能にもこの真空技術が応用され、ご飯の保温時でも最大40時間までふっくらとしたお米を保ってくれます。
■アイリスオーヤマ
アイリスオーヤマの炊飯器の大きな特徴は、リーズナブルな価格です。
炊飯器のシリーズは全部で8種類(※)で、価格は2万円〜4万円ほど。ほとんどが2万円前後で購入でき、低価格なもので1万5000円ほど、最高機能のものでも4万円ほどです。
他社メーカーの炊飯器の場合、オーソドックスなモデルで2〜4万円程度、最高機能の商品で8万円〜10万円となることを考えると、リーズナブルな商品が揃っています。
さらに、「炊き分け機能」といったオーソドックスな機能性も搭載されており、シンプルに使いこなせます。
※『ヘルシーサポート炊飯器』は生産終了のため、8種類と記載しております。(2023/01/06時点)
炊飯器の選び方
それでは、炊飯器の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】炊飯容量の目安
【2】炊き方の違い
【3】お手入れのしやすさ
【4】便利機能
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】炊飯容量の目安をチェック
炊飯器は、容量ごとに3.5合、5.5合、1升(10合)といった炊飯容量があります。容量については、世帯人数に合わせて選びましょう。
●3.5合炊き(茶碗約7杯分)…1人暮らし、2人暮らしにおすすめ
●5.5号炊き(茶碗約11杯分)…3人家族、4人家族におすすめ
●1升炊き(茶碗約20杯分)…5人以上の大家族におすすめ
上記はあくまでも目安です。お弁当に使いたい、たくさん炊いて保存しておきたい、食べ盛りの子供がいるなど、家庭の状況に合わせて最適な容量を選びましょう。
【2】炊き方の違いをチェック
まずは、炊飯器の基本的な知識として、各炊飯器の種類についてご紹介いたします。種類ごとに美味しさが変わってくるので、ぜひ参考にしてくださいね。
▼マイコン方式

内釜の底のヒーターを加熱することで、お米を炊き上げる方式。最低限の機能が付いたシンプル構造なため、価格も安価なものが多く、またお手入れも簡単です。しかし、熱を発するのが底のヒーターのみのため、釜全体の熱は弱く、炊きムラが起きることもあります。
【 おすすめな人 】
「とにかく安いものが欲しい」「特にお米の味にこだわらない」という方にピッタリです。
■ メリット
・とにかく価格が安い
・手入れもラク
・コンパクトなタイプが多い
・最低限の機能のみのため分かりやすい
■ デメリット
・熱が弱い
・炊きムラが起きやすい
・付属機能がほぼない
▼IH方式

Photo by マイナビおすすめナビ
電磁力を用いて内釜を加熱することで、炊き上げる方式。内釜全体が同程度に加熱されるので、熱がお米全体に行き渡り、ムラのない、ふっくらとした炊き上がりになります。しかし、全体を電気の力で熱するため、消費電力が高いのと、本体価格も高価になりやすいのが難点です。
【 おすすめな人 】
「1人暮らしでも美味しいお米が食べたい」「ごはんの炊き上がりも含め、料理にこだわりがある」という方にピッタリです。
■ メリット
・ご飯がふっくら炊き上がる
・お米の一粒一粒がしゃっきりする
・炊きムラがしにくい
■ デメリット
・価格が比較的高い
・消費電力が大きい
▼圧力IH方式

IHの炊飯方式に「蒸気の圧力」を加えて炊き上げる方式。内釜全体を熱してふっくら炊き上げるだけでなく、圧力の力で食感のモチモチ感を出したり、お米の甘みを引き出すことが可能です。また、圧力機能があるため、ごはんだけでなく、そのほかの調理ができる機種も多いです。しかし、IH方式よりも高機能なため、価格もさらに高価になります。
【 おすすめな人 】
「お米のおいしさにこだわりたい」「今まで安い炊飯器を使っていたが、美味しく炊けるものに買い替えたい」「ごはんだけでなく、いろんな調理がしたい」という方にピッタリです。
■ メリット
・ご飯がふっくら炊き上がる
・お米の一粒一粒がしゃっきりする
・炊きムラがしにくい
・食感がモチモチする
・お米の甘みが出る
・その他の調理ができる機種もある
■ デメリット
・価格が高い
・サイズが大きい(1人暮らし用の炊飯器で比較した場合)
▼ガス式

ガス炊飯器はその名の通り、ガスによる加熱で炊飯を行うタイプ。電気式である「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」と違い、圧倒的な火力で炊くことができるため、芯まで一気に炊き上げられます。しかし、都市ガスやプロパンガスのどちらかのみでしか炊飯できません。購入間違えや引っ越しなどで契約ガスが変更すると使用できないので注意が必要です。
【 おすすめな人 】
「電気代を抑えたい」「強い火力で、おこげも楽しみたい」という方にピッタリです。
■ メリット
・お米の芯まで火を通せる
・食感がモチモチする
・火力が調節できるモデルならおこげも楽しめる
■ デメリット
・都市ガスかプロパンガスどちらかしか使用できない
・ガスの元栓から炊飯器が近くないと使用できない
・大容量が主流で、コンパクトな商品が少ない
本記事では、ガス式の炊飯器の商品は紹介しておりません。興味がある方は下記のリンクより、おすすめ商品をごらんください。
【3】お手入れのしやすさをチェック
お米はほぼ毎日使うことになる調理家電なので、お手入れのしやすさも重要なポイントになります。購入の際には、内蓋はかんたんに水洗いができるか、天面や庫内がフラットで汚れが拭き取りやすいか、などをチェックしましょう。
ただ、パーツが多すぎてもお手入れの手間がかかるので、自分ができる範囲のお手入れで炊飯器を選ぶ、という方法もあります。
【4】便利機能をチェック
上記で紹介した選ぶポイント以外にも、大切な機能はいくつかあります。ここでは、あるとより嬉しい機能についてご紹介いたします。ぜひ参考にしてくださいね。
(a)保温機能
数種類の保温機能があるものや、30時間を超える長時間の保温が可能なものがあります。日立やパナソニックの「スチーム保温」などが人気です。
(b)お米の種類、銘柄による炊きわけ機能
お米のブランドや種類(白米、玄米、麦飯など)、さらに少量だけでも美味しく炊けるなど、状況によって炊き分ける(炊き比べる)機能があります。パナソニックの「銘柄炊き分け」や三菱電機の「50銘柄芳潤炊き」、日立の「極上炊き分け」などがあります。
(c)用途、お好みで、炊き方を選べる機能
カレー用やお寿司用、もっちりやわらかめ、おこげの有無、など炊き方が選べます。また、毎日炊き具合を評価することで、最良の炊き加減を導く機能を搭載する炊飯器もあります。
(d)パン焼き、スロークッカー機能
パンが焼けたり、温泉卵、ケーキやヨーグルトが作れるものもあります。
長時間保温か、保温非対応機でも炊き上がり激ウマか
通常、炊飯器といえば保温機能を搭載しているものが一般的です。しかし、ごはんの保温をしないという使い方の人も多いでしょう。最新の炊飯器は12時間もしくは24時間程度ならおいしく保温することができます。保温機能を使わないなら、最初から保温機能を搭載しないモデルを選ぶことができます。バーミキュラ ライスポットをはじめとする保温非対応炊飯器は、炊き上がりの美味しさに特化しています。
炊飯器おすすめ24選
それでは、炊飯器のおすすめ商品をご紹介いたします。
▼ZOJIRUSHI(象印)
▼TIGER(タイガー)
▼Panasonic(パナソニック)
▼MITSUBISHI(三菱電機)
▼HITACHI(日立)
▼TOSHIBA(東芝)
▼アイリスオーヤマ
▼その他のメーカー
各種類のおすすめ商品をすぐに見たい方は、ぜひ上記のリンクをクリックしてください。
▼ZOJIRUSHI(象印)
▼TIGER(タイガー)
可変W圧力炊きでお米の美味しさを引き出す
背面がフラットで、360度どこから見ても美しく見えるという360度デザインを採用した炊飯器。
圧力IH方式を採用しており、熱流&熱封土鍋コーティングの内釜で、土鍋で炊いたようなご飯が楽しめます。
白米、玄米だけでなく麦めしメニューが充実しているのも特徴。大麦だけを炊いてサラダなどで食べられる、「ゆで麦メニュー」や玄米に含まれるGABAを増やして炊く、「GABA増量メニュー」なども注目です。
▼Panasonic(パナソニック)
少人数世帯に最適なスタイリッシュモデル
2段IHと側面・ふたヒーターでご飯を包み込んで炊けるコンパクトモデル。タッチキー&ガラスパネルによるスタイリッシュなデザインを採用しています。高温浸漬により、短時間で玄米が炊ける「玄米コース(時短)」を搭載しているのが特徴。また、炊飯以外の機能としてケーキコースを搭載しています。
▼MITSUBISHI(三菱電機)
▼HITACHI(日立)
▼TOSHIBA(東芝)
▼アイリスオーヤマ
▼その他のメーカー
デザイン性にこだわった匠の炊飯器
旧三洋電機で炊飯器を開発し、「炊飯器の神様」と呼ばれた下澤理如氏がプロデュースする、「匠の火加減」を実現した炊飯器です。「ふっくら」「しゃっきり」「極上」などの炊き分け機能を搭載。また、ヘルシーな蒸し野菜コースを搭載するのも特徴です。スタイリッシュなPLAINLYシリーズのデザインを採用しているので、この炊飯器のほかに同シリーズでレンジや冷蔵庫を揃えると、台所まわりに統一感を持たせることができ、おしゃれ感を演出できそうです。
コンパクトになった鋳物ホーロー鍋の炊飯器
自社製の鋳物ホーロー鍋を使った3合炊きの電気炊飯器。保温機能など搭載せず、シンプルにごはんが炊けるだけですが、高い密閉性と重たい負担による適度な圧力により、瑞々しくも引き締まったご飯が炊けます。また、炊飯だけではなくおかず調理機能も搭載。大容量の5合タイプと比べると鍋自体が小さいため、おかずの調理には制限がありますが、絶品の無水調理や低温調理が楽しめます。
【製品の特徴】
※バーミキュラ 『ライスポット』と同様です。
土鍋ならではのもっちり感と香り高さを楽しめる
伊賀焼の土鍋「かまどさん」を炊飯釜として採用した炊飯器。あえて IH ではなくシーズヒーターを採用し土鍋をしっかりと加熱して、高温でごはんを炊き上げることができます。炊き上がったごはんは土鍋ならではのもっちり感と香り高さが特徴。ガスコンロがない環境でも至福の土鍋ごはんが楽しめます。
糖質を最大35%カットしたごはんが炊ける
炊飯時に糖質が溶け出した水からお米をあげて、蒸気で蒸し炊きする独自のテクノロジーにより、大幅に糖質をカットできる炊飯器。最大35%カットできるため、ご飯を普通に食べても糖質制限ができます。また、メニューによって通常炊飯と糖質カット炊飯が選べるのも便利。ご飯の食感も3段階から選択できます。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る 炊飯器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの炊飯器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事では、炊飯器の種類や選び方、そして機種別のおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記の4つのポイントを抑えておきましょう。
【1】炊飯容量の目安
【2】炊き方の違い
【3】お手入れのしやすさ
【4】便利機能
日本の主食であるご飯。そんなご飯を炊くための炊飯器は、さまざまな種類があります。美味しさを求め、いろいろな機能やメーカーごとの特徴を抑えると、より食事が楽しくなるはず。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
1973年生まれ。大学在学中にライターデビュー。現在はデジタル&家電ライターとしてパソコンからデジタルガジェット、AV機器、白物家電全般を専門分野として執筆活動を展開。得意分野は調理家電。寄稿先はモノ雑誌を中心で、ファッション誌、ニュースサイト、そしてメーカーのwebサイト、オウンドメディアなど多岐にわたる。AllAboutガイドも勤める。執筆以外に企業へのアドバイスやコンサルティングなども行う。