特に初心者はランニングシューズ選びが重要な理由
何か運動を始める際、まずは軽いランニングからと考える方は多いでしょう。ランニングは、手軽に始められる運動ですが、実は足首や膝の関節に体重の約3倍ほどの圧力がかかる運動でもあることをご存じでしょうか。ランニングフォームが完成していない初心者が、ケガを防止し安定した走りを手に入れるためには、自分のレベルにあったランニングシューズ選びが欠かせません。地面からの衝撃を吸収し足が着地したときでも体がぶれないようにサポートしてくれるクッション性と安定性の高いシューズが理想のランニングシューズです。
初心者におすすめのランニングシューズの選び方 スポーツトレーナーが解説!
初心者向けランニングシューズ選びで失敗しないために、商品選びのポイントをチェックしておきましょう!ポイントは下記の5つ。
【1】サイズ(長さと足囲)
【2】ソールのクッション性
【3】アッパーの伸縮性
【4】足型のタイプ
【5】ブランド
上記のポイントを押えることで、自分にフィットした商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
自分の足のサイズにあわせて選ぶ
自分に合うシューズ選びの基本は、自分の足の長さと足の周径囲を測り、そのサイズに合わせて選ぶことです。
足長サイズ
ランニングシューズは小さすぎたり大きすぎたりすると走りにくくなります。足長(そくちょう)のサイズをチェックすることが大事です。サイズの目安は、シューズを履いたときに親指が1本入るくらいの余裕があること。つま先やかかとがシューズにぴったり当たってしまうのは避けてください。足がシューズのなかで安定していない場合は足長サイズが合っていません。
足囲(ワイズ)サイズ
ランニングシューズを選ぶときは足囲も大切です。親指の側面のでっぱっているところと小指の側面のでっぱっているところを一周させた長さを足囲といいます。
足囲のサイズは、E、2E、3Eなどと表示されているので、自分の足囲に合ったものを選んでください。実寸サイズ表で確かめるだけでなく、実際に試し履きしてチェックすることが大事です。
自分の足のサイズに合わないシューズで走り続けると、足関節や膝関節だけなく、ランニング時に身体を支える股関節に負担を掛け、腰痛を発症してしまったりすることもあります。またシューズ内で指先に負担を多く掛けることで内出血を起こすなどケガの原因になります。
周径囲を測る場合は、必ずソックスを履いて測定することが大事です。細かいようですが、ソックスの厚さやクッション性によっては、シューズメーカーにもよりますが、選ぶシューズがワンサイズ変わってしまうこともあるからです。
ソールのクッション性で選ぶ
ランニングシューズは自分の好みで選びがちですが、初心者ほど「クッション性」と「ソールの厚さ」にこだわった選び方をしましょう。基準は片足の重さが250~280gぐらいが目安で、ソールが厚いシューズの方がクッション性が高くなっています。シューズの重さはソールの厚さや素材で変わってきますので、初心者は軽いものよりもソールの厚さを重視して選ぶとよいでしょう。クッション性が高ければ足を衝撃から守れます。
屋外でランニングの練習をするうえで、アスファルトの上を走る事は避けられません。路肩を走る際に、地面からの衝撃を吸収してくれるクッション性に優れたランニングシューズは、靴底が厚く重量があるのが特徴です。
長距離ランが初めての方は、クッション性の高いランニングシューズを選んでください。クッション性に優れたシューズは、足関節・膝関節・股関節への負担を、最小限にしてくれます。
また、ハーフマラソンやフルマラソンなどの大会参加を目指す方も、まずは体への負担を考え、クッション性に重きを置いて作られているシューズを選ぶことをおすすめします。その中でも太腿やお尻の筋肉などの疲労を少なくできるミッドソールやアウトソールに優れたランニングシューズを選ぶとよいでしょう。
中上級者になったらクッション性と軽量性を
ランニングの中級・上級者は軽量のランニングシューズが適しています。ソールの部分が薄くて軽量のものを選ぶと軽快に走れます。
ソールが薄くて軽量のシューズでも耐久性とクッション性を合わせ持った商品がありますので、選ぶときにチェックしてください。
中級・上級者は初心者と違って走り慣れしていますが、基本はクッション性の高さを考慮して選ぶことが大事です。
アッパーの伸縮性で選ぶ
アッパーの素材は、フィット感や履き心地を大きく左右します。初心者ならやわらかく伸縮性のあるメッシュ素材のアッパーを選ぶとよいでしょう。アッパーの伸縮性は、シューズのフィット感と走りやすさに直結します。アッパーが硬い素材の場合、足の疲れや靴擦れの原因になることがあります。
またメッシュ素材のアッパーは、通気性にも優れています。シューズ内の蒸れを防いで快適な状態を長くキープしてくれます。
なお、ランニングシューズを購入する際には、試し履きすることが大切です。両足のシューズを試し履きして歩き、フィット感やホールド感を確認します。足の甲全体に圧迫感がなく、つま先とシューズの間に約1cmの空間があるかどうかもチェックしておきましょう。
自分の足のカタチにあったものを選ぶ
足の形にはエジプト型、ギリシャ型、スクエア型の3つのタイプがあります。シューズを選ぶときは自分の足のタイプに合わせてください。
エジプト型
親指が1番長く小指にかけて短くなるエジプト型は、日本人に最も多い足型です。親指が必要以上にシューズの先を圧迫するので、親指の先に「遊び」を持たせた、ワンサイズ大きいシューズを選びましょう。合わないまま履いてランニングを続けると、親指が人差し指に入り込む外反母趾になりやすくなります。
ギリシャ型
人差し指が親指よりも長く飛び出したギリシャ型は、比較的どのメーカーのシューズでも合う足型のため、シューズ選びに失敗することが少ないでしょう。足に合わないシューズでランニングを続けると、人差し指が圧迫されて、指先に血豆が出来たり、爪の中で出血して爪を剥がしたりすることもあります。
スクエア型
親指と人差し指の長さが同じスクエア型は、アッパーやトゥボックスが細めのものを避けてシューズを選ぶとよいでしょう。
自分に合ったブランドで選ぶ
ランニングシューズにはいろいろなブランドがあります。ブランドの特徴をチェックして選ぶのもひとつのやり方です。自分に合ったシューズをみつけるために、各ブランドの特徴を説明しましょう。
アシックス&ミズノ
アシックスもミズノも国産のブランドです。そのため日本人の足型を基準にしているので、日本人の足にフィットしやすいという特徴があります。
海外ブランドより価格的にも手ごろなものが多く、カジュアルなシューズから上級者向けのものまで幅広い製品がそろっています。
マラソン向けに開発されているので、長距離を目標にしている方に向いているブランドです。
アディダス
アディダスはドイツ生まれのブランドです。ランニングシューズだけでなく、街歩きのカジュアルな若者向けのシューズでも人気があります。
ランニング向きの製品として「ブースト」シリーズがあり、反発力の高さで走りをサポート。ランナー向けのシューズですが、カジュアルに履ける製品もあります。
自分の目指す走りに合わせて選ぶようにしましょう。
ナイキ
ナイキはアメリカ生まれの世界的な企業で、ランニングシューズだけでなくスポーツ用品全般を取り扱っている世界的なブランドです。
ほかのブランドのようにランニングに特化したシューズというイメージはありませんが、最近は上級者をターゲットにしたランナー向けのシューズが注目されています。
初心者にも人気なのが「ストラクチャー」シリーズです。
ニューバランス
ニューバランスもアメリカのスポーツシューズブランドです。カジュアルなタウンユース用のものからランニング上級者のものまで、バラエティに富んだ製品がそろっています。
気軽に履けるカジュアルなイメージがありますが、ランニングシューズとしては上級者向けの本格的なシューズも開発しています。
アディダスやナイキを選択しない方に好まれるブランドです。
海外製を買う場合はサイズ選びは要注意
ランニングシューズを選ぶときに注意したいのが、国内と海外とでは足型の基準が違うということです。同じサイズ表記であっても、国内と海外では基準が違うのでサイズも同じではありません。
同じサイズだと思って購入すると、大きすぎたり小さすぎたりすることはよくあります。海外のサイズ表記で選ぶときは、購入する前に試し履きをして自分に合うかどうか確かめましょう。
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タイムの測定が楽しくなる軽量シューズ
アディダスのファルコンランシリーズは、デイリーランにおすすめのサポート力がある一足。やわらかいクッションと軽量素材を使ったアッパーをあしらっていて、快適なフットワークを生み出します。
カラーデザインによって異なりますが、価格も5,000円以内で買えてしまうコストパフォーマンス。見た目がスタイリッシュで、おしゃれスニーカーとしても使えそうです。
コスパに優れたアシックスのエントリーモデル
豊富なサイズ展開と5種類のカラーバリエーションで、男女を問わず履けるシューズです。やわらかなクッションソールは、ランニング初心者にもピッタリと言えるでしょう。
地面をしっかり蹴ることができるグリップ力と、ワイドでゆったりとしたフィット感が特徴です。高い屈曲性で、スムーズなランニングをサポートします。
トランポリンのように弾む感覚を味わおう
BLAST BEYONDシリーズのなかで最も軽量なモデルがこの「VERSABLAST」。スマートなデザインで、機能性とファッション性を両立した一足です。ハーフブーティー構造のアッパーが快適なフィット感を生み出し、トランポリンのように弾む感覚を味わえます。
軽量ですが、アウターソールの摩耗しやすい部分にはしっかりとラバーを配置することで、耐久性にもこだわりました。
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ランニングの疲労感を軽減!
少ない力でより長く、より楽しく走れるように開発された新モデルです。アシックス独自の大胆な弧を描くソールを採用し、走行フォームにかかるエネルギーを少なくすることでランニングのエネルギー消費を抑えてくれます。
また、ミッドソールにはクッション性に優れた「FLYTEFOAM PROPEL」と軽量性に優れた「FLYTEFOAM」の2層構造を採用することで、スムーズでストレスのない走行が可能。まさに足運びをガイドしてくれるようにランニング時の負担を軽減してくれるシューズです。
高い反発力と軽量化を両立
「FUEL CELL」という軽量で高反発な素材を前足部に搭載した、次世代ランニングシューズです。さらに、アッパーの中足部には、新技術「TRACE FIBER」を採用し、フィット感と気持ちいい走り心地をもたらします。
クッション性・軽量性・フィット感の三拍子がそろった、初心者を含め幅広いランナーをターゲットにしたシューズです。
MIZUNO(ミズノ)『ランニングシューズ マキシマイザー 20』
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高グリップで安定感のあるランニングシューズ
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)は、山道など未舗装路を走るトレイルランのシューズづくりに長けています。そのトレイルランをベースにしたシューズなので、ランニング時、地面から伝わる衝撃を吸収するクッション性に優れています。
ソールには、足指のストレッチ感と地面を「噛む」力があると評判のビブラムソールを使用し、地面を「蹴る」生活活動そのものを、ランニングに昇華してくれます。
また、二層構造のソールによって重心が小指に掛かっても、内側に捻らないようにブレを抑える安定性があるのも特徴です。

日本人にフィットする万能シューズ
日本人の足型を基準に生産しているのが特徴のシューズです。クッション性の高さと安定性が特徴で、地面の衝撃から足をやさしく守り、安定した走りを可能にしています。はじめてでも走りやすく楽しくランニングできることでしょう。

クッション性に優れたランニングシューズ
クッション性に優れているのが特徴のアシックスのシューズ。シリコンを特殊加工した衝撃吸収材をインソールに使ったり、衝撃を和らげ反発性を高める素材を導入するなど、クッション性を高めるために優れた技術を駆使。
また、日本人の足型を研究することで、日本人に合ったシューズを実現できるように日々改良を重ねています。

蹴り出しをサポートする高反発シューズ
アウトソールに使用されているReebok(リーボック)独自のフロートライドフォームは、クッション性に優れています。さらに、反発性を兼ね備え、地面から足へ伝わる衝撃や負担を減らし、踏み込んだあとの「二歩目」が出しやすくなります。
また、かかとを柔らかく包み込むフィット感を保持しながらも、ほかのメーカーのシューズと比べると、シューズ全体の軽量化に優れているのも特徴です。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ランニングシューズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのランニングシューズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
試し履きする場合のチェックポイント
本当に自分にフィットするシューズを見つけるために、試し履き時に注意しておきたいポイントをまとめてご紹介します。
試し履きに適した時間
シューズを購入するときには試し履きをしますが、足は朝と夜ではむくみ方が違います。朝に測ったサイズよりも夜に測ったほうがむくみでサイズが大きくなります。
試し履きするなら、実際にランニングシューズを使用する時間帯に合わせてください。お昼にランニングするならお昼の時間帯に。マラソン大会に出場するなら、開催時間に合わせて試し履きをするのがおすすめです。
試し履き時は必ずソックスを着用する
ランニングシューズはフィット感が大切なので、ランニングのときに履くソックスを着用して試し履きしましょう。ソックスの厚みが変わると、シューズを履いたときのサイズ感も変わります。
ランニング用の靴下は、普通の靴下とは異なり、走りをサポートするための機能がいくつもついています。土踏まずを持ち上げるアーチサポート、アキレス腱を衝撃や摩擦から守るアンクルサポート、シューズと靴下のフィット感を高める滑り止めなどです。
薄手の靴下は、地面を蹴る感覚が足に伝わりやすいため、スピード練習やレース向きです。厚手の靴下は、地面からの衝撃を緩和してくれるため、長距離に向いています。シューズの試し履き時に着用できるよう、自分に合ったランニング用の靴下を選んでおきましょう。
かかとのホールド感をチェック
試し履きするときのポイントはかかとのホールド感です。つま先をぴったり当てて、斜めにして履いてください。足の甲を包むように靴紐を引っ張るとフィット感がチェックできます。
またチェックするだけでなく、実際に動いてみることが必要です。動いてみると足の指が当たって痛いなどこまかな点までフィット感を確認できます。
バランスと安定性をチェック
ランニングシューズは履いたときのバランスや安定性も重要なポイントです。シューズを上からみると、バランスなどをチェックできます。
上からみて足の甲を覆うアッパーの部分よりソールの方が大きい場合、靴底が広いので安定性がありバランスがとれています。
上からみてソールの部分がアッパーに隠れてしまうと靴底が狭いので、安定性とバランスに不安が残ります。
ランニングシューズそのほかのおすすめ
自分の足型やレベルにあわせてシューズを選ぼう スポーツトレーナーからアドバイス
初心者は必ず実店舗で店員さんに相談してから購入!
日本で販売しているシューズは、メーカーそれぞれの知恵と技術開発の結晶と言っても過言ではありません。そのため、シューズ自体の性能には大きな差がありません。つまり、走る側の足型や脚力、体力などが問題になってきます。
人の足型もさまざまなように、シューズのタイプもさまざまです。どのシューズにどのような走りが合うかはそれぞれ異なるため、マラソン初心者の1足目としては、インターネットで情報を収集し、実店舗で実際にシューズを目にして手に取って、五感をフル活用して購入すると良いでしょう。
健康を目的としてランニングを始めるのか、ゆくゆくはフルマラソンの参加を目標にするのか、気に入ったメーカーのシューズに出会ったら、その場にいるショップ店員さんと一緒になって、目的に合ったシューズを選ぶと良いでしょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒業後、立命館大学に進学。立命館大学在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養学修士課程を経る。 現在は、女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、フィットネストレーナーの育成、生涯フィットネスに関する講演や運動指導などを行う。 健康管理士一般指導員、健康運動指導士、京都造形芸術大学非常勤講師。大相撲の貴乃花親方との共同開発プログラム「シコアサイズ」を販売。株式会社フィットネス・ゼロ代表取締役。シェアスタジオ「コア・フォレスト」フィットネス・ゼロ公式オンラインレッスン運営責任者。 フルマラソン歴21年。ベストタイムは2 時間45 分01 秒。 2010年より、国内外のマラソン&ランニングイベントにワーケーション参加する“旅ラン”企画を実施し、各メディアに記事を出稿している。