シャープナーとは? 砥石との違いも解説
包丁研ぎ器には、「シャープナー」と呼ばれるものと「砥石」と呼ばれるものがあります。シャープナーは、簡易的に包丁が研げるアイテムですが、刃先をキズつけることで一時的に切れ味をよくしており、切れ味が長続きしないというデメリットも。一方砥石は、使い方が難しいものの切れ味が長く持続します。
それぞれの特徴を理解して、用途にあわせてシャープナーと砥石を使い分けるといいですよ。
包丁研ぎ器の選び方
包丁研ぎ器は簡単手軽なものからプロ仕様まであります。ご自身の使いやすいものを見つけるため、料理研究家の指宿さゆりさんに取材のもと、包丁研ぎ器の選び方を教えていただいたのでご紹介します。
ポイントは下記。
【1】種類
【2】素材や形状
【3】粒度
【4】安全性
【5】使う場所や収納する場所
【6】初心者は安い価格の包丁研ぎ器から
それぞれ解説していくのでチェックしてみましょう。
【1】包丁研ぎ器の種類で選ぶ
包丁研ぎ道具には、「手動式シャープナー」「電動式シャープナー」「砥石」「研ぎ棒」のおもに4種類があります。それぞれの使い方やメリット・デメリットを押さえておきましょう。
手動式シャープナー|初心者でも使い方が簡単
手動シャープナーは、研ぎ口に包丁の刃を入れ、一定方向に刀をスライドさせて研いでいくタイプ。削るのではなく、包丁の刃をこすって細かく荒らすことで切れ味を取り戻していきます。
使い方が簡単なので、初心者や日常的にサクッとお手入れしたい人におすすめ。ただし、砥石で研いだ場合と比べて切れ味の持続性は劣ります。
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電動式シャープナー|より時短で研げる
仕組みは手動タイプと同様ですが、電動包丁研ぎ器なので何度も刃をスライドさせる必要がなく、より力をかけずにスピーディに研ぐことができます。
本体自体は高価にはなりますが、「手動ではなかなかうまく研げない」「力に自信がない」「できるだけ時短で簡単に包丁を研ぎたい」という方におすすめです。ただし、手動タイプと比べて動作音が大きいので注意しましょう。
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砥石|包丁の切れ味をしっかり取り戻せる
本格派におすすめしたいのが「砥石」です。砥石を包丁に擦りつけて研ぐタイプで、刃に角度をつけて削ることで薄くしていきます。
使い方にコツが必要で時間や手間もかかりますが、しっかり研げば包丁本来の切れ味が戻るのがポイント。また、片刃と両刃のどちらにも対応可能です。プロ仕様の商品も多く販売されています。
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研ぎ棒|コツが必要。ハサミやピーラーにも使える!
研ぎ棒は、その名のとおり棒状の包丁研ぎ器です。片手に包丁を持ち、もう片方の手で研ぎ棒を持ち、
包丁の刃と棒の面部分を撫でるようにして研いでいきます。
最初のうちは角度や力加減などコツが要りますが、慣れれば手軽に包丁研ぎが行なえます。軽量・コンパクトなので収納しやすい点もポイント。包丁以外にもハサミやスライサーなどに使えるのも便利です。
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【2】包丁の素材や形状に合わせて選ぶ
包丁にはステンレス、鋼、チタン、セラミックなどさまざまな素材が使われています。
家庭用包丁として一般的なステンレス包丁はとてもかたく、砥石で研ぐのは時間がかかります。そのためシャープナーの使用がおすすめ。そのほか、チタン包丁とセラミック包丁も硬度が高く砥石での研ぎなおしが難しいです。
この場合は、チタン・セラミック対応のシャープナーを選びましょう。一方で、鋼は比較的砥石で研ぎやすい素材なので、砥石とシャープナーのどちらを使用してもいいでしょう。
また、両刃、片刃など包丁の形状にも着目。文化包丁や三徳包丁は両刃、柳刃包丁や出刃包丁は片刃包丁です。砥石はどちらでも研げますが、シャープナーは両刃対応のものがほとんど。
片刃包丁をシャープナーで研ぎたい場合は、片刃対応のものを選ぶ必要があります。なかには片刃・両刃兼用商品もあるのでチェックしてみてください。
【3】粒度をチェック
砥石を使うときは知識とコツが必要。砥石は用途に応じて荒砥石や中砥石といった種類があり、それぞれ番手(#○○○と表記)と呼ばれる数字で区別されています。数字が大きいものほど砥石の粒度が細かく、より鋭く研ぎ上げることができます。まずは「荒研ぎ」「中研ぎ」「仕上げ研ぎ」の3段階があることを知っておきましょう。
●荒研ぎとは、粗い研ぎ器で刃こぼれなどを整えること・・・「荒砥石」を使用(番手#80~400程度)
●中研ぎとは、一般的に利用される切れ味をよくする工程のこと・・・「中砥石」を使用(番手#400~1500程度)
●仕上げ研ぎとは、細かな研ぎ器の摩擦で仕上げること・・・「仕上砥石」を使用(番手#3000以上)
【4】安全性から選ぶ
コンパクトで軽いものが多いですから、刃物を取り扱ううえで大きな怪我につながらないよう充分に気をつけてください。
電動の場合は力を入れる必要がないので心配は少ないですが、手動式シャープナーや砥石の場合は、ハンドルや下部に滑り止めがついているか要チェックです。また、研ぎ棒の場合は、周囲に人がいないことを確認して使うようにしてくださいね。
【5】使う場所や収納面も考慮して選ぶ
砥石での包丁研ぎは、摩擦を軽減するためにキッチンで水をかけながら行ないます。一方でシャープナーは水要らずなのでどこでも使用可能。ただし、電動式なら電源の確保が必要なので、研ぎ場所があるかをあらかじめ確認しておきましょう。
包丁研ぎ器に限らずたくさんのツールを一括で管理しているキッチンは、どうしても雑多になりがちです。包丁研ぎ器を購入するときには、収納スペースを確保したうえで、収まるサイズ感かどうかもチェックしましょう。
【6】初心者は安い価格の包丁研ぎ器からはじめて
包丁研ぎ器の値段は、100均でも購入できる安いものから高級なものまでピン切りです。
もちろん高級なものの方がよく研げるのですが、「はじめて包丁研ぎ器を購入する」「今まで包丁研ぎ器を使ったことがない」という方は、いきなり高価な包丁研ぎ器を購入するのではなく、まずは手ごろに購入できる包丁研ぎ器を選ぶのがおすすめ。
値段の安い包丁研ぎ器は、何度か繰り返し使っているといずれは劣化してしまいますが、いくつか試すことで自分が使いやすい包丁研ぎ器を見つけるための基準が分かるでしょう。
一方、ふだんから頻繁に料理をする方、何度か包丁研ぎ器を買い替えている方であれば、多少高価でも切れ味や使い勝手のいい長く愛用できるタイプを探しましょう。最初は高い金額に感じるかもしれませんが、長期的に考えれば買っておいて損はないはずです。
包丁研ぎ器のおすすめ
ここらは、おすすめの包丁研ぎ器を、手動式シャープナー、電動式シャープナー、砥石、研ぎ棒の種類別に紹介していきます。自身の使い方に合った包丁研ぎ器を見つけてくださいね。
こちらからすぐチェック!
▼おすすめ11選|初心者でも扱いやすい「手動式シャープナー」
▼おすすめ4選|時短で研げる「電動式シャープナー」
▼おすすめ5選|本来の切れ味を取り戻せる「砥石」
▼おすすめ3選|ハサミやピーラーの刃も研げる「研ぎ棒」
▼おすすめ11選|初心者でも扱いやすい「手動式シャープナー」
まずは、はじめての方でも簡単に扱える、手動タイプのシャープナーです。一定方向にスライドさせることで包丁を研ぐことができます。
3つの工程で仕上げることで鋭い切れ味へ導く
これひとつで3パターンの研ぎ方ができるので、研ぎ方や仕上がりにこだわりたい人に向いている商品です。「粗刃付け」、「刃角落とし」、「仕上げ」という3つの工程を経て包丁を研いでいくことで、鋭くなめらかな仕上がりへ導いてくれます。
こちらの商品は洋包丁(両刃包丁)専用の研ぎ器ですが、同ブランドからは片刃用の包丁研ぎ器も展開されています。それぞれ包丁の性質を生かした異なる構造になっているため、お手持ちの包丁の種類に合わせて、最適なものを選んでください。
手軽に使える包丁シャープナー
手ごろな価格で使いやすい簡単包丁研ぎを探している方におすすめのシャープナーです。ヨーロッパ、アメリカに次いで日本で特許を取得した京セラ製ファインセラミックホイールを採用しています。
軽い力で包丁をシャープナーに合わせて前後させるだけで、簡単に切れ味が蘇ります。本体も軽いので、包丁の切れ味が悪いかな? と思ったときにさっと取り出し、手軽に研げるのが大きな魅力です。
冷蔵庫にも貼れるマグネットタイプの包丁研ぎ器
キュートな魚型の包丁研ぎ器で、思わず手にとって使いたくなるデザイン。包丁研ぎ器にはめずらしく裏側がマグネットになっていることもポイントです。
マグネット式なら冷蔵庫やラックなど目に付くところにペタッと貼っておくことができ、収納の場所も取りません。安い値段なので、はじめてシャープナーを購入する、お試ししたいという人にもぴったりです。
水に濡らす「水研ぎ式」で簡単!
こちらは水研ぎ式のシャープナーです。水に濡らすことで摩擦を軽減し、スムーズに包丁を動かすことができます。
荒砥石・中砥石・仕上げ砥石の3工程に分かれており、それぞれ7~8回ほど前後に動かして研ぎます。簡単な作業で、新品の包丁のような切れ味に!手軽に包丁研ぎをしたい方におすすめの逸品です。
片手でラクラク包丁研ぎ!コンパクトでかわいい
こちらのシャープナーは片手で包丁研ぎができるすぐれもの!その秘密は、底面が吸盤式になっていること。レバーを下げればしっかり固定されるので、片手でも安定して研げます。
台所のシンクに設置しておけば、いつでも気づいたときに包丁研ぎができるので便利!粗目と仕上げ砥石の2段階で、シャープな切れ味に蘇ります。
ストーンバリア包丁専用研ぎ器できれいに仕上げよう
ストーンバリア包丁を研ぐために開発された包丁シャープナーで、材質に合った効率的な研ぎ方、そして理想的な仕上がりが叶えられます。粗研ぎ、そして仕上げ研ぎと、段階を踏みながら鋭い切れ味へ導くことも可能。もちろん、ストーンバリア包丁以外の包丁にも使えます。
本体の構造はコンパクトで、握りやすいソフトグリップ仕様になっています。テーブルと接する底部分にはラバーが仕込まれているため、包丁を研ぐときに滑ってしまうトラブルも起きにくく、安全に取り扱うことができます。
タイプの違うさまざまな包丁に対応できる優れもの
これ一台があれば、出刃・柳刃などの片刃包丁、鋼包丁、ステンレス包丁などいろいろな種類の包丁を研ぐことができる優れもの。簡単に研ぐことができるので、女性の方でも心配いりません。タンク内に水を入れて使うので、研いだあと、粉も飛び散らないのもポイント。
いろんなジャンルの料理をする方で、さまざまなタイプの包丁を使い分けているという方におすすめです。
数秒で包丁の切れ味が復活!独特なフォルムの研ぎ器
フランス生まれで、あらゆる包丁やナイフも2回引くだけで研ぐことができる、とてもシンプルで画期的な商品。電動研ぎ器のように包丁の角度設定など面倒な操作いらずで、包丁やナイフだけでなく、さらに小さい爪切りなど、あらゆる刃物を研ぐことができます。
自動的に刃あわせするための砥石が内蔵されているので正確に研げるというメカニズム。刃の小さなものや分厚いものを研ぐためのミニシャープナーも同梱されています。
グローバル包丁専用のシャープナー
グローバル社のステンレス両刃包丁専用のシャープナーです。包丁をなかに入れて、回転する砥石にあてることによって、刃を簡単に研ぐことができます。簡単に研げる秘密は、砥石の軸受けにバネが搭載されており、刃先にかかる力のバランスをとるような機構上の工夫から。
また水を用いて研ぐことで、砥石の目詰まりを抑えるようにしており、砥石の手入れがとてもラクです。
一品三役のシャープナー!
荒研ぎ、中研ぎ、仕上げ研ぎの3種類が備わった手動式シャープナー。刃をセットして手前に引くだけで安全に包丁を研ぐことができます。持ち手も付いているので、滑りにくくスムーズに行えますよ。
これ1つさえあれば、いろんな包丁の切れ味をアップすることができます!
▼おすすめ4選|時短で研げる「電動式シャープナー」
続いて、電動タイプのシャープナーのおすすめ商品を紹介します! 電動式のなかでも短時間で研ぎやすく、お手入れのかんたんなものを揃えたのでぜひチェックしてみてください。
▼おすすめ5選|本来の切れ味を取り戻せる「砥石」
続いて、料理好きの方、包丁の切れ味をしっかりと取り戻したい人におすすめの砥石を紹介します。
▼おすすめ3選|ハサミやピーラーの刃も研げる「研ぎ棒」
最後に、コンパクトで使いやすい研ぎ棒のおすすめを紹介します。ハサミやピーラーなど、包丁以外の刃物にも使えるので重宝しますよ。
「包丁研ぎ器」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 包丁研ぎ器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの包丁研ぎ器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
砥石の使い方
砥石はまず5分間ほど水に浸けたあと、濡れふきんの上に置き、滑らないよう固定してから使います。そして包丁を砥石に擦りつけて、手前から奥へ押すように磨いていきます。
日々のメンテナンスは基本的に仕上げ研ぎで十分ですが、料理が好きな方であれば定期的に荒研ぎや中研ぎを行ない、切れ味を蘇えらせることが大切です。
包丁の寿命は? 長持ちさせるお手入れ方法
包丁もその品質により寿命はさまざまです。もちろん高級な包丁ほど、定期的なお手入れで長く愛用することができます。刃こぼれがひどく切れ味が悪くなった包丁は、包丁研ぎ器を使ってよく切れる包丁に戻すことが可能です。
プロの場合は毎日包丁を研ぎますが、一般家庭ではあまりに頻繁に研ぎすぎると刃がどんどんすり減っていき寿命を縮める原因に。基本的には1カ月に1度の頻度で研ぐのがいいとされているので、包丁の使用頻度や状態を見ながら適宜メンテンナスをして、できるだけ長く使用できるようにしましょう。
料理研究家からのアドバイス
料理研究家/料理講師/ケータリングプランナー
包丁はそのものの性能も大切ですが、包丁研ぎ器によって切れ味が左右されるといっても過言ではないでしょう。包丁の切れ味がよくなれば、料理の完成度も高くなります。切れ味の悪い包丁に慣れてしまうのはよくありません。
食材がキレイにカットできれば、調理のスピードも早くなりますし、盛り付けたときの印象もよくなるはず。長きにわたって愛用できる包丁研ぎ器を見つけるために、まずは手ごろな価格のものから試してみましょう。
包丁のおすすめ商品はこちらで紹介
長く愛用できる包丁研ぎ器を見つけよう
料理研究家の指宿さゆりさんへの取材をもとに包丁研ぎ器の選び方とおすすめ製品をご紹介しました。毎日使う包丁だからこそ、綺麗に切れないとストレスがかかります。いつでも新鮮で使いやすい状態を保ちたいものですよね。包丁研ぎ器を使いながらこまめに手入れをしていれば、デリケートな包丁も購入したばかりの切れ味を長くキープできます。
価格、サイズ、研ぎ器の構造、素材、収納場所などさまざまな要素を踏まえて比較しながら、自分にとって使いやすい包丁研ぎ器を見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
神戸出身。アメリカなどでパーティ料理やオーガニックを学び、2002年に「菜々食CookingClass」を主宰。卒業生による教室開設やカフェ開業実績も多数。 企業向けのオリジナルレシピ開発を行う「レシピ制作専門スタジオ」では料理部門の代表として、料理動画のメニュー監修、タイアップ企画レシピ、連載レシピコンテンツ、飲食店のメニュー開発などに従事。また、大の蕎麦好きでもあり、蕎麦に関するグループも運営中。