簡易チャイルドシートの選び方|公認チャイルドシート指導員に聞く
自動車生活ジャーナリストで、公認チャイルドシート指導員でもある加藤久美子さんに、簡易チャイルドシートを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。
簡易型は体重9kg以上の「幼児・学童」が対象
自動車生活ジャーナリスト
簡易型チャイルドシートにはさまざまなタイプがありますが、中心となっているのは学童用のジュニアシートです。背もたれつきのタイプで、幼児から使えるものもあります。
およその目安としては体重9~36kg前後、年齢でいうと1.5歳~12歳くらいまでが対象です。乳児用はありませんのでご注意ください。
また、乳児をチャイルドシートに乗せず、抱っこして乗せることは危険ですので、絶対にやめましょう。
安全基準に適合していることを確認して
自動車生活ジャーナリスト
チャイルドシートを選ぶ際、絶対に忘れてならないことは、欧州のチャイルドシート安全基準であるECE R44に適合しているかどうかを確認することです。この安全基準は日本でも採用されており、現在この基準を満たしていないチャイルドシートを販売することができません。
ところが、一部の通販サイトで基準を満たしていないチャイルドシートが販売されていることがわかり、国も注意を呼び掛けています。
安全基準を満たしている製品には「Eマーク」がついています。万が一の際、役に立たなくては意味がありませんので、必ずマークを確認しましょう。
リーマン『リーマンジュニアEX』
最新の安全基準ECE R44/04にいち早く適合した商品。チャイルドシート専業のメーカーとして実績があり、信頼できるのもポイント。
>> Amazonで詳細を見る実家の車やママ友の車に乗る機会が多い人に
自動車生活ジャーナリスト
簡易型チャイルドシートは軽量で持ち運びがかんたんです。また、多くの簡易型チャイルドシートは装着も容易なので、メインで使う車には背もたれのついたしっかりしたチャイルドシートを使用し、簡易型はサブとして用意するのがおすすめ。
とくに、車をよく乗り換える人、実家の車やママ友の車に乗せてもらう機会が多い人には、簡易型シートが便利でしょう。
ダッドウェイ『マイフォールド』
約700gと軽量で、持ち運びやすいシート。座面の幅やベルトの高さを変えることができるので、子どもの成長や乗車する車に合わせて調整できるところが魅力的です。
>> Amazonで詳細を見るほとんどの車に適合するのが簡易型のポイント
自動車生活ジャーナリスト
ISO-FIXやベルト固定の一般的なチャイルドシートでは、車との適合を事前に確認することが必要です。なかには、ベルトの長さが足りない、サポートレッグが当たる部分の強度が足りないなどの理由で、車に装着できない場合があります。
しかし、簡易型であれば汎用(はんよう)性が高いので、3点式シートベルトが装備されている車であれば、ほとんどの車のシートに使えるはずです。
心配な場合は、簡易型シートメーカーの公式サイトの車種適合表などで確認しましょう。シートメーカーのお客様相談室などに電話をして確認すれば万全です。
ブースターシートは身長120㎝を超える子に
自動車生活ジャーナリスト
学童を対象とした簡易型ジュニアシートのなかには、背もたれがなく座面だけの「ブースターシート」と呼ばれるものもあります。
しかし、ブースターシートは、ヘッドサポートやショルダーサポートもついていないので、横転したり強い衝撃を受けたりすると、小さな子どもはシートベルトの間から抜け落ちる危険があります。
ブースターシートの使用は、身長が120㎝を超えてからをおすすめします。
子どもの安全を守るために! 簡易チャイルドシート選びはこれもチェック
簡易チャイルドシートを選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントをご紹介します。
あなたがお探しの簡易チャイルドシートは? 特徴のちがいを知ろう
簡易チャイルドシートといっても、さまざま種類があるうえに、チャイルドシートごとに特徴が異なります。あなたが商品を選ぶときに重視するのはどのようなポイントでしょうか?
何を重視しようかまだ悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
軽量コンパクト設計
簡易チャイルドシートを探している人の多くは、車に乗る人数によって取り外したり、他人の車に乗せてもらうために持ち運んだりすることを想定しているのではないでしょうか。そうした場合、シートの軽さやコンパクト性は重要なポイント。
安全性を確保しながら、かなりの軽量化を図った商品や、コンパクトに折りたたんで持ち運べる製品もありますので、チェックしてみてください。
通気性・放熱性のよさ
通気性・放熱性のよさも大切なポイントとなります。
旅行のときなど、長時間チャイルドシートに乗る場合もあるでしょう。季節によっては体温調整が難しいときや汗をかきやすいときもあります。快適なドライブとなるよう、子どものために通気性や放熱性のよいチャイルドシートを選びましょう。
デザイン性のよさ
チャイルドシートは子どもが乗るものですから、デザイン・色が子どもの好みに合っているかどうかも大切にしたいポイント。
さまざまな色やデザイン、アニメキャラクターの図柄が入ったものがあります。シートを選ぶときは子どもと一緒に選べば楽しんでくれるでしょうし、車に乗るときもいっそう、よろこんでシートに座ってくれるでしょう。
簡易チャイルドシート7選|公認チャイルドシート指導員が厳選
ここまで紹介した、簡易チャイルドシートの選び方のポイントをふまえて、自動車生活ジャーナリストで公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。

リーマン『リーマンジュニアEX』


















出典:Amazon
本体サイズ | 幅42×奥行35×高さ21cm |
---|---|
重量 | 約1.2kg |
対象 | 年齢:3~10歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | ブラック、ネイビー、ブラウン |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | - |
専業メーカーの信頼性。ロングドライブも快適
座席に置くだけの簡易型ジュニアシート(ブースターシート)はどれも同じような見た目ですが、こまかい部分で安全性や快適性にちがいがあります。
チャイルドシート専業メーカーとして歴史と実績のあるリーマン製のこのシートは、最新の安全基準ECE R44/04にいち早く適合。フルカバータイプなので高温になる夏の車内でも本体が熱くなりすぎず、やけどの心配もあまりありません。
クッション厚は30mmあり、座面には通気性・耐久性にすぐれたダブルラッセル生地を採用。長時間のドライブも快適にすごせます。安全性のかなめとなるシートベルトをひっかけるフックは、深い設計で形状もしっかりしており、シートベルトが外れにくい構造になっています。

アップリカ『マシュマロジュニアエアー サーモ(EC)』








出典:Amazon
本体サイズ | 幅46×奥行38×高さ23cm |
---|---|
重量 | 約1.5kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | エアーブラック、エアーブラウン |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |

グレコ『コンパクトジュニア』












出典:Amazon
本体サイズ | 幅41×奥行41×高さ22cm |
---|---|
重量 | 2.0kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | モードノワール(ブラック)、ディズニーモデル、ほか |
固定方法 | - |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |

ダッドウェイ『マイフォールド』


















出典:Amazon
本体サイズ | 折りたたみの場合:幅23.5×奥行12×高さ4.5cm |
---|---|
重量 | 約0.7kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kg以下 |
カラー | デニムブルー、タクシーイエロー、パーフェクトピンク、パールグレー |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 不可(水拭き) |

日本育児『トラベルベストECプラス』














出典:Amazon
本体サイズ | 幅34×奥行30×高さ54~59cm |
---|---|
重量 | 約2.9kg |
対象 | 年齢:1~4歳ごろまで、体重:9~18kg以下 |
カラー | ブラックボーダー、ブラウンボーダー、デニム |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |
幼児から使える背もたれつきのベスト型
簡易型シートのなかでは珍しく、体重9kgの幼児から使えます。ベスト型ながら、安定性を高める折りたたみの座面もついています。大型のヘッドレストサポートやシートベルトのゆるみを防止する新形状のベルトロックなど、安全性への配慮も万全です。
1歳~4,5歳ごろまでを想定しているので、ヘッドサポートは2段階、ハーネスは3段階の高さ調節が可能。汗をかきやすい子どもが使うことを考慮して、背もたれには通気性にすぐれた3Dメッシュ生地を採用しています。
多くの育児用品を扱う日本育児の製品なので、購入後のサポートも安心です。もちろん、ECE R44の安全基準に適合しています。

シンセーインターナショナル『ジュニアシート』












出典:Amazon
本体サイズ | 幅44×奥行39.5×高さ20cm |
---|---|
重量 | 約1.4kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kg未満 |
カラー | トーマス、ハローキティ、リラックマ |
固定方法 | - |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |

リーマン『リーマンジュニアコレット』










出典:Amazon
本体サイズ | 幅42×奥行35×高さ21cm |
---|---|
重量 | 約1.1kg |
対象 | 年齢:3~10歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | オレンジ、グリーン、ピンク、ブルー、ベージュ、レッド |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |
便利でも一時的な使用にとどめて|公認チャイルドシート指導員からのアドバイス
自動車生活ジャーナリスト
実家の車やママ友の車、タクシーなどチャイルドシートがない車であっても、かんたんにすぐ設置できるのが簡易型チャイルドシートです。車内のグローブボックスに入る小さなものから、ベスト型のやや大きめのものまで、いくつかのタイプに分かれます。
ただ、いくら便利でも簡易型はあくまでも「短時間の応急用」として使うことをおすすめします。もちろん、車のシートベルトをそのまま子どもに使うよりは安全ですが、ふだん使うものや長距離ドライブ用には、丈夫でしっかりしたものを選んだ方がよいでしょう。
また、乳児用の簡易シートはありません。子どもの体格や用途に合わせて、上手に使い分けてください。
まだまだあります! 簡易チャイルドシートをさらにご紹介
いろいろ比べて選びたい人のために、さらにいくつか商品をご紹介しましょう。
シンセーインターナショナル『シンプルブースター』












出典:Amazon
本体サイズ | 幅35×奥行35×高さ11cm |
---|---|
重量 | 約0.8kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kg未満 |
カラー | ブラック、ブルー、レッド |
固定方法 | - |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |
日本育児『ブースターEC フルーツバスケット』

出典:Amazon
本体サイズ | 幅41×奥行38×高さ19cm |
---|---|
重量 | 約1kg |
対象 | 年齢:3~12歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | ストロベリー、ピーチ、キウイ、グレープ |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |
JTC『ジュニアブースターシート』

出典:Amazon
本体サイズ | 幅43.5×奥行36×高さ17cm |
---|---|
重量 | 約0.86kg |
対象 | 年齢:3~11歳ごろまで、体重:15~36kgまで |
カラー | グレー、ブルー、レッド |
固定方法 | 3点式シートベルト専用 |
シートカバー洗濯 | 可(手洗い) |
「簡易チャイルドシート」のおすすめ商品の比較一覧表
ECサイトの簡易チャイルドシートランキングを参考にする
Amazonでの簡易チャイルドシートの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各ECサイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ジュニアシートも検討している方はこちらの記事もぜひご覧ください。
この記事では、自動車生活ジャーナリスト・公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんへの取材をもとに、ジュニアシートを選ぶときに押さえておきたいポイントを解説し、あわせてプロの目線からみたおすすめの商品を紹介していきます。たくさんあるジュニアシートの中から子どもに合う最適なものを選ぶために、ジュ...
子どもの安全を第一に楽しいカーライフを
チャイルドシートにもいくつかのタイプがあり、軽量化や通気性、座り心地などさまざまな工夫がされています。
チャイルドシートは万が一の際、大切な子どもを危険から守ってくれます。それだけに安全性のチェックは重要です。安心して楽しいカーライフが送れるよう、信頼できる、そして子どもが喜んで使ってくれる製品をお選びください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2019/12/03 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
下関市出身 大学在学中に車に目覚め、大学時代は神奈川県内のトヨタディーラーで納車引き取りのアルバイトを経験。大学卒業後、日刊自動車新聞社に編集記者として入社。 1989年FIA 公認のクロスカントリーラリー「オーストラリアン・サファリ」に出場。 1995年会社を辞めてフリーランスの道へ。 1999-2000日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。 2000年に第一子出産後、妊婦のシートベルト着用を推進する会を立ち上げ、チャイルドシートと共に胎児と赤ちゃんの命を守る啓発活動を展開している。 月刊誌『MONOQLO』(晋遊舎)、All About、citrus、オートックワン、乗りものニュース、くるまのニュース、JAFMATEなどに自動車生活関連(運転マナー、車の税金、維持費、メンテナンス、カスタム、海外車事情など)の記事を年間300本以上寄稿している。 また、(一財)日本交通安全教育普及協会公認チャイルドシート指導員としてチャイルドシートの正しい装着や子連れドライブの楽しみ方と危険回避に関する講演、啓発活動なども積極的に行っている。