ハイボールに合うウイスキーの選び方 味の種類に注目!
ウイスキーには種類がたくさんあって、どのウイスキーを合わせるかでハイボールの味や香りも違ってきます。
そこで、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんのアドバイスをもとに、ハイボールにおすすめのウイスキーの選び方を紹介します。ポイントは下記の4つ。
【1】クセが強いスモーキーな味
【2】ウイスキーの産地
【3】価格
【4】プレゼントなら高級ライン
上記の4つのポイントをおさえると、より具体的に自分に合うハイボールにおすすめのウイスキーを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】クセが強いスモーキーな味ほどハイボールに合う
ハイボールを飲みながら食事をするときに大事なのが、味や香りが食事の邪魔をしないかどうかです。ウイスキーの種類によっては、香りが強いものや、甘いタイプなどがあります。
スモーキーな香りのウイスキーは、ストレートだとクセが強いなと感じますが、炭酸水で割ると香りが引き立ちクセが弱まるのでハイボールとの相性もピッタリです。
クセが強いのが苦手な人は、ブレンデッドウイスキーがおすすめです。味わいのバランスが計算して作られているため、ハイボールにしてもクセを感じることなく飲むことができるでしょう。食事にも合わせやすいのでおすすめです。
【2】ウイスキーの産地によって味の違いを楽しむ
世界には5大産地と呼ばれる、ウイスキーの名産地があります。5大産地以外にも、台湾やインド、中国など世界各国でウイスキー産業が白熱しています。各国の味の特徴を知ることでハイボールの味の違いを楽しむことができます。
ハイボールに一番おすすめなのが「スコッチウイスキー」
スコッチウイスキーは、イギリス北部のスコットランド地方で蒸溜、熟成されたウイスキーのことです。ピート(泥炭)由来のスモーキーな香りが大きな特徴です。
ただ、スコットランドのなかでも地方によって、味わいが大きく違うため、スコッチウイスキーはスモーキーというのは語弊があるかもしれません。シェリー樽で作られた甘いタイプから海の近くの樽で作られた塩味を感じるタイプまで幅広く味があるのもスコッチの特徴です。ハイボールで味わうならスコッチは絶対に外せないでしょう。
飲みやすさを求めるなら「ジャパニーズウイスキー」
世界的にも有名な山崎や白州、響の産地でもある日本。ストレートで飲むのはもちろん美味しいですが、ハイボールに合うように計算されて作られているのではないかと思うほど相性がいいのがジャパニーズウイスキーです。特に、大衆向けのブラックニッカや角は毎日ハイボールを飲む人にはもってこいのコスパです。
カナディアンクラブで有名な「カナディアンウイスキー」
原料はとうもろこしやライ麦などの穀類のみ。ライ麦の香りがカナディアンウイスキーの特徴です。特にカナディアンクラブの特徴は、キャンディ・レーズン・スモモ・リンゴの花のような芳醇な香りが口のなかに広がります。ハイボールで飲むとフルーティーさを感じ取れて、飲み飽きないでしょう。
甘いハイボールが好きなら「バーボン」がおすすめ
バーボンは別名アメリカンウイスキーとも呼ばれています。原料はトウモロコシが半分以上を占めています。アメリカンホワイトオークの新樽で熟成させることがほとんどで、その影響でバニラやキャラメルのような甘い味わいに仕上がります。スモーキーよりも甘い飲み口のハイボールが好きな人におすすめです。
日本の居酒屋でもよく見かける、メーカーズマークやジムビームなどもバーボンの種類になります。
【3】お手頃価格のものを選ぶと続けやすい
毎日ハイボールを飲むなら、価格のなるべく安いウイスキーを選びましょう。なぜなら、ハイボールで飲むときのほうがウイスキーをたくさん使うので、コスパを考えて選ぶとよいでしょう。高級なウイスキーこそ、ストレートでじっくり味わうようにし、コスパがよく自分好みな味のものをハイボール用に見つけましょう。
【4】プレゼントにするならオフィシャルボトルの高級ラインがおすすめ
せっかくウイスキー好きな人にプレゼントを贈るなら、オフィシャルボトルのなかでも高級なラインを贈るのがおすすめです。オフィシャルで人気のあるボトルのなかでも、生産数が限定されているものは希少で、生産者の思いや味にも相当なこだわりがあります。ハイボールで飲むには少し高級な味ですが、きっと喜んでもらえるはずです。
ハイボールに合う【スコッチウイスキー】おすすめ10選 カリラやアードベックなど
ハイボールに合うスコッチウイスキーをご紹介します。専門家厳選のものから通販サイトで人気の商品まで合わせてご紹介します。
アイラ島ファンが一押しする1本!
ピート香やスモーキーなクセのあるウイスキーが好きな人なら一度は飲んだことがあるだろう銘柄です。炭酸で割っても香りが消えることなく、強烈なスモーキーさの中に繊細な甘さと複雑さを併せ持つ究極のバランスを味わえる1本です。
フルーティ&ピート香の傑作!
ブレンデッドウイスキーのキーモルトとして数多くの銘柄に使用されているカリラ蒸留所。その味はさすがで、スモーキー差の中にもフルーティーさを兼ね備えた、ハイボールにふさわしい1本です。悩んでいるならぜひおすすめしたい。
ガツンとくる辛さが魅力的
スコットランドのスカイ島唯一の蒸留所で作られているシングルモルトのウイスキーです。海の近くに蒸溜所があるため、どことなく潮の香りが漂います。また、スモーキーな香りや、目の覚めるような強いスパイシーさも特徴的です。
そのスパイシーな辛口感がハイボールにしてもなくならず、長く余韻を味わえます。甘味のないウイスキーを飲んでみたい人はチェックしてみてください。

潮の香りとピートの香りがハイボールに合う
スコットランドのアイラ島で作られているシングルモルトのスコッチです。アイラ島のウイスキーの多くは、製麦の際にピートと呼ばれる泥炭を使うため、独特のスモーキーな香りが特徴です。また、蒸留所が海の近くにあることから、磯の香りも感じられます。
ボウモアはこれらの香りに加え、ハチミツのような甘い香りに、ダークチョコレートのような豊かなコクが特徴的。ロックでも楽しめますが、ハイボールは食中酒としておすすめです。特に魚料理などに合います。
香りの余韻を楽しめるクセのない味わい
200年以上の伝統をもつシーバスリーガルの、12年熟成のブレンデッド・ウイスキーです。フルーツやハチミツ、ハーブなどを思わせる香りに、まろやかな舌触り、上質で深い味わいが特徴です。飲んだあとも、さわやかで清涼感のある余韻が残ります。
まろやかな味わいで、そのままでも飲みやすいウイスキーです。しっかりしたボディなので、ハイボールにしても味の崩れがありません。
バランスのとれた熟した味わいが魅力
12年以上の厳選された原酒を贅沢に使用し、熟成感にあふれた味わいが特徴のプレミアム・スコッチ。「バランタイン12年」は、スコットランドのスペイサイド、ハイランド、アイラ、ローランドと、4つの地方の厳選されたモルト原酒、グレーン原酒を40種類以上使用したブレンデッドウイスキーです。

バニラやハチミツを思わせる香りに、バランスのいいマイルドな味わいが特徴で、ウイスキー初心者の方にも比較的飲みやすい味わいと言えるでしょう。ハイボールにすると、その風味が一層引き立ちます。幅広いジャンルの料理と合うので、食事のお供にもピッタリです。
味と価格のバランスがいい初心者向きウイスキー
世界的にも知名度の高い、スコットランドのブレンデッドウイスキーです。40種類にもおよぶモルト酒をブレンドすることで、深みのある複雑な味わいが生まれています。口当たりはなめらかで、ウイスキー初心者にも優しい上品な味です。
軽すぎず重すぎず、適度なコクで、クセもなく、バランスのいい味わいのため、食中酒としてハイボールにすると、より食事がすすみます。値段が手ごろなのも魅力的ですね。
ハイボールに合う【ジャパニーズウイスキー】おすすめ7選 山崎や余市など
日本のウイスキーから人気の高い銘柄をご紹介します。ハイボールにも絶対おすすめなので参考にしてみてくださいね。
絶妙なバランスが生みだすジャパニーズの代表格
サントリーが作るシングルモルトウイスキーで、ジャパニーズの代表格です。熟成させるときに、ミズナラという木で作られた樽をはじめ、さまざまな種類の樽を使用します。そして、それぞれの樽に入った原酒をバランスよく合わせることで複雑かつ上品な味が形成されます。
高級感あふれる上質な風味ですが、ハイボールにすることで気負わず飲むことができます。飲み込んだあと、フルーティな香りが心地よく鼻腔をとおり抜けます。
とにかく爽やかなハイボールが飲みたい方に
森林に囲まれた自然豊かな白州蒸留所のシングルモルトウイスキーです。1本の価格は7000円ほどしますが、スッキリとした爽やかな飲み口は何度飲んでも飽きが来ないハイボールに出会えます。
北の大地でゆっくりと育った余市のシングルモルト
澄み切った空気のなかで造られた北海道余市産のシングルモルトで、ほのかに甘味のある味わいが特徴的です。世界でも珍しい石炭直火蒸留から生まれた原酒は、ゆっくりと熟成されることで重厚感を深めています。
やわらかな香りと、豊かで芳醇な果実の香りがバランスよく感じられるでしょう。穏やかなオークの香りとスモーキーな余韻も楽しめます。

ニッカウヰスキーの創業者で「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏の名前を冠したピュアモルトウイスキーです。高品質なモルトが、高度な技術でブレンドされています。ハイボールにしても、その華やかな香りとなめらかな味わいが存分に楽しめます。
ハイボールに合う【バーボン】おすすめ3選 アメリカンウイスキーの人気銘柄を紹介
アメリカンウイスキーのなかでも有名なブランドでハイボールに合う商品をご紹介します。
キレのいい後味で食中酒としてもOK
アメリカのケンタッキー州で醸造されているバーボンウイスキーです。内側を焦がしたオーク材の樽で熟成させており、バニラやキャラメルのような香りが楽しめます。
ハイボールにすると、キレのいい後味をさらに楽しめます。さっぱりとした風味で、揚げ物などともよく合います。よりさわやかな味にするために、レモン果汁を入れてみるのもおすすめです。
ワイルドでパンチの効いた濃厚な香りを堪能
アメリカのケンタッキー州で作られているバーボンウイスキーです。蒸留時のアルコール度数をあえて低く抑えることで、原料となる穀物の風味を充分に引き出しています。バーボンならではの甘く芳醇な香りと、バニラのニュアンス、バランスのいい味わいが特徴です。
ハイボールで飲むと、骨太な味わいを残しながらも、スッキリとした口当たりに変わり、のどごしも爽快です。
独特の甘さと香りがハイボールにピッタリ
アメリカのテネシー州で作られている「テネシーウイスキー」のひとつです。サトウカエデの木を木炭にし、それでろ過する「チャコール・メローイング」という製法で造られています。この製法によって、ウイスキーにメープルやバニラのような独特な香りが生まれます。
また、まろやかでバランスのとれた味わいも特徴的。ハイボールにしても独特の甘さと香りは失われず、やわらかい口当たりです。食中酒として飲むよりも、単体で飲むほうがその持ち味を楽しめます。
ハイボールに合う【カナディアンウイスキー】おすすめ1選 カナディアンクラブを紹介
カナディアンウイスキーのなかでもハイボールに合う人気の銘柄をご紹介します。
クセがないので料理との相性も抜群
カナダウイスキーを代表するブランド・カナディアンクラブのウイスキーです。カナダの長い冬のなかで6年以上の熟成期間で育てられた味わいは、クセがない飲みやすい仕上がりになっています。ライトでスムーズな味わいはウイスキー初心者にも適しており、カクテルベースとして楽しむこともでき、いろいろな味わい方をアレンジできます。
※楽天・Yahooは12本セットです
「ハイボールに合うウイスキー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ウイスキーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのウイスキーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【ハイボールの作り方】を紹介! 割合が大事! ジンジャーやレモンで味付けも!
ハイボールを家飲みするときは、次の3点をおさえておきましょう。
1.グラスに氷を多めに加えます。氷の霜をとるため、グラスの中の氷をさっと水で流すようにしましょう。
2.ウイスキーと炭酸水の割合です。基本的にはウイスキー1に対して炭酸水は3です。濃い目が好きならウイスキーの量を少し多めにいれるなど、自分の好みに寄せていきましょう。炭酸水を注ぐときは氷にあたらないように、グラスのフチにそって注ぎましょう。
3.炭酸水を加えたらかき混ぜ過ぎないこと。かき混ぜ過ぎてしまうとせっかくの炭酸が飛んでしまいます。
これで、自宅でもおいしいハイボールが飲めますね!
▶美味しいハイボールに欠かせない! グラスや炭酸水を紹介
ハイボールに関するよくある質問
▶ハイボールのカロリーはどのくらいですか?
気になるカロリーについて徹底解説!

ウイスキーのカロリーは、100gで237kcal。ビールは100gで39.9 kcal、焼酎(甲類)は100gで206kcalなので、他のお酒類に比べるとウイスキーのカロリーは高いことになります。
さらにハイボール好きには悲しいお知らせなのですが、ウイスキーを割る際にコーラやジンジャエールを使うことでカロリーはもっと高くなります。ただ、ウイスキーの1日の摂取量はビールと比較するとそこまで多くはないので、人によってはトータル摂取カロリーで見るとビールよりも低いかもしれません。
▶ハイボールは糖質が低いから太らないは本当?

太らないではなく、太りにくいというだけです。
ただ、蒸留酒であるウイスキーの糖質はゼロなので糖質ダイエットをしている人には向いているお酒といえるでしょう。そのほか、焼酎、ブランデーなども蒸留酒になるので糖質ゼロのお酒です。
この夏はおいしいハイボールと過ごしましょう 編集部からのひと言
本記事では、ハイボールウイスキーをご紹介しました。
炭酸水で割るウイスキーの選び方ポイントとして、年代ものより若いもの、食中酒として料理に合うもの、個性や香りを意識することなどを挙げました。
ぜひご自身の好みに合ったハイボールウイスキーを選んでみてくださいね。なお、飲みやすいからといって飲みすぎにはご注意を。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。