カナディアンウイスキーの特徴とは?
世界5大ウイスキーの中でも、スコッチやアメリカ(バーボン)よりもいまいちなじみの薄いカナダウイスキー。しかし飲み口がスムーズで飲みやすいため、実はウイスキー入門にぴったりです。
なめらかで口あたりのよさがカナダウイスキーの特徴ですが、銘柄によって香りや味わいが異なります。熟成に使う樽や水の質、倉庫での寝かせ方でも風味は変化するからです。まずは、いろいろな銘柄のウイスキーを飲み比べてみるのがおすすめです。
このクセの少なさ、そしてブレンドされているライ麦ウイスキーのピリッとした刺激が口中をさっぱりさせてくれるため、水割り、ソーダ割りにすると食中酒におすすめ。繊細な味わいの和食にもよく合います。
カナディアンウイスキーの条件
カナディアンウイスキーとは、カナダの法律で決められている条件をクリアしたウイスキーのこと。その条件は3つです。
【1】原料はとうもろこしやライ麦などの穀類のみ。
【2】麦芽の持つでん粉分解酵素によって糖化し、酵母を使って発酵させること。
【3】カナダ国内で蒸留し、180リットル以下の樽で3年以上熟成したもの。
この厳しい条件をクリアしたカナディアンウイスキーの特徴は、シングルオリジンではなく、ブレンデッドウイスキー(モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンドしてつくったウイスキー)である点です。
カナディアンウイスキーの選び方
JSA認定ソムリエの数寄monoライター・杉浦直樹さんに取材をして、カナディアンウイスキーの選び方のポイントを教えていただきました。認証や原料をよくチェックすることが大切です。ぜひカナディアンウイスキー選びの参考にしてください。
「カナディアンウイスキー」の認証があるか確認する
カナディアンウイスキーにはカナダの食品・医薬品法でラベル表示が義務づけられています。
「Canadian Whisky(カナディアンウイスキー)」、「Canadian Rye Whisky(カナダライ麦ウイスキー)」、「Rye Whisky(ライ麦ウイスキー)」のいずれかの表示が瓶のラベルに書かれているものが、カナディアンウイスキーと認められた製品です。購入するときには、ラベルをチェックしてこの表記があるかどうかを確認してください。
「ライ麦」が原料として使用されているかチェック
ライ麦の香りがカナディアンウイスキーの特徴です。カナディアンウイスキーと認定されるためには、ライ麦などの穀類が使われているかどうかがポイントになります。
ライ麦の使用比率などは特に定められていませんが、少量でも使われていればラベルに記載がありますのでチェックしてみましょう。
ブレンドの種類や比率も気にかける
カナディアンウイスキーはトウモロコシを主原料として蒸留したベースウイスキーに、ライ麦などを原料にしたフレーバリングウイスキーを配合して作っています。
蒸留所によって配合が異なり、辛さや香りが違ってきます。そのためブレンドの比率をチェックすることが重要です。ただしブレンド比率はメーカーの重要なレシピなので、企業秘密になっている場合もあります。
お気に入りのカナディアンウイスキーを見つけるには、ブレンド比率も大切だと覚えておきましょう。
アルコール度数もチェックする
お酒には商品によって度数が決まっていますが、市販されているウイスキーの場合は40~46度が一般的です。この度数が原酒を飲みやすくする基準になっています。
40度前後のウイスキーを水や氷で割って飲むのが、カナディアンウイスキーの楽しみ方です。カナダから届くカナディアンウイスキーは英語表記ですが、ラベルに「ABV(Alcohol By Volume)」とある部分をチェックしてください。
なお、度数は%で表示されることもあります。
熟成年数で選ぶ
容量180リットル以下の樽で、最低3年以上の熟成をカナダ国内でおこなったものがカナディアンウイスキーの条件です。はじめてカナディアンウイスキーを購入するときは、熟成年数も確認しましょう。
熟成年数が長いほど高級というイメージがありますが、必ずしも当てはまりません。味は個人の好みなので、お気に入りを見つけるまで熟成期間の異なるウイスキーを飲んでみることが必要です。
カナディアンウイスキーのおすすめ8選
日本に紹介されているカナディアンウイスキーは、まだそれほど多くありません。しかしカナディアンウイスキーは世界5大ウイスキーのひとつ。おいしさと魅力を初心者にもツウの方にも知っていただけるよう、おすすめできるカナディアンウイスキーを10選ご紹介します。

ベースウイスキーとフレーバリーウイスキーをブレンドしてから樽詰めする「プレ・ブレンディング」という製法を用い、20年の熟成を重ねた琥珀色の液体は、ブランデーを思わせる芳醇な香りを放ちます。
濃い琥珀色のピュアな風味
オンタリオ州ウォーカーヴィルに本社と工場があるメーカーで作られたカナダウイスキー。商品名の「20年」にふさわしい熟成されたウイスキーのコクと、柔和な気品を感じさせてくれます。
色は濃い琥珀色で、ひと口含むとキャンディ・レーズン・スモモ・リンゴの花のような芳醇な香りが口のなかに広がります。ピュアな風味と余韻を楽しませてくれるカナダウイスキーです。
水割りやソーダ割りにぴったり
カナディアンクラブは「C.C.」の愛称で親しまれているカナダウイスキーの定番といえる銘柄です。樽詰めする前にブレンドする「プレ・ブレンディング」という製造法を採用しています。
一般のブレンデッドウイスキーは熟成したもの同士をブレンドしますが、プレ・ブレンディングはブレンドしてから熟成させるのでまろやかな味わいに。
この「ブラックラベル」は日本人の味覚に合わせた風味で、水割りやソーダ割りにぴったり。オーク樽で8年以上熟成させたカナダウイスキーです。
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イギリス国王への献上酒として誕生
1939年にイギリス国王としてはじめてカナダ訪問を果たしたジョージ6世への献上酒として生まれたのが、「クラウンローヤル」です。ボトルの形は国王の王冠からヒントを得ています。
600種ものブレンドを試作したうえで誕生したこのカナダウイスキーは、個性的でありながらクセがなく、コクと香りが絶妙のバランスを保っている格調高いウイスキーです。
世界各国でカナディアンウイスキーの代表的名酒として愛されています。
※Amazonは2本セット、楽天は1本、Yahooは3本セットです
こだわりの蒸留と熟成から生まれた
カナダのオンタリオ州コリングウッドにあるカナディアンミスト蒸留所で作られたカナダウイスキーです。そのこだわりの蒸留の仕方が、ウイスキーの味にも表れています。
3回蒸留後にホワイトオーク樽で熟成されたこのウイスキーは、まろやかな口あたりとすっきりした味わいが楽しめる商品。水や炭酸で割ってもよし、カクテルでも楽しめるカナダウイスキーです。
アウトドアに持っていきたいボトル
ボトルが印象的なカナダウイスキーです。おしゃれなフラスクボトルを採用しており、飲み終わったあともほかの飲みものを入れて再利用できます。キャップがなくならないように留め具もついており、アウトドアに適したウイスキーです。
ライ麦が原材料として使われており、カナダウイスキーの本領ともいえるすっきりした味わいと香りが特徴。ジーンズのポケットに納まるスタイルは、キャンプやフィッシングのお供に向いています。
いろいろな飲み方ができる
カナダウイスキーを代表するブランド・カナディアンクラブのウイスキーです。カナダの長い冬のなかで6年以上の熟成期間で育てられた味わいは、クセがない飲みやすい仕上がりになっています。安い価格も魅力的です。
ライトでスムーズな味わいはウイスキー初心者にも適しており、カクテルベースとして楽しむこともでき、いろいろな味わい方をアレンジできます。お気に入りにふさわしい明るく透きとおるようなゴールドの色合いは、晩酌のお供にぴったりです。
※楽天は2本セットです
ライ麦の風味をロックで楽しめる
王冠をイメージさせるボトルで知られるクラウンローヤルのウイスキーですが、この商品は容量が1,000mlと大きく、WORLD WHISKY OF THE YEAR 2016に輝いた名酒です。
ライ麦で作られているウイスキーらしく、華やかな香りに穀物の風味が感じられるさわやかな味わい。口あたりは滑らかですが独特な清涼感があり、氷を入れてロックでじっくりと楽しめるカナダウイスキーです。
「カナディアンウイスキー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする カナダウイスキーの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのカナダウイスキーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
カナディアンウイスキーのカクテルレシピ
いろいろアレンジができるのがカナダウイスキーですが、カクテルドリンクのベースにすると楽しみ方も広がります。アルコールが苦手な方でも、カクテルベースのカナダウイスキーならお気に召すことでしょう。
工夫次第でバリエーションを楽しめる、カナダウイスキーの飲み方を2つご紹介します。
さわやか「ジンジャーエール割り」
季節によってアレンジすれば、いろいろな味わいを楽しめるのがカナダウイスキーです。暑い夏にはすっきりとさわやかな風味がほしくなりますが、そのときぴったりなのが「ジンジャーエール割り」。
カナダウイスキーとジンジャーエールを1:4の割合で作りますが、レモンやライムなどをスライスして加えれば夏の暑さが心地よく感じるおいしさに変化。「ジンジャーエール割り」はまさに夏向きです。
見た目も華やかな「クランベリーミックス」
カクテルベースではいろいろなアレンジでカナダウイスキーを楽しめますが、「クランベリーミックス」は華やかさと甘すぎないすっきりした味わいが魅力です。
カナダウイスキーに4倍のクランベリージュースを加えれば「クランベリーミックス」のできあがり。鮮やかな色合いにミントの葉を加えれば、切れのよいすっきり感がさらに増します。
バーボンやジャパニーズウイスキーのおすすめを紹介!
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