クーベルチュールチョコレートとは? 市販の板チョコとどう違う?
クーベルチュールチョコレートとは、製菓用チョコレートのなかでも厳しい国際規格が設けられたチョコレートのことです。クーベルチュールチョコレートは原料の割合が特に厳しく定められており、カカオ分(カカオマスとカカオバターの配合量)35%以上、カカオバター31%以上が含まれており、代用油脂は5%までという国際規格が設けられています。その分、香り高いカカオの風味や滑らかな口どけが特徴で、そのまま食べてもおいしいものも多く売られています。
一方、市販の板チョコの中にはカカオバターの代用油脂がたくさん使われていることが多く、自然の甘さを超えた化学的な甘さになっているものもあります。製菓用として本格的なお菓子を作るときにはカカオ本来の味が楽しめなくなるので市販の板チョコは不向きかもしれません。
クーベルチュールチョコレートの選び方 カカオの割合に注目!
料理家でフードスタイリストの池 ももこさんに取材をして、クーベルチュールチョコレートの選び方のポイントを教えていただきました。カカオの含有率や容量をよくチェックすることが大切です。ぜひクーベルチュールチョコレート選びの参考にしてください。
【1】チョコレートの種類から選ぶ
チョコレートにはスイートチョコレートやミルクチョコレートなどの表記があります。成分によって種類が分かれています。作りたいお菓子にはどの種類がいいのか見ていきましょう。
ビターチョコレート|カカオ本来の苦みを感じられる
乳成分や砂糖などの甘さがほぼ入っておらず、カカオマスとカカオバターのみでできたチョコレート。甘さ控えめでカカオ本来の苦みも少々感じる大人のビター味。
スイートチョコレート|カカオの味が引き立つほどよい甘さ
カカオマスとカカオバターが50%ほど配合され、そのほかは乳成分はほぼ加えられず、砂糖などで甘さを整えられたチョコレート。ビターほど苦みは少ないがカカオ本来の味も引き立つバランスのいい味を楽しめます。
ミルクチョコレート|まろやさで甘さを感じられる
カカオマスとカカオバター以外に乳成分と砂糖などで調整されたチョコレート。乳成分が配合されることでスイートチョコよりも淡いチョコレート色になります。カカオ豆の味はそこまで感じられず、乳成分や甘さが目立つ味です。
ホワイトチョコレート|甘みが強く色が白い
唯一、カカオマスが配合されておらず、カカオバターと乳成分と砂糖などでできたチョコレート。カカオマスが使われていないので甘みが強く色も白いのが特徴です。
【2】甘さの決め手! カカオの含有量をチェックする
プロの製菓材料として重宝(ちょうほう)されるクーベルチュールチョコレートは、55%、60%、65%というように、数%刻みでカカオ含有量に差のあるものが販売されています。
甘いものを好む方には、ビター感が強くない50%台のものがおすすめ。お菓子作りに使用する場合は、ほろ苦さと品のいい甘さのバランスが絶妙な65~70%台のものを使うと、スイーツ全体の風味がリッチに仕上がります。
【3】カカオの生産地や製造国を確認する
クーベルチュールチョコレートは世界のいろいろな国で製造されています。カカオの生産地によって、香りや風味が異なります。生産地や製造地にも注目してみましょう。
たとえば、フォラステロと呼ばれる品種が著名なガーナ産のカカオは、収穫量や風味が安定していて日本人にもなじみのある味わいです。中南米では生産地によってカカオの特徴が異なり、ベネズエラ産はナッツのような香り、エクアドル産は花のような香りが楽しめるカカオが栽培されています。
国によって製造方法が異なり、カカオマスやカカオバターの配合割合が異なります。ベルギー産・アメリカ産など製造国による違いも注目してみると面白いですよ。
【4】使い方にあった形状を選ぶ
クーベルチュールチョコレートには分厚い板チョコタイプから、タブレットをはじめとする小粒タイプまで幅広くそろっています。
こまかく刻んで溶かす場合は板チョコタイプが使いやすいですが、そもそも刻む作業に手間を感じるのであれば、小粒タイプのものをそのまま使うのも手です。そのまま食べるなら、小分けにしやすいタブレットタイプがおすすめです。
【5】たくさん使うなら業務用商品もチェック
たくさんチョコレートを食べたい人や、お菓子作りに大量に使いたい人は、業務スーパーなどで売っているような大容量サイズのものを選びましょう。クーベルチュールチョコレートには、業務用パッケージのものも多く発売されています。
生クリームなどを使用していないクーベルチュールチョコレートは、チョコレートのなかでも賞味期限が長めになっています。直射日光を避け、15℃前後で保存しましょう。
【6】ブランドごとの味の違いを楽しむ
製菓材料店やネット通販などでも、さまざまな海外ブランドのクーベルチュールチョコレートを取り扱っているところが増えています。国内の有名なブランドだと『大東』『不二製油』などがあります。海外ブランドだと『ヴァローナ』『ヴェイス』などがあります。
カカオの含有量が同じでも、ブランドが違えば味や風味、香りなどにも差が出てきます。まずは自分が使いやすいカカオ含有量のチョコレートを知り、そのなかでさまざまなブランドのものを使い比べてみるといいでしょう。
製菓材料店やネット通販などでも、さまざまな海外ブランドのクーベルチュールチョコレートを取り扱っているところが増えています。
カカオの含有量が同じでも、ブランドが違えば味や風味、香りなどにも差が出てきます。まずは自分が使いやすいカカオ含有量のチョコレートを知り、そのなかでさまざまなブランドのものを使い比べてみるといいでしょう。
クーベルチュールチョコレートのおすすめ14選 製菓用としてもそのまま食べてもOK!
料理家でフードスタイリストの池 ももこさんと編集部が選んだおすすめのクーベルチュールチョコレートをご紹介します。どのクーベルチュールチョコレートを買おうか迷っている人も、質の高いものを選びたいと思っている人も、ぜひプロの意見を参考にしてみてくださいね。

甘さ控えめのスタンダードな味わいで使いやすい
カカオ含有量61%の、甘さ控えめでビターな味わいを感じられるクーベルチュールチョコレートです。ドライフルーツやナッツなど幅広い素材と相性がよく、さまざまな味のレパートリーを楽しみたいチョコスイーツ作りに適しているといえるでしょう。
スタンダードな味わいで使い勝手がいいため、とくにおすすめの商品のひとつです。

刻みやすく溶かしやすい! お菓子作りがスムーズに
正方形に近い形のため豪快に刻むことができ、溶かしやすさなどの面も含めてバランスがよく使いやすいクーベルチュールチョコレートです。
効率よく作業を進められるため、大量生産するタイプのお菓子作りにとくに向いています。使い勝手がいいだけでなく、カカオ含有量57%の甘みを感じられる口当たりも、おすすめできるポイントです。

良質でリーズナブルな価格のハイカカオ
ハイカカオのクーベルチュールチョコレートをリーズナブルな価格で手に入れたい方におすすめのブランドチョコレ―ト。マレーシアのチョコレートメーカーであるBeryl's(ベリーズ)の工場に発注し生産しているため、良質なハイカカオチョコレートにもかかわらず比較的安価で購入できます。
さまざまな素材との相性がいいので、製菓用としての使い勝手も抜群。甘さよりほろ苦さを活かすチョコスイーツ作りに、ぜひとも使いたい一品です。
香料不使用で純粋なカカオの香りを楽しめる
厳選された高品質なエクアドル産のカカオを原材料としており、香料を一切使用していませんので純粋なカカオの香りを楽しむことができるクーベルチュールチョコレートとなっています。
カカオ分も高めになっていますので、とてもビター感が強く、コク深い味わいに仕上げられているという点もポイントのひとつです。本来の香りも楽しみたいという方におすすめの逸品。
すっきりとした味わいが特徴
カカオ分の高いコクやビター感の強いクーベルチュールチョコレートも魅力的ですが、作りたいお菓子によってはすっきりとした味わいのものの方がマッチします。こちらのスペリオールプラティークは中南米産のフレーバービーンズをブレンドすることによって、すっきりとした味わいに仕上げられています。スタンダードなクーベルチュールチョコレートを求めている方におすすめです。
甘さ控えめのビタータイプ
甘さ控えめでコク深い味わいのビタータイプのクーベルチュールチョコレートとなっています。厳選した素材で作られたイタリア産です。カカオ分が高いことから、さまざまな用途で使用することができるのもポイントです。とても使いやすいのでこれからはじめてお菓子作りに挑戦する方にもおすすめのクーベルチュールチョコレートです。

トッピングにも使いやすい小さめの粒状タイプ
1kg単位で大容量のものが多いクーベルチュールチョコレートとしては珍しく、小さめの粒状タイプかつ200gという少量で購入可能なのが特徴。大容量だと使い切れないという初心者の方にもおすすめです。
また、チョコレートの粒が小さいため、溶かして使うだけでなく焼き菓子などに混ぜたりトッピングしたりといった使い方も可能です。
コク深いエキストラダークチョコレート
深いコクと華やかなカカオの風味を楽しむことのできるエキストラダークチョコレートです。いつまでも口の中に風味が残るこの味わいはまさにエキストラダークならではのものです。ガナッシュやムース、アイスクリームなど幅広い用途で使用することができるとても使いやすいクーベルチュールチョコレートとなっています。

しっかりとしたカカオの味わいが魅力
カカオの味をしっかり感じられるタイプのクーベルチュールチョコレート。あまり手を加えすぎないほうが、カカオ本来のよさも引き立ちます。
そのため、ガトーショコラやチョコブラウニーなどの焼き菓子よりも、風味の豊かさを活かしやすいチョコムースなどの冷菓スイーツに使用するのがおすすめです。
「クーベルチュールチョコレート」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする クーベルチュールチョコレートの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのクーベルチュールチョコレートの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
クーベルチュールチョコレートの保存方法 溶けない温度や湿度は?
クーベルチュールチョコレートの正しい保存方法は、15度以下で50%程度の湿度のある場所で保管しましょう。直射日光や湿度が高すぎる場所は、チョコレートの品質が落ちてしまいます。夏場などは、冷蔵庫にいれて保存しておくといいでしょう。既存のパッケージがジップロックではない場合は、ジップロックの袋に入れ直して、乾燥剤なども一緒にいれるといいでしょう。
ガトーショコラのレシピを紹介 自宅で簡単プロの味!
【材料】
・クーベルチュールチョコレート200g
・無塩バター100g
・卵3個
・生クリーム100g
【作り方】
クーベルチュールチョコレートとバターをボウルにいれて湯せんで溶かしていきます。溶けたら生クリームを入れて混ぜ合わせます。といた卵をボウルに入れて混ぜ合わせます。クッキングシートを敷いたケーキ型に流し込みます。180度に設定したオーブンで20分ほど焼き上げます。中央部分がプルっと揺れる程度で取り出して粗熱を取れば出来上がりです。甘さが欲しい人は材料を混ぜ合わせるタイミングで砂糖を好みで加えて混ぜ合わせてください。
クーベルチュールチョコレートに関するQ&A
クーベルチュールチョコレートはそのままでも食べられますか?

もちろん食べられます。ただ一般的には製菓用に溶かしたりして利用することが多いため、市販のそのほかのチョコレートと比べると量も多く、小分けなどにされていないことが多いです。
クーベルチュールチョコレートは市販のチョコレートで代用できる?

カカオバターなどの総カカオが35%以上のチョコレートをクーベルチュールチョコレートと呼びます。このことから、代用品のチョコレートは「高カカオで脂肪分の多いチョコレート」「製菓用に使える」ということが大切なポイントになります。
市販のチョコレートで代用するなら、板チョコのブラックチョコレート、ビターチョコレートがおすすめです。カカオ配合が高く油脂分も配合されていることから、代用品として使いやすいです。
クーベルチュールチョコレートの代用として
クーベルチュールチョコレートの値段は?

製菓用のチョコレートとして販売されているため、一般のチョコレートと比べるとやはり高価になります。カカオの含有量などともあわせて商品選定の際は値段も気にしてみてください。
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チョコレートは適量を守って食べましょう まとめ
チョコレートは一日の摂取量を守って食べ過ぎないようにしましょう。1日25~50gの適量を守るのがおすすめです。クーベルチュールはカカオ成分が高くポリフェノールが多いため健康にいいと人気になっています。また市販のチョコレートよりもカロリーが低いためダイエットしている人にも人気です。しかし前述したようにクーベルチュールチョコレートも、カカオ分以外に砂糖や乳成分が配合されているタイプもあります。食べたら食べた分だけ健康になることはないので、適量を守って摂取しましょう。
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お米もまともに炊けない料理オンチの状態から独学で華やか家庭料理・スイーツのプロに。 食事制限ゼロ、おいしい食事で−15kgのダイエットにも成功し、ファッション誌の読者モデルなどとしても活動中。 きれいとおいしいはつくれる”を活動テーマとし、料理教室「4step kitchen」を主宰。4stepで食卓がパッと華やぐお手軽レシピに定評がある。 料理教室を運営する傍ら、メディア出演・企業でのメニュー開発や食空間スタイリング・イベント講師・コラム執筆など幅広く活動中。