釣り糸を選ぶ5つのポイント
フィッシングライター/職業釣師
ハリや仕掛け同様、ラインは釣りをするうえで必要不可欠な消耗品です。現在、釣りに使われている釣り糸の種類は、素材別に4種類。それぞれに特徴があり、その性質を知ったうえで自分がやりたい釣りに合ったものを選ぶ必要があります。
しかし大切なのは、「釣り糸は必ず結んで使う」ということ。ラインを結ぶことを「結束」や「ノット」と言いますが、結束がしっかりできないと、どんなラインを使ってもその性能を活かすことができないので、しっかり習得することが大切です。
釣り糸の素材で選ぶ
フィッシングライター/職業釣師
ラインは比重の大きな順(沈みやすい順)に、フロロカーボン、エステル、ナイロン、PEラインとなります。また、伸度はPEライン、エステル、フロロカーボン、ナイロンの順で高くなります。(太さや銘柄でも変わります)
感度が良いもの、沈みが良いもの、結びが楽なものなど、それぞれに利点があり、また欠点もありますから、フィールドの状態や対象のターゲット、釣り方によってベストなものを選択する必要があります。
もっともポピュラーなナイロンライン
フィッシングライター/職業釣師
古くから釣り糸として使われてきたナイロンラインは、釣り糸として研究されつくしたベーシックラインと言えるでしょう。同じナイロンベースでありながら、伸度や硬さの異なるもの、中空のもの、着色されたものなど、ほかのラインに比較すればその種類は多岐にわたっています。
それだけ自分の釣りに合わせた選択肢も豊富ということになります。価格的に同じ長さ、太さ、強さならほかのラインよりも安価な点もナイロンラインの良いところです。
低伸度でこすれに強いフロロカーボンライン
フィッシングライター/職業釣師
ナイロンラインに比べて伸度が低く、耐摩耗性にすぐれるフロロカーボンラインは、繊細な仕掛けで小さなバイトをしっかり感じ取りつつ、大型を仕留めなければならない場面には欠かせないラインと言えます。
また、擦れに強いという特性を活かし、PEラインを使う釣りでは先端部分のリーダーとして使用されることが多いラインでもあります。
しなやかで強度が強く玄人向けなPEライン
フィッシングライター/職業釣師
数パーセントの伸度しかなく、同じ太さならばほかのラインの4~5倍の強度がある繊維を編み込んだラインです。ロッドの操作がそのまま仕掛けに反映されるために、ジギングでは欠かせない存在ですが、低伸度と高感度の弊害が無いわけではなく、ミスバイトや浅いフッキングによるバラシの確率が高い傾向もあります。
また比重が1以下なので、軽い仕掛けでは沈みが悪く、横風には滅法弱いのもPEラインの欠点と言えるでしょう。
比重が大きく感度が良い新素材のエステルライン
フィッシングライター/職業釣師
近年アジングや管理釣り場で人気のエステルラインは、ナイロンとフロロカーボンの中間の比重で、伸度もフロロカーボンより低いという、「沈みが良くて高感度」という特徴があります。水流や風の抵抗を受けにくいことから、超軽量リグでもその動きが手元に感じ取れるという利点があります。
しかし、直結できない(リーダーが必要)、ショックに弱い、復元力に乏しく劣化が早いなど欠点も多く、初心者には扱いにくいラインと言えるでしょう。
ルアーやエサ釣りなどのジャンルで選ぶ
フィッシングライター/職業釣師
ルアーフィッシングの中でも、圧倒的にPEラインが有利なジギングやエギングなどの釣りもあれば、比重や視認性を重視しなければならない渓流のルアーフィッシングではPEよりもナイロンやフロロカーボンが有利になります。
また、エサ釣りの場合も食い込みの良さとアワセのタイミングを重視すれば、PEラインが不向きな場合もあります。よって、釣りのジャンルに合わせたラインの選択は重要な要素になります。
狙う魚・場所・季節に合わせて選ぶ
フィッシングライター/職業釣師
たとえば大型魚を相手にする時は、低伸度のラインよりも適度に伸びのあるナイロンやフロロカーボンの方がクッション効果が働いて有利です。
また、寒い地域や季節によっては、ラインが凍ったり硬くなってトラブルが頻発する場合もあります。ですから、狙う魚の大きさや種類、使用する環境の違いにもラインを合わせる必要があります。
釣りの楽しみ方で選ぶ
フィッシングライター/職業釣師
釣りにはそれぞれに適した、標準的なラインの強度(太さ)というものがあります。しかし、釣りの楽しみ方は十人十色。状況が許す限りライトタックル、ライトラインで大物に挑戦するという楽しみ方もあれば、記録狙いのためにあえてPEラインではなくナイロンラインを使うという人もいます。
たとえば12ポンド(約6kg)の強度があるラインならば、その4~5倍の重さの魚でも釣りあげることが可能です。数釣りにこだわる人、大物にこだわる人、それぞれにラインの選び方は違ってきます。
頻繁に釣りをする人はコスパも大切
フィッシングライター/職業釣師
ラインは消耗品ですから、ずっと使い続けることはできません。劣化が進む前に交換するのが理想ですが、頻繁に釣りにでかける場合はコスト的な問題も出てきます。そんな人に向いているのが、300mや500mなどの長尺で売られているラインです。
ただし、使わずに何年も放置するのは劣化の原因になりますから、早め交換でできるだけ早く使い切りましょう。
【ナイロンライン】釣り糸おすすめ3選
用途に応じた選択肢はすべてのラインのなかでもっとも豊富です。同じナイロンでも、伸びや硬さ、擦れに対する強さが違うことに注意して選択しましょう。
フィッシングライター/職業釣師
魚にストレスを与えず短時間でランディングしたり、トラブルのない釣りを楽しむためには、ナイロンの伸度としなやかさは必要不欠です。しかし、擦れに弱いのが最大の欠点であり、ハードに使用すると1回の釣行で劣化してしまうことも。
その点、『GT-R ウルトラ』は、フロロカーボンを上回る高い耐摩耗性があり、障害物まわりの釣りも安心して楽しめるのはもちろん、使用後は水洗いして水分を拭き取っておけば、普通のナイロンラインよりも長く性能を維持することができます。

Sanyo(サンヨーナイロン)『APPLOUD GT-R ULTRA』

出典:Amazon
号数 | 1.5~8号 |
---|---|
強度 | 6~30lb |
全長 | 600m |
素材 | ナイロン |
カラー | ダークグリーン |
フロロカーボンを凌ぐ耐摩耗性
ラインメーカーでは数少ない自社開発のラインを作り続けるサンヨーナイロン。とくにナイロンラインでは他社を何歩もリードした信頼性の高い製品が多いです。GT-Rシリーズはもともとバス用ラインとして開発されたが、さまざまなジャンルで使用される優等生。
何よりも優れているのはフロロカーボン以上の耐摩耗性。魚にストレスを与えず短時間でランディングしたり、トラブルのない釣りを楽しむためには、ナイロンの伸度としなやかさは必要不欠です。しかし、擦れに弱いのが最大の欠点であり、ハードに使用すると1回の釣行で劣化してしまうことも。
その点、GT-R ウルトラは、フロロカーボンを上回る高い耐摩耗性があり、岩場や消波ブロック周り、ストラクチャー周りの釣りではとくに優秀さが際立ちます。お得な1,000m巻きがおすすめ。

YAMATOYO(山豊テグス)『ジャスト』

出典:Amazon
号数 | 0.8~20号 |
---|---|
強度 | 3~70lb |
全長 | 1,000m |
素材 | スーパーナイロン |
カラー | クリア |

SUNLINE(サンライン)『磯スペシャル Osyare(オシャレ)』












出典:Amazon
号数 | 1.5~6号 |
---|---|
強度 | ― |
全長 | 150m |
素材 | ナイロン |
カラー | シルキーホワイト&マルチマーキング |
【フロロカーボンライン】釣り糸おすすめ3選
ナイロンに比べて硬いので、小型リールに巻く場合は号数に注意が必要です。たとえばダイワ2500番サイズのリールには、2号以下がおすすめです。
フィッシングライター/職業釣師
多くのフロロカーボンがクリア系カラーで視認性に乏しいのに対してカモフラフロロは、同社の得意とする「ケシ色系」のブルーを採用しています。
このカラーは昼夜問わず極めて視認性が高く、特にシーバスやメバリングのナイトゲームではノントラブル、ストレスレスの効率良い釣りを楽しむために欠かせない存在です。

SANYO APPLOUD『GT-R カモフラフロロ』

出典:Amazon
号数 | 3.5号 |
---|---|
強度 | 3〜20lb |
全長 | 150m |
素材 | フロロカーボン |
カラー | グレイッシュブルー |

東レ『ソラローム エクスレッド type-NS』

出典:Amazon
号数 | ー |
---|---|
強度 | 3〜20lb |
全長 | 100m |
素材 | フロロカーボン |
カラー | ナチュラル |

SUNLINE(サンライン)『BASIC(ベーシック) FC』

出典:Amazon
号数 | 0.6〜3.5号 |
---|---|
強度 | 2〜14lb |
全長 | 300m |
素材 | フロロカーボン |
カラー | ナチュラルクリア |
【PEライン】釣り糸おすすめ3選
4~16本の組数から選べますが、組数が多くなると耐摩耗性は逆に低下することに注意です。
フィッシングライター/職業釣師
なんでもないときに突然切れるのがPEライン。だですから、常に扱いに注意し、傷をみつけたらすぐに結び直す必要があります。
その点、よつあみ製のPEラインは、耐摩耗性も比較的高く、毛羽立ちにくのが特徴で、多少使用後のメンテナンスを怠っても劣化しにくいため、「突然の裏切り」が比較的少ない点がおすすめです。

Y・G・K(ワイ・ジー・ケー)『XBRAID(エックスブレード)UPGRADE X8 PENTAGRAM』

出典:Amazon
号数 | 0.4〜3号 |
---|---|
強度 | 10〜50lb |
全長 | 300m |
素材 | ポリエチレン |
カラー | 5カラー(交互にカラーリング) |
ラインに求められる安心感と信頼性が凝縮
常に扱いに注意し、傷をみつけたらすぐに結び直す必要があります。PEラインの強度は、1号で20ポンド以下か以上かがひとつの目安です。
このラインは1号が22ポンドと、標準を上回る強度で、耐摩耗性も比較的高く、毛羽立ちにくいという特徴があり、多少使用後のメンテナンスを怠っても劣化しにくいため、「突然の裏切り」が比較的少ない点がおすすめ。
しかも8本組でありながら200m巻きの実売価格が2,000円台といううれしい価格設定。「PEラインと言えばよつあみ」というくらい、多くのOEMモデルを手掛けてきた老舗メーカーの製品はなによりも安心感と信頼性があります。

シマノ(SHIMANO)『ピットブル4』








出典:Amazon
号数 | 0.4〜2.0号 |
---|---|
強度 | 8.6〜38.7lb |
全長 | 150m |
素材 | ポリエチレン |
カラー | スーパーブルー、ライムグリーン |

KUREHA(クレハ)『Seaguar(シーガー)PEX8 ルアーエディション』

出典:Amazon
号数 | 0.6〜2.0号 |
---|---|
強度 | 14〜35lb |
全長 | 150m |
素材 | 高強度ポリエチレン繊維 |
カラー | スーパーブルー、パッションピンク |
【エステルライン】釣り糸おすすめ2選
アジングやエリアフィッシングなどの限られた釣りで使われるエステルライン。今のところ、扱いの難しさで上級者向けラインと言えるでしょう。

GOSEN(ゴーセン)『ルミナシャイン』






出典:Amazon
号数 | 0.2〜0.6号 |
---|---|
強度 | 1.1〜3lb |
全長 | 200m |
素材 | ポリフッ化ビニリデン |
カラー | ピンク、パープル、イエロー |

Y・G・K(ワイ・ジー・ケー)『CHERUM AMBERCORD SG D-PET』






出典:Amazon
号数 | 0.2〜0.5号 |
---|---|
強度 | 1.1〜2.5lb |
全長 | 200m |
素材 | エステル |
カラー | クリア |
「釣り糸」のおすすめ商品の比較一覧表
フィッシングライターの田澤晃さんによるおすすめランキング 釣り糸のおすすめTOP3を選出!
3位:Y・G・K(ワイ・ジー・ケー)『XBRAID(エックスブレード)UPGRADE X8 PENTAGRAM』
2位:SANYO APPLOUD『GT-R カモフラフロロ』
1位:Sanyo(サンヨーナイロン)『APPLOUD GT-R ULTRA』
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 釣り糸の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの釣り糸の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの釣り道具に関する記事はこちら 【関連記事】
まとめ
フィッシングライター/職業釣師
結束強度は直線引っ張り強度(表示された強度)に対して、ナイロンで7~8割、フロロカーボンで6~7割、PEラインは5割以下になります。つまり、PE1号20ポンドの実質的な強度は8ポンド程度ということになりますから、フロロカーボンやナイロンの2.5号と同じくらいということ。
結びが完璧でなければ、強度は更に落ちますから、ラインを活かすも殺すも使い手次第ということですね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
北海道生まれ東北育ち、釣り歴50年、ライター歴32年の職業釣師。 既存の釣りに飽き足らず、常に最先端の釣りを模索し続けることを生きがいにする。 東北を拠点にフレッシュウォーターからソルトウォーター、餌釣りからルアーフィッシングまで幅広いジャンルをこなし、釣り雑誌や新聞を中心に書籍、MOOK本など多数を執筆。 近年はカヤックフィッシングチームの代表として、釣り以外のイベント等にも積極的に参加し、地域活性化に努める。