ナイロンラインとは
ナイロンラインとは水の比重に近く、沈みにくい、ナイロン素材でできたラインのこと。柔らかく、伸びやすく、しなやかな感触のため、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
そもそも、柔らかいというメリットがあるため、糸のヨレ・絡まりといったライントラブルが少なく、起こっても解決しやすいです。また、遠投性も高く、しなやかさを活かして遠くにルアーを飛ばせます。そして、伸縮性もあるため、魚にバイトされ、引っ張られてもいなすことができます。吸水率が高く、劣化が早いため、随時交換の必要はありますが、それでもメリットの多いラインです。
ナイロンラインのメリット
それでは、具体的にナイロンラインのメリットについて解説していきます。
●遠投性能が高い
ナイロンラインは、他のラインに比べ、耐久性がやや劣るといったデメリットがありますが、その分、柔軟性やしなやかさ、弾力があるといった特徴があります。そのため、遠くまで投げられる遠投性が高いです。
また、リールやロッドからラインが伸びてくる、滑りやすさもあるため、遠投性に拍車を掛けてくれます。ロッドやリールの組み合わせ次第では、100mを超える遠投も容易に可能にしてくれます。
●絡まりにくく、解けやすい
先ほども少し触れましたが、ナイロンラインは伸縮性に優れ、滑らかであるという特徴があります。そのため、絡まりにくく、解けやすいというメリットがあります。これはつまりライントラブルが起きにくいと言うことでもあります。
特に初心者の場合、慣れていないため、ラインのヨレや絡みといったトラブルは日常的に付きもの。こうしたライントラブルを避けやすいという点も、ナイロンラインのメリットであり、初心者向けである所以です。
●価格が安価である
ナイロンラインの大きなメリットのひとつに、価格が安価であることも挙げられます。
商品によりますが、人気の商品でも150mで1000円を切る商品が豊富にあり、一番オーソドックスで手を出しやすいラインになります。また、ライントラブルを起こしたとき用に、数本のスペアを用意しておくといった使い方もできるため、釣りを行う際にはとても重宝するラインです。
ナイロンラインのデメリット
一方で、ナイロンラインにはデメリットもあります。こちらも一つひとつ解説していきます。
●耐久性が低い
ナイロンラインの一番のデメリットになりますが、耐久性が低いです。
ナイロンラインは、水に触れると水を吸い込み、ラインの性質が変化してしまいます。また、紫外線にも弱いです。結果、切れてしまったり、一度使用して終わりといったことも起きてしまいます。
こうした耐久性の弱さにより、交換頻度が多くなってしまうケースもあるため、定期的なメンテナンスや、近年開発されている耐久性の高いナイロンラインも視野に選ぶ必要があります。
●摩擦体制が弱い
耐久性とつながる話ですが、ナイロンラインは岩場や水中の障害物への摩擦に弱い性質があります。気づかないうちにラインがすり減り、ヒットした瞬間に切れてしまうことも想定されます。
もちろん、この摩擦耐性についても技術が発展していますが、他のラインと比べると劣るため、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
●低感度でヒットがわかりづらい
メリットと表裏一体ですが、ナイロンラインは伸縮性がある分、感度が低いこともデメリットのひとつ。
ターゲットがヒットした瞬間でも、アタリの感覚が手に伝わらず、釣り上げるタイミングを逃してしまう場合もあります。もちろん、近年では、感度をよくするための工夫がされているため、昔ほどではないにせよ、感度の弱さはしっかり意識しておいた方がよいでしょう。
ナイロンラインと相性がいい釣りシーン
幅広い釣り人に人気のナイロンライン。ナイロンラインの性能を鑑みると、どんな釣りシーンにピッタリなのでしょうか。各シーンごとに解説していきます。
「投げ釣り」
伸びやすく、柔軟性に富んだナイロンラインは、遠投性が高いです。そのため、カレイやキスといった砂地に潜む魚をターゲットにした投げ釣りは、とても相性がいいです。
「サビキ釣り」・「ウキ釣り」
サバやアジ、イワシなどを狙うさびき釣り、大物のヒットでも伸縮性があって切れにくい「ウキ釣り」なども、ナイロンラインに相性がいい釣りシーンになります。
「海釣り」・「泳がせ釣り」
泳がせ釣りは、イワシなどの小魚を餌に、自由に泳ぎ回らせることでシーバスなどの大物を狙う釣りですが、しなやかで伸縮性があるナイロンラインは、イワシなどが自由に泳ぎやすくします。そのため、海釣りなどでは、よりリアルに餌を見せることができるため、相性がいい釣りシーンです。
「バスフィッシング」
ナイロンラインは比重が軽く、水面に浮く性質もあります。そのため、湖でのブラックバスフィッシングなどでは、水面にナイロンラインを浮かせ、目視でもヒットを確認することも可能。また、しなやかであるため、魚から針が外れることも少なく、バス釣りにも人気です。
「渓流釣り」
ナイロンラインは、伸縮性があり、ライントラブルが起こりにくいため、流れが早いポイントや小枝などが浮くポイントがある渓流釣りなどでも活躍します。
ナイロンラインの選び方
それでは、ナイロンラインの選び方について解説いたします。ポイントは下記の4点。
【1】ラインの強度
【2】ラインの太さ
【3】ラインの長さ
【4】対象魚のラインかどうか
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ラインの強度をチェック
ナイロンラインは、製品によってラインの引っ張り強度が異なります。引っ張り強度の目安となるのが、lb(ポンド)と、糸の太さを表す号数です。
ナイロンラインとフロロカーボンは強度の目安となる数値はほぼ同じであるのに対して、PEラインは異なるので気をつけましょう。号数×4=ポンド数(引っ張り強度)が算出でき、ポンド数÷4=号数が算出できます。この計算式があてはまるのは日本製のラインのみで、海外製には適応できません。
【2】ラインの太さをチェック
ラインの太さは、号数とポンド数が大きいほど太くなり、小さいほど細くなります。ラインの太さによって引っ張り強度が異なるので、キャストする場所やルアーの重量に合ったものを選びましょう。
ラインが細いと抵抗が小さくなるため、キャスト時も投げやすく飛距離をかせげます。水の抵抗も少なくなるため、繊細なルアー操作も可能です。一方、ラインが太いとラインブレイクしにくいため、重いルアーを投げるときに向いています。
【3】ラインの長さをチェック
ナイロンラインは劣化しやすいラインです。たとえば、500mボビンで買ったとして、あまり巻き替えずに放置した場合、管理場所が悪ければ数カ月でダメになることだってあります。
毎週釣りに行くような人にはボビンタイプがおすすめできますが、限られた時間を釣りに充てている人は、釣行頻度を考えて適切な巻量の製品を選ぶようにしてください。
【4】対象魚のラインかチェック
ターゲットが決まっている場合、対象魚のナイロンラインかどうかもチェックしましょう。
例えば、渓流釣りが趣味で、サケやマス、ヤマメなどを釣る場合は、トラウト専用のラインもあります。小さいルアーを使用する前提で、性能が調整されたナイロンラインですので、一般のラインを使用するより、使いやすいです。
対象魚ごとのラインは種類は多くありませんが、ターゲットが決まっている場合は、ぜひ確認してみましょう。
ナイロンラインおすすめ10選
上記で紹介したナイロンラインの選び方のポイントをふまえて、釣りライターの中山一弘さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

トラウトゲームに最適な高品質ナイロン
スピニングリールに極細ラインを巻くケースが多い、エリアフィッシングやネイティブフィールドでのトラウト狙いに最適な高品質ラインです。柔軟性と高感度を両立しているので、スレたトラウトの小さなバイトも取っていけるのが特徴。
ピンクカラーは珍しいですが、魚が好む色という説も……。それはともかく、視認性はとても高いので、ラインコントロールがしやすい製品です。
高性能ボビン巻きナイロンライン
あらゆるルアーゲームに対応した高性能のナイロンラインです。バルクラインでありながら、高い強度でワンランク上の細い線径に仕上がっています。しなやかで、小さなあたりもきちんとキャッチしてくれる高感度が特徴です。独自の加工製法によって、摩擦にも耐える力と耐久性をあわせ持っています。リーズナブルな価格ながら、高性能のナイロンラインをお探しの方におすすめです。

ブラックバスフィッシングの定番!
強度を高める「P-Ion」加工で耐久性が向上したナイロンラインです。強度だけでなく、リールへの馴染み方まで考えられて設計されているので、とても扱いやすい特徴も持っています。
150m巻きですが、75m部分にマーキングがあり、1/2ずつ使いやすいようになっています。リールに対して適量が計算しやすいので、コストパフォーマンスの高さも魅力です。

ソルトゲーム対応ナイロンの決定版
モーリス 独自の製法「VEP」で、耐摩耗性能がとても高いナイロンラインです。その名の通り、ソルトゲームに向けて開発され、岩、堤防、テトラといった部分へのコスレや、魚のエラやヒレなどとの接触に強さを発揮してくれます。
ヒットさせた場所が悪く、取り込んだときにはラインがボロボロ、というときでも最後まで踏ん張ってくれる信頼できるラインです。

ラインコントロールがしやすい磯用ナイロン
磯釣りでは道糸の出し方や方向で浮きの流れをコントロールしますが、このラインはそれが抜群にやりやすい製品です。海面からの糸離れが良いので、流れが一定しないサラシをまたぐようなシーンでもすばやくラインの位置を変えられるます。
視認性のよいタンポポカラーも、イメージ通りのコースをトレースしやすくする一因になっています。厳しい環境の中でも信頼できるラインです。

大量消費の熱烈アングラーならコレ!
500mボビンで1,000円を切る価格帯で手に入る高品質ナイロンライン。しなやかでリールへの馴染みもよく、キャストを繰り返す釣りにも最適です。この値段なら、迷うことなく傷んだところから切っていけるので、常にコンディションが良好な部分で釣りができます。
コストパフォーマンスは最強の部類に入るラインなので、ラインをガンガン使っていく人におすすめです。
使う人やフィールドを選ばない
巻き癖がつきにくいのが特徴のナイロンラインです。しなやかでありながらも頑丈なつくりなので、どのような場所でも活躍します。操作性もよく、初心者の方でも扱いやすい造りになっています。見失う心配がないように、視認性に優れた明るいカラー展開もポイントです。初心者の方でも使いやすいナイロンラインをお探しの方や、さまざま場所での釣りに対応しているものをお探しの方に、おすすめです。
耐久性や使用感に優れている
フロロカーボンとナイロンをかけ合わせて作られたカーボナイロンのナイロンラインです。新素材として注目を集めているカーボナイロンが、お得な金額で購入できる商品です。ナイロンの操作性と強度に加え、フロロカーボンの伸縮性と高感度を兼ね備えています。万能性に優れているので、初心者の方からベテランの方まで使うことができます。ルアー釣りから波止釣りまで対応しているナイロンラインをお探しの方におすすめです。
摩擦に耐えるバス専用のナイロンライン
超耐摩耗性を兼ね備えたバス専用のナイロンラインです。摩擦や衝撃に強いので、障害物や深場の岩に対しても負けることがありません。また、柔軟性にも優れているので、しなやかで扱いやすい商品です。感触はソフトなので、手が傷つく心配もありません。深いところで大きい魚を釣りに行くのが好きな方や、耐久性を重視している方にぴったりの商品です。
耐久性抜群かつライントラブルなし
耐久性に優れていることから、大きい魚を狙う方でも使いやすいナイロンラインです。一般的にナイロンラインは鮮度が落ちやすい傾向にありますが、この商品は鮮度を保ったまま使うことができるので交換頻度が少なくて済みそうです。また、しなやかで巻き癖がつきにくいので、ライントラブルが少ないのもポイントです。長く同じものを使いたい方や、ライントラブルがストレスになってしまう方におすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ナイロンラインの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのナイロンラインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ライントラブルが少なく、初心者でも扱いやすい
本記事では、ナイロンラインについて、その特徴や最適な釣りシーン、そしておすすめ商品などを解説しましたが、いかがでしたか。
ナイロンラインは初心者でも使いやすく、またライントラブルも少ないため、あらゆる釣りシーンで使われます。もちろん、摩擦耐久や感度といった点ではPEラインやフロロラインに劣る部分もありますが、そこを強化した新商品のナイロンラインも販売されているので、一見の価値ありです。
また、各釣りシーンに合わせて、強度や長さ、摩擦耐久といった性能の違うラインを使い分けるのも大切なこと。魚や釣りシーンによって、大切な要素は変わってくるため、ぜひそこも念頭にナイロンラインを選んでくださいね。
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青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。