フライラインの選び方 釣りライターがおすすめする
釣りライターの中山一弘さんに、フライラインを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
フローティング(F)かシンキング(S)か
フライラインには水面に浮くフローティング(F)タイプと、沈むシンキング(S)タイプがあります。
使うフライが水面に浮くドライフライならフローティングラインを選ぶ必要があります。湖などの止水フィールドでは魚が回遊している層を狙う必要があるため、ラインそのものを沈めるシンキングラインを使います。
シンキングラインには水面近くを狙う「インターミディエイト」から、「type1」、「type2」、「type3」があり、徐々に深い層まで探れるようになっています。
シンキングラインを沈める深さはその日の状況に合わせる必要があるので、複数必要になることもあります。事前にフィールドの傾向などを調べておきましょう。
フローティングタイプは基本のタイプ
フローティングラインはフライフィッシングを始める人におすすめのフライラインです。製品ではFという記号が表記されているので確認してみましょう。フローティングラインは水に浮く製品なのでラインの位置が見えやすくなっています。
ラインが水に浮いていると魚がフライに食いつくのが確認しやすく、合わせなどもしやすいでしょう。
シンキングタイプは深さのある場所で使う
フライラインで水に沈むタイプはシンキングラインとなります。Sと表示される製品で沈むスピードを変化させることもできて、タイプも多く分かれています。数でタイプは分かれているので選びやすいでしょう。
釣りをする場所の水深がどれくらいあるかで使うタイプを考えましょう。早めにラインを沈められると魚にもストレスを与えず、合わせなどもしやすいでしょう。
番手や重さはロッドに合わせる
フライラインの番手と重さは選ぶときのポイントです。番手というのは#0~#15まで番号があり、重さの違いを表しています。使用しているフライロッドや釣りをする場所などで番手を選びましょう。
番手の数が大きくなるほどに遠くまで投げやすい重さになっています。海などで使うときには大きな数字の番手がおすすめです。
DT(ダブルテーパー)かWF(ウェイトフォワード)か
フライラインはラインの重さでフライを遠くへ届けます。重さが均等で、ラインの両端が徐々に細くなる「DT(ダブルテーパー)」と、重さが先端付近に集中し、後半がランニングラインに分かれている「WF(ウェイトフォワード)」があります。
DTは飛距離は出ませんが近距離のコントロール性能がよい特長があり、ラインを裏返せばもう一度新品として使えるメリットもあります。WFはウェイトが乗せやすいので飛距離が出しやすく、キャスティングが覚えやすい特長があります。
渓流や小規模なポンド型の管理釣場がメインならDT。大型河川や湖、大規模な管理釣場が多ければWFといった具合に使い分けましょう。
ダブルテーパーは渓流釣りにおすすめ
DTと表示されているのはダブルテーパーというフライラインになります。飛距離は短めでイワナなどを釣る渓流釣りに使うとよいタイプです。左右の両端が細くなっているのが特徴になっています。
両端にテーパーがついているために片方の端が使えなくなっても逆側にして使用できるので2回使えるコストパフォーマンスの高い製品です。はじめてフライフィッシングする人もかんたんに使えるでしょう。
ウェイトフォワードは遠くまで投げやすい
湖や幅広の川でフライフィッシングを楽しむ場合にはウェイトフォワードのフライラインを選んでみましょう。表記はWFとなります。ラインの先から9メートルくらいまで太く設定されているので重さがあります。
ラインが重くなっていると飛ばす距離が長くなります。フライフィッシングが慣れてきた人は挑戦してみましょう。
シューティングテーパーは飛ばすための製品
シューティングテーパーのフライラインは海など広い場所で長い距離でラインを飛ばしたいときに使いやすいです。STという記号で表示されています。長さとしては10mくらいに設定されていて、ランニングラインと一緒に使います。
キャスティングは独特な部分があるので、初心者よりもラインの使い方に慣れている中・上級者が使うとよいでしょう。
カラーの選び方
フライラインはカラーがいろいろとあります。位置が見えやすいラインはオレンジやイエローなどがよいでしょう。フローティングラインは水にも浮くので明るい色と合わせるとよく見えるでしょう。
グレーやグリーンなどの色は魚が気付きにくい色とされているので水に沈むシンキングタイプを合わせると魚の警戒心を解くことができるでしょう。
番手は狙いたい魚種と釣り場に合わせる
フライラインには番手というものがあり、小さい数値の番手ほどラインが軽く、大きいほど重くなります。
小さい番手は小さな釣場、大きな番手は大きな釣場に向いています。一般的には2~4番が渓流、5~6番が管理釣場、5~8番が湖用となります。
これとは別に小さな釣場でも大きなフライを使いたいときがありますが、その場合はフライラインの番手を上げる必要があります。自分がよく行くフィールドに合わせて、適切な番手を選んでください。
飛距離重視ならスペイ、スカジットキャストも
シングルハンドの飛距離だけでは不足する場合、ダブルハンドロッドでより遠くを狙えるスペイキャスティングやスカジットキャストも活用できます。
それぞれ専用タックルが必要になる、ややマニアックな釣りですが、キャストにバックスペースが不要なため、釣場を一気に広げることもできます。基本のフライキャスティングをマスターしたら、チャレンジしてみるのもおもしろいですよ。
フライラインのおすすめ10選 人気のティムコやリオ、コスパ最強ラインなど!
上で紹介したフライラインの上手な選び方のポイントをふまえて、釣りライターの中山一弘さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

ティムコが日本のアングラーのために開発したライン
やわらかなプレゼンテーションを可能にする重量配分で、絶妙にコントロールしやすいラインです。
渓流でフライラインを振っていると、いつの間にかティップ(先端)が水面下に入ってしまっていることがあるのですが、この製品は独自のDTT技術(ドライティップテクノロジー)による抜群の浮力でそれを軽減できます。
また、こちらのDWFはDT(ダブルテーパー)とWF(ウェイトフォワード)のいいとこどりのシステムとなっており、WFなのに裏返して使うことができるので大変お得ですよ。
すばやいロードとキャストアウトが可能!
1969年に創業した日本のフィッシング・アウトドアメーカー「TIEMCO」の製品です。『スープラ エクスプレス フローティング』は、さまざまなニーズに応えるために開発されました。スカンジナビア系ラインをベースに改良したテーパー、従来のシングルハンドロッドに合うよう設定したウェイトになっています。
ウェイトポイントを6~8mに設定することで、すばやいロードやキャストアウトが可能です。カラーをリアテーバーのみ変更しているので、キャスティングスタイルに合った「スィートスポット」が選べます。
シンクレートが簡素化されたフルシンキングライン
「フリークエンシィシリーズ」のフルシンキングラインです。ヘッドとランニングライン部分が同じシンクレートになっており、リトリープに特におすすめ。コアはモノフィラメントなので、ブレイデットよりもよく沈み、さらに深くトレースできます。
タイプ6は、ボートや防波堤からのカマス釣に最適です。シンクレートは3タイプ(タイプ3、タイプ6、インターミディエイト)、ラインカラーはタイプ別に、ダークグリーン、ダークグレー、アトモスフィアの3色展開しています。

コスパにすぐれたシューティングヘッド
遠くへ飛ばせるということは、それだけ魚との出会いのチャンスが広がることに直結します。そのために必須のシューティングヘッドを抑えめ価格で提供しているコストパフォーマンスモデルがこちらです。
実際の使用には、これにティップとランニングラインなどが必要になりますので、詳しくはメーカーサイトを参照してください。スカジットキャスト初挑戦のアングラーを応援してくれるフライラインです。
伸び率の少ないダクロンポリエステル素材を使用
フライラインの下巻としてこのバックラインを巻くことで、リールの内径が大きくなり巻取り量が増え、フライラインの巻きクセを防ぎます。また、大物とのファイト時にフライラインが足りなくなった際に、長さをカバーする役割も兼ねています。
伸び率の少ないダクロンポリエステル素材を使用しているので、持ちがよくコストパフォーマンスが高いのもポイントです。カラーはイエロー、ホワイト、オレンジ、ピンク、パープル、グリーン、ブルーの7種類です。

日本の中流から渓流にマッチしたフライライン
VARIVAS(バリバス)の『エアーズ プロスペック』はもともと高い浮力と滑りのよさでとても扱いやすいラインでしたが、こちらはその特徴はそのままに有名フライマン・岩井渓一郎氏のアドバイスで完成した、ヤマメ専用のオリジナルテーパーを採用した製品になります。
近距離から中距離で狙ったピンスポットにフライを打ち込むために、さまざまなテクニックを高次元で再現できる操作性の高さが魅力です。初心者にも扱いやすいですから、ラインに困ったらこれを使ってみてください。
低ストレッチで滑らかなパフォーマンスを実現
川や湖のオールラウンドフライラインとして最適な、究極のフライラインです。ロングヘッドとバックテーパーを備えており、繊細なラインコントロールが必要なときにもしっかりと力を発揮してくれます。
RIO独自のローストレッチ ConnectCore Plusを使用して構築されているため、非常に滑らかで耐久性が高いのも特長です。また、ラインの表面から定期的に潤滑成分が出ることで、表面が自己修復され、長く使えるのも嬉しいポイント。
初心者から上級者まで大満足!
ロータスの「Autenticシリーズ」は、初心者から上級者まで満足できるフライラインの定番です。コーティングはPVCで、適度な柔軟性によりラインの滑りがよく、キャスト後の操作がしやすくなっています。コアはフロロカーボンのブレイドで、ターンオーバー性能を強く生み、キャストの時の直進性がさらにアップ。
テーパードウェイトコントロールにより、あらゆるコンディションでも正確な安定したキャスト、飛距離を実現します。低伸縮コアにより、魚のアタリやフィールドの状況がアングラーの手にしっかり伝わる、おすすめのラインです。
風の影響を受けにくく初心者におすすめ!
ロッドやリールなど、さまざまなアイテムを釣り扱っているメーカー「GOTURE」の製品です。フロント側が重くなるように設計されており、スムーズなプレゼンテーション、キャスト、コントロールが簡単になるので、初心者にもおすすめ。
明るいカラーで視認性がよく、また、極細の直径で風の影響が受けにくくなっています。適度な重量のラインなので、より広いレンジが攻められますよ。巻き癖がつきにくい適度な柔軟性のラインで、滑りがいいので楽にキャスティングできます。ニンフフィッシング、ドライフライフィッシング、ウエットフィッシングなどの釣りにも対応可能です。
オールラウンドに使える!耐久性に定評のあるライン
「444 ピーチ」は、長年にわたり親しまれている、定番のベーシックラインです。片方の端には、溶着ループ(ウェルデッド・ループ)がついています。耐久性は高い評価を得ており、オールラウンドに使えるので、大変便利です。
巻き癖がつきにくいので、大変使いやすくおすすめですよ。寒冷な環境でも柔らかさを失わないよう、コアにはブレイデッド・ナイロン・マルチフィラメントが使用されていて、水温マイナス1℃~20℃程度に適しています。
「フライライン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フライラインの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのフライラインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フライラインと一緒にチェックしたいアイテム フライロッド、ウェーダー、ベスト
釣りライターのアドバイス フライラインはメンテナンス次第で寿命が延びる
フライラインは使用中・使用後のメンテナンスが必須のアイテムです。フローティングラインは浮力が落ちたときにクリーニングパッドとドレッシングで汚れを落とし、グリースを塗ると、すぐに復活します。
もちろん、釣りから帰った後はラインをリールから引き出し、ラインクリーナーで汚れを落としてから、リールよりも大きなループにまとめて緩くしばっておくと傷みが少なくなります。他の釣りのラインと比べて高価ですから、なるべく大切に使ってあげてください。
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青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。