フライロッドとは?
フライロッドとは、フライフィッシングで使用する釣竿のことです。
虫や小魚などに似せた毛バリ「フライ」を使って、生きているかのようにロッドを前後に振りキャストします。魚をいかにして騙すか、駆け引きがフライフィッシングの醍醐味です。
フライロッドの選び方
ここからは、釣りライターの中山一弘さんにお話をうかがい、フライロッドの選び方についてご紹介していきます。
【1】どこで何を釣るかで「番手」が決まる
【2】「長さ」はキャスティングスキルに合わせて考える
【3】キャスティングに重要な「曲がり方」
【4】片手で扱える「グリップ」をチェック
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うフライロッドを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
どこで何を釣るかで「番手」が決まる
フライロッドは適合するフライラインの重さによって「4番」「5番」「8番」など規格が分かれています。5番手のフライロッドであれば、5番のフライラインを組み合わせるのが一般的です。
フライフィッシングは渓流や湖、管理釣場などで楽しめます。渓流では小さなフライを使うことが多く、川幅に合わせて#2~#4がよく使われます。湖では大きなフライを使い遠くへキャストするため、#5~#8を使います。大きくて重いフライを遠くに飛ばすのであれば、太くて重いフライラインが必要です。逆に、小さくて軽いフライを近くに飛ばすのであれば、細くて軽いラインが適しています。
例えば、淡水のヤマメやオイカワなど小型魚は0〜4番、サクラマスやニジマスなどは6〜10番。海釣りのメバルやシーバスには6〜10番、それ以上の大型魚は10〜15番を選びましょう。まずは釣りに行きたい場所を明確にしておくとロッド選びが楽になります。
「長さ」はキャスティングスキルに合わせて考える
フライロッドは長さと調子によって、バリエーションがあります。長さは7.6〜8.6ft(フィート)がメイン。メートル換算で、218〜259cmの長さがあります。より複雑な流れを釣るときにはロッドを高く構えて手前の流れをまたぐ必要があることも多いので、9ftも使われます。ロッドの調子は胴調子のスローから、支点が竿先にあるファストがあります。
自分のキャストとの相性があるので、どちらが良い悪いというのはありませんが、最初に買うものは極端なファストテーパーと、極端なスローテーパーは避けるようにしましょう。
なお、番手や長さはフライロッド本体やケースの表記で確認できます。例えば、ティムコの『ユーフレックス・Jストリーム JS793-4』であれば、「7.9ft・3番手・4本継ぎのロッド」ということを意味しています。
キャスティングに重要な「曲がり方」
フライロッドを選ぶ際は曲がり方も確認しましょう。曲がりやすい箇所はタイプによって異なります。
ファスト
先端から反発力を生む。ロングキャスト向き。
スロー
中心部から先端にかけて曲がりやすい。キャスティングのラインスピードが遅い分タイミングを取りやすいが、ロッド先端に力を伝えにくい。
ミディアム
ファストとスローの中間が曲がりやすい。初心者向き。
片手で扱える「グリップ」をチェック
グリップには「シングルハンド」と「ダブルハンド」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
シングルハンド
片手でキャストできるシングルハンドは、片手で扱えるくらい軽量なのが特徴です。渓流などでの釣りに適しています。
ダブルハンド
両手でキャストできるタイプのダブルハンド。グリップはリールの上下に配置されており、遠投性が高められています。湖や海での釣りに適しています。
フライロッドのおすすめメーカー ティムコ/シマノ/ダイワ/セージ/オービス/ウィンストン/モーリス/天龍
ここでは、フライロッドのおすすめメーカーをご紹介します。
TIEMCO(ティムコ)
1969年に設立された日本の企業。日本で初となるフライフィッシングスクールを開き、それまで国内で馴染みのなかったフライフィッシングの普及に大きく貢献した。1994年には同社が開発した「ユーフレックス」シリーズを発売。現在では、ロッドからウェアまでトータルで扱う。
SHIMANO(シマノ)
1921年、変速機の製造から創業。1970年に釣具に参入した総合アウトドアスポーツ用品企業。とくに、変速機を中心としたロードバイクのパーツ分野においては、世界の9割のシェアを占めるされる。
Daiwa(ダイワ)
1958年創業の釣具で日本トップクラスのシェアを誇るメーカー。現在、TXN系釣り番組『THEフィッシング』の筆頭スポンサー。
Sage(セージ)
1980年にアメリカで誕生した老舗メーカー。伝説のロッドデザイナーであるドン・グリーンによって設立された一流フライロッドメーカー。
ORVIS(オービス)
1856年にチャールズ・F・オービスによってマンチェスター州、バーモントにて設立。以来、近代フライリールの原型とも言われる1874型フライリールをはじめ、常に革新的なタックルを開発し続けている。
R.L. Winston Rod Co.(R.L. ウィンストン・ロッド・カンパニー)
1929年、Robert Winther (ロバート・ウィンザー)と Lew Stoner (ルー・ストーナー)により設立。個性的なロッドも多いが、ウィンストンロッドのバットセクションには、鉄より5倍強く2倍硬く、アルミニウムより軽量とされる「ボロンファイバー」を採用するなど、技術革新においても常に進化し続けている。
MORRIS(モーリス)
同社のブランド「VARIVAS」で知られる釣具メーカー。釣り糸をはじめとした高品質かつ多彩なフィッシングタックルを開発、展開している。
天龍(テンリュウ)
竹を使用した六角竿で知られる「生涯、釣竿一筋」がキャッチコピーの釣具メーカー。現在は、グラスファイバーやカーボン製の釣竿やゴルフシャフトなども製造している。
フライロッドおすすめ11選 長さ・番手・継数もチェック!
フライロッドの選び方のポイントをふまえて、釣りライターの中山一弘さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。

フライキャスティングを極めるのに最適な製品
「振りやすさ」を追求して作られたモデルだけに、キャストのしやすさはトップクラスです。とくに『FBM865-2』は軽量で取りまわしがしやすく、癖がほとんどないのでロッドの動きを覚えるのに最適なロッドといえます。
#5は川幅の広い渓流から湖、ポンド型の管理釣場など出番が多い番手です。これでキャスティングをマスターすれば、小さい番手も大きな番手もすぐに扱えるようになります。ビギナーにはとくにおすすめの1本です。

ロングティペットを多用する人におすすめのロッド
ロングティペットの釣りを広めた岩井渓一郎氏が監修したフライロッドです。フライをより自然に流す「ナチュラルドリフト」を無理なく実現できるロングティペットは、気難しい渓魚へのアプローチの切り札的存在です。
そんなロングティペットの釣りを再現しやすいようにチューニングされているので、興味のある人にはぜひ触れてもらいたい1本です。

ヨーロッパモデルの逆輸入したフライロッド
フライフィッシングはもともとイギリスが発祥で、古くからヨーロッパ中で愛された釣りです。そんなフライフィッシングの本場の人気モデルを逆輸入した製品が『BROOKSTONE(ブルックストーン)』になります。
この『804』は渓流や管理釣場で扱いやすい番手のロッドです。流れの攻め方を覚えたり、トラウトの入れ食いを楽しんだり、さまざまなシーンで活躍してくれます。入門に最適な製品ですね。

日本の渓流に合わせて開発されたフライロッド
日本の渓流向けに専用設計された「Jストリーム」の2代目となるシリーズです。前モデルからアクションや仕上げを見なおし、より使いやすいモデルに生まれ変わっています。とくにキャスティングのパワーが伝わりやすくなり、アキュラシーが向上しているのが特長です。
ラインアップのなかでも中間に位置するこのモデルは、とくにキャスティングのフィールがよくなっているので、これからフライフィッシングをはじめる人にもぴったりの製品に仕上がっています。ベテランもほしがる1本なので、ぜひ候補に加えてください。
高コスパ。フライロッドのエントリーモデル
軽量かつ、優れた操作感を実現したダイワのフライロッドです。初心者の方でも扱いやすくなっており、カジュアルに釣りを楽しみたい方におすすめなアイテムとなっています。また、コストパフォーマンスも非常に優れているのも魅力な点です。フライフィッシングをやってみたいけど迷っているという方はこちらの商品でチャレンジするのがおすすめです。
職人の技が光る高品質ロッド
熟練の職人が手作業で丁寧に仕上げたロッドで釣り人からの支持を持つカムパネラ。こちらの商品はその中でもリーズナブルで扱いやすい超軽量のフライロッドです。初心者からベテランまで、誰もが快適な操作感でキャスティングが行えます。ロッドにこだわりたい方におすすめのモデルです。
これひとつでフィールドに飛び出せるうれしいセット
ロッド、リール、ライン、フライ、バッグがついたセット。これひとつでフィールドに出かけることができます。
強化されたアルミニウム合金製のリールシートは耐久性にすぐれ大物がかかってもタフなファイトを演出してくれるでしょう。ミディアムスローアクションで取り扱いもしやすく入門編のロッドとしても使い勝手よく利用できそうです。
渓流釣りに挑戦したい方へ
フライフィッシングにこれから挑戦したい、渓流でイワナやヤマメを釣ってみたいという方におすすめな一本です。初心者がフライキャスティングや釣りの操作を覚えるためにぴったりな強度やアクションを実現しています。また、渓流から止水の管理釣り場までの幅広いシーンの釣りも楽しめますよ。
上級者に試して欲しいロッド
ありとあらゆる環境で釣りを楽しめるように、世界中の河川でテストを繰り返して開発されたロッドです。Sageの蓄積されたノウハウ、技術を結集し、魚や自然に負けない高い耐久性と、高速なアクションを実現するパフォーマンスを有しています。大物を狙いたいという方に試して欲しい一本です。
コストパフォーマンス重視派にうれしい1本
6フィートと短めの寸法は藪沢や渓流で使用する際の取り回しが効きやすいことが特徴。抑えめの価格なので、山中でも思い切り使うことができそうです。リュックなどへの収納ができれば移動の際にもストレスになりません。
強めのハリと腰のある曲がりで40cmオーバーの魚でも取り込むことができるすぐれもの。幅広いターゲットのお供になりそうです。
操作性、コスパ、デザインの三拍子が揃ったロッド
フライロッドとクロスバック、ハードケースが1つになった商品です。これ1つですぐに釣りを行えますよ。ロッド自体はミディアムファーストアクションで扱いやすく、コストパフォーマンスが高く、初心者も手に取りやすくなっています。また、ブランクはブラックのセミアンサンド仕上げ、グリーンのスレッドにシルバーのアクセント、リールシートには天然木、使用されており、高級感も感じられます。
「フライロッド」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フライロッドの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのフライロッドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フライロッドに関するQ&A よくある質問
番手とは何ですか?

フライロッドには、1番から15番までの適合するフライラインの重さが指定されています。数字が大きいほど重く、ロッドとラインの番手は、用途や状況(魚、フライのサイズや重さ、淡水・海水などロケーション、飛距離、風)で選択します。
フライフィッシングの対象魚は何ですか?

渓流に生息するヤマメやイワナ、ニジマス、ブラウントラウト、アメマスなどになります。
どのような服装が適していますか?

ウェーダーまたは長靴、フローティングベストが必要です。
フライロッドと一緒に使いたいアイテム ライン、シューズ、ウェーダーなど
釣りライターからのアドバイス フライのサイズも影響する
フライロッドとフライラインの組み合わせは釣り場の環境に合わせるのが一番ですが、そこで使うフライのサイズも微妙に影響を与えます。フライも、形状にもよりますが14番ぐらいまでは重さも大きさもあまりキャスティングに影響しないものの、12番よりも大きなフライは自重も増え、ハックルも大きくなるので空気抵抗が大きくなります。
大きなフライには大きな番手のラインが必要になるので、大型フライを多用する人はワンランク上の番手のロッドを選ぶなど工夫をしてくださいね。
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青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。