アナログミキサーとは

アナログミキサーとは、マイクやアンプ、スピーカー、パソコンなどに設置・入力することで、元の音はアナログのまま、音のバランスを取ることができる音響機器。ライブ会場での演奏や自宅での録音、音楽配信などで使用され、数種類の音を混ぜたり、音量を変更したりすることができます。
アナログミキサーは、メーカーや製品ごとに特徴があり、選び方次第ではイメージと違う音作りになる可能性もあります。本記事を参考に、理想の音作りを実現してください。
アナログミキサーの選び方のポイント

大手楽器メーカー出身のライター・山野辺祥子さんいわく、「使用目的」「チャンネル数」「エフェクトの有無」に注目することがポイントです。
まずはアナログミキサーの選び方をチェックしていきましょう。大手楽器メーカー出身のライター・山野辺祥子さんのアドバイスもご紹介しています。自分の使い方にぴったりのアナログミキサーを選ぶために参考にしてみてくださいね。
【1】ミキサーを何に使うのかはっきりさせよう
アナログミキサーを選ぶときは何に使うかが重要なポイントです。
屋外のライブのPAに使うのか、それとも自宅や短い時間のスタジオで複数のラインをまとめるのに使うのかといったことを考えたうえで、用途に合ったアナログミキサーを選ぶ必要があります。
屋外ならモバイルバッテリーで駆動するものを
屋外のライブなどでギターやベースのLINEをまとめたり、PA用に使ったりするのにアナログミキサーを使いたい場合、問題となってくるのは電源の確保です。電源を借りたり、発電機を持ち込んだりと、屋外のライブでは毎回苦労する場面ですが、最近はUSBで給電できるミキサーもあります。
USBで給電できると、ノートパソコンやモバイルバッテリーからも給電できるのでありがたいですね。
動画配信や音楽制作ならメインの出力端子以外もチェック
自室やスタジオなどで音楽制作をしたり動画配信したりする場合は、メインのIN/OUT以外の端子もチェックしておきましょう。
PC上のDAWに打ち込んだシーケンスを走らせながら、ギターの録音をするとなると、GROUP OUTが搭載されていれば、PCで走らせたシーケンスを見ながら弾いているギターの音だけを個別で調整できます。
ライブ用であればEQやコンプレッサーの性能もポイント
ライブ用で使うのであれば、EQやコンプレッサーの性能もポイントです。ライブ会場によって音の響きや音のヌケ方は違うので、どうしても音質の調整は必要になります。
低音域が足りなければEQで低音域を出すとか、やたら出過ぎている音はコンプレッサーで調整するなど、ライブにおいてはミキサーの調整が肝となってきますので、その性能も重要になってきます。
【2】チャンネル数について

Photo by Mark Stenglein on Unsplash
アナログミキサーは、言うまでもなく多チャンネルの音をまとめ上げる機材なので、そのチャンネル数は重要チェック項目です。用途によって必要なチャンネル数は変わってくるかと思います。
たとえばDAWひとつでEDMを作っている場合、入力チャンネルは少なくてもいいでしょうし、一方4ピースバンドで一斉に録音するのであれば、マイクとラインの数だけ入力チャンネルが必要です。
ただし当然、チャンネルが増えれば大きさも大きくなり値段も高くなるので、いったい自分が何チャンネル必要なのかを考えて選ぶようにしましょう。
【3】エフェクトは必要か?
エフェクトが搭載されているアナログミキサーもあります。しかし、たいていの場合は最終的にミキサーに音を入れたときに調整するために用いられるエフェクトなので、思いっきりかけたいというときは専用のエフェクターをセンド/リターンでつなぐほうがいいでしょう。
一方、出音の最終調整に使うEQやコンプレッサーは、搭載されているとわざわざ別でそろえる必要もないので便利です。
制作にライブに。アナログミキサーは用途に合わせて 大手楽器メーカー出身のライターがアドバイス
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
デジタルミキサーよりも現場で直感的に音出しできるのがアナログミキサーのメリットです。近年ではコンサート会場を中心に活躍する玄人メーカーが、初心者の方でも容易に操れるモデルを多く製造しています。
選ぶ際はチャンネル数など目的に合わせることが大切ですが、音楽制作にしてもライブにしてもUSB接続できるものが便利かもしれません。コンパクトで軽量なものもいいです。
おすすめアナログミキサー12選 大手楽器メーカー出身ライター・山野辺祥子さんと編集部が選んだ
それではここからは、大手楽器メーカー出身ライター・山野辺祥子さんと編集部が選ぶおすすめアナログミキサー12選をご紹介します。これまでお伝えしたアナログミキサーの選び方を参考に、ぜひ自分にあった商品を見つけてみてください。

YAMAHA(ヤマハ)『AG03』

出典:Amazon
用途 | 自宅録音、動画配信等 |
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電源 | ACアダプタ、USBバスパワー |
チャンネル数 | 入力3ch、出力2ch |
エフェクト | コンプ、イコライザー、ハイパスフィルター、リバーブ、ギターアンプシミュレーター |
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
YAMAHA『AG03』は、動画配信などで需要のあるお手軽卓上型ミキサー。微細なコントロールができる60mmフェーダーが音へのこだわりを感じさせます。

Soundcraft(サウンドクラフト)『Notepad-5』














出典:Amazon
用途 | 自宅使い、スタジオでの練習 |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 2IN/2OUT |
エフェクト | 2バンドEQ |
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
音響エンジニアの利用も多いSoundcraft社。『Notepad-5』は、品質のよさはもちろんのこと、ツマミが少ないので初心者の方でも扱いやすいでしょう。

Maker hart『Loop Mixer』
















出典:Amazon
用途 | 自宅 |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 入力5cn/出力2ch |
エフェクト | なし |
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
Maker hart『Loop Mixer』は、ステレオヘッドフォンでモニタリングできます。
MACKIE(マッキー)『MIX5』












出典:Amazon
用途 | 自宅、ライブ、スタジオ |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 入力5ch/出力2ch |
エフェクト | 2バンドEQ |
behringer(べリンガー)『XENYX 502』
















出典:Amazon
用途 | 自宅、ライブ |
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電源 | - |
チャンネル数 | 5ch |
エフェクト | 2バンドEQ |
Soundcraft(サウンドクラフト)『EPM12』






出典:Amazon
用途 | 自宅、ライブ等 |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 入力12ch/出力6ch |
エフェクト | 3バンドEQ |
PreSonus(プレソナス)『StudioLive AR12c』




出典:楽天市場
用途 | 自宅、スタジオ、ライブ等 |
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電源 | IEC |
チャンネル数 | 14ch |
エフェクト | 3バンドEQ、デジタルエフェクト16種 |
YAMAHA(ヤマハ)『MG06X』










出典:Amazon
用途 | ライブ |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 入力4ch/出力2ch |
エフェクト | 2バンドEQ、リバーブ(6種類) |
ROLAND(ローランド)『GO:MIXER』


















出典:Amazon
用途 | 自宅等 |
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電源 | USB |
チャンネル数 | 入力8ch/出力2ch |
エフェクト | なし |
MACKIE(マッキー)『MIX8』












出典:Amazon
用途 | 自宅、ライブ |
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電源 | ACアダプタ |
チャンネル数 | 入力8ch/出力3ch |
エフェクト | 3バンドEQ |
YAMAHA(ヤマハ) 『MG10XU』








出典:Amazon
用途 | 自宅、ライブ |
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電源 | ACアダプタ― |
チャンネル数 | 入力10ch/出力4ch |
エフェクト | 3バンドEQ、コンプレッサー、デジタルエフェクト(24種類) |
ammoon『AGM02』


















出典:Amazon
用途 | 自宅 |
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電源 | ACアダプタ、USB |
チャンネル数 | 入力2ch/出力1ch |
エフェクト | 2バンドEQ |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アナログミキサーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのアナログミキサーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
まとめ
今回は大手楽器メーカー出身のライターである、山野辺祥子さんとともにアナログミキサー12選を紹介しました。制作やライブ現場のデジタル化にともない、アナログミキサーも進化しています。
単なる音をまとめる役割だけでなく、搭載されているエフェクターで音を変えてみたり、USBをつなげオーディオインターフェイスとしても活躍してくれそうです。自宅でもライブでも使えるアナログミキサーは1台持っておいて損はないでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/19 コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。