マルチエフェクターとは?
マルチエフェクターとは、一台に様々な種類のエフェクトを詰め込んだライブやレコーディングでは欠かせない機器です。
ギター用マルチエフェクターの選び方 レコーディングエンジニアが教えるプロの着眼点
レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんに、ギター用マルチエフェクターを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ギター用ではコンパクトエフェクターも根強い人気ですが、マルチエフェクターも高い注目を集めています。マルチエフェクター独特の選択ポイントをチェックしてみましょう。
操作性と可搬性(コンパクトさ)で選ぶ
ライブなどで音色などを変更する可能性がある場合、エフェクターの操作すべきパラメーターに瞬時にアクセスする必要があります。
「マルチエフェクター=複数のエフェクターをひとつにまとめたもの」という製品の特性上、操作系統が複雑化するのは仕方のないことですが、なるべく操作をしやすいように各メーカーがそれぞれ工夫をしています。そのなかでも、パラメーターをすべて直接調整できるようになっている製品もあり、ご自分の演奏スタイルによって選ぶべき製品が決まってくると思います。
PCやスマホとの連携ができる機種を選ぶ
エフェクターはPCやスマホなどと連携することによって、パラメーターやセッティングなどを詳細に渡って調整し保存可能。さらに著名ミュージシャンやプロデューサーの作成したパッチをネットからダウンロードできる機種もあります。
とくにこれからはじめてギター用エフェクターを導入される方は、そのような機能のある機種を選ぶことによって、各エフェクトがどのような効果を生むかという点で音作りの参考になるでしょう。
いろんなエフェクトを同時に使えるかで選ぶ
マルチエフェクターとはその名のとおり、複数のエフェクターを同時に使えるのが特徴です。そのため単機能のコンパクトエフェクターを何台も導入するよりもコストパフォーマンスにすぐれるものが多いうえ、可搬性にすぐれているといえます。
なによりも歪みだけではなく、モジュレーションやLOOPER、チューナーや空間系マルチエフェクターまでもが搭載されているので、多彩なサウンドを必要とする方、足元のセッティングをシンプルにしたい方にはおすすめです。
ギター用マルチエフェクターのおすすめ9選 レコーディングエンジニアが厳選
ギター用マルチエフェクターの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。手軽な入門モデルからライブやスタジオでも活躍する本格モデルまで、幅広く紹介いただいています。

小型で練習やライブにも持ち運びやすいモデル
「GT-1」は、BOSS(ボス)のマルチエフェクターのエントリーモデルです。
それにしても、よくこの内容をここまでコンパクトにできたものですが、そのためディスプレイは小さめで、ライブなどで使う際には誤操作の危険性があります。それを防ぐためプログラムには工夫が必要になりますが、その手間を補って余りある完成度です。
筐体(きょうたい)はプラスティック製で軽く、同梱物をきずつけないようにエッジを丸く加工するなど、ひじょうに持ち運びやすく工夫されています。
さらに単3電池でも駆動ができるので、電源コンセントから離れたところでも使用できます。屋外やライブハウスで演奏する機会がある方は検討してみてもいいでしょう。ただしACアダプターは別売りなのでご注意を。
スマホ感覚の操作性で極上のサウンドを
ZOOM『G6』は、フラッグシップモデル『G11』と同じ最先端のエフェクトプロセッシング技術と、スマホ感覚で操作できる4.3インチのタッチスクリーンを搭載しています。
22アンプモデル、22キャビネットモデル、135エフェクトを内蔵し、最大7エフェクト+1アンプモデルを同時使用可能。
また、スピーカーキャビネットの鳴りをキャプチャしたインパルス・レスポンスを取り込めるIRローダー機能を搭載し、即戦力の70個のIRデータをプリセットするほか、サードパーティー製のIRデータも最大50個まで本体にロードできます。
理想の音色に素早く近づけるギター・マルチ
シンプルで直感的な操作が魅力のMEシリーズの最新モデルです。コスパに優れ、COSMアンプ・モデリングによる迫力のアンプ・サウンドを音作りに活かし、サウンド・ライブラリーを駆使したイージー・オペレーションで、誰でも簡単に目的の音が作れます。
ジャンル別でサウンドを選択可能
ジャンル別で選べるサウンドで、オリジナリティのあるサウンドが作れます。さらにエクスプレッション・ペダルでリアル・タイムにコントロールが可能です。

操作性にすぐれた多機能マルチエフェクター
頑強な見た目の筐体(きょうたい)で重さも約1.8kgと、気軽に持ち運ぶにはちょっと重く感じるかもしれないZOOM「G3Xn」。ただ、マルチエフェクターというと操作が複雑になりがちですが、この機種は大きなディスプレイで簡単にエフェクトを切り替えることができ、直感的に操作できるというメリットがあります。
また、一見してわかると思いますが、コンパクトエフェクターを3つ並べたような外観で、それぞれにマルチファンクションの4個のツマミがあり、操作性はとてもいいです。多彩なエフェクトを使い分けたい方におすすめの機種です。

アンプシミュレートも多彩でスタジオでも活躍
「POD」の「Line 6」による製品です。アンプシミュレートはさすがLine 6、プロクオリティのサウンドが得られます。カラフルなフットスイッチは視認性抜群、ペダルも大きく踏みやすいです。
バランス XLR出力は大きなポイントで、スタジオ機器やPA機材との相性もいいでしょう。インサートのセンド・リターンは工夫次第で便利に使え、お持ちのエフェクターをシステムのなかに組み込むことも可能です。
エディットは「Firehawk Remote」アプリで行なうことができますが、本体のディスプレイとツマミでのエディットも容易なので、ライブ中に調整することも可能です。サウンドクオリティと自由度をお求めの方におすすめの機種です。

カラーディスプレーの視認性のよさが使いやすい
MOOER「GE200」はコンパクトですがカラーディスプレイは非常に見やすく、操作性も文句なしのギター用エフェクターです。
55種類の豊富なアンプモデリングを搭載し、そのクオリティも高いですが、エフェクト部分はBOSSやZOOMに比べて若干弱い印象。リズムセクション(Drum Machine)は40種類、フレーズルーパーは最大52秒と充分すぎるほどのスペックです。
さらに、オーディオインターフェイス機能がついているので、ちょっとしたデモテープならこれ1台でできてしまうため、ライブハウスでの演奏から個人的な曲作りまで対応できる、コンパクトな機種をお探しの方におすすめです。また、電源は電池ではなく、専用ACアダプターを使用します。

ツマミの多さが高い操作性を実現した高性能モデル
MEシリーズのフラッグシップモデル。筐体はコンパクトとはいいがたいですが、各パラメーターはすべてつまみで操作できます。そのうえ、4個に見えて実は8個あるフットスイッチと大きめのペダルで、操作性は非常によく、使い方も簡単です。ライブ中でもサウンドの微調整が瞬時にできるのはこの機種の最大ポイントです。
さらに、別売りのACアダプターだけでなく単3電池での駆動もできるので、電源のない場所でのパフォーマンスも可能。ファクトリープリセットは36と決して多くはないですが、PCと連携してサイトからダウンロードできるため、バリエーションに困ることはないでしょう。
場所を選ばず多彩な演奏をしたい方にマッチした商品です。
ギタープロセッサーのスタンダードモデル
『Helix LT』は、高いレベルのパフォーマンス、フレキシビリティ、コントロール性を備えたギタープロセッサーのスタンダードモデルです。
フラッグシップモデルである「Helix」「Helix Rack」と同様に、パワフルなデュアルDSPを駆使した「HX モデリングエンジン」を搭載し、さまざまなアンプやキャビネット、マイク、エフェクトの音色や挙動を忠実に再現しています。
さらにI/O とハードウェア構成を厳選することで、よりお求めやすい価格を実現。また『Helix LT』 のプリセットは「Helix」「Helix Rack」と互換性があるため、これらのモデルのバックアップ用プロセッサーとして『Helix LT』を活用することもできます。
「ギター用マルチエフェクター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ギターマルチエフェクターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのギターマルチエフェクターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ギター用マルチエフェクターと一緒に見たい周辺機器
マルチエフェクターの最大の利点は? レコーディングエンジニアからのアドバイス
自宅やスタジオの音をライブで再現できる
マルチエフェクターの最大の利点はセッティングの再現性にすぐれる点です。
現在発売されているマルチエフェクターは、一部の例外を除いてはデジタル回路で構成されていますので、作成したサウンドをメモリーして呼び出すことができます。そして、基本的にほかの機材を必要とせず、それ単体で音作りできますので、過去に作ったサウンドの再現性にすぐれています。
自宅やスタジオなどでじっくり音作りしたものを、ライブでそのまま再現することができますから、それをもとにアップデートすれば、さらなるサウンドクオリティのアップに繋がるでしょう。また、演奏する会場の響きによって残響の具合を変えることなども容易にできます。
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1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"