折れないシャーペンの選び方 仕組みや書きやすさなどをチェック
文房具ライターの納富廉邦さんへの取材をもとに、折れないシャーペンを選ぶときのポイントをご紹介します。
芯を折れにくくするメカニズムから選ぶ
折れないメカニズムのなかには、ゼブラ『デルガード』やパイロット『モーグルエア』のように、筆記時に芯を支えるメカニズム自体が沈み込むタイプがあります。このタイプの場合、筆記時に芯が動くことになるので、製図用途などのソリッドな線には向きません。
また、ぺんてる「オレンズ」に代表される、芯をパイプがガードして芯を出さずに書くタイプの場合、パイプが紙に当たる感触が気になる場合があります。三菱鉛筆「クルトガ」のように、芯が回転することで力が一点にかからず折れにくいというタイプもありますが、このタイプも筆圧の強い人には向きません。自分の書き方と、各製品の機能の相性は重要です。
テストに最適、一定の太さで書ける、芯が折れにくい機構……教育・受験指導のプロが選ぶシャーペンとは? シャーペン(シャープペンシル)は、筆記用具のなかでも活用度が高い文房具です。学生・社会人を問わずシ、毎日のように使う方も多いでしょう。そんな身近な文房具だからこそ、書き心地やノックのしやすさ、グ...
折れない機能にもいろいろある
折れないシャーペンといっても、その方式はさまざまで書き味も違います。
たとえば、0.5mm芯で折れない機能を搭載している製品は、かなり筆圧が強い人向けです。また、0.3mmなどの細い芯を安定して使うためにパイプガードがついているタイプのシャーペンもあります。これは、芯折れを気にせず細い文字を書きたい手帳ユーザーや学生におすすめです。
一方、0.7mm芯などの太い芯を使うことでさらに折れにくくする製品は、速記などの長時間書き続ける人向けなど、さまざまな特徴があります。シャーペンそれぞれの個性と自分との相性をよく考えて選びましょう。
折れないシャーペンの持ちやすさから選ぶ
シャーペンのフィット感やウェイトバランスなど、持ちやすさにつながるポイントもチェックしましょう。
持ちやすさやグリップのフィット感をチェック
シャーペンは持ち手の部分にさまざまな工夫が凝らされています。金属製で凹凸があるものや、やわらかく手にフィットする樹脂製のものもあります。見た目が好みでも書いている時に無駄な力が入ってしまったり、違和感が出たりしてしまうようでは使い勝手は悪くなります。
実物を触ってみないとわからない部分ではありますが、手で持って使うシャーペンだからこそ、自分好みの手触りのものを選びましょう。
長時間筆記しやすいウェイトバランスも確認
大人向けのシャーペンの多くは、グリップを金属にして重心をペン先に寄せることで、書くときの姿勢を安定させて書けるように作られています。金属グリップは高級感もあり滑り止め効果も高いのですが、当然、ペン自体の重量は重くなります。
短時間書く場合であれば、やや重いくらいのほうが筆記時の安定感も高く書きやすいです。しかし、長時間書く場合や絵を描くなどのこまかい作業の場合は、ペン自体が軽い方がラクに書けます。自分が何を書くためにシャーペンを使うのを考えて選びましょう。
書きやすさにこだわった機能にも注目
長く愛用するために、折れないシャーペンの書きやすさも確認しましょう。たとえば、本体を振るだけで芯が出せるタイプや、芯がずっと鋭角な状態で書けるタイプなど、商品ごとにさまざまな工夫が凝らされています。
また、芯が折れないメカニズムによっても、書き心地が異なるので、できれば店頭で実際に試し書きしてから選ぶのがベターです。
高級タイプの折れないシャーペンも登場
シャーペンは、長いあいだメインユーザーは学生で、価格やデザインも学生向きに作られていることが多くありました。しかし、折れないシャーペンの登場以降のこの数年は、シャーペンのよさが見直されて大人のユーザーも増えてきています。
そのため各メーカーはそれぞれ、大人が使っても違和感のないデザインや金属パーツを使った質感の高い製品を投入してきています。もちろん、高級タイプのシャーペンとして、学生ユーザーがここ一番で使うのにも向いています。
替え芯の入手のしやすさも大切
シャーペンは0.5mmが一般的に普及しています。もし外出中にどうしても替え芯が必要になった場合には、ほかの太さの替え芯の場合はすぐには手に入りにくいことがあるかもしれません。
外出が多い方はいつも替え芯のストックを持ち歩くようにするか、0.5mmのシャーペンを利用すると芯切れの心配をあまりしないで済むでしょう。
シャーペン・シャープペンシルは、筆記用具のなかでも活用度が高く、さまざまなシーンで重宝するものです。好みのシャー芯と合わせて選ぶことで、より自分に合った使い心地になるのもシャーペンの魅力といえるでしょう。一方で、シャー芯の選び方がよくわからない、あまり選んだことがないという人も多いはず。ここで...
芯が折れにくいと書き味も変わる? 文房具ライターからのアドバイス
シャーペンはボールペンと比べて、筆記感は軽く、ラクに大量の文字が書けます。また、絵やイラストの下書き、アイディアスケッチやラフの構成など、試行錯誤が必要な場合にも向いています。
シャーペンの大きな欠点だった「芯が折れやすい」という点が改善された「折れないシャーペン」は、もはや別の筆記具といっていいほど、扱いやすく、書きやすくなっています。
学生時代以来、なんとなく敬遠していた人、消せるボールペンの書き味に満足できない人に、ぜひ使ってもらいたいと思います。
折れないシャーペンおすすめ13選 人気のデルガードや高級仕様も
上で紹介した折れないシャーペンの選び方のポイントをふまえて、文房具ライターの納富廉邦さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介します。

ノック1回で折れずに書ける
シャーペンというと芯の太さが0.5mm程度であることが一般的です。細くなればなるほどすぐに折れてしまって使いづらくなります。
しかし「オレンズ」シリーズのフラッグシップモデルでは、0.3mm、0.2mmという2種類のラインナップとなっています。非常に細い芯を使っていても快適に書けるのが大きな特長。日本のシャーペン技術の粋を尽くしたような製品が、ようやく普通に手に入りやすくなりました。
金属を混ぜることで重心を細かく調整した樹脂軸、一回ノックすれば芯が終わるまではノックせずに書き続けられる機構、指になじむ造形と、ふだんシャーペンを使っていない人でも、書き始めればすぐによさがわかるシャーペンです。
大人がふだん使う場合、0.2mm芯は細すぎてかえって扱いにくいので、0.3mmをおすすめします。

自動芯回転機構によりいつも同じ太さで書ける
筆記すると芯が回転し、つねに尖った状態で書ける三菱鉛筆の大ヒット商品『クルトガ』の上位モデルです。芯の回転速度が2倍になり、パイプガードによる芯折れ防止機能を搭載。さらに、金属パーツの使用による耐久性の向上と筆記時の安定性のアップで、「美しい文字が書ける」シャーペンとして作られた商品です。
クルトガの次世代型として、今後のシャーペンの定番になるべく作られた製品だけに、全体の完成度が非常に高く、当たり前のように書きやすく使いやすいのが最大の特長です。とにかく一度使ってみてもらいたい製品。0.3mmもありますが、ここでは、より折れにくい0.5mmをおすすめします。
芯が短くなっても最後までしっかり書ける
オレンズシリーズには0.2mm、0.3mm、0.5mmと3種類の商品ラインナップがあります。そのうち、0.5mmはノック1回で通常の0.5mmシャーペンの約3倍も長く書けるのが特長です。
芯を出さずに使うのが正しい使い方です。軸色が全7色、芯の太さも3種類と豊富なラインナップなシリーズです。
製図用定番! 折れないシャーペン
アルミニウム製の軸がクールな印象で、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmの全5種類がラインナップされています。それぞれに芯硬度表示窓があり、HB、H、B、2Bなど芯のかたさを表示させておけます。たくさんシャーペンを持っている場合に活用できそうです。
クリップを押してペン先が収納する機能もついていて、大切な芯を守るのに役立ちます。
あらゆる方向から芯を守る!
芯をあらゆる方向から守ってくれる構造で、芯の持ちがとても良いのが特徴です。筆圧が強くても、衝撃を上下に逃す仕組みで真に直接響くことなく折れにくさを実現しています。
ゼブラから折れないシャープペンシルシリーズがいくつも出ていますが、こちらのERタイプは消しゴムがすぐに使えるように進化したもの。逆さまにするだけで消しゴムが出ててくるという、特殊で便利な機能付きです。
移動時の衝撃からも芯を守る
オ・レーヌシリーズとしては3代目にあたります。書いているときの筆圧はもちろん、落下衝撃にも強いのが特長。耐芯構造『オ・レーヌ機構』で芯を保護しています。また、シャーペンのなかの芯の長さが残り0.5mmになるまで書けるので、最後までしっかり使いきることが可能です。
せっかくの折れないシャーペンも、うっかり落として替え芯が軸のなかで折れてしまったら困ります。持ち歩きが多い方の場合には、衝撃に強いタイプを選んでおくとより安心です。
書き心地を選べるシャープペンシル
繊細でサラサラと書きたいか、重心が低めの安定した字を書きたいかという2種類の書き心地をシーンに応じて使い分けることのできる特別な作りのシャープペンシルです。
0.9mmは製図用の太さではありますが、しっかりとわかりやすく字が書けるので普段使いでも使用できます。また、軸もしっかりとしているので折れにくいのも特徴です。

アクティブサスペンションで筆圧をコントロール
筆圧をかけるとシャーペンのメカニズムごと沈み込むという大胆な設計のシャーペンです。折れないシャーペンというよりも、強い筆圧でぐいぐい書けるシャーペンといったほうがよいくらい、強い筆圧で濃い線が書けるのが特長です。
鉛筆で強弱をつけて書くのが好きな人や、筆圧が高い人、テンションを上げてガシガシ書きたい人などに一度試してもらいたい、ちょっと特殊な製品です。
筆記時の独特なクッション感や、力強く書いた時の濃い線など、書く気持ちよさが感じられるシャーペンでもあります。なお、芯径0.3mmの商品もラインナップに加わっています。

確実にサッと書きたい人におすすめ
ゼブラの「デルガード」の金属グリップタイプです。金属グリップにしたことで重心がペン先寄りになり、筆記が安定しやすくなりました。そのぶんペン自体は重くなるので、長時間の筆記より、短時間に精密な筆記をする人向きのシャーペンです。またデザインに高級感があるので大人向きともいえます。
デルガードは極端に寝かせて折ろうとするのでなければ、かなり無理な書き方をしても芯が折れません。筆記時の力加減が得意でない人、気合いが入りすぎる人にもおすすめ。こちらの商品にも、芯径0.3mmのタイプがあります。

筆圧高めの方にもおすすめの折れないシャーペン
ゼブラの『デルガード』は、3回ノックして書けば、かなりの筆圧をかけても折れません。とくに、斜め方向からの筆圧に対しても芯をガードするメカニズムは、実際の筆記時にかかる力に沿って作動する仕組みになっています。
そのデルガードに二重構造の太めのシリコングリップをつけたのが『デルガード タイプGR』。シャーペンはもともと学生用が主流だったこともあり、また鉛筆とセットでサブ的に使用する意味合いも強かったせいか、軸が細いものが主流です。大人にはやや細すぎ、長時間書き続けることが難しい場合もありました。
その点『タイプGR』は、手前はかたく先がやわらかい太めのグリップで、とても握り心地がよいのです。なおシリーズモデルで0.3mmタイプもあります。
自然に芯が出るから折れにくい!
自分でノックして芯を出さなくても、字を書いているうちに自然に芯が出てくる仕組みのシャープペンシルです。そのおかげで、芯を出しすぎて折れてしまうことがなくなりました。短くなる芯と芯を支えるペン本体の先端とが一緒に短くなっていくという仕組みがポイントです。
最初の1回ノックすればそのまま使い続けることができます。消しゴムもシャー芯ノックもしないで済む夢のようなスマートシャープペンシルです。
安心できる老舗メーカーのこだわり
プラチナ万年筆は1919年創業の老舗文房具メーカーです。書き方などはもちろん良い性能を維持したまま、芯が折れにく高スペックなシャープペンシルが販売されています。
このシャープペンシルは、一般的には折れないように芯を2点で支えているのに対し、3面で死角なく芯をガードする機構を採用しているところが特徴です。
耐芯度がさらにアップ!
耐芯度がさらに高まったシャープペンシルを紹介します。こちらは、芯やペンの先端を保護する構造を二重にしており、外側で全体を統合させ、内側の壁が芯を繰り出す部分をしっかりとガードするつくり。それにより、衝撃がペンの内部に伝わりにくい点が特徴的です。
また、内部のスプリングが筆記時の衝撃などを吸収してくれるため、先端で芯が折れて芯詰まりになることもありません。
「折れないシャーペン」のおすすめ商品の比較一覧表
もっといろいろなシャーペンについて見てみる?
教育・受験指導専門家の西村 創さんへの取材をもとに、シャーペンの選び方とおすすめ商品を用途別に紹介します。勉強用、マークシート用、イラスト・製図用、プレゼント用といった用途別のポイントや、長く愛されるロングセラー商品、各通販サイトのシャーペンランキングも紹介します。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする シャープペンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのシャープペンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
芯の保護機構に注意して使いやすい折れないシャーペンを
文房具ライターの納富廉邦さんの取材をもとに、折れないシャーペンの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。折れないシャーペンには、高価格帯のものに限らずさまざまな商品がラインナップしています。書く際の沈み込みや持った時の感覚には好みがありますが、各社が工夫を凝らしてさまざまな機構で芯を保護しています。
納富廉邦さんのアドバイスのように芯の太さやデザインのほか、芯の保護機構や書き心地などに注目して、好みの1本をみつけてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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