防災用保存水とは?
水は、飲料や料理など体に取り入れるだけでなく、食器洗いや洗濯、トイレやお風呂など、生活用水としても欠かせず、非常時にも必須です。災害時は断水してしまうこともあるので、水の備蓄として「防災用保存水」があります。
よくあるミネラルウォーターとの違いは保存期間。一般的なミネラルウォーターの賞味期限が約2年なのに対して、防災用保存水は約5~10年とかなり長いです。
防災用保存水は、通販だけでなくスーパーやコンビニ、ホームセンターなどでも売られていますが、重たいので持ち運びに苦労します。また在庫がない場合も。家まで届けてもらえて、好きなときに買える通販やネットストアでの購入が便利です。
防災用保存水のおすすめ11選
ここからは備え・防災アドバイザーの高荷智也さんと編集部のおすすめ商品をご紹介します。水の成分をチェックし、飲み慣れた軟水なのかや保存期間によるコスパの違いなどもチェックしてみてください。
防災用保存水は【5年以上】【10年以上】と、保存期間によってわけて紹介していきます。
【5年以上】おすすめ7選
まずは、防災用保存水の保存期間が5年以上の製品からご紹介します。
ボトルの強度があり、さらにダンボールも丈夫!
強度のある容器と、より強い殺菌方法に、キャップのUV殺菌もプラスされ、5年保存できる水です。
災害時に備えて、ボトルと入れておくダンボールの耐久性にもこだわっています。ボトルは高強度で耐熱。ダンボールも下敷きになって潰れないよう丈夫です。さらに災害伝言ダイヤルの使い方や避難場所、緊急連絡先を記入できる枠もあり、災害時に確認すべきことがチェックできます。
軟水は大人の飲料用としてはもちろん、赤ちゃんのミルク用にも使えます。
防災グッズの専門メーカーの長期保存水
防災グッズを専門で取り扱っている、防災防犯ダイレクトの防災用保存水です。保存期間は5年。耐熱容器に入れた水を120度で加熱殺菌することで、長期保存が可能になっています。出荷時点で5年以上の賞味期限となっているため、届いてからの期間が短い……といった心配もありません。
500mlと配りやすいサイズ。家や職場での備蓄にお役立てください。

コスパにすぐれた使いやすい500ml保存水
Amazonのプライベートブランドの長期保存水。採水地は山梨県で、中身も飲みやすい硬度52mg/Lの軟水と、オーソドックスなペットボトル水です。
特筆すべきはその価格。長期的な目でみると、前述の『カムイワッカ 麗水 15年保存水』を上回るコストパフォーマンス。ドラッグストアなどの激安品にはもう少し安価なものもありますが、保存期間は長くて2年程度のものが多く、5年保存という期間を考えるとコストパフォーマンスがたいへんいい保存水だといえます。日常用の飲料水として、また保存用の水としても確保しておきたいという方におすすめできる商品です。
配りやすさも助かるおいしい天然水
富士山麓や六甲山系などの天然水を使用し、自然から生まれたおいしさを味わえる防災用保存水です。汲み上げる際には外気と触れないようにするなど、鮮度とおいしさを保つ工夫がされています。
従来よりも厚みのあるボトルに入っているので、6年の保存が可能で、防災の備蓄もできます。カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルも含まれており、災害時の栄養摂取にも。500ml容器なので持ち運びやすく、家での備蓄にはもちろん、職場など人数が多い場所に置くこともできます。
7年保存の天然保存水です。大自然が永年かけて作り出した原水は、高品質で加熱殺菌の必要がないpH8.2の純天然のアルカリイオン水です。
硬度約50の軟水でミネラルバランスも良く、日本人好みの喉ごしです。また、日本でも有数の高波動水で、炭酸水素イオンを多く含んでいることも特徴です。
※Amazonは12本(2ケース)、楽天市場・Yahoo!ショッピングは6本(1ケース)の価格です。
硬度0で7年保存ができる備蓄用純水
富士山の積雪が数十年の歳月をかけて、玄武岩(岩盤)を透してできたナチュラルミネラルウォーター。おいしい非常用飲料水です。
自然水でありながら5年保存が可能なほどの安全性と信頼性があります。ふだんに飲用するミネラルウォーターとしても最高の品質です。
※Amazon・Yahoo!ショッピングは2ケース(12本)、楽天市場は1ケース(6本)の価格です。
硬度0で7年保存ができる備蓄用純水
原水から不純物の99.9%を取り除いた、超長期保存水です。防災備蓄用のお水としては長めの7年保存水。ペットボトルの容量は500ml、1.5L、2Lの3種類あります。いくつか組み合わせで備蓄用にしておくと安心ですね。
硬度0の超軟水です。
【10年以上】おすすめ4選
続いて、防災用保存水の保存期間が10年以上保存できる商品をご紹介します。非常時の生活を想像して、自分に合った商品を選んでみてください。

15年保存可能な保存水
国内で販売されているペットボトル水としては、最長クラスの保存期間となる15年保存水です。「水」の価格としては高価ですが、15年間交換不要であることを考慮すると、実際にはかなり割安となります。
入れかえ作業をしなくていい点を考慮すれば、価格以上にコストパフォーマンスのいい保存水といえるでしょう。水の質は硬度19mg/Lと飲みやすい軟水です。入れかえの手間いらずで割安、おいしい保存水としておすすめの1本です。

非常持ち出し袋へ入れっぱなしにできる保存水
上記で紹介した『15年保存水』の500ml版です。中身は同じで、ペットボトルの大きさだけが異なる取り扱いやすいサイズ。ただし、長期的な目でみると2Lサイズのものより割高になります。
量を備蓄するのであれば2Lサイズがコスト面ではすぐれていますが、取りまわしや使いやすさでは500mlのほうが便利。そのため一定量は2Lボトルで備蓄し、すぐに使う分を500mlで1箱程度備蓄するなどの方法が考えられます。
具体的には、非常持ち出し袋や自家用車の中に入れておく保存水としてはこちらを選択し、大量に保存する保存水としては2Lサイズを選ぶといった具合に使いわけるのがおすすめです。
硬度0に近づけたピュアな純水
名前のとおり、10年も保存できる水です。室戸海洋深層水をとても微細なろ過にとおし、ミネラルや有機物、塩分などをできる限り取り除いています。硬度0に近づけた、あらゆる人にとって飲みやすい純水です。ピュアな水は、赤ちゃんのミルク作りや、薬を飲むための水としても適しています。
ボトルとダンボールが頑丈で、ものが倒れたり下敷きになったりする災害時でも、潰れにくく壊れにくいです。
純度が高く、おいしく飲める
不純物をできるだけ取り除いた、純度99.9%の蒸留水です。さらにオゾン殺菌もして、10年保存できるようにしています。
純度が高いため、赤ちゃんのミルクや離乳食作りに、薬を飲む際の水にも使えます。また雑菌なども少ないため、手洗い用としても。
不純物が少ないので、この水でコーヒーやお茶を淹れると、香りもいいのが特徴。香り立つドリンクを飲めば、災害時にもほっと一息つけそうです。
「防災用保存水」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 防災用保存水の売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの防災用保存水の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
防災用保存水を選ぶ際のポイント
突然やってくる震災などの災害時・非常時に欠かせない「保存水」。一般的なミネラルウォーターの賞味期限が約2年なのに対し、防災用保存水は約5~10年とかなり長いです。いざというときのために備えておきましょう。
この記事では、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんへの取材をもとに、防災用保存水の選び方をご紹介します。それぞれ詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイントは下記。
【1】「軟水」を選ぶ
【2】ミネラル含有量
【3】保存できる期間
【4】値段・コスパ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】飲みなれた「軟水」を選ぶ
水は、カルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量で「硬度」を表記します。硬度が低い水が「軟水」、高い水が「硬水」です。世界保健機関(WHO)は硬度60mg/L以下の水を「軟水」、60~120mg/L以下を「中軟水」と定義しています。
水道水や国内で販売されているミネラルウォーターの多くは「軟水」なので、多くの方が飲み慣れています。非常時には、ふだんと異なる飲食物を摂取すると、身体が受けつけない可能性もあります。そのため、日常的に「硬水」を飲んでいる方でない限りは、防災用保存水も「軟水」を選ぶといいでしょう。
【2】ミネラル含有量をチェック
防災用保存水のなかには、さまざまなミネラルが含まれている商品もあります。ミネラルは体内でつくられないため、食品で摂るのが必須の成分です。
災害時は食事や食品が限られていて、必要なミネラルもなかなか摂れません。したがって、できればミネラル含有量が多い防災用保存水だと、体にもいいです。長期保存できる水にはなにか薬品が含まれていて体に悪いのでは? といった疑問の声があるかもしれませんが、薬品などが入っているというわけではありません。
ミネラルはナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンなどがあります。水の成分表示を見て、どんなミネラルが含まれているのか、チェックしてみてください。
【3】保存できる期間をチェック
防災用保存水は、一般的なミネラルウォーターよりも賞味期限が長く、長期保存用であるのが特徴です。保存できる期間はそれぞれの商品によって異なりますが、よくあるのが5年、7年、10年、15年などです。
保存期間をこまめにチェックして、期限がすぎないようにしましょう。防災用品をチェックする頻度や、買い換えるタイミング、値段との兼ね合いから、ちょうどいい期間の防災用保存水を選ぶことが大切です。
【4】値段・コストは長期的にみて選ぶ
スーパーやドラッグストアなどでは、2Lのペットボトル水の販売価格は1本100円以下だったりしますが、「保存水」になると値段が跳ねあがります。もし、日ごろからペットボトル水などを常飲しているなら、その水を多めに買っておき、なくなるまえに補充する「日常備蓄」や「ローリングストック」の考え方を採用すると、コスパもいいでしょう。
保存水は製品により賞味期限5年・7年・10年・15年などのラインナップがありますが、通常は保存可能な期間が長くなると値段も上昇します。しかし、値段を賞味期限で割り算すると、実は高額な長期保存水のほうがコスパがいい場合も。
あまり備蓄品をチェックしない人は、賞味期限切れとならないよう、保存期間が長い水を買うほうがコスパがよさそうです。
防災用保存水は500mlと2Lどっちを買う?
保存水の多くは500mlと2Lのボトルで販売されているため、500mlと2Lどちらの大きさを買うか悩む方もいるのではないでしょうか。どちらも、震災などの災害用の保存水なので、ボトルの強度が強いものが多いです。そこで500mlと2Lのメリットをご紹介します。
●500mlサイズのメリット
・持ち運びに便利
・個人で水を飲みたいときに飲みやすい
・2Lに比べて軽いので子供でも運べる
●2Lサイズのメリット
・500mlに比べてコスパがいい
・空いたペットボトルを水くみなど他の用途にも使える
容量あたりの値段は2Lの方が安価です。しかし2Lボトルはそのまま飲むことが難しく、また重いため取り扱いがしづらいという欠点があります。生活用水用にストックしておくなら、2Lがベターです。
500mlは容量あたりの値段がやや高めですが、そのまま飲んだり家族で分けあうことができます。また、非常時に外へ持ち運びがしやすいため飲料水や持ち出し用には、500mlがいいでしょう。
使用シーンやコスパを考えて、2Lと500mlを併用してバランスを取るのがいい選択です。
防災用保存水のQ&A
防災用保存水について、「なぜ長期保存ができるのか」「水はどれくらいの量を備蓄しておけばいいのか」「売り場はどこか」など、気になる点もあるでしょう。そこで、防災用保存水についてQ&Aで疑問を解決します。
1)防災用保存水が長期保存できるのはなぜ?

市販されているミネラルウォーターと防災用保存水は、水自体の品質は同じです。違うのは容器の厚み。通常のペットボトルはごくわずかですが小さな穴があり、時間が経つと水が蒸発したり、においが移ってしまう可能性があります。
一方、防災用保存水はボトルに厚みを持たせることで、水が蒸発しにくくなり、賞味期限を長く設定できます。
ほかにもボトルを入れるダンボールを厚くしたり、穴などを開けず空気に触れにくくしたり、殺菌方法が違ったりと、賞味期限を長くする工夫をしている商品も。
2)非常時に必要な備蓄水の量は何リットル?

備蓄水はひとり1日3L必要だといわれています。また備蓄品は最低でも3日、できれば1週間ほどあるのが望ましいです。たとえば3人暮らしだとすると、ひとり3L×3人で1日9L必要となり、3日で27L、1週間で63Lの備蓄水が必要となります。
ただし、この量はあくまで食用と飲料用で、食器洗いや洗濯など、洗濯用水の分がさらに必要です。ストックできる場所との兼ね合いも含めて、余裕のある量の防災用保存水を備蓄しておきましょう。
3)普通のミネラルウォーターは保存水になる?

普通のミネラルウォーターは水の賞味期限が短く、備蓄水としては向いていません。ただし、工夫の仕方でミネラルウォーターも備蓄品として活用できます。
その工夫が、ふだんから生活用品を多めに備蓄しておいて、使った分を補充し、つねに一定の備蓄をしておく「ローリングストック」です。ミネラルウォーターもふだんから多めにストックしておいて、飲んだら買い足すという習慣があれば、突然の災害でも在庫が備蓄水となります。
ローリングストックの考え方は、災害時だけでなく、日ごろから防災意識を持つことにもつながるでしょう。
4)防災用保存水はどこで売ってるの?

防水用保存水は、ヨドバシカメラなどの家電量販店やホームセンターなどで取り扱っています。ただし、店舗により取り扱っていないケースもあるので、すぐに備蓄しておきたいという方は、Amazonや楽天などのECサイトを活用すると良いでしょう。お水は重量があるので、自宅まで配送できるのもネットのメリットです。
エキスパートからのアドバイス
「水」のほかに「ふだん飲んでいるもの」の備蓄も
日常的にペットボトル水やウォーターサーバーを使っている場合、自宅内の在庫を切らさないように水を購入し続ければ、それで備蓄が完了します。この方法は「日常備蓄」や「ローリングストック」と呼ばれ、安価な備蓄方法として推奨されています。
ところが水道水がおいしい地域では、水を購入する習慣がない家庭も多いでしょう。この場合はお茶や野菜ジュース、コーヒーなどの、アルコール以外の飲料でも構いません。
ただ、飲料以外で使用する際の利便性や長期保存の面から考えると、やはり水が最適。災害時用としては「ふだん飲んでいるもの」をはじめ、水もあわせて備蓄しておくことをおすすめします。
【関連記事】赤ちゃん用の防災用品はこちら
ミルクや母乳を飲んでいる赤ちゃんがいるご家庭では、赤ちゃんのための防災グッズもしっかり準備しておきたいものです。ふだん母乳をあげている場合でも災害時は母乳が出にくくなるケースもあります。
赤ちゃん用の粉ミルクや液体ミルク、衛生的な使い捨て哺乳瓶も準備しておきましょう。
揃えておきたい防災グッズ特集!
いざという時のために前もって準備をしよう!
災害のために水を備蓄しようと思っているけれど、どんな商品を買ったらいいのかわからないという方も、この記事を読んで理解が深まったのではないでしょうか。水は体に取り入れるものなので、硬度やミネラルなどのチェックはマストです。保存期間や量といったコスパに関わる点もチェックして選びましょう。
防災用保存水はコンビニなどで販売されていることはまれで、「どこで売ってるの?」と購入できるお店を検索している方も多いかもしれません。お水自体は重いですし、いつでも手軽に購入できる通販を活用してみてくださいね。
ローリングストックなど、備蓄の仕方にも工夫すると、暮らしているなかで自然と防災を意識するようになります。また、置き場などもきちんと決めて、家族でさらに防災意識を高めてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントをロジックで解説するフリーの専門家。 地震対策や感染症パンデミック対策などの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災をやわらかく伝える分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、講演・執筆・コンサルティング・メディア出演など実績多数。1982年、静岡県生まれ。