防災用保存水の選び方 備え・防災アドバイザーに聞いた!
備え・防災アドバイザーの高荷智也さんに、防災用保存水を選ぶときのポイントを教えてもらいました。防災のエキスパートならではの視点でアドバイスをいただきましたので、商品を選ぶ前にぜひチェックしてみてくださいね。
硬度120mg/L以下のものを選ぶ
備え・防災アドバイザー
水道水などの水は、カルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量で「硬度」が表現されます。硬度が低い水が「軟水」、高い水が「硬水」と呼ばれ、WHOは硬度60mg/L以下の水を「軟水」、60~120mg/L以下を「中軟水」と定義しています。
水道水や国内で販売されているミネラルウォーターの多くは「軟水」なので、多くの方が飲み慣れています。非常時にふだんと異なる飲食物を摂取すると、身体が受けつけない可能性もあります。そのため、日常的に「硬水」を飲んでいる方でない限りは、「軟水」を選ぶといいでしょう。
サントリー『南アルプスの天然水 2L防災備蓄用』
硬度30mg/Lの軟水で、コンビニやスーパーでも売っているサントリーの防災用保存水です。いつも飲みなれたメーカーの水を備えたい方にピッタリです。
>> Amazonで詳細を見る500mlボトルと2Lボトルを併用する
備え・防災アドバイザー
保存水の多くは500mlと2Lのボトルで販売されています。容量あたりの価格は2Lの方が安価です。しかし2Lボトルはそのまま飲むことが難しく、また重量があるため取り扱いがしづらいという欠点があります。
500mlは容量あたりの価格がやや高めですが、そのまま飲んだり家族で分けあったり、非常時に外へ持ち出しやすい点が便利です。また、夏場は開封した水を早めに飲みきる必要があるため、飲みきりやすい500mlのほうがいいですね。
費用を度外視するのであれば500mlボトルがおすすめです。しかし、コスト面も重視する場合は、2Lボトルと併用してバランスを取るといいでしょう。
価格・コストは長期的な目でみて選ぶ
備え・防災アドバイザー
スーパーやドラッグストアなどでは、2Lのペットボトル水が1本100円以下で販売されていますが、「保存水」になると価格が跳ねあがります。もし日頃からペットボトル水などを常飲しているなら、その水を多めに買っておき、なくなる前に補充する「日常備蓄」で考えるとコスパがすぐれています。
保存水は製品により賞味期限5年・7年・10年・15年などのラインナップがありますが、通常は保存可能な期間が長くなると価格も上昇します。しかし価格を賞味期限で割り算すると、実は高額な長期保存水のほうが割安になる場合もあるため、トータルでいくらかかるのかを確認することも重要です。
ジャパン・ミネラル『カムイワッカ 麗水 15年保存水』
この商品は15年の保存が可能なため価格は割高ですが、長期間買いかえなくて済むので、結果的に割安になります。
>> Amazonで詳細を見る防災用保存水のおすすめ6選 備え・防災アドバイザーが厳選!
うえで紹介した防災用保存水の選び方のポイントをふまえて、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんと編集部のおすすめ商品をご紹介します。必要な量やコストを考慮して商品を選んでみてください。

ジャパン・ミネラル『カムイワッカ 麗水 15年保存水 2L』

出典:Amazon
内容量 | 2L |
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保存可能期間 | 15年 |
水の硬度 | 19mg/L(軟水) |

ジャパン・ミネラル『カムイワッカ 麗水 15年保存水 500ml』


















出典:Amazon
内容量 | 500ml |
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保存可能期間 | 15年 |
水の硬度 | 19mg/L(軟水) |
非常持ち出し袋へ入れっぱなしにできる保存水
上記で紹介した『15年保存水』の500ml版です。中身は同じで、ペットボトルの大きさだけが異なる取り扱いやすいサイズ。ただし、長期的な目でみると2Lサイズのものより割高になります。
量を備蓄するのであれば2Lサイズがコスト面ではすぐれていますが、取りまわしや使いやすさでは500mlのほうが便利。そのため一定量は2Lボトルで備蓄し、すぐに使う分を500mlで1箱程度備蓄するなどの方法が考えられます。
具体的には、非常持ち出し袋や自家用車の中に入れておく保存水としてはこちらを選択し、大量に保存する保存水としては2Lサイズを選ぶといった具合に使いわけるのがおすすめです。

サントリー『南アルプスの天然水 2L防災備蓄用』

出典:Amazon
内容量 | 2L |
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保存可能期間 | 5年3カ月 |
水の硬度 | 30mg/L(軟水) |

Amazon『Happy Belly (ハッピーベリー) 長期保存水』




















出典:Amazon
内容量 | 500ml |
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保存可能期間 | 5年3カ月 |
水の硬度 | 52mg/L(軟水) |
コスパにすぐれた使いやすい500ml保存水
Amazonのプライベートブランドの長期保存水。採水地は山梨県で、中身も飲みやすい硬度52mg/Lの軟水と、オーソドックスなペットボトル水です。
特筆すべきはその価格。長期的な目でみると、前述の『カムイワッカ 麗水 15年保存水』を上回るコストパフォーマンス。ドラッグストアなどの激安品にはもう少し安価なものもありますが、保存期間は長くて2年程度のものが多く、5年保存という期間を考えるとコストパフォーマンスがたいへんいい保存水だといえます。日常用の飲料水として、また保存用の水としても確保しておきたいという方におすすめできる商品です。

エコデパック『ポケットに水』


















出典:Amazon
内容量 | 100ml |
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保存可能期間 | - |
水の硬度 | 57mg/L(軟水) |
The Next Dekade『グリーンケミー 保存水』

出典:Amazon
内容量 | 500ml |
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保存可能期間 | 7年 |
水の硬度 | 0mg/L(軟水) |
「防災用保存水」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 防災用保存水の売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの防災用保存水の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
備蓄すべき防災用保存水の量は? 1人につき1日3Lが必要
備え・防災アドバイザー
人が飲料水として必要とする水の量は1日1.5L前後、調理用・衛生管理用などを考えると、1人1日3Lが目安といわれています。
この量を、500mlのペットボトル24本1箱で換算すると、1人につき1~2箱が備蓄の目安となります。ご家庭でどれぐらいの量が必要かを把握してから、防災用保存水を選びましょう。
備え・防災アドバイザーからのアドバイス 「日常備蓄」や「ローリングストック」も検討を
備え・防災アドバイザー
「水」のほかに「ふだん飲んでいるもの」の備蓄も
日常的にペットボトル水やウォーターサーバーを使っている場合、自宅内の在庫を切らさないように水を購入し続ければ、それで備蓄が完了します。この方法は「日常備蓄」や「ローリングストック」と呼ばれ、安価な備蓄方法として推奨されています。
ところが水道水がおいしい地域では、水を購入する習慣がない家庭も多いでしょう。この場合はお茶や野菜ジュース、コーヒーなどの、アルコール以外の飲料でも構いません。ただ、飲料以外で使用する際の利便性や長期保存の面から考えると、やはり水が最適。災害時用としては「ふだん飲んでいるもの」をはじめ、水もあわせて備蓄しておくことをおすすめします。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/26 価格を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 中村亜紀子)
「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントをロジックで解説するフリーの専門家。 地震対策や感染症パンデミック対策などの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災をやわらかく伝える分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、講演・執筆・コンサルティング・メディア出演など実績多数。1982年、静岡県生まれ。