液体ミルクおすすめ商品の比較一覧表
液体ミルクの選び方 防災ファシリテーターに聞く
防災ファシリテーターの南部優子さんのアドバイスをもとに、液体ミルクの選び方を紹介します。ポイントは下記の5つ。
【1】内容量
【2】紙パックor缶
【3】母乳育児の場合のポイント
【4】国産or海外製
【5】単品orまとめ買い
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合う液体ミルクを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
内容量で選ぶ
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
飲み具合が安定している場合は200mlを目安に
液体ミルクは1回で飲み切るスタイルの商品です。余っても保存はできません。このため、あまり容量の大きいものだと飲み残しが多くなり、もったいないと感じてしまうでしょう。
月齢が小さな間など、1回あたりの授乳量が少ない、また飲みムラがある赤ちゃんへは少量タイプの商品のほうが使いやすいかもしれません。
月齢が進んで飲みっぷりが安定してくると、200ml程度のミルクでも飲み切ってくれる可能性が高くなりますから、ある程度量が入ったもののほうが値段的にも割安に感じてよいでしょう。
紙パックタイプと缶タイプ、どちらがいい?
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
外出時の使用がメインなら軽量の紙パックが便利
外出時や旅行のときなど、急に赤ちゃんがぐずってしまったり、ベビーコーナーが見当たらないのにミルクを飲ませる必要ができたりしたとき、液体ミルクをさっと取り出して飲ませることができるのは本当に便利です。
赤ちゃんとのおでかけにはそうでなくても荷物が大量になりますから、持ち歩く液体ミルクも、かさばって重い缶タイプよりは紙パックタイプのほうが便利です。
缶に比べて容器の重さがぐっと軽く感じられますし、紙容器だと使用後小さく折りたたんで捨てやすいのもポイントです。
ただし、缶入りのほうが賞味期限は長くなります。災害用の備蓄としては、缶入りのほうがメリットがありますね。
母乳ミルク混合育児の場合
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
母乳がメインで非常時用の場合は少量パック
母乳中心で赤ちゃんを育てている場合でも、体調不良やストレスなどで母乳が急にでなくなることも考えられます。
こんなとき液体ミルクは、熱湯で作ってから冷まして飲ませるという手間がいらないため、夜中の調乳の負担をへらすことができますし、誰かに赤ちゃんの世話を代わってもらうときも頼みやすくなります。
母乳の場合の授乳は、ミルクの場合と比べるとどのくらいの量を飲んでいるかがわからないため、急に母乳がでなくなって切り替えることになると、どのくらい飲ませたらよいかわからず不安になるかもしれません。
そんなときは、1回あたり少量のものをお試し用に準備しておき、赤ちゃんが飲み切れるかどうか、どのくらいの間隔でミルクを欲しがるかを確認していくと安心です。
国内メーカー? 海外メーカー?
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
購入しやすさ・味見しやすさでは国内産のメーカー
日本国内で製造・販売されている液体ミルクは4商品で、商品のバリエーションが多いのは海外のものになります。
国内の商品は、海外の商品に比べて安価で入手でき、送付もすばやいため、手軽に試したうえでかんたんに補充することができます。海外のものがだめというわけではないですが、送料コストや入手までにかかる日数、いざというときのサポートなどを考えると、日本製にしておくほうが安心感が大きいです。
1本ずつ購入? まとめ買いする?
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
最初は少数で購入して赤ちゃんに選んでもらおう
液体ミルクはなんといっても赤ちゃんが主役。どんなに機能的な評価が高いミルクでも、飲んでくれなければ話が進みません。いつも同じ銘柄の粉ミルクにしていると、ほかのミルクを飲んだときの違和感が高くなれば飲みっぷりも変わってしまいます。
まずは少ない本数で購入して、どの程度赤ちゃんが好むか様子をみたあと、まとめてそろえていくことをおすすめします。
液体ミルクおすすめ4選 グリコ、明治、雪印ビーンスターク
うえで紹介した液体ミルクの選び方のポイントをふまえて、4商品の特徴を紹介します。

外出や旅行、非常時用に持ち運びやすい紙パック
日本の食品メーカーが製造・販売している粉ミルク「アイクレオ」の液体ミルクです。紙パックを採用しているため、小さくて軽く保存にもかさばらず、持ち運びも便利です。赤ちゃんに飲ませるときには、いつも使って飲み慣れている哺乳瓶へ、専用のストローを使って移し替えます。
1本の容量が125mlなので、月齢の低い赤ちゃんでも飲み残しが少なくすむでしょう。また、母乳との混合授乳の場合や、体調不良・非常時のストレスなどで母乳が出づらいときの補助に使うのにも使いやすい量です。
1本からすぐに入手できます。赤ちゃんは急にミルクの味が変わると受け付けてくれない可能性もありますから、ときどき飲ませてみて慣らしておくほうが無難です。

耐久性のある缶入り。よく飲む赤ちゃんにうれしい量
日本の食品メーカーの粉ミルク「明治ほほえみ」の液体ミルクです。スチール缶を採用し、1年の長期保存が可能となっています。大量保存するとかさばって重たくはなるものの、潰れる心配がないので備蓄に向いています。
耐熱使用の容器に移せば湯煎(ゆせん)などで温めることもできるため、常温では飲みたがらない赤ちゃんにちょっと温めて飲ませる場合に便利です。缶を開けて哺乳瓶に注ぐだけの手軽さで、移し替えもらくです。
1本の容量が240mlと多めなので、飲みっぷりが安定してきている月齢の赤ちゃんにちょうどよい量です。1日何度も飲むことを考えると、コスト的にも助かります。この液体ミルクも1本からすぐに入手できますから、赤ちゃんに味見してもらって慣らしておくとよいでしょう。
体験談
『明治ほほえみ らくらくミルク』の口コミ
試供品でもらったのがきっかけで使い、こんなに便利なタイプがあるのかと驚きました。哺乳瓶へ移し替えることもできますが、缶に付属の専用アタッチメントとピジョン「母乳実感」哺乳瓶の乳首をつければ常温でそのまま飲めるので、水がない時、お湯がない時などに大活躍。災害時の備蓄としてもおすすめです。(Mさん/0歳男の子)
体験談
『森永はぐくみ 液体ミルク』の口コミ
ほかの液体ミルクも試してみましたが、いちばん気に入ったのがこちらのミルク。パウチタイプのため、バッグのなかでもかさばりません。100ml入りなのもポイントでした!ほかの液体ミルクの場合、微妙に余ってしまうことがありましたが、これなら200mlちょうどのミルクを用意できます。母に預けたときも、「最近はこんなに便利なものがあるのね」と感動していました。(Kさん/0歳女の子)
非常時・災害時には使い捨て哺乳瓶・ニプルも備蓄を 防災ファシリテーターより
災害に備えて液体ミルクと併せて準備するべきものは?
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
液体ミルクは調合なしでそのまま飲めるため、調乳に必要な道具の消毒がいらず衛生的であることもメリットです。一方で哺乳瓶に移し替えて飲ませた場合、あとに残った哺乳瓶やニプルを洗って消毒するひと手間が必要になります。
日常だと気にならない手間ですが、災害時だと洗浄や消毒に使う水も貴重となってしまうため、回数の多い授乳をどうやって乗り切るかは頭の痛い話になります。ニプル付きのミルクだと衛生的にはたいへん便利ですが、専用のニプルでないと適合しないという問題も出ます。
おすすめは使い捨ての哺乳瓶・ニプルを備蓄として購入しておくことです。この場合も、ニプルの形状やにおいなどによって飲みっぷりが変わるかもしれませんから、まずは少量で試してみて、よさそうならロットの大きなものを備蓄しておくとよいでしょう。
■スチール缶に乳首(ニプル)を取り付け可能なタイプを紹介
■紙パックに取り付け可能な乳首(ニプル)を紹介 外出時に便利すぎると話題!
■使い捨て哺乳瓶&インナーバッグを紹介 備蓄用に便利!
日本国内での液体ミルクの歴史はまだ浅い! 防災ファシリテーターが解説
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
液体ミルクは、日本では乳製品に関する「乳等省令」で規格が厳密に決められていることや、粉ミルクが特別用途食品(母乳代替食品)に指定されていることから、長い間液体ミルクの製造や販売が禁止されていました。2016年の熊本地震のとき、フィンランドからの救援物資に液体ミルクがあったのをきっかけに注目され、法令の改正が進んでようやく2018年に改正省令が施行されました。国産品の販売が開始されたばかりです。
このように、液体ミルクは日本のなかでは歴史が浅く、国産品は3メーカーのみの展開。これからの開発や商品のバリエーションが期待されるところです。
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出版社の編集・執筆、地域NPOの政策企画・広報、危機管理コンサルタントを経て独立。 多彩な分野でファシリテーター兼編集ライターとして活動中。 編集・執筆の経験を生かした計画・マニュアルなどの各種資料作成・製本・出版や、企画会議運営・板書経験を活用したワークショップ・イベントの設計・運営、防災コンサルタント経験による各種調査・研究・組織開発支援など、公共団体や研究機関・企業・NPOとのプロジェクトを数多く実施している。