「防災用ウォータータンク」のおすすめ商品の比較一覧表
防災用ウォータータンクの選び方 防災ファシリテーターに聞きました
防災ファシリテーターの南部優子さんに、防災用ウォータータンクを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。
【1】1日に必要な水の量を考慮して容量を選ぶ
【2】持ち運びできるか
【3】ハードタイプをメイン 、ソフトタイプはサブで使う
【4】タンクを分けずに使える、飲料に適したものを選ぶ
【5】手入れのしやすい、衛生的に使えるものを選ぶ
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合う防災用ウォータータンクを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】1日に必要な水の量を考慮して容量を選ぶ
農林水産省などの機関は、1日1人当たりの水の確保量について「飲料水から調理などに使用する水などをすべて含めて3リットル程度の量があれば安心である」としています。
単純計算で3人家族なら9リットル程度の水を確保できる、10リットル入りのウォータータンクがあれば1日1回の給水で過ごせます。
家族の人数など具体的にどのくらいの水が必要になるかを考えたうえで、ウォータータンクの容量を決めましょう。
ただし、この数値はあくまで目安なので、実際にはもう少し余裕をもって水を確保したいところですね。
【2】実際に水が入った状態で持ち運びできるものを選ぶ
家族1日分の必要量くらいの水をためておける容量のものが好ましいですが、一方で、量が多くなるとたいへん重くなります。
給水拠点や給水車が巡回する場所と、住まいにある程度の距離がある場合もあります。
10リットルくらいは女性でも持てるでしょうが、20リットル以上になると持ち上げるのもたいへん。10リットルのタンクを2つ持つほうが無難です。
20リットルのタンクは、ポリタンク用のキャスターに乗せると移動しやすくなります。積みやすいよう、平らで安定した形状のものがよいでしょう。
階段が多い場合は、肩からさげるタイプのポリタンク用カバーに入れて担ぐとラクになります。
【3】ハードタイプをメイン 、ソフトタイプはサブで使う
給水は毎日必要になります。重い水を入れて何度も運び、しょっちゅう動かして水の出し入れをしますから、どうしても傷がつきやすくなります。
袋タイプのものは少しでも破れ目ができると裂けてしまって使えなくなります。災害時にメインで使用するためには、ハードタイプのしっかりしたものをおすすめします。
どうしても収納スペースがない場合や、予備でいくつか持っておきたい場合などは、コンパクトに折りたためるソフトタイプを用意しておくと安心です。
この場合、すぐに破れてしまう可能性を考え、2~3点そろえておくとよいでしょう。
【4】タンクを分けずに使える、飲料に適したものを選ぶ
直接口にし体に取りこむ飲用水をためておくわけですから、衛生面には注意を払う必要があります。飲用水向けとして販売されているものを選びましょう。
単に水をくんで入れておくだけでよいのであれば、いわゆる灯油用のポリタンクを新品で買ってきて使うことだってできるわけですが、これだと飲用水としての品質を保つことができません。
飲用水と洗濯などの生活用水のタンクを分けて管理する方法もありますが、いざ給水が必要となったときに、分けて使用する余裕がないことも考えられます。
非常時の活用方法に混乱が起きないよう、はじめからすべてのタンクを飲用水向けにしておくことをおすすめします。
【5】手入れのしやすい、衛生的に使えるものを選ぶ
バケツのようなタイプだと使うたびにふたの開け閉めが必要で、ホコリが入りやすくなり不衛生です。
蛇口から水を出すタイプを選び、次の給水の時までふたを開けなくて済むようにするとよいでしょう。
ただ、蛇口から水がつたいやすいため、常に蛇口が下に向いているものだとポタポタもれるのが気になるかもしれません。
ふだんは蛇口部分を上にして保管し、使うときには下に来るよう縦置きと横置きを変えられる長方形になっているものが使いやすいです。
また、なかに手を入れて洗いやすい広口のもの、シンプルな形状のものが清潔に保てるので安心ですね。
防災用ウォータータンク7選 防災ファシリテーターが厳選!
うえでご紹介した防災用ウォータータンクの選び方のポイントをふまえて、防災ファシリテーターの南部優子さんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。使いたい人数や用途をしっかり考えて商品選びを選んでみましょう。

ふた内に蛇口式のコックを格納した透明タイプ
ポリカーボネート製で、比較的外からの衝撃に強くなっています。ボディが透明なので、中の水がどのくらい残っているかがひと目で確認できます。
岩谷マテリアルの「ウッシャブルタンクシリーズ」は、ふたの裏側に水の注ぎ口が格納されている点が特徴です。このポリカーボネート製の12リットルタイプは、ひねるタイプの蛇口式コックがついています。また、どのシリーズも、広口で中に手を入れて洗えます。

転がせて運べるハンドルとキャスターつき
岩谷マテリアルの「ウォッシャブルタンクシリーズ」で、キャスターがついたタイプです。
20リットルと容量が大きい分かなり重くなりますが、キャスターがついていて転がせるので、女性や高齢者でも移動させやすくなっています。ハンドルが2段階で調整できるため、背の高さにあわせて調整可能。
ウォッシャブルタンクシリーズの特徴である、コックがふたのうらに収納できる点、広口タイプで洗いやすい点はキャスターつきでも健在です。

アイリスオーヤマ『ウォータータンク』
手にしやすい価格のため予備や複数購入もおすすめ
ソフトタイプの四角いウォータータンクで、かんたんに折りたたんだり広げたりできます。コンパクトな形で保管できるため、使わないときは収納の場所をとりません。
しっかりした持ち手とコックがついたタンクとしては比較的安価ですので、予備を含めて数をそろえておくこともできます。
容量は、10リットルと20リットルの2種類があります。

持ち運びと手入れのしやすさが魅力
タンク上部の持ち手がちょうど真ん中についているため、重量バランスがとりやすいのが特徴です。そのため、手に持ったときに力が入れやすく、同じ10リットルを運ぶのでもラクに感じるのでしょう。力が弱い女性や高齢者でも扱いやすい商品です。
吸水口は広くなっているので中まで手を入れて洗え、衛生的。
また、前後の比重が同じくらいになるため、縦置きにしたときも安定しやすくなっています。

空気を抜きやすい形状で衛生的に使える
かんたんな手下げの穴と注ぎ口にキャップがついた袋タイプです。袋の素材は三重構造になってるため、比較的丈夫になっています。
容量は、6リットル、10リットル、15リットルの3種類。袋状の商品ですから、水を入れたときにできるだけ空気を抜いた形で保管しておくことができます。このため、水の表面が空気に触れにくくなり、衛生面でも安心です。
また、袋タイプの場合、自立しづらい代わりに、袋の形を変えやすいという特徴を生かして、吊るして保存したり、使い勝手に応じた袋やケースなどに入れて使うこともできます。
比較的安価ですので、用途に応じた水の小分けができるよう何枚かもっておくのもおすすめです。

抗菌仕様で中が手洗いできるソフトタイプ
折りたためるソフトタイプのウォータータンクです。
上部にベルトをかけるフックがついているのが特徴です。上から吊るした状態で使えるため、水の重さで容器が破れる可能性が低くなっています。
使わないときは折りたたんでおけるので収納にも便利。また、注ぎ口が広いので、中まで手を入れて洗え衛生的です。
ていねいに使って保管すれば何度も使えます。

重ね置きが可能なキャスターつきタンク
湯たんぽメーカーが作っているウォータータンクです。キャスターと2段階調整のハンドルつきで、女性や高齢者でも運びやすくなっています。
このタンクの特徴は、うえにもうひとつウォータータンクを重ねておくスタッキングが可能なこと。このため、たくさんの水を一度に確保する必要がある家庭や、生活用水も含めた水を多めに準備する場合など、収納スペースを節約できて便利です。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 防災用ウォータータンクの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの防災用ウォータータンクの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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災害時だけでなく日ごろから水をためておこう! 防災ファシリテーターからのアドバイス
国では、3日分くらいは家庭内に備蓄しておくことを推奨(すいしょう)しています。さらに、広域で大きな災害が発生した場合、1週間くらい水や熱源がない可能性もあるとし、プラスアルファの備蓄もすすめています。
ここでご紹介したウォータータンクに平時から水をためておき、いつ災害が起きても最低限の生命維持に必要な水を確保しておくことはとても重要です。
水道水には消毒用の塩素が含まれているため、ある程度は保存ができますが、3日くらいで入れかえると安心です。浄水器を通した水はかえって細菌が繁殖しやすいので、水道水のほうがよいでしょう。
空気に触れる面が大きいとホコリや雑菌が入りやすくなるため、水はタンクの口いっぱいまで入れ、直射日光の届かない涼しいところに保管してくださいね。
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出版社の編集・執筆、地域NPOの政策企画・広報、危機管理コンサルタントを経て独立。 多彩な分野でファシリテーター兼編集ライターとして活動中。 編集・執筆の経験を生かした計画・マニュアルなどの各種資料作成・製本・出版や、企画会議運営・板書経験を活用したワークショップ・イベントの設計・運営、防災コンサルタント経験による各種調査・研究・組織開発支援など、公共団体や研究機関・企業・NPOとのプロジェクトを数多く実施している。