双眼鏡とは? メリット・デメリットも

カメラの望遠レンズとは異なり、手を伸ばせば触れそうなほど立体的な見え方が双眼鏡の特長です。
双眼鏡を選ぶときには、どのような場面で使うのかを意識したうえで、選ぶポイントを絞るようにしましょう。どのような場面にも共通するポイントもありますが、野外で使うのか室内で使うのか、昼間に使うのか夜間に使うのか楽しみ方によって、確認すべきスペックが異なることもあります。
また、ひとみ径やアイレリーフなど専門用語もありますので意味を理解することも大事です。
双眼鏡の倍率や明るさ、場面に応じて備わっていると便利な機能などの双眼鏡選びの基礎知識を覚えておきましょう。
双眼鏡と単眼鏡の違い
双眼鏡と一緒に語られることが多い単眼鏡は、筒の数が違うという見た目の違いがありますが、最も違う点として、立体感や距離感の有無が挙げられます。
人間が立体感や距離感を感じるには、両眼で見る必要があります。双眼鏡なら自然と両目で覗くので、立体感や距離感を感じることができますが、単眼鏡では感じることができません。
そんな単眼鏡のメリットは何か? 解説していきます。
単眼鏡のメリットとは? 携帯性と近接可能な点
立体感や距離感が感じにくい単眼鏡のメリットは携帯性と近接可能な点が挙げられます。
■携帯性
双眼鏡には2つの筒がありますが、単眼鏡は1つあなので、双眼鏡よりも軽量。。また、ポケットに入れて持ち運びができるため、登山やトレッキングなどの荷物を減らしたい場合に活躍します。
■近接可能な点
一番違づいてピントが合う距離を最短合焦距離と呼びます。双眼鏡では50㎝前後が限界ですが、単眼鏡はもっと近づいてもピントが合う製品もあります。
双眼鏡とオペラグラスの違いとは?
双眼鏡はプリズムがあるタイプと、プリズムがないタイプに分けられます。プリズムは光を曲げることで対物レンズと接眼レンズの距離を錯覚させ、距離を短くする役割があります。これにより、距離があっても鮮明に見ることができます。そのせいで、サイズが大きく重いタイプが多いのです。
オペラグラスは観劇用を目的として作られているため、小型でおしゃれなものが多く、価格帯も安いものが多い印象です。オペラグラスにはプリズムがありません。
双眼鏡の選び方 野外でもドームなどでも活躍!
ここでは、アウトドアなど野外の広い場所で使う双眼鏡や、ドームなどの広い室内で使う双眼鏡など、利用する場所に応じた双眼鏡を選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントを紹介します。
まだ双眼鏡を活用する場面が決まっていない人も、場所に応じた選択ポイントを覚えておきましょう。ポイントは以下の9つです。
【1】倍率
【2】コーティングの種類
【3】便利な機能
【4】明るさ調整のための口径
【5】視界
【6】使用目的
【7】アイレリーフ
【8】携帯性
【9】最短合焦距離
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】最適な倍率のものを選ぶ 野外スポーツや観劇では6~8倍が適切な倍率
倍率とは肉眼で見た場合と比べてどれだけ大きく見えるかをあらわすものです。たとえば10倍の双眼鏡ならば、1,000m先にあるものを肉眼で100m先の距離にある大きさで見ることができます。
ただし倍率はただ高ければいいというわけではなく、高いほど見える範囲(視界)が狭くなり、手ブレもしやすくなってしまいます。そのため双眼鏡を選ぶ際には、適した倍率を定めるために用途を決めることが大切です。
双眼鏡の倍率は一概に高ければよいというわけではなく、利用シーンによって適度な倍率があります。野球やサッカーなどの野外スポーツや観劇では6~8倍が適切な倍率です。
バードウォッチングでは7~8倍が適しています。動きの少ない鳥がターゲットの場合は、10倍でも使えますが視野はかなり狭くなります。天体観測での倍率は7倍程度とし、口径の大きな双眼鏡を選ぶようにしましょう。
【2】コーティングの種類を確認 見え方が違う! 天体観測に使うならマルチやフルマルチコートを採用
双眼鏡に使われているレンズやプリズム(内部反射鏡)の表面には、無駄な反射を防ぐためのコーティングが施されています。
安い製品では単層コートが主流ですが、高級品では複数のコーティングが施されたマルチコートが多く採用されています。またレンズだけでなくすべての光学部品にマルチコートが施されたものは、フルマルチコートと呼ばれます。
単層コートよりもマルチコート、マルチコートよりもフルマルチコートのほうが明るく見えるほか、反射光による映り込みも低減されます。そのため天体観測に使うのなら、マルチコートかフルマルチコートを採用した製品を選んだほうがいいでしょう。
【3】便利な機能にも注目 防水機能や三脚の装着ができるかも確認!
双眼鏡にはそれほど特殊な機能は搭載されていませんが、防水機能や三脚の装着ができるかについても確認してみましょう。
野外で使用する場合は、雨に濡れることや、誤って落としてしまったところに水たまりなどがあることも想定できるので、防水機能が必須です。
バードウォッチングやスポーツ観戦、天体観測など、長時間にわたる可能性がある利用シーンでは、三脚を使えると便利です。
【4】明るさ調整のための口径をチェック 双眼鏡の明るさを表す数値は「ひとみ径」
口径とは、対物レンズ(目に当てないほうのレンズ)の直径のことです。口径が大きいほど、たくさんの光を集めることができますので、より明るくクッキリと物体を見ることができます。高い倍率にするなら、そのぶん口径も大きくしないと、暗く見えてしまいます。
ただし、口径が大きくなると、当然双眼鏡のサイズや重量も大きくなりますので、携帯性が犠牲になります。倍率と口径のバランスがとれた製品を選ぶことがポイントです。
また、双眼鏡の明るさを表す数値は「ひとみ径」が使われています。「ひとみ径」は[対物レンズ有効径]÷[倍率]で算出されます。明るさに対する表示がない場合は、口径と倍率をチェックし、明るさの値を導き出しましょう。
【5】見やすい双眼鏡の視界とは? 実視界は6.5°以上ある双眼鏡が見やすい
「実視界」とは、双眼鏡を動かさずに、一度に見ることができる範囲を角度で示したものです。双眼鏡の場合は、倍率が高くなるほど実視界が狭くなります。実視界は6.5°以上ある双眼鏡が見やすい視界だとされています。
ただし、双眼鏡の倍率が変わると実視界の範囲も変るため、異なる倍率の双眼鏡で実視界の値を比較するのは正しくありません。
実視界に倍率を乗じたものを「見掛け視界」と呼び、肉眼で見える位置での視界を表します。倍率も基準値の算出に含むので、倍率が異なる双眼鏡の比較にも使えます。
【6】使用目的で選ぶ 利用場所や対象物を考慮して適したスペックを選ぼう
双眼鏡は、倍率と視界の範囲、倍率と明るさ(口径)には関連性があるので、快適に利用するためには、利用するシーンに条件のあうスペックの製品を選ぶ必要があります。
ここでは双眼鏡を買う際にどういったシーンに、どういった双眼鏡が適しているかというポイントをおさらいします。利用場所が野外なのか室内なのか、対象物は動きのあるものなのか動きの少ないものなのかなどを考慮して、適したスペックの双眼鏡を選びましょう。
コンサート・ライブ・観劇
コンサートやライブ、観劇で双眼鏡を使う場合は、会場が「屋内か野外か」によって選び分けます。屋内で照明が暗い会場の場合は、明るく見える双眼鏡が適しています。野外フェスなど屋外で明るい会場の場合は、明るさよりも防水機能を重視しましょう。
コンサート・観劇全般でおすすめの双眼鏡は、倍率が5倍程度あるものを選べば、じゅうぶん満足できるでしょう。また、高倍率であったとしても手ブレが少なく見えやすい防振機能があると、アーティストや演者の動きを追いかけても、安定した視界で目が疲れません。
美術鑑賞
美術館で作品の鑑賞をしていると、そばまで近寄って細部を確認したいことがあります。
美術鑑賞用に双眼鏡を購入する場合に、もっとも重視したい点が最短合焦距離です。この距離が短ければ短いほど、被写体と距離を縮めて、ピントが合った状態でより大きく拡大して作品の細部を見ることができます。また持ち歩くので、出来れば携帯性・コンパクトさにも重点を置きたいところです。
スポーツ観戦
スポーツ観戦で大きなスタジアムに出かける場合は、ある程度の倍率が出る双眼鏡が必要です。ただ、高倍率になると手ブレで見える画像そのものの質が悪くなったりするデメリットもあります。また口径が大きいものだと双眼鏡も大きく重たくなるので腕が疲れてしまいます。倍率と大きさのバランスの取れた双眼鏡を選ぶようにしましょう。
スタジアムのように、大きい会場で選手と距離がある場合は8~12倍が適しています。体育館などの室内なら4~8倍あればじゅうぶんです。ナイター観戦が趣味の場合は明るめの視野が得られるタイプを、また屋外でのスポーツ観戦なら防水性能もチェックしたいところです。
※詳しくは下記の記事をお読みください。
アウトドア・バードウォッチング

用途によって双眼鏡の選び方も変わります。とはいえ、いずれにしても軽さやコンパクトなモデルなど携帯性は重要なポイントのひとつです。
アウトドアで双眼鏡を使用する場合は、なにより防水性能が重要です。防水仕様でないと、双眼鏡の中に水が入り込んでしまい、視界が悪くなってしまいます。レンズそのものは明るくて、20~40mmと適度に大きいものが最適。レンズがあまり大きいと、双眼鏡が重くなって手持ちでの観察がしにくくなるので要注意です。
また、アウトドアでかつバードウォッチングを楽しむ場合は、鳥を見失わないようにするため視野角は広めで、高倍率の双眼鏡を選びましょう。さらに三脚に対応しているものなら御目当ての鳥が現れるまでの我慢比べもしやすくなります。高倍率の双眼鏡で三脚対応のものなら、被写体に気づかれることなく、リラックスした姿をゆっくりと眺めることも可能です。
※詳しくは下記の記事をお読みください。
星空観賞
星空観賞の場合は、できる限り明るいレンズを選びましょう。遠くを見るので、倍率も7~10倍と高めのものが向いています。また、倍率が高くなると、その分手ブレの影響が大きくなるため、手ブレ対策も必要です。三脚に取り付けられるタイプを選ぶか、手持ちにするなら防振機能のついたものを選ぶか、考えたうえで購入しましょう。
防振機能が得意な双眼鏡メーカーとしては、Canonが有名です。天体望遠鏡を作っているビクセンも、星空観賞に適した機種を販売していますのでチェックしてみてください。
【7】長時間使用や眼鏡ユーザーはアイレリーフをチェック メガネ対応!
アイレリーフとは、双眼鏡の視野のすべてをきちんと見ることができる、目と接眼レンズの適切な距離のことです。
アイレリーフが長い製品は目をレンズに近づけずとも双眼鏡を覗くことができるので、目が疲れにくいというメリットがあります。長時間の使用を想定しているなら、アイレリーフが長い製品を選びましょう。
また、メガネをかけたまま双眼鏡を使いたい場合は、アイレリーフが15mm以上の製品を選ぶことで対応することができます。
なお、アイレリーフが長い製品のことを「ハイアイポイント」と呼びますので製品選びの時にチェックしてみましょう。
【8】携帯性もチェック
双眼鏡の携帯性も重要なポイントです。口径が小さいほど、重量が軽くなり、サイズも小さくなりますので、携帯性が向上します。つねに携帯して気軽に使いたいのならば、重量が300g未満の製品をおすすめします。重量が300g未満なら、片手で持っても苦になりません。
また、携帯用のケースが付属している製品や、オプションで専用ケースが用意されている製品もありますので、ボディにキズをつけたくないのならば、ケースに入れて携帯するといいでしょう。
【9】近くも見たい場合は「最短合焦距離」に注目!
双眼鏡は遠くを見るだけでなく、近くにある小さいものを拡大する用途で使うこともできます。
「最短合焦距離」はピントが合う最短の距離を表しています。
「最短合焦距離」が短い双眼鏡を選ぶと、美術館や博物館で近くの物を大きく見るという用途に使うことができます。
メーカー・ブランド|おすすめの7社
日本製から海外製まで双眼鏡のメーカー・ブランドは多数あります。双眼鏡を多く販売しているおもなメーカー・ブランドは次のとおりです。
Celestron(セレストロン)
セレストロンは、天体望遠鏡で有名なアメリカの老舗メーカー。双眼鏡は非常にシンプルでスタイリッシュなつくりとなっており、多くの方に受け入れられやすいデザインです。
日本ではあまりなじみのないブランドですが、海外では天体望遠鏡のクオリティを双眼鏡に移植したかのような高性能双眼鏡として大人気です。
Nikon(ニコン)
ニコンは日本の大手カメラメーカー。一眼レフを彷彿とさせる真っ黒で質感の高いボディに、正確に被写体をとらえるニコンのレンズの技術が双眼鏡にも活かされています。双眼鏡の販売ラインナップは非常に多く、ニコンから選ぶだけでも迷ってしまうほどです。
Canon(キヤノン)
デジタル一眼レフやミラーレスカメラの世界で、非常に高い人気を誇るキヤノン。双眼鏡でも、手振れ補正をはじめとするカメラ製造で培われた高いレベルの基本性能が備わっています。
望遠性能も高く、望遠倍率を最大にしても、他社製品に比較してはっきり見えるほどです。目的別の双眼鏡のラインナップも豊富ですので、ぜひ見ておきたいメーカーです。
Kenko Tokina(ケンコー・トキナー)
ケンコー・トキナーは日本の写真用品・光学機器用品メーカー。安価で手軽に使える双眼鏡を多く取り扱っていますので、はじめて本格的な双眼鏡を購入する方や使用頻度が少ない方に最適です。
サイズ・デザインのラインナップが豊富であるため、大人だけでなく、子どもにも使いやすい双眼鏡が見つかるでしょう。
RICOH IMAGING(リコーイメージング)
ペンタックスを買収したリコーには、「PENTAX」ブランドの双眼鏡シリーズがあります。
特徴的な点は、眼鏡をかけていても使える「ロングアイレリーフ」。眼鏡派の人にはありがたい機能です。また、明るい視野を確保する「フルマルチコーティング」も特徴として挙げられます。
4つのシリーズは、それぞれフラグシップ機、野鳥観察や天体観察向け、アウトドア向け、初心者向けで分かれています。
Vixen(ビクセン)
天体望遠鏡のメーカーとして有名なビクセン。日本のメーカーで、双眼鏡メーカーとしても老舗で、さまざまな精密機器を製造・販売しています。
ビクセンの双眼鏡は、明るい視野が得られると人気があります。ライブ用から天体観測、アウトドアでのバードウォッチングなど、さまざまな用途で製品が用意されているので、自分の用途によりぴったり合った商品を選びやすいメーカーです。
OLYMPUS(オリンパス)
オリンパスは、医療機器を製造販売している日本のメーカーです。精密機器を作り続けている関係で、カメラやレンズの製造技術が高いことでも知られています。
医療機器メーカーならではの「操作のしやすさ」への配慮が織り込まれた双眼鏡は、初心者にとっても扱いやすいものと言えるでしょう。
双眼鏡7選【バードウォッチングやアウトドア向】 色やゆがみ、手振れ防止があると便利! 長時間持ち歩くなら軽量のものを
自然の中で鳥や植物などを観察するため、レンズを通しても、自然のままの姿が伝わるものが適しています。色やゆがみ、手ブレ抑止などにポイントを絞って選びましょう。
本格的なバードウォッチングや登山などのアウトドアは、持ち歩く時間が長いことも考慮し、コンパクト軽量設計のものや手になじみホールド感があるか、という視点で選ぶことも大切です。
双眼鏡5選【コンサートやライブ・舞台向け】 倍率や実視界、明るさを重点に
コンサートやライブで使うための双眼鏡を購入する場合は、倍率や実視界といった基本的な仕様以外に「明るさ」についても重点的に調べる必要があります。
コンサートやライブは夜間や暗い場所で行われることが多く、できるだけ明瞭な像としてみたいのであれば、「明るさ」の数値が高いものを選びましょう。



双眼鏡4選【天体観測向け】 倍率は7倍程度で対物レンズ径の大きいものを
天体望遠鏡を使わず、双眼鏡で天体観測をすることも可能で、双眼鏡なら気軽に星見も楽しめます。天体観測に使う双眼鏡は、倍率の高いものを選びがちですが、7倍程度で対物レンズ径の大きいものが適しています。
暗いところでの使用になるので、「明るさ」ができるだけ高い仕様の双眼鏡を選ぶようにしましょう。

手ブレ補正機能搭載の高級機
口径30mm、倍率10倍の双眼鏡。光学式手ブレ補正機能を搭載していることが特長で、手ブレ補正をオンにすることで、物体の揺れがピタリと止まり、遠くの人の表情や文字などもはっきり見えるようになります。
すべてのレンズとプリズムに多層コーティングが施されたフルマルチコート仕様で、明るく、高いコントラストの像を実現しています。実視界は6°、見掛け視界は55.3°で、アイレリーフは14.5mmです。
光学式手ブレ補正機能を搭載しているため、重量は電池別で約600gとやや重めですが、手ブレのない像をえられるのがなによりの利点です。こちらもコンサートや観劇から、天体観測まで幅広い用途に使えます。
Vixen(ビクセン)『ソラプティZ8x24Night』
双眼鏡5選【スポーツ観戦向け】 広い視野が得られるものを
スポーツ観戦には、7~8倍の双眼鏡が適しています。ドーム観戦など、広い室内での観戦が多いのなら、倍率の高さだけでなく、明るさなどにも注意しましょう。
倍率の高いものは視野が狭くなるので、スポーツ観戦では広い実視界を得られる双眼鏡を選ぶようにしましょう。
Kenko Tokina(ケンコー・トキナー)『プロフィールド 7×32』
「双眼鏡」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 双眼鏡の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの双眼鏡の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
双眼鏡に関するQ&A よくある質問
商品名にある「7×32」といった表記は何ですか?

「7×32」の「7」は倍率を表します。また、「32」の部分は対物レンズの大きさを表します。つまり、倍率7倍の32口径の双眼鏡ということを意味しています。
倍率が高いほうがよく見えますか?

倍率が高いほうがよく見えるというわけではなく、倍率が高いほど対象物が大きく見えるということです。ただし、高い倍率ほど明るさが暗くなり、手ブレも大きくなります。
双眼鏡選びのその他のポイント 価格やメーカーもチェック!
双眼鏡を選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントを紹介します。
価格|予算の上限を決めておこう!
双眼鏡は価格の幅が広く、安いものは1,000円台で購入できますが、高級機種では10万円を超える本格的なものまであります。スペックが高いほど、精密な加工技術が必要になるため、高額になる傾向が顕著です。
双眼鏡にかける金額は、趣味やこだわりの時間を充実させるために、双眼鏡にどれだけお金をかけられるかが問われます。
際限なくお金をかけられるのでなければ、あらかじめ予算の上限を決めておくといいでしょう。予算の幅が決まっていれば、選べる商品の種類も限られてくるので、比較しやすくなります。
デザイン|愛着がわくように!
双眼鏡は趣味を楽しむための特別なアイテムですので、愛着がわくデザインを求める方も多いでしょう。
ほとんどの双眼鏡の色は飾り気のないブラックですが、まれに白やゴールド、アウトドアの自然色を意識した深みのあるグリーンなど、カラーリングデザインに配慮した製品も存在します。
素材もプラスチックからオールメタル仕様のものまで多種多様。気に入ったデザインの双眼鏡を選ぶことで愛着がわき、より大切にあつかうようになるでしょう。
防水性能|水辺で使うならばチェック!
アウトドアやレジャーで双眼鏡を使用するなら、防水性の有無はチェックしておきたい項目です。防水機能がついている双眼鏡の代表的なメリットは以下のとおりです。
・水が本体に入りこまないので、故障しにくい
・撥水機能がついたレンズで、雨や水気の多い場所でも視野が明るい
・水洗いができ、メンテナンスがしやすい
防水レベルは双眼鏡によって異なるため、水辺で使うことが多い場合は防水性能を入念にチェックしましょう。
タイプ|ポロプリズム・ダハプリズム
双眼鏡の対物レンズと接眼レンズの間には、プリズムと呼ばれる鏡が仕込まれています。双眼鏡は、ポロプリズムとダハプリズムという2種類のプリズムのうち、どちらの構造が搭載されるかで、その双眼鏡の特性が大きく変化します。
ポロプリズム式はプリズムを向かい合わせ、繊細に像を反射しますが、やや複雑な構造をしているため本体が大型になりがちです。一方のダハプリズム式は、対象から肉眼まで一直線上に映しだす構造なので、軽量・コンパクトな双眼鏡になりますが、非常に精密なため価格が高くなるのが難点です。
編集部が体験! FUJINON『TS16×28』の実力 ハイスペック双眼鏡はすごかった!
普段、コンサートなど以外ではなかなか使用する機会がない双眼鏡。そこで、最先端双眼鏡の実力を確かめるべく、編集部が実機を使って体験。今回使用したのは高性能双眼鏡、FUJINON(フジノン)『TECHNO-STABI TS16X28』。こんなところまで見えて大丈夫……!? と焦ってしまうほどの高倍率に驚くはず!
予想外に「見えすぎ」て感動! まるで千里眼!?

Photo by マイナビおすすめナビ
上部のダイヤルで即座にピント調節が可能。防振機能をONにすると遠くの目標もピタッとブレがおさまります。
『TS16×28』のファインダーを初めてのぞいたとき、『ゴルゴ13』の気持ちが少しわかりました。そんな、スナイパーにでもなったかのような圧倒的な高倍率を体感できるのがこの商品。そして、防振機能をONにした瞬間、目標物がピタッと静止。ねらった獲物は逃がさない。この『TS16×28』は鷹の目ではないかと思ったくらいです。
ビルの7Fからのぞくと、下を歩く人の表情はもちろん、肌のしわまでクッキリと見えます。それどころか、読唇術が可能なくらいハッキリと口の動きがわかりました。これが最先端の双眼鏡の実力なのですね。
アリーナクラスのコンサートなど目的をもって使用するのもよいと思いますが、ただただ時間を忘れて見入ってしまうのもあり。暇つぶしにももってこいの製品といえるでしょう。
最初はコンパクトで軽いものを IT・テックライターのアドバイス
IT・テックライター
用途が決まってないのならまず小型軽量モデルを!
双眼鏡は用途によって選ぶのが基本ですが、とくに用途を定めずに双眼鏡がほしいという場合もあるでしょう。その場合は口径が大きな製品であると重くて気軽に持ち歩くのがむずかしいですし、手で持つのも疲れてしまいます。
そのため最初はあまり口径の大きな製品ではなく、小型軽量モデルを選ぶことをおすすめします。ただし天体観測に使うのであれば、像が明るく見える口径40~50mmクラスの製品のほうがおすすめです。
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ズーム式を買うなら防振機能付きのものを 編集部より
ガジェット関連に精通するIT・テックライターの石井英男さんへの取材をもとに、双眼鏡の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。最後に編集部より1点要注意ポイントがあります。
カメラでズームレンズを使ったことがある人は想像しやすいことですが、高倍率のズーム機能を使うと、手ブレが激しくなり、見える像も薄暗く、見えにくくなります。対して3~5倍程度の適度なズームなら、用途が広がり使い勝手もいいのが特徴です。
防振機能がついていないのに高倍率ズームをうたい文句にしている双眼鏡は、実際に使ってみると使いづらく後悔するという人が少なくありません。100倍ズームなど超高倍率の商品を買う場合は、防振機能がついているかをチェックしましょう。
双眼鏡を使うことで、肉眼では視認のむずかしい遠距離でも、臨場感や迫力をまのあたりにすることができます。それにより、イベントや趣味がよりエキサイティングな体験へと変化するでしょう。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。