バードウォッチング用の双眼鏡は、新たな発見をくれる
肉眼で見るよりも鮮明に野鳥を観察することができる、バードウォッチング用の双眼鏡。
双眼鏡を通して観察することで、私たちに身近なスズメやハトでさえも、色や形など、新たな発見があり、よりバードウォッチングを楽しむことができます。また、いつもより遠くから野鳥を観ることができるため、警戒心が強い珍しい野鳥でも、逃げられずにしっかり観察することができます。野鳥を観察するうえで、バードウォッチング用の双眼鏡はメリットしかありません。
高性能な双眼鏡の使い方を理解してコツをつかみ、楽しいバードウォッチングの時間を過ごしてください。
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バードウォッチング向き双眼鏡の選び方
バードウォッチングをじっくり観察するために欠かせない「双眼鏡」。倍率やサイズなど、さまざまな種類が販売されています。この記事では、バードウォッチングに適した双眼鏡を見つけるために、IT・テックライター石井英男さんへの取材をもとに、バードウォッチング向きの双眼鏡を選ぶときのポイントをご紹介します。どういった双眼鏡が野鳥を見るのに向いているのか、石井さんのアドバイスを参考にして最適な双眼鏡選びに役立ててください。
【1】倍率は8~12倍がおすすめ
【2】対物レンズの口径(直径)は20~40mm
【3】使いやすい重さとサイズの双眼鏡を選ぶ
【4】そのほかの機能
【5】長時間観察するなら三脚に対応した製品を
それぞれ解説していくのでチェックしてみましょう。
【1】倍率は8~12倍がおすすめ
バードウォッチングでは小さな野鳥を遠くから観察するため、倍率の高い双眼鏡が向いていると思っている人もいるでしょう。
しかし、倍率が高くなるとそれだけ見える範囲が狭くなるので、かえって野鳥を探すのが難しくなるうえに、手ブレの影響も大きく受けるようになってしまいます。
そのためバードウォッチングで使う双眼鏡は、倍率が8~12倍程度のものがおすすめです。とくに初心者は、そのなかでも倍率が低めの8~10倍程度の製品を選びましょう。
【2】対物レンズの口径(直径)は20~40mm
口径とは対物レンズの直径のことで、口径が大きければ大きいほど多くの光を集められるようになり、像が明るくくっきりと見えます。
しかし口径が大きくなると、それだけ双眼鏡が重く大きくなりますので、長時間手で持って観察するのがたいへんになります。おすすめなのは口径20~40mm程度のものですが、そのなかでもバードウォッチングをするシーンによって適した製品は変わります。
ハイキングや散歩などで気軽に野鳥を観察したいのであれば、口径20~25mm程度のコンパクトなものがおすすめ。夜明けや夕暮れなど少し暗い場面での観察をおこないたいのなら、携帯性は犠牲になりますが口径40mmクラスの大型双眼鏡が向いています。
【3】使いやすい重さとサイズの双眼鏡を選ぶ
双眼鏡のサイズや重さもチェックしたいところです。持ち運びしやすいサイズや重さの双眼鏡を選ばないと、快適なバードウォッチングは楽しめません。とくに女性や子供が使う場合は、長時間持っても疲れない軽量モデルがベスト。
双眼鏡の重さは対物レンズの大きさによっても異なりますが、軽量化されているモデルもあるので、いろいろな双眼鏡のサイズや重さをチェックしながら、自分に適したものを選択しましょう。
【4】こまかい仕様もチェックして
明るさや見える範囲、防水仕様かどうかなど、双眼鏡のこまかい仕様もチェックしていきましょう。機能面のポイントは5つです。
(1)見掛け視界55°以上の製品を選ぼう
見掛け視界とは、双眼鏡を覗いたときに見える視界の広さのことです。実際に見える範囲を示す実視界とは意味が違いますので、注意しましょう。
素早く飛びまわる野鳥を探して追いかけるためには、見掛け視界は広いほうが有利です。
一般的な双眼鏡の見掛け視界は45~55°程度が主流ですが、バードウォッチングに使うのなら、見掛け視界が55°以上のワイドタイプの製品がよいでしょう。
(2)防水機能があるものを選ぼう
バードウォッチングは基本的に野外で行いますので、観察していたら突然雨が降ってくる・・・ということもありえます。
そんな急な天候の変化に備えるために、バードウォッチング用の双眼鏡は防水仕様の製品を選ぶことをおすすめします。
防水仕様のものなら、川下りや沢歩きなどで利用するときも安心ですので、バードウォッチングに限らずキャンプやハイキングなど、さまざまなアウトドアのシーンで活用できるでしょう。
(3)明るさも要チェック
バードウォッチングは日中に行うことがほとんどなので、双眼鏡の明るさそのものはあまり気にしなくても問題はありません。なお、対物レンズの口径が大きいほど多くの光を集められるので像が明るくなります。
口径が小さいと、明るさを確保できない場所では少し暗く感じるかもしれないので、口径を選ぶときには注意が必要です。
(4)メガネと併用するならアイレリーフも確認
眼鏡をかけたまま双眼鏡を使いたい場合は「アイレリーフ」をチェックしましょう。アイレリーフとは、双眼鏡を覗いたときに視野が見渡せる位置から接眼レンズまでの距離です。
アイレリーフが短いと、接眼レンズに近い位置でレンズを覗かなければならないので、メガネがレンズに当たったり周囲が陰ったりしてしまいます。
(5)近距離で使うこともあるなら「最短合焦距離」をチェック
最短合焦距離とは、双眼鏡でピントを合わせることができるもっとも近い距離のことです。遠い場所にいる野鳥を観察するだけならとくにチェックする必要はありませんが、昆虫や草花など、近い距離でピントを合わせて使いたい場合には確認しましょう。最短合焦距離が2mなど、近いモデルであれば博物館などの屋内でも使用が可能です。
【5】長時間観察するなら三脚に対応した製品を
バードウォッチング初心者は、まずはコンパクトな双眼鏡から始めるのがおすすめです。慣れてきて長時間の観賞をするのであれば、一カ所に腰をすえて大型双眼鏡に三脚を組み合わせて使うことで、腕の疲れを気にせず高画質でじっくり野鳥を観察できます。
40mmクラスの大型双眼鏡を買う場合は、三脚アダプターや三脚も一緒に購入した方が◎。
観劇やスポーツ観戦でも活躍 ITライターからのアドバイス
バードウォッチング用の双眼鏡と一口にいっても、口径や倍率が異なる製品が多数あります。初めて双眼鏡を購入するのなら、手持ちで気軽に使える口径30mm以下、倍率10倍以下のコンパクトなモデルをおすすめします。
このクラスの双眼鏡なら、普段からバッグなどに忍ばせておけますので、思いがけない場所で見つけた野鳥の観察のチャンスを逃すこともありません。
口径30mm以下、倍率10倍以下の双眼鏡はバードウォッチングだけでなく、観劇やスポーツ観戦でも活躍します。
バードウォッチング向き双眼鏡おすすめ10選
ここからは、バードウォッチング向け双眼鏡のおすすめ商品をご紹介します。人気メーカーの評判のいいモデルも多数ピックアップしています。
マイクロコンピューター内蔵の高性能モデル
キヤノン独自開発の「バリアングルプリズム(VAP)」は、いわば液体レンズのように手ブレに応じて形を変え、像を安定させる機構です。手で持って使ったときも、レンズの高解像度を存分に活かした鮮明な視界を保てます。
「ダブレットフィールドフラットナーレンズ」は双眼鏡にありがちな像面湾曲を補正し、視野中心だけでなく端までボケずにピントを合わせる機能。高性能マイクロコンピューターを内蔵していますが、単3電池で約9時間の連続使用ができ、充電池も二次的に使用できます。
コンパクトに持ち歩ける、初心者向けの双眼鏡
ピントと眼幅、視度調整が簡単で、バードウォッチング初心者向けの双眼鏡です。水深1mに5分浸かっても問題ない防水性能があり、沢登りや海辺などのアウトドアシーンにも安心して持っていけます。
本体重量は260gほど、折りたたんでコンパクトに持ち歩き可能。「BaK4」のプリズムを採用しており、視野の隅々まで鮮明、精細な像を映し出せます。フォレストグリーンとパープルのカラーはどちらもシックな色合いで、自然にもよく溶け込みます。

これからバードウォッチングを始める人におすすめ
口径30mm、倍率8倍の双眼鏡。実視界は8.3°、見掛け視界は60.3°で、アイレリーフも15.1mmと長いため、眼鏡をかけたままでも、楽に覗くことができます。防水性能も高く、1mの水深に10分間浸かっても問題が出ない設計になっています。
すべてのレンズとプリズムにマルチコーティングが施されたフルマルチコート仕様で、明るい視界が広がります。
また、EDガラス(特殊低分散ガラス:見るものの色を自然な色合いで見られるように特殊な加工を施したガラス)を採用することで、色のにじみの原因となる色収差を補正しています。扱いやすく、気軽に持ち運べるサイズなので、これからバードウォッチングをはじめる人向きの製品と言えます。

見え方にこだわり高級レンズを採用
口径32mm、倍率8倍の双眼鏡。実視界は8.1°、見掛け視界は59.1°で、アイレリーフが16.5mmと長いことも魅力です。窒素ガスを充填した防水設計を採用していますので、屋外でのバードウォッチングにもおすすめです。
すべてのレンズ面に7層以上のマルチコーティングが施されているほか、プリズムにはフェイズコートが施されており、きわめて明るくクリアな視界を実現しています。
対物レンズにはEDガラスが採用されており、色のにじみのない、鋭い像が得られます。重量は605gとやや重めですが、オプションのキャリングビノホルダー(M)を使うことで、三脚に固定できますので、見え方にこだわる人におすすめです。

コンパクトで持ち運びに便利
口径25mm、倍率8倍の小型双眼鏡。実視界は7.5°、見掛け視界は55.3°で、アイレリーフは15mmと長いので、眼鏡をかけたままでも利用できます。
また、防水設計なので、雨が降ってきても安心して使えます。すべてのレンズとプリズムにマルチコーティングが施されたフルマルチコート仕様で、高いコントラストを実現しています。
重量は360gで、気軽に持ち運べることが利点です。ラバーボディ採用で、手で持っても滑りにくく、バードウォッチング初心者におすすめの製品です。
マグネシウム合金製、高い防水性能でアウトドア向け
ボディはマグネシウム合金製で、衝撃吸収性と熱放散性に優れています。クッション性に優れたネックベルトが付属していて、長時間首にかけていても楽に使えます。水深1mに30分浸かっても大丈夫な防水性能があり、バードウォッチングなどの野外活動に適しています。
立体的に角度を調整するフォーカスホイールを内蔵しているので、スムーズにピント合わせが可能。超低分散EDガラスのレンズにより、光の分散を低減して目標を詳細に映し出せます。防振双眼鏡で、星空観察やスポーツ観戦など、さまざまな使い道ができるモデルです。
コンパクトでスタイリッシュ!
クリスタルガラスで有名なブランド、スワロフスキーのグループ会社であるスワロフスキー・オプティックの双眼鏡です。ポケットに入れやすい軽量コンパクトサイズでありながら、見やすく疲れにくい高性能なモデル。
頑丈なつくりで、長く使えるでしょう。カラーはシンプルなグリーンとブラック。別売りのフォトアダプターを使えば、スマホでの撮影も可能です。

バードウォッチングの中上級者におすすめ
口径36mm、倍率8倍の双眼鏡。実視界は6.5°で、アイレリーフは16mmと長いので、眼鏡をかけたままでも、楽に覗くことができます。
JIS保護等級6級相当の防水機能を備えていますので、悪天候でも安心。すべてのレンズとプリズムの表面にマルチコーティングが施されたフルマルチコート仕様で、明るく見やすい像を実現しています。
重量は640gと重めですが、オプションの三脚アダプターを使うことで、三脚にも取り付けられます。じっくり腰をすえてバードウォッチングをしたい中上級者に向いています。
過酷な自然環境下でも使えるエントリーモデル
「Terra ED」シリーズは、カールツァイスの双眼鏡ではエントリーモデルにあたります。二軸で折りたたんでコンパクトになり、わずか310gほどなので持ち歩きに最適。レンズには誇りと水滴が付くのを防ぐ「Lotu-Tec」加工がされ、内部に封入された窒素ガスにより、温度変化による内部曇りがありません。
光透過率が9割以上あるEDレンズを採用しているので、自然でシャープな色合いが特徴です。−20〜63℃と過酷な環境下でも扱え、防水仕様となっています。
子供用に! 笛付きコンパス、鳥の図鑑本付き
バードウォッチングに興味を持った子供用におすすめなのがこちらの商品です。子供の手でも持ちやすいコンパクトレンズの双眼鏡は、倍率8倍でじゅうぶんな性能。双眼鏡の覗き口はやわらかいゴム製なので、顔に当たっても安心です。
双眼鏡のほか、笛付きのコンパスと30種類の鳥の特徴が載った図鑑も付属。好奇心いっぱいの子供へのプレゼントにおすすめです。
「バードウォッチング向き双眼鏡」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 双眼鏡の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの双眼鏡の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
あわせて使いたい長靴も!
ぬかるんだ道などを歩くこともあるバードウォッチング。あわせて使いたい、おすすめの長靴もご紹介します。
日本野鳥の会から販売されている『バードウォッチング長靴』は、おしゃれなデザインと機能性の高さで人気です!
そのほかのバードウォッチング関連はこちら 【関連記事】
使いやすい双眼鏡で楽しくバードウォッチングをしよう
この記事では、バードウォッチング向け双眼鏡の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
サイズや重さ、倍率や機能面をチェックして、自分に最適な一品を見つけてみてください。
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東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。