バードウォッチング用の双眼鏡は、新たな発見をくれる
肉眼で見るよりも鮮明に野鳥を観察することができる、バードウォッチング用の双眼鏡。
双眼鏡を通して観察することで、私たちに身近なスズメやハトでさえも、色や形など、新たな発見があり、よりバードウォッチングを楽しむことができます。また、いつもより遠くから野鳥を観ることができるため、警戒心が強く、珍しい野鳥でも、逃げられずに、しっかり観察することもできます。
高性能な双眼鏡の使い方を理解し、コツをつかむことで警戒心の強い野鳥たちをじっくりと観察できますよ。双眼鏡選びのポイントを押さえて自分に最適な一品を選んでください。
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バードウォッチング向き双眼鏡の選び方

IT・テックライター石井英男さんへの取材をもとに、バードウォッチング向きの双眼鏡を選ぶときのポイントをご紹介します。どういった双眼鏡が野鳥を見るのに向いているのか、石井さんのアドバイスを参考にして最適な双眼鏡選びに役立ててください。
倍率は8~12倍がおすすめ
バードウォッチングでは小さな野鳥を遠くから観察するため、倍率の高い双眼鏡が向いていると思っている人もいるでしょう。
しかし、倍率が高くなるとそれだけ見える範囲が狭くなるので、かえって野鳥を探すのが難しくなるうえに、手ブレの影響も大きく受けるようになってしまいます。
そのためバードウォッチングで使う双眼鏡は、倍率が8~12倍程度のものがよいでしょう。とくに初心者は、そのなかでも倍率が低めの8~10倍程度の製品を選ぶことをおすすめします。
対物レンズの口径(直径)は20~40mm
口径とは対物レンズの直径のことで、口径が大きければ大きいほど多くの光を集められるようになり、像が明るくくっきりと見えます。
しかし口径が大きくなると、それだけ双眼鏡が重く大きくなりますので、長時間手で持って観察するのがたいへんになります。おすすめなのは口径20~40mm程度のものですが、そのなかでもバードウォッチングをするシーンによって適した製品は変わります。
ハイキングや散歩などで気軽に野鳥を観察したいのであれば、口径20~25mm程度のコンパクトなものがおすすめ。夜明けや夕暮れなど少し暗い場面での観察をおこないたいのなら、携帯性は犠牲になりますが口径40mmクラスの大型双眼鏡が向いています。
使いやすい重さとサイズの双眼鏡を選ぶ
双眼鏡のサイズや重さもチェックしたいところです。持ち運びしやすいサイズや重さの双眼鏡を選ばないと、快適なバードウォッチングは楽しめません。とくに女性や子供が使う場合は、長時間持っても疲れない軽量モデルがベスト。
双眼鏡の重さは対物レンズの大きさよっても異なりますが、軽量化されているモデルもあるので、いろいろな双眼鏡のサイズや重さをチェックしながら、自分に適したものを選択しましょう。
こまかい仕様もチェックして
明るさや見える範囲、防水仕様かどうかなど、双眼鏡のこまかい仕様もチェックしていきましょう。機能面のポイントは5つです。
(1)見掛け視界55°以上の製品を選ぼう
見掛け視界とは、双眼鏡を覗いたときに見える視界の広さのことです。実際に見える範囲を示す実視界とは意味が違いますので、注意しましょう。
素早く飛びまわる野鳥を探して追いかけるためには、見掛け視界は広いほうが有利です。
一般的な双眼鏡の見掛け視界は45~55°程度が主流ですが、バードウォッチングに使うのなら、見掛け視界が55°以上のワイドタイプの製品がよいでしょう。
(2)防水機能があるものを選ぼう
バードウォッチングは基本的に野外でおこないますので、観察していたら突然雨が降ってきたということもありえます。
そんな急な天候の変化に備えるために、バードウォッチング用の双眼鏡は防水仕様の製品を選ぶことをおすすめします。
防水仕様のものなら川下りや沢歩きなどで利用するときも安心ですので、バードウォッチングに限らずキャンプやハイキングなどさまざまなアウトドアのシーンで活用できるでしょう。
(3)明るさも要チェック
バードウォッチングは日中におこなうことがほとんどなので、双眼鏡の明るさそのものはあまり気にしなくても問題はありません。なお、双眼鏡は対物レンズの口径が大きいほど多くの光を集められるので像が明るくなります。
口径が小さいと明るさを確保できない場所では少し暗く感じるかもしれないので、口径を選ぶときには注意が必要です。
(4)メガネと併用するならアイレリーフも確認
眼鏡をかけたまま双眼鏡を使いたい場合は「アイレリーフ」をチェックしましょう。アイレリーフとは、双眼鏡を覗いたときに視野が見渡せる位置から接眼レンズまでの距離です。
アイレリーフが短いと接眼レンズに近い位置でレンズを覗かなければならないので、メガネがレンズに当たったり、周囲が陰ったりしてしまいます。
(5)近距離で使うこともあるなら「最短合焦距離」をチェック
最短合焦距離とは、双眼鏡でピントを合わせることができるもっとも近い距離のことです。遠い場所にいる野鳥を観察するだけであればとくにチェックする必要はありませんが、昆虫や草花など近い距離でピントを合わせて使いたい場合には確認しましょう。最短合焦距離が2mなど、近いモデルであれば博物館などの屋内でも使用が可能です。
長時間観察するなら三脚に対応した製品を
バードウォッチング初心者さんは、まずはコンパクトな双眼鏡から始めるのがおすすめです。慣れてきて長時間の観賞をするのであれば、一カ所に腰をすえて大型双眼鏡に三脚を組み合わせて使うことで、腕の疲れを気にせず高画質でじっくり野鳥を観察できます。
40mmクラスの大型双眼鏡を買う場合は、三脚アダプターや三脚も一緒に購入することをおすすめします。
ITライターからのアドバイス
IT・テックライター
バードウォッチング用の双眼鏡と一口にいっても、口径や倍率が異なる製品が多数あります。初めて双眼鏡を購入するのなら、手持ちで気軽に使える口径30mm以下、倍率10倍以下のコンパクトなモデルをおすすめします。
このクラスの双眼鏡なら、普段からバッグなどに忍ばせておけますので、思いがけない場所で見つけた野鳥の観察のチャンスを逃すこともありません。
口径30mm以下、倍率10倍以下の双眼鏡はバードウォッチングだけでなく、観劇やスポーツ観戦でも活躍します。
バードウォッチング向き双眼鏡おすすめ10選
ここからは、バードウォッチング向け双眼鏡のおすすめ商品をご紹介します。人気メーカーの評判のいいモデルも多数ピックアップしています!

Nikon(ニコン)『MONARCH7(モナーク7) 8×30』


























出典:Amazon
これからバードウォッチングを始める人におすすめ
口径30mm、倍率8倍の双眼鏡。実視界は8.3°、見掛け視界は60.3°で、アイレリーフも15.3mmと長いため、眼鏡をかけたままでも、楽に覗くことができます。防水性能も高く、1mの水深に10分間浸かっても問題が出ない設計になっています。
すべてのレンズとプリズムにマルチコーティングが施されたフルマルチコート仕様で、明るい視界が広がります。
また、EDガラス(特殊低分散ガラス:見るものの色を自然な色合いで見られるように特殊な加工を施したガラス)を採用することで、色のにじみの原因となる色収差を補正しています。扱いやすく、気軽に持ち運べるサイズなので、これからバードウォッチングをはじめる人向きの製品と言えます。

Vixen(ビクセン)『フォレスタII HR8×32』

出典:Amazon
見え方にこだわり高級レンズを採用
口径32mm、倍率8倍の双眼鏡。実視界は8.1°、見掛け視界は59.1°で、アイレリーフが16.5mmと長いことも魅力です。窒素ガスを充填した防水設計を採用していますので、屋外でのバードウォッチングにもおすすめです。
すべてのレンズ面に7層以上のマルチコーティングが施されているほか、プリズムにはフェイズコートが施されており、きわめて明るくクリアな視界を実現しています。
対物レンズにはEDガラスが採用されており、色のにじみのない、鋭い像が得られます。重量は605gとやや重めですが、オプションのキャリングビノホルダー(M)を使うことで、三脚に固定できますので、見え方にこだわる人におすすめです。

PENTAX(ペンタックス)『AD 8×36 WP』










出典:Amazon

Vixen(ビクセン)『アトレックII HR8×25WP』










出典:Amazon
Carl Zeiss(カールツァイス)『TERRA ED Pocket 10×25』




出典:楽天市場
Canon(キヤノン)『10×30 IS II BINO10X30IS2』












出典:Amazon
OLYMPUS(オリンパス)『8X25WP II』


















出典:Amazon
SVBONY『SV202 8x32』


















出典:Amazon
Swarovski Optik(スワロフスキー・オプティック)『CL Pocket Elegant』














出典:Amazon
ATHENA FUTURES『子供用双眼鏡』






出典:楽天市場
「バードウォッチング向き双眼鏡」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 双眼鏡の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの双眼鏡の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
あわせて使いたい長靴も!
ぬかるんだ道などを歩くこともあるバードウォッチング。あわせて使いたい、おすすめの長靴もご紹介します。
日本野鳥の会から販売されている『バードウォッチング長靴』は、おしゃれなデザインと機能性の高さで人気です!
日本野鳥の会『バードウォッチング長靴』
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使いやすい双眼鏡で楽しくバードウォッチング
この記事では、バードウォッチング向け双眼鏡の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。サイズや重さ、倍率や機能面をチェックして、使いやすい双眼鏡を選んでくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。