ブランデーとはどんなお酒? 初心者にもわかりやすく解説!
ブランデーとは「果実酒を蒸留した蒸留酒」のことです。深く芳醇な香りと味わい深さがクセになる大人の飲み物です。
一般的にブランデーは、「ぶどう」を原料としたワインを蒸留してつくられたものを呼びます。しかしなかには、りんごからつくられた、アップルブランデーと呼ばれるものや、サクランボからつくられるチェリーブランデーなるものもあります。
ブランデーは銘柄や産地などでさまざまな個性がでるので、料理にあうものやじっくり味わうものなど、夜な夜なの楽しみを見つけていくのがおすすめです。
▶ ブランデーのおすすめ16選を今スグ見る!
ブランデーとウイスキーの違いとは?
ブランデーもウイスキーどちらも、アルコール度数が40度程度の蒸留酒であることや、蒸留後は樽で熟成させることなど、共通点が多いお酒です。ではふたつのお酒の違いをわかりやすく説明しましょう。
●ウイスキー
・原料は大麦、ライ麦、とうもろこしなどの穀物
・産地はイギリス、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本、インド、台湾など
・飲み方はストレート、ロック、水割り、ソーダ割、ホットウイスキーなど
●ブランデー
・原料はぶどう、りんご、サクランボなどの果実
・産地はイタリア、ドイツ、ギリシャ、スペイン、ロシアなど、果実が実るとこならどこでも
・飲み方はストレート、ロック、ソーダ割、ホット、カクテルなど
蒸留の仕方は同じでも、原料が違うだけでまったくちがった味わいになるのがおもしろいですね。
▶ ブランデーのおすすめ16選を今スグ見る!
ブランデーの選び方 原料や熟成年数が大事!
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんに取材をして、ブランデーの選び方のポイントを教えていただきました。種類や産地をよくチェックすることが大切です。ぜひブランデー選びの参考にしてください。
ブランデーの種類から選ぶ コニャック、アルマニャックなど
ブランデーには、産地やランクなどで種類がわかれています。種類ごとの特徴を知ってブランデーを選びましょう。
初心者にも飲みやすいコニャック
フランスの南西部、コニャック地方でつくられる「コニャック」。ブランデー初心者の方は、その王道ともいえるコニャックから試してみるとよいでしょう。ぶどうでワインをつくり、そこからワインを2回蒸留してアルコール度数を高めます。熟成はおもにオーク樽を使用し、オーク樽のエキスが移ることでコニャックの琥珀色に変化していきます。
主な銘柄は「ヘネシー」や「レミー・マルタン」です。ブランデーのなかでも基本となるので、はじめてブランデーを飲みたい人にも向いています。
パンチのきいた強めの味わいのアルマニャック
南フランスのピレネー山脈の近く、ガスコーニュ地方でつくられる「アルマニャック」。コニャック地方よりも古くからブランデーの製造をしていたそうです。また、これらの地域でも規定の条件を満たしていないものや、そのほかの地域でつくられたものは、「フレンチ・ブランデー」に分類されます。
コニャックとの大きな違いは、蒸留方法。コニャックは単式蒸留機で2回蒸留が行われますが、アルマニャックは、伝統的な半連続式蒸留機でゆっくり1回行われます。1回のため、コニャックよりも野性的でパンチのある味わいに。コニャックの次にためしたいブランデーにぴったりです。
りんごの甘い香りが魅力のカルヴァトス
カルヴァトスの原料はりんごです。こちらはフランス北部のノルマンディー地方とブルターニュ地方が産地です。この地方のブランデー製造基準を満たしたブランデーがカルヴァトスと呼ばれます。なぜこの地方だけりんごかというと、寒くてぶどうの産地に向かないからだとか。
ほんのり甘いりんごのアロマが香るフルーティーさが魅力のブランデーです。味はもちろん、甘い香りも一緒に楽しみたい人や、チーズとあわせたいときに向いています。
ぶどうのフレッシュさが楽しめるグラッパやマール
ワインをつくるときに出たぶどうのしぼりかすから作られたブランデーが、グラッパとマールです。グラッパはイタリア産、マールはフランス産で、樽熟成をしません。ぶどうの酸味が強く、フレッシュな味わいのブランデーとして楽しめます。
グラッパ、マールともに、気取らずカジュアルに飲めるブランデーとしても親しまれています。グラッパはイタリアでは定番の食後酒です。
カルヴァドスとはフランスのノルマンディー地方の特産品で、リンゴを使ったブランデーです。日本ではあまりなじみのないお酒ですが、実はお菓子やパンなどの材料として使用されることも多く、知らないうちに楽しんでいる場合も。そんなカルヴァドスは食前酒、食後酒としてだけではなく、スイーツとの相性もバッチリ。...
本場イタリアでは古くから庶民に親しまれてきたグラッパ。ブドウの甘い香りが魅力のお酒ですが、ワインとは違い、日本ではまだそれほどなじみがあるとはいえません。そのため、「グラッパを飲んでみたいけれど、選び方がわからない」という人も意外と多いようです。この記事では、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパ...
熟成年数やランクで選ぶ
熟成年数が長いほど、飲みやすくて高品質。
一般的に、熟成年数が長ければ長いほど、口あたりがまろやかで飲みやすく、高品質なものになります。そのため、ブランデーをはじめて飲まれる方や、ストレートで飲まれる方には、だんぜん熟成年数が長いものがおすすめです。
また、ブランデーには一般的に熟成年数が短いものからVS(Very Special)、VSOP(Very Superior Old Pale)、ナポレオン、XO(eXtra Old)といったランクがつけられます。ブランデーの種類によって、各ランクごとの熟成年数が異なるため、少々わかりづらいかもしれません。熟成年数が明記されている場合は、そちらを参考にするとよいでしょう。
原産地から選ぶ
産地を見れば、ブランデーの質がわかります。
ブランデーもワインのように、原料のブドウが育った土壌の影響を受けるもの。そのため、ある程度ブランデーに慣れてきたら、産地にも目を向けてみるようにしましょう。
たとえば、コニャックの場合、もっとも良質な産地から順に、グランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ、ボルドリ、ファン・ボア、ボン・ボア、ボア・ゾルディネールと区分けされています。
また、グランド・シャンパーニュのブドウに50%以下の割合でプティット・シャンパーニュのものをブレンドした場合、フィーヌ・シャンパーニュと表示することが可能。このように産地やその表示からも、ブランデーの質を見定めることができるのです。
カルヴァドスはりんごの産地、グラッパやマールはワインの産地かどうかをチェックしてみると、より納得の香りや味わいのブランデーが見つかりやすいです。
有名銘柄で選ぶ
おそらく多くの方が、「ヘネシー」や「レミー・マルタン」といったブランデーの有名な生産者や銘柄をご存知なのではないでしょうか。このような有名かつ大手のブランデーには、多くの方に支持される味わいのものが多いため、ブランデー初心者の方は、このような有名どころのブランデーを選ぶのが無難かもしれません。
一方、ブランデー中・上級者の方は、これらの生産者のブランデーだけにとどまらず、さまざまな生産者のブランデーを開拓してみるとよいでしょう。それぞれの個性を楽しめるだけでなく、これまでに味わったことのないような、新たなお気に入りの1本に出会えるかも。
予算で選ぶ
ブランデーには数千円のものから100万円以上する高級なものまで幅広く販売されています。高いものは美味しいというわけでもないので、初心者の人は口コミなどをチェックして、好みの味わいを探すようにしましょう。数千円のものでも味わい深く美味しいブランデーはたくさんあります。
ブランデーのおすすめ16選
ここまでに紹介したブランデーの選び方のポイントをふまえて、実際に日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。お手頃価格から高価格まで一挙に紹介していきます!

ヘネシー『ヘネシー VSOPフィーヌ・シャンパーニュ』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VSOP |
生産地域 | グランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |

レミー・マルタン『レミー・マルタン XO』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | XO(平均熟成年数23年) |
生産地域 | グランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |

バロン・オタール『バロン・オタール VSOP』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VSOP(8年以上) |
生産地域 | グランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
コニャック城の地下でつくられるブランデー
1795年創業という老舗コニャックメーカー、バロン・オタール。コニャック城の地下でブランデーづくりをおこなっていることが大きな特徴です。その湿度90%を超えるという環境が、滑らかなブランデーを生み出すと考えられています。
同社のコニャックのなかでもとくにおすすめなのが、こちらのVSOP。コニャック地方最良のグランド・シャンパーニュのブドウを主原料とし、プティット・シャンパーニュのブドウをブレンドし、8年以上熟成させています。フローラルな香りに、バニラや葉巻のようなニュアンス、上品で滑らかな舌触り。初心者の方も飲みやすく、ブランデー中・上級者も納得の1本です。

ジェラス『ジェラス 10年』

出典:Amazon
種類 | アルマニャック |
---|---|
熟成年数 | 10年 |
生産地域 | バ・アルマニャック |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |

ルイ・ジャド『マール・ド・ブルゴーニュ・ア・ラ・マスコット』

出典:Amazon
種類 | マール |
---|---|
熟成年数 | - |
生産地域 | コート・ドール |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
JP.シェネ『JP.シェネ ブランデーXO』

出典:Amazon
種類 | フレンチブランデー |
---|---|
熟成年数 | XO |
生産地域 | - |
アルコール度数(%) | 36度 |
容量 | 200ml、500ml、700ml |
ブラー『ブラー グランソラージュ』

出典:Amazon
種類 | カルヴァドス |
---|---|
熟成年数 | 2~5年 |
生産地域 | ペイ・ドージュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
カミュ『カミュ VSOPエレガンス』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VSOP |
生産地域 | ボルドリ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
クルボアジェ『クルボアジェ VSOPルージュ』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VSOP |
生産地域 | コニャック |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
ポールジロー『ポールジロー トラディション』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | - |
生産地域 | グランド・シャンパーニュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
セガン『コニャックVSOPブランデー』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VSOP(6年) |
生産地域 | コニャック |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 350ml |
マーテル『マーテル コルドンブルー』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | XO |
生産地域 | ボルドリ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
コニャック・ミュコー『ミュコー XO』

出典:Yahoo!ショッピング
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | XO |
生産地域 | グランド・シャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、フィン・ボア、ボン・ボア |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
ヘネシー『ヘネシー VS』

出典:Amazon
種類 | コニャック |
---|---|
熟成年数 | VS(2年) |
生産地域 | コニャック |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
ド・モンタル『アルマニャック・ド・モンタル』

出典:Amazon
種類 | アルマニャック |
---|---|
熟成年数 | - |
生産地域 | ガスコーニュ |
アルコール度数(%) | 40度 |
容量 | 700ml |
コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ『マール・ド・ブルゴーニュ』

出典:Amazon
種類 | マール |
---|---|
熟成年数 | 10年 |
生産地域 | ブルゴーニュ |
アルコール度数(%) | 42度 |
容量 | 700ml |
「ブランデー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ブランデーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのブランデーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ブランデーに絶対合うおつまみを紹介!
ブランデーにはいったいどんなおつまみが合うのでしょうか?
ブランデーの香りを引き立てるおつまみとしておすすめの、チョコレート、ナッツ、ドライフルーツ、チーズを紹介します!
ブランデーの飲み方
個性豊かなブランデーのおすすめの飲み方をご紹介します。
度数がとても高いお酒なので、量などは好みで調整してみてくださいね。では、みていきましょう!
ストレート
ウイスキー本来の味を味わうなら、ストレートがおすすめです。
グラスにそそいで、ゆっくりブランデーを回します。グラスの内側にブランデーならではのワクシーさを目で見ることができます。
まずは鼻でブランデーの香りを楽しみ、口に含んで味を楽しみます。喉を通って鼻に抜けるとき感じる香りや味わいもまた違ったものを感じることができるでしょう。
しかし、ブランデーはアルコールが40%以上と非常に高め。嗜む際は水をチェイサーとして飲むようにしましょう。
ロック
バーなどでよく見るのは、グラスに入った丸くてきれいな氷ではないでしょうか。自宅でこの氷を用意することはハードルが高いので、なるべく大きめの氷を準備するようにしましょう。
ブランデーが氷につかないよう、グラスのフチからそそぎます。その後、マドラーで氷を1回くるっと回せばOkです。
最初はアルコール感が強いですが、徐々に氷がとけていき、ブランデーがまろやかな味に変化していくことでしょう。
ソーダ割り、水割り
まずは、氷をグラスに入れます。その氷の霜をとるために、一度氷を水でさっと洗います。
つぎに、ブランデーをグラスの3割程度(自分の好みでOK)入れ、強炭酸水をグラスのフチからそそぎます。このとき、炭酸水を目いっぱいそそがないでください。4割程度炭酸水をいれると、ブランデーの個性をこわすことなく、味わうことができるでしょう。
マドラーで氷を一回くるっと回せば完成です。
ブランデーカクテルのホーセズ・ネック
ブランデーとジンジャーエールをグラスに入れて軽く混ぜます。最後にレモンの皮をいれたら完成です。ブランデーとジンジャエールの量はお好みで調整してみてください。
編集部からのひと言
今回は、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんへの取材をもとに、ブランデーの選び方と、おすすめのブランデーをご紹介しました。手軽に楽しめるものから、一度は味わってみたいという高級品まで、その種類は実に多様です。価格の高さではなく、自分だけの1本をみつけてじっくりと味わっていただきたいと思います。
自分の価値観で選んだブランデーを片手に、すてきな時間を演出するのはぜいたくの極みともいえるでしょう。また、大切な方への贈りものにもぴったりです。お気に入りのブランデーで至福のひとときを楽しんでください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/16 記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 渡辺裕美)
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。