直置きマットレスってなに?
床敷きマットレス、直敷きマットレスなどとも言われていますが、ベッドマットレスのように厚みがなく、押し入れに収納ができたり、寝室の隅に畳んで置いておいても生活に支障がないマットレスです。
近年では健康的な寝姿勢を保ち腰痛等に効果的とされるマットレスも数多く出ています。
通常のマットレスとの違いはある?
ベッドで使用するマットレスもサイズは基本的にサイズは変わりませんので直置きにしてフローリングや畳の上での使用も可能です。ベッドマットレスは15cm以上の厚みのものが多くなり、寝室に常に設置することになります。
マットレスを直置きにするメリット
従来畳やフローリングに直接敷くものはワタものの敷き布団が主流でしたが、敷き布団は詰めものが潰れて薄くなります。直置きマットレスはあまり変形することがなく長年使用しても同じ寝心地を保つことができるので安心です。
また、ベッドフレームなどが無くなるため、部屋全体の圧迫感が軽減。お部屋が広く感じられるとともに見た目がシンプルになりオシャレな空間を演出できるでしょう。引っ越しのしやすさやマットレスのみだと費用が下げられる点もマットレスを直置きするメリットといえるでしょう。
直置きマットレスの選び方
ここでは、直置きマットレスの選び方について解説します。フローリングや畳に直に置くマットレスの選び方で大切になるのは、主に以下の5つです。
【1】『通気性の高さ』で選ぶ
【2】『素材』から選ぶ
【3】『折りたためるかどうか』で選ぶ
【4】『持ち運びができるかどうか』で選ぶ
【5】『マットレスの厚さ』で選ぶ
ここでは、それらのポイントを一つひとつ解説します。
【1】『通気性の高さ』で選ぶ
通気性の高さでは圧倒的にエアウィーヴに代表されるようなポリエチレンファイバー系のマットレスです。コイルスプリングタイプも中は空洞となりますが、上下の幾層にもなる詰め物やポケットコイルのように不織布で覆われているものもありますので、ファイバー系に比べると通気性は劣る傾向にあります。
ウレタンフォームは密度により通気度は変わりますが、低反発ウレタンフォームは密度が高いので通気性が少なくなります。またラテックスフォームは通気性の少ないマットレスと言えます。通気性がよければ逆に断熱性が低く冬場は寒いこともあります。中芯自体に通気性があってもそれを覆うマットレス側に通気性が少ない場合もあります。どのマットレスもカビ防止のために裏面の通気は必須です。
【2】『素材』から選ぶ
直置きタイプのマットレスは高反発または低反発のウレタンフォーム素材が主流です。そのほかの素材としては薄型のボンネル(一体型)、ポケット(独立型)といったコイルスプリング、ポリエチレンファイバー、ラテックスフォームがあります。耐久性ではラテックスフォームが優れます。最終的な処分方法は金属バネを使ったコイルマットレスは自治体で処分ができなくなっていますので注意が必要です。どの素材も湿気を吸う力はないことから吸湿性の高いパッドとの併用をお勧めします。
【3】『折りたためるかどうか』で選ぶ
直置きタイプのパットレスは中芯を3分割して三つ折りにたためるものと一体型で丸めるものがあります。寝室の隅に置いておくようなら三つ折りタイプが収まりがよくなります。金属バネを使ったコイルタイプは折り曲げられないものもあります。三つ折りタイプも丸めるタイプも幅100cm、奥行き70cm、高さ30cm程度となります。最近の住宅では収納スペースが狭いので寝室の隅に置いておく(立てておく)ことが多いのが現状です。
【4】『持ち運びができるかどうか』で選ぶ
どの素材のマットレスも中芯の密度によって重さが異なります。素材としてはウレタンフォーム素材が軽く、自立できるので持ち運びは容易です。ラテックスフォームは見た目の体積に対して重く、また自立できないので持ち運びや収納には難があります。
【5】『マットレスの厚さ』で選ぶ
人の体を支えるためにはある程度の厚みが必要です。体圧分散的に床つき感を感じない7~8cm以上の厚みのものを選ぶといいでしょう。
住宅のスペースの確保にも便利!
現在の住宅は収納スペースも広くないことが多いので、直置きタイプのマットレスでも、寝室に常設または三つに畳んで(丸めて)部屋の隅に置くのにも便利ですよね。特に直置きマットレスは、スポーツ選手をCMで起用するなど注目度も上がってきていますよ。
直置きマットレスのおすすめ13選
さらに、こちらでは直置きマットレスのおすすめ商品も紹介します。比較的お手頃な商品から、本格的な快眠マットレスまで幅広く選んでいますので、ぜひ参考にしてみてください。
3層構造でマットレス素材のいいとこ取り
最近人気の直置きマットレスの素材3種類を重ねた三つ折りタイプのマットレスです。ラテックスフォームの寝心地を活かし、そのデメリットである重さと通気性の悪さを上層部にポリエチレンファイバー、下層部に高弾力ウレタンフォームでカバーした3層構造です。
クラウドファンディングで大きな支持を得ました。ビックカメラの一部店舗でお試しすることができます。
高反発マットレスのインターネット専門マットレス
実店舗をもたないインターネット販売だけのマットレスです。楽天市場のユーザーなら一度は目にしたことがあるでしょう。高反発の通気性の良いウレタンフォームを使用しています。3種類の硬さから選び、90日間の保証期間内なら1回取り替えることができます。
お試しする場所がないので、保証期間を有効に使うことが重要です。一体型のマットレスで反発力が高いので収納は丸めて付属のバンドで固定します。
常に足部分を高くして疲れを残さない
『スタンフォード 式最高の睡眠』西野先生監修で開発されたマットレス。足元を常に高くして身体の巡りをよくするとのことです。ファイバー系マットレスなので通気性がよく中芯も洗えますが、下からの冷えの対策が必要です。頭部から腰部分のマットレスの2/3は5cmしか厚みがないので横向き寝は不適です。少し厚めの敷きパッドとの併用で足りない厚みと断熱性を高めることをお勧めします。
通気性抜群! 水洗い可能
フィギャースケートの浅田真央さんがイメージキャラクターで知名度抜群のエアウィーヴの三つ折りタイプのマットレスです。ポリエチレンファイバーの代表作でマットレスの中芯素材で唯一水洗い可能な素材となります。最大の特徴は通気性で、その効果をそのままにしたこのモデルはエアウィーヴシリーズの中でもお求めやすい製品です。通気性がいいので断熱性に劣ります。硬い素材でもあるので敷きパッドとの併用をお勧めします。
テレビ通販でおなじみの低反発マットレス
ショップチャンネル公式のマットレスです。低反発ウレタンフォームがメインで主にトッパーとして販売されていますが、ラインナップには、高反発フォームとの組み合わせで厚み10cmの直置き対応型もあります。トゥルースリーパーは基本的にいつでも割引販売されているので、まずは決して定価で買わないことがポイント。素材は柔らかく、身体が埋まるような感覚を味わえます。その反面、低反発フォームは密度が高く、吸湿性も劣るので、しっかりお手入れして使うことが大切です。
SO SAN STYLE(ソサンスタイル)『 デラックス100』
体に負担のないやさしい弾力のラテックスマットレス
中芯は医療機関で床ずれ防止マットとして使用され体に負担がかからないマットレスです。ややソフトな寝心地ながら7ゾーンといわれる1枚のフォームの中で部分ごとに硬さが異なる構造で、仰向き寝時の腰は安定し、横向き寝の時の肩への負担がかからないのがとても魅力的です。カバーはL字ファスナーで取り外しご家庭で洗濯できます。ラテックスフォームは見た目以上に重く、自立できないことが難点。年単位のサブスクサービスがあります。
10年保証!ラテックスマットレスのパイオニア
1998年販売開始から25年、ラテックスマットレスを日本に広めたのがこのボディドクターです。レギュラータイプは75mm厚のラテックスマットレスとクッション性のあるキルティング仕様の側生地で硬すぎもせず柔らかすぎもしない絶妙な弾力で腰・肩を支えます。一体型なので丸めて部屋の隅に置いておく状況になります。耐久性に特に優れ形状変化には10年間の品質保証付きも安心です。
あの大谷翔平でおなじみのマットレス
業界最大手寝具メーカー西川の看板商品です。2種類のAirシリーズより上級モデルをチョイスしました。波型マットレスで特殊立体クロススリット構造といわれる複雑なカッティングで硬質なウレタンフォームのクッション性を高めています。全体的に硬めながら横向き寝でも対応できる設計です。BMI指標に基づきレギュラーとハードから選べます。
20年使用をめざす! 健康マットレスのパイオニア
ウレタンフォームで素材革命、健康マットレスの元祖、点で支えるムアツふとんの昭和西川の新定番商品です。波型ウレタンフォームを2層+ベースのフォームとの3層構造にしてクッション性を高めています。約20年後でも形と硬さをある程度維持できるという設計です。上層部の高弾性ウレタンフォームがスムーズな寝返りを促進します。
波型カットで腰を支えるマットレス
まさにお値段以上! 通常販売店では実現しない価格が魅力のニトリのマットレスです。波型にカットされた硬質ウレタンフォームの三つ折りタイプで、上下部分が硬め、中央部分がより硬めとバランスタイプになっています。といっても全体的に相当硬いので中央部分ではお尻で腰が浮く可能性があり、横向き寝では肩がツラいかもしれません。厚みのある敷きパッドとの併用が必須です。短期間の使用向き。
イタリアマニフレックス社の日本限定モデル
真空ロールパックなので販売店からの持ち帰りも容易にできます。10年保証付きも安心です。イタリアのマットレスブランドであるマニフレックス社が日本人のライフスタイルに合わせて開発、ロングセラーの三つ折りマットレスです。三つ折りにした時に持ち運び用のハンドルがあるのも便利です。独特の高反発のフォームはかなり硬めの設定です。生地はメッシュ素材で通気性はありますが、素材自体に吸湿性がないので、敷きパッドとの併用をお勧めします。
従来のテンピュールより20%軽量の三つ折りタイプ
低反発マットレスの元祖NASA認定テンピュールの直置きでも使える三つ折りタイプのマットレスです。下層の5cmサポートウレタンフォームは3種類の硬さで腰部分を最も硬くしています。上層3cmは軽量化されたテンピュールアダプト素材を採用しています。裏と表、頭と足の方向が決まっており、その体勢で横になります。テンピュール素材はデンマーク製ですが、他は日本製です。
neruco(ネルコンシェルジュ)『三つ折りポケットコイルマットレス シングル』
三分割できソファにも! ポケットコイルのマットレ
三つ折りマットレスとしては珍しいポケットコイルのマットレスです。ジョイント部分のファスナー3分割でき組み合わせで日中はソファとしても使えます。コイル数はシングルサイズで450個とやや直径が大きく、価格を考えると妥当とも思えます。比較的重量もあるので三分割して持ち運びができるのは便利です。ワンルームの単身者で居間と寝室が共通な方におすすめ。
「直置きマットレス」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 直置きマットレスの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの直置きマットレスの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
気になる直置きマットレスのFAQ
ベッド用マットレスは直置きしてもいいの?

ベッド用マットレスも直置きすることができないわけではありません。ただし、厚みがあり、重いものが多いので、湿気防止のために立てかけたり移動させて干すのは困難です。マットレス用のすのこなどを利用するほうが良いでしょう。
子どものベッドなどでも使える?

「マットレスの上で飛び跳ねて遊びたい」「寝返りが出来るようになった」といった小さいお子さまがいらっしゃるご家庭では、転落防止などが気になるところ。マットレスを直置きすると、高さを緩和できるので、その分、子どもの落下防止につながりますよ。
マットレスは日に干した方がいいかでしょうか?

ウレタンフォームは日に干すことができますが、中のフォームが黄変する場合があります。それでも使用に不都合はありません。ラテックスフォームは日干しすることができません。
ハウスダストやホコリが心配ですが大丈夫でしょうか?

直置きのマットレスは地面に近い分、ホコリやハウスダストを吸い込みやすくなる可能性もありますのでこまめに掃除することをおすすめします。お部屋だけでなくマットレス自体に掃除機などをかけると良いでしょう。
ダニやカビもしっかり対策しよう!
寝室でマットレスを敷きっぱなしの場合は床との接地面が湿気が溜まりやすく側生地がカビやすくなりますので、定期的に折りたたむ、または立て掛ける等の通気が必要です。
またマットレス側生地に綿やウールの詰めもののあるキルティング素材は収納時にダニがつくこともあります。収納スペースには湿気がこもらないよう除湿剤を使用しましょう。しばらく使用しない期間があればマットレスの合間に防虫剤を挟んでおくと効果的ですよ。
●敷きパッド・ベッドパッドを活用
ほとんどのマットレス素材自体には吸湿性がほとんどありません。シーツだけでは寝床内(身体と寝具の間)の湿度が高くなりムレ感があります。なのでどのような素材のマットレスでも敷きパッドを併用することをおすすめします。敷きパッドの素材は生地も詰めものも天然素材にすることが重要です。また、硬いマットレスで肩・腰がツラい場合は厚みのあるワタものの敷きパッドを上に敷くことで緩和されます。
●マットレスを毎日立てる
シーツの洗濯時や寝室の掃除の際にはマットレスを立て掛けるようにしましょう。毎日する必要性はありませんが、季節や地域によって頻度は変わってきます。
●すのこを敷く
すのこを敷くことでフローリング等とマットレスの間に隙間が生まれ折りたたむ、立て掛ける頻度は低くなります。しかしすのことマットレス接地面についてはカビのリスクがありますので、その際にも折り曲げ、立て掛け等の通気をすることには変わりありません。
冬は結露や湿気にも注意
マットレスの湿気対策に除湿シートを併用することももちろんいいと思います。マメにシーツの洗濯や寝室の掃除をおこなう方はその都度、その間だけでも折り曲げたり立て掛けたりして通気をされれば除湿シートも必要ありません。
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自分に合う商品をしっかりリサーチしよう
ワタものの敷き布団2枚重ねの時代から、圧倒的にマットレスの需要が増えてきました。ワタもの敷き布団では使用中に嵩減りし使用感も大きく変わってきてしまうことから、それほど型崩れしないフォーム状のマットレスを探している方も多いでしょう。
できれば店頭で、仰向き寝、横向き寝合わせて、10分~20分お試しいただくのがおすすめですが、ネットで買うならしっかり情報収集を。ぜひ、自分好みのものを検討してみてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
国内寝具メーカーとヨーロッパ寝具メーカー日本法人に32年間勤務。2019年に独立開業しました。日本はもちろんヨーロッパやアジアの展示会、工場に加え、素材を求めて農場まで足を運んで得た知識をもとに、日本の環境に合わせた商品提案をしています。睡眠の大切さを普及させるために、上級睡眠健康指導士とインテリアコーディネーターの資格を取得。寝具・睡眠・寝室の「眠り」のすべてにアドバイスします。