「デザートワイン」のおすすめ商品の比較一覧表
デザートワインとは? 世界一甘いワイン!?
「デザートワイン」とは一般的に、その名の通りデザートのように甘いワインのことを指します。ただし、国によってその定義は異なり、イギリスでは食事中に飲む甘口ワインのことを、アメリカではアルコール度数14度以上のワインすべてを指すようです。いずれも甘くておいしいワインなので、ワイン初心者でも飲みやすいでしょう。
世界的に共通した定義はないものの、この記事では、甘口ワインを「デザートワイン」とし、おすすめの商品をご紹介していきます。
デザートワインの選び方 貴腐ワインやアイスワインなど

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日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんのアドバイスをもとに、デザートワインの選び方を紹介します。ポイントは下記の4つ。
【1】製法(貴腐ワイン、アイスワインなど)
【2】ブドウ品種
【3】ワインの産地
【4】糖分添加があるかないか
上記の4つのポイントをおさえると、より具体的に自分好みのデザートワインを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
4種の製法で選ぶ 貴腐ワイン、アイスワインなど
デザートワインの製法は、大きく4種類。「貴腐ワイン」「アイスワイン」「ストローワイン」「遅摘みワイン」があります。
貴腐ブドウからつくられた「貴腐ワイン」
貴腐ワインとは、ブドウに「ボトリティス・シネレア菌」という菌が付着し、糖度が高くなった「貴腐ブドウ」からつくられたワインを指します。濃厚で超甘口な特徴があります。
原料となる貴腐ブドウの栽培が難しいため希少性が高く、それに伴い貴腐ワインも高級になります。世界三大貴腐ワインとして、フランス・ボルドー地方の「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ」が有名です。
氷結したブドウからつくられる「アイスワイン」
アイスワインとは、ドイツのフランコニア地方で偶然生まれたデザートワインです。18世紀末、厳しい寒さにより凍ってしまったブドウでワインをつくってみたところ、非常に甘くおいしいワインができたのがはじまりとされています。現在では、ドイツのほか、オーストリア、カナダの3カ国でのみつくられています。
ブドウの収穫時期をあえて遅らせることで、極寒のなか氷結されたブドウ。その果実からは、うまみが凝縮された深い味わいの果汁をしぼることができます。こちらも希少価値が高く、貴腐ワインと比べるとさっぱりとした飲み口です。
長期保存もできる「ストローワイン」
ストローワインとは、干しぶどうから作られるワインで、完熟したブドウを藁のうえにのせて乾燥させ、糖分を凝縮させて作ります。ストローとは、「藁」の意味。乾燥したブドウからは水分が抜けるため、アルコール度数と糖度ともに高い、甘みの強いワインができます。長期保存できるものも多くあります。
フランスのジュラで造られる「ヴァン・ド・パイユ」、イタリアの「ヴィンサント」、キプロスの「コマンダリア」などがあります。
糖度、アルコール度数ともに高めの「遅摘みワイン」
遅摘みワインとは、ブドウの収穫時期を遅らせて作ったデザートワインです。完熟したブドウを摘まずにそのまま木につるしておくと、乾燥します。乾燥したブドウには糖分が凝縮されているので、とても甘いワインができます。
うまみ成分が凝縮されているので、アルコール度数が高いワインが多いのも特徴です。黒ブドウからも白ブドウからも作られています。フランスのアルザス地方やスペイン、ドイツ、アメリカのニューヨークやワシントン、チリでおもに製造されています。
ブドウ品種をチェック 世界にはたくさんの品種が!
ワインの味わいは、使われているブドウ品種によっても異なります。たとえば、フランスのボルドー地方やロワール地方でつくられる白ワイン用ブドウ品種の「ソーヴィニヨン・ブラン」は、柑橘系の香りとさわやかな酸味が特徴。ドイツを代表する白ワイン用ブドウ品種の「リースリング」は、上品な酸味とはちみつなどの甘い香りが魅力です。好みの品種を見つけてみるといいでしょう。
ブドウの収穫時期も製法によって異なる
一般的なブドウの収穫時期は9月から10月にかけてです。デザートワインは、製法によりブドウの収穫時期も異なります。
貴腐ワインは天候によるものの、一般的なブドウより少し遅めの10月下旬もしくは11月初旬ごろまでのよう。アイスワイン用のブドウの収穫時期は、寒くなった12月から2月ごろとされています。
世界中のワイン産地からお気に入りを選ぼう 有名な産地はどこ?
デザートワインには、著名な産地もあります。産地にも注目してデザートワインを選んでみましょう。
フランス:ソルテーヌ地方 世界三大貴腐ワインの産地
世界三大貴腐ワインの産地であるフランスのソーテルヌは、ソーテルヌ地区のソーテルヌ村を中心とした5つの村で形成される地区です。ソーテルヌの貴腐ワインは、法定最低値13%の高いアルコール度数と、強い甘み、さらに新樽熟成と貴腐によって作り出される香りがあいまって、複雑な味わいが楽しめます。
フランスの甘口ワインではもっとも高いランクであるソーテルヌ産ワインを、ぜひ試してみましょう。
ドイツ:ラインガウ地方やモーゼル地方 糖度が高くアルコール度数が低い
ドイツでは世界三大貴腐ワインのひとつであるトロッケンベーレンアウスレーゼをはじめ、いろいろなデザートワインが造られています。
トロッケンベーレンアウスレーゼはドイツのワイン格付けのひとつで、貴腐ブドウで造られた極甘口ワインのなかでも、もっとも高級なものを指します。とくに南西部にあるラインガウ地方とモーゼル地方で造られたものが著名で、強い甘さと低いアルコール度数が特徴です。
ハンガリー:トカイ地方 貴腐ワインが有名
ハンガリー北東部に位置するトカイで造られる貴腐ワインは、世界三大貴腐ワインのひとつです。トカイのヘジャリヤ地方で造られている甘口ワインは、アスーという品質区分によって分けられています。もっともランクの高い貴腐ブドウのみで造られたナトゥールエッセンシアをはじめ、いろいろな貴腐ワインがあります。
最低残糖分や最低熟成年数によってアスー5プットニョシュ、アスー6プットニョシュ、アスーエッセンシアのランクに分かれ、貴腐ブドウ以外のブドウも使った貴腐ワインも多くあります。
カナダ:オンタリオ州やブリティッシュ・コロンビア州 管理下で作られたアイスワインが楽しめる
アイスワインづくりが認められている国はドイツ、オーストリア、カナダのみです。そのなかでもカナダは、世界一アイスワインがつくられている国で、とくにオンタリオ州やブリティッシュ・コロンビア州がアイスワインの産地として有名です。
カナダでは政府が「自然に凍ったブドウを使ったもののみ、アイスワインとして販売できる」と規制されています。また、味や原産地などが認められたワインにつけられる、VQAマークがあります。
日本:山梨県 国産も負けてない!
日本でも国産の貴腐ワインがつくられていることは、まだあまり知られていません。
日本で貴腐ワインがつくられるようになったのは、1975年のこと。大手メーカーが所有する山梨県のワイナリーで偶然貴腐ブドウができたため、これを醸造したのがはじまりとされています。
その貴腐ワインは海外でもよい評価を受け、さまざまな賞を受賞したことから、「G7伊勢志摩サミット」において各国首脳にデザートワインとしてふるまわれました。現在は、先述の大手メーカー以外のワイナリーでも貴腐ワインがつくられています。
糖分添加があるかないかチェックしよう 甘さの質が変わる
デザートワインには、ブドウ自体の甘みを活かして造られたワインと、加糖することで甘みを出しているワインがあります。
糖類を添加してつくられたデザートワインは、甘みが強く、ワインを飲みなれていない人でも飲みやすいのが特徴。価格も、糖類を添加していないものより値段が安いので、購入しやすいです。
一方、糖類を添加せずにつくられたデザートワインは、ブドウ本来の甘さが楽しめます。ブドウのもつかすかな渋みや酸味も感じられるので、より複雑な味わいです。
デザートワイン|5000円以下のおすすめ13選 フランス産、ドイツ産など
ここからは、デザートワインのおすすめ商品をご紹介します。まずは、5000円以下という安い値段で買えるデザートワインのおすすめ商品をチェック!
フレッシュかつフルーティーな味わい
都農ワインは宮崎県でつくられている日本産ワインです。そのなかでも、フレッシュでフルーティーさが楽しめるのがキャンベル・アーリーを使ったロゼワイン。良質な果汁を低温で発酵することで、もぎたてのいちごのような甘酸っぱい香りが感じられます。
酸味と甘さの奥にほのかに感じられる苦みが全体を引き締めており、余韻が長く続くバランスのよい味わいです。
スイーツ全般と相性がよいほか、味噌や醤油を使った料理と合わせてもおいしいです。
きめ細かい泡立ちのスパークリングデザートワイン
デザートスパークリングワインを探している人にぴったりのワインです。フランスでつくられた甘口デザートワインで、スイーツと合わせて楽しむのに向いています。
りんごやすももなどを使ったフルーツタルトや、フォアグラのテリーヌ、トルティーヤにソースをかけて焼いたメキシコ料理「エンチラーダ」と相性がよいです。
さわやかな甘さが感じられるため、濃厚で余韻が長く続くデザートワインが苦手な人も飲みやすいでしょう。

コスパ抜群のチリ産貴腐ワイン
ブドウの収穫時期を遅らせる「レイトハーベスト」という手法を用いてブドウを過熟させ、貴腐菌で乾燥させて干しブドウのようになった糖度の高いブドウから造られた甘口のワインです。
使用されているブドウは、「ブドウの女王」とも呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアです。マスカットやムスク、蜂蜜のような魅惑的な香りに、上品で繊細な甘さが感じられます。デザートはもちろん、フォアグラなどとも相性抜群です。
貴腐ワインは通常のワインを造るのに比べて手間がかかることから高価なものが多いのですが、破格ともいえる価格で購入できるのが魅力です。貴腐ワインの入門編にもぴったりなのではないでしょうか。

高品質なカナダ産のアイスワイン
意外かもしれませんが、実はカナダは高品質なアイスワインの産地として知られています。もともとアイスワインの発祥の地はドイツですが、その後、オーストリアとカナダに伝わりました。実際に「アイスワイン」という名称を使用できるのは、この3カ国のみなのです。
ヴィダル・ブランクという比較的酸味が穏やかなブドウ品種を使用したこのアイスワインは、極甘口に分類されます。ピーチや蜂蜜のようなフルーティーで濃厚な甘さが魅力です。ただし、濃厚とはいえ、絡みつくような感じはありません。フルーツを使ったケーキやデザート類と相性抜群です。
日本のメルシャンがつくるデザートワイン
シャトー・メルシャンは、明治時代に創業した日本の老舗メルシャンが展開するブランドです。「甲州」という白ぶどうの熟度の高いものを遅摘みして冷凍し、甘口ワインに仕上げています。オーク樽を使用し、約18~20度で約14日間熟成しています。日本人の味覚に合うはず繊細な甘さが特徴です。
バナナやメロンのようなフルーティーな香りのなかに、蜂蜜やナッツ、アーモンドなど樽由来の香りも感じられます。甲州ならではの繊細で上品な味わいが楽しめる1本といえるでしょう。スイーツに合わせてもよし、和食に合わせてもよしの、すっきりとした味わいです。
シャトー・ペイブラン『シャトー・ペイブラン 1998年』

本場ドイツのお手頃アイスワイン!
ナクトゥゴールドとは、「夜に輝く金色のしずく」を意味する言葉です。その名の通り、黄金色に輝くこのアイスワインは、早朝の暗い時間に氷点下の気温で凍りついたブドウを収穫して造られています。
生産者達の苦労も並々ではないことがうかがえる一本です。よく熟したリンゴやメロン、パイナップルを思わせる豊かな香りに、蜂蜜のようなまろやかな甘みとほのかな酸味が感じられます。心地よい甘さがあとを引くような余韻まで堪能できる逸品です。
極甘口に分類され、フルーツのタルトやシャーベットなどと合わせたり、このワインを少しだけバニラアイスにかけたりしても、美味しく召し上がれます。
デザートワイン|1万円以下のおすすめ3選 特別な日のお祝いなどに
5,000円を少し超える、1万円以下で買えるデザートワインのおすすめ商品をご紹介します。
珍しい赤のアイスワイン
デザートワインにもさまざまなものがありますが、中でも人気なのが氷点下で収穫され、凍ったブドウを使用することで甘さやうま味を凝縮したアイスワインです。
アイスワインは白が多い傾向にありますが、こちらは珍しい赤。香りもよく、とても濃厚な味わいを楽しむことができますので初めてのアイスワインにもおすすめの1本です。
※Yahooは2本セットです
ー10度以下で収穫されたブドウを使用
アイスワインは通常、果実が凍結した状態になるー8度以下で収穫されたブドウを使用して醸造されますが、こちらはさらに低温のー10以下で収穫されたヴィダル種を使用した貴重なデザートワインです。
芳醇な香りと濃厚な味わいが何層にも重なり、非常に深みのある味わいを楽しめます。特別な日に楽しむワインとしてもおすすめです。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする デザートワインの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのデザートワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
多少値段が高くなるのはやむを得ない ワインエキスパートからのアドバイス
貴腐ワインやアイスワインは、量が少なくて高価なものが多いという印象を受けられるかもしれません。しかし、通常のワインに比べて手間がかかることや、原材料の希少性から考えると、値段が高くなるのはやむを得ないでしょう。
この記事では5,000円以下で買える、比較的リーズナブルな貴腐ワインやアイスワインを中心に紹介しました。まずはこのなかから試してみて、気に入った産地や銘柄などがあればリピートしたり、またはそれと同じ産地や銘柄のワンランク上のデザートワインを購入してみるというのもよいでしょう。
デザートワインのおいしい飲み方
デザートワインのおいしい飲み方をご紹介します。
デザートワインはいつ飲む?
デザートワインは、名前の通り基本的には食後のスイーツと一緒に味わうのがよいでしょう。軽い食事とも合うので、食事中にもぴったりです。
デザートワインを飲むときは、冷蔵庫で3~4時間しっかり冷やすのがポイントです。よく冷やすことで酸味と甘みのバランスがよくなり、より味わい深くなります。
寝つけない夜には、ホットワインにして飲んでも。シナモンなどのスパイスを入れて、電子レンジであたためてみましょう。
デザートワインに合う料理は?
デザートワインに合う料理は、チーズなどのおつまみや、アイスクリームやケーキといったデザートです。とくにチーズとの組み合わせは、互いのおいしさを引き立てあうのでぜひ試してみてください。
デザートワインは、料理に使うのもよいです。レシピサイトには、デザートワインを使った料理のレシピが多数公開されています。かんたんなところでは、ゼラチンを溶かしてワインゼリーなどにするとよいでしょう。
開封後のワインの保存方法は?
ワインは、開栓すると徐々に酸化がはじまり、次第に味わいが変わってきます。おいしく飲める保存期間はワインの種類によって異なりますが、デザートワインは数日から1カ月前後を目安に飲みきるようにしましょう。
開栓後のワインを保存するときは、冷蔵庫に立てて保存するのが基本です。ボトル内を擬似真空状態にする道具がある場合は、使用するとよいでしょう。
フルーツワインとデザートワインの違いは?
フルーツワインは、ブドウ以外のフルーツでつくったワインです。よく使われるのは、りんごやブルーベリーなどのフルーツです。こちらは甘みが強いというより、フルーティーでさわやかな飲み口が特徴。
カクテルの材料として使われることもあり、度数は高めです。また、ワインとフルーツ、炭酸ジュースなどを混ぜた「サングリア」もフルーツワインに数えられることがあります。(フレーバードワインとされることもあり)フルーツそのものの味わいを感じられ、度数も低いので、アルコールが苦手な人も飲みやすいワインです。
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デザートワインのとろけるような甘さに酔いしれて
とろりとした濃厚な甘さが特徴のデザートワインは、渋い・酸っぱいワインが苦手なワイン初心者の人でもおいしく飲めるワインです。ぜひしっかり冷やして、ケーキやアイスクリームなどのデザートと合わせて楽しみましょう。デザートワインの甘みと酸味がデザートの繊細な味わいを引き立ててくれます。
デザートワインとひと口にいっても、さまざまなタイプがあります。記事中で紹介した選び方を参考に、自分の好みに合うデザートワインを探してみてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。