片手鍋の選び方
片手鍋とは、片側にだけ持ち手がついた鍋のことで、サイズが小さめのものが多いため一人暮らしの方や離乳食づくりをしたい方などにおすすめ。ここからは、片手鍋の選び方をご紹介します。

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片手鍋の種類をチェック
片手鍋の種類は、スタンダードタイプ、ミルクパン、ソースパンに大きく分けられます。それぞれの特徴をみていきましょう。
ひとつあると便利な「スタンダードタイプ」
メインで使用するフライパンや鍋のサブにするなら、スタンダードな片手鍋が便利。ちょっとお湯を沸かしたり、少量のスープを作ったり、ちょっとした揚げ物をしたりとさまざまな使い方ができるので、ひとつ持っておくと重宝するでしょう。
また、食材のあく抜きなどの下ごしらえにも使いやすい、ちょうどいい大きさです。今夏うとで収納にも場所を取らず、一人暮らしにもおすすめ。
汁物には注ぎ口ありの「ミルクパン」
直径15cm前後で注ぎ口がついた小さな片手鍋を「ミルクパン」といいます。少量のミルクやスープの温め直しにも便利で、カップに注ぎやすいのがメリット。ちょっとお湯を沸かしたいとき、ゆで卵を1個作りたいとき、お弁当の準備にと、いろいろな使い方ができます。
バターやチョコレートを火にかけながら温めるのにも便利で、お菓子作りでも活躍しますよ。
ジャムやソース作りには「ソースパン」
深さがある小型の片手鍋で、注ぎ口がないものを「ソースパン」といいます。その名の通り、ソース作りに便利で、深さがあるためジャムやかんたんな煮込み料理、赤ちゃんの離乳食などが作れます。商品によっては深さのあるミルクパンと紹介されている場合もありますが、注ぎ口がないのがソースパンと覚えておくとよいでしょう。
家族の人数や分量に合うサイズを選ぼう
片手鍋は素材や形状によって多少異なるものの、15cm~36cm前後と幅広くサイズ展開がなされています。家族の人数や、作る料理の分量を考えて片手鍋を用意しておけば、作り切れない・多すぎるといった悩みも解消できます。
一人暮らしの場合は14~16cm、カップルや夫婦などふたり暮らしの場合は18cm以上、4人以上の家族であれば小さいものと大きいものをひとつずつ用意しておきたいもの。ふだん作る料理や分量を考えて、自分に合った片手鍋を見つけてください。
たいていのブランドは2cm刻みでサイズ展開があるので、必要に応じて買い足していくのがおすすめです。
素材の特徴もチェック
片手鍋の素材には、ステンレス製、アルミニウム製。ホーロー製、鉄製があるので、よく作る料理やお手入れのしやすさなどを比較し、自分が使いやすい素材を選びましょう。
ステンレス:煮込み料理におすすめ
ステンレス製の片手鍋は、サビに強く傷つきにくい、お手入れかんたんなのが特徴。保温性も高く、煮込み料理と相性が抜群です。なお、熱伝導のよいアルミニウムなどをはさんだ多層構造のものだと長く使うことができます。
アルミニウム:熱伝導率が高くお湯を沸かすのに便利
アルミニウム製の片手鍋は、火の通りが早く、お湯を沸かす場面で活躍します。ただし、IHには対応できないためガス火で使う人向け。注意点としては、柔らかい素材なので変形することがある、高温に弱くこびりつきやすい、酸やアルカリに弱い点などが挙げられます。
ホーロー:ニオイや汚れが付きやすい料理に
ホーロー製は、熱伝導率にくわえて蓄熱性も高いのが特徴。汚れやニオイ移りに強く、揚げ物やニオイが強いニンニクを使いたいメニューで重宝します。耐久性もあり、長く使えます。また、インテリア性もあって、デザインもオシャレなものが多く、小さなミルクパンにおすすめの素材です。
鉄:炒め物もできる万能素材
炒め物や煮込み料理など、さまざまな場面で活躍してくれるのが鉄製の片手鍋です。蓄熱性と熱伝導率に優れており、食材の芯までじっくり火を通すのに適しています。重さがありますが、お手入れをしっかりと行えば、一生使うことができる素材です。
保存しやすい蓋付きがおすすめ
片手鍋を購入してから蓋を探すのは、そのサイズゆえに困難になるので、できるだけ蓋つきを選ぶといいでしょう。蓋があれば、カレーなどの煮込み料理でも活躍してくれます。
また、蓋をすることでお湯が早くわきガス代の節約になったり、残った料理を保存する際にも便利です。
コーティングのある、なしで選ぶ
食材がこびりつきにくく、お手入れも簡単なフッ素樹脂コーティング。テフロン加工とも呼ばれ、アルミニウムにフッ素樹脂がコーティングしてあります。
火の通りもステンレス製より早く、素材に焼き目をつけてから煮込むというような調理方法も可能で、フライパンいらず。
片手鍋ひとつで調理をすすめられるのでたいへん便利です。ただし、強火での調理には不向きで、空焚き厳禁です。
コーティングはだんだんと剥がれていきますが、2〜3年で買い替えが必要なフライパンに比べて、液体を温める調理法が多い片手鍋は、より長く使えます。日々の献立作りに万能に使えるのでおすすめです。
IH対応かどうかチェック
IHクッキングヒーターは基本的に、鉄、ステンレス、ホーロー素材しか使えません。
鍋底が磁石にくっつく金属製のものであれば使えるということですが、上述の素材であっても、一部、IH非対応のものも存在します。
また、同じ金属でも熱伝導性の高い銅やアルミニウムなどは、非磁性金属で素材の性質上、IH非対応のものが多いです。
鍋底にIH対応の金属を使った板を張り付けて対応可能としている鍋もあるので、IH対応製品を購入の際には、鍋底部分の素材をよく確認する必要があります。
メーカーや保証の有無も確認!
保証付きの片手鍋を購入すれば、保証期間からおおよその使用期間がわかります。購入してからいつぐらいまで使えるのかがわかれば、次に購入するときの目安にすることができますし、ひとつの商品をできる限り長く愛用したいという方にピッタリ。
大手メーカーの片手鍋であれば、ほとんどの商品に保証がついています。片手鍋選びに迷ったらメーカーで決めるのもよいでしょう。
エキスパートのアドバイス
フランス在住 レシピブロガー
ライフスタイルにあわせていくつも必要な片手鍋。安価で手にしやすいものなどもありますが、ライフステージの変化にあわせて家族構成や料理を作る人数も変わり、確実に買い足していくことになります。
長い目でみれば、同じブランドで揃えると、入れ子にしてスッキリ収納ができ、長く続くメーカーの定番モデルは、年月が経っても買い足しやすいです。
さまざまな選択肢があるからこそ、将来の買い足しも見据えて、しっかり選びましょう。
片手鍋おすすめ17選
ここからは、おすすめの片手鍋をご紹介します。一人暮らし用に使い勝手のいいものやおしゃれでかわいいデザインなど、幅広くピックアップしています!

毎日使うものだからこそ使いやすい雪平鍋に!
鍋の表面を叩くことで、面積が広がり熱が均等に伝わる槌目(つちめ)が、実用的かつ、見た目にも美しい雪平鍋。
キッチンの配置や利き手を選ばない両口設計で、煮物、汁物等を他の容器に手間なく移し替えられます。鍋の中には200ml毎に目盛りが刻まれていて、計量に便利です。
日本では、実家で当たり前に使っていた雪平鍋。外国暮らしのなかで、改めてこんなにも気の利いた鍋は日本からしか生まれないと思え、世界に誇れる日本の片手鍋だと気づきました。
さまざまなメーカーの雪平鍋がありますが、ヨシカワの雪平鍋はIH対応のものもあり、幅広い方におすすめできます。
別売りでセットにできる蓋もあり、木製のハンドルは傷んだら交換可能なところも魅力のひとつです。





熱が伝わりやすく弱火でも調理可能な優れもの
モヴィエルは、創業から200年近く続くフランス調理器具の一流老舗メーカーです。
モン・サン・ミッシェルの伝統的なオムレツを作るのに使われ、タイタニック号のキッチンでも使われていたという長い歴史を誇ります。
伝統的な技法を守りながら製造を続け、現在では、フレンチやイタリアンの高級レストランで使われるなど、世界の料理人に愛される、料理好きの憧れのブランドです。
外側は銅で、高い熱伝導を活かしながら、内側はお手入れのしやすいステンレス製。また、プロ用と一般家庭用とで鍋底の厚みも選べ、料理を愛する人のために作られた究極のソースパンです。
銅製はIH非対応ですが、同ブランドでステンレス製IH対応シリーズM’Cookもあります。
和平フレイズ『片手鍋 ヴェンセ (VR-8178)』


セットだからこそリーズナブルに手に入る!
取っ手の取れるティファールのコーティング鍋のセット。
20cmの片手鍋は単品でも買えますが、少々割高になるのでセットで買ったほうが断然お得です。とにかく収納がしやすく、複数あっても困りません。
永久的な加工ではないので、数年で買い替えが必要ではありますが、どんな料理もこびりつかずに調理でき、使用後も汚れを簡単にスルッと洗い流せ、お手入れも楽で快適です。
IH対応の4層チタン・エクストラコーティングされた16cmと20cmの2種ソースパンがセットされています。
ガス火専用の同様のセットの展開もあり、IH対応にこだわらない方はそちらのほうが、さらにお求めやすい価格でおすすめです。
「片手鍋」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 片手鍋の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの片手鍋の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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自分にぴったりの片手鍋を選ぼう!
フランス在住のレシピブロガー・戸塚ブランシェ敦子さんの取材をもとに、片手鍋の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。
戸塚ブランシェ敦子さんのアドバイスのように、熱が伝わりやすく均一に温められる素材や、扱いやすく表面のキズや汚れがつきにくいコーティングなど種類はさまざまです。この記事をぜひ参考にして、ご自身にぴったり合う片手鍋を選んでくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
日本ではアパレル業を経て、雑貨のバイイング、雑貨と食品の商品企画に従事。現在はフランス在住。 和食レシピをフランス語で、フランスで学んだレシピを日本語で紹介したレシピブログ "La bonne poire -ラフランスの台所-"のブロガー。 その他、不定期料理アトリエの主催、パリを中心とした情報サイト パリエトワのライター。