中華鍋の選び方 鍋や持ち手の素材、サイズをチェック!
料理研究家の指宿さゆりさんのアドバイスをもとに、中華鍋の選び方を紹介します。ポイントは下記。
【1】鍋の素材
【2】持ち手の素材
【3】サイズ
【4】ガスコンロ or IH対応
【5】長く愛用できるかどうか
上記のポイントをおさえることで、より具体的に自分に合う中華鍋を選ぶことができます。プロの視点から見た選び方をぜひ参考にしてください。
【1】種類で選ぶ
チャーハンや炒め物を作るのに便利な「中華鍋」。中華料理店で使うものばかりではなく、一般のご家庭でも使えるものもたくさん販売されています!そんな中華鍋には「北京鍋」と「広東鍋」の2種類があることをご存知でしたか?
それぞれの特徴をふまえたうえで、用途も考えながらどちらの鍋にするのか選んでみてください。
炒め物に便利な片手タイプの「北京鍋」
フライパンのように片手で鍋を振って食材を炒められるので、中華鍋初心者の人でも使いやすく、広東鍋に比べると鍋底が深いのが特徴。持ち手の材質には、金属と木製があり、持ちやすさや重さに違いがでてきます。
野菜炒めやチャーハンなどにぴったりですよ。
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蒸し料理や揚げ物にぴったりな両手タイプの「広東鍋」
両端に持ち手のついたタイプで、鍋底の厚みが浅いのが特徴。コンロに置いたときに安定感があるので、揚げ物など炒め物以外の調理にも適しています。
浅い分、ムラなく食材に火を通しやすいですが、炒め物をするにはコツが必要。ある程度中華鍋の扱いに慣れている人におすすめです。
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【2】素材で選ぶ
中華鍋は鉄製のものが一般的ですが、最近ではチタンやステンレスなどを使用した中華鍋も増えてきました。どんな素材にするか迷ったときは、お手入れのしやすさや調理のしやすさなど、どの部分を重要視したいかで素材を決めてみましょう。
熱伝導率が高い「鉄製」は強い火力で調理できる
熱伝導率が高く強い火力で調理できるので、料理をカラッと仕上げることができます。使い込むほどに油がなじみ、焦げ付きも少なくなります。重量はほかの素材に比べると重めです。
使っていくうちに経年変化で味が出てくるので、一生ものの中華鍋を欲しい場合は鉄製がおすすめ!
「チタン製」は軽量で扱いやすい
強度が高く丈夫なわりに重量が軽いので、お年寄りや女性、力の弱い人でも扱いやすいのがメリットです。サビにも強くメンテナンスをしやすいのも特徴のひとつ。ただし鉄製に比べ熱伝導率は高くありません。価格も高めなものが多いです。
「ステンレス&アルミ製」はお手入れしやすい
アルミの熱伝導率の良さと重量の軽さ、ステンレスのサビにくさなど、両方の素材のよさを兼ね備えています。中華鍋初心者でもフライパンのように扱えますよ。
また、焦げ付きにくいようにノンスティック加工されているものが多く、お手入れしやすいのが大きな魅力です。油を大量に使う必要がないので、ヘルシーに調理することができます。
【3】持ち手の素材もチェック
鉄製の中華鍋を使う際、気をつけなければならないのが火傷。中華料理店の方が持ち手にタオルなどを巻いているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
とくに持ち手は調理中に熱くなってしまうので、ケガをしないように注意が必要です。心配な方は持ち手が木柄のものにすれば、熱くなりにくいので安心です。
ただ、持ち手が鍋部分と一緒の素材だと安定感が高く、扱いやすいので調理しやすいという面もあります。慣れや好みに応じて選ぶようにしましょう。
【4】サイズにも注目!
中華鍋を使う料理は、チャーハンや野菜炒めなど、比較的量が多いものが多いので、鍋を振っても具材がこぼれにくい大きめのサイズを選ぶのが大切です。
通常のフライパンよりもひと回り大きいものを選ぶのがおすすめ。2人分なら約28〜30cm、3~5人分なら約30〜33cmのサイズがよいでしょう。
大きすぎるとそれだけ重くなりますし、使用していないコンロをふさいでしまうこともあるので、サイズ選びは慎重に行ないましょう。初めて中華鍋を使うなら、あえて扱いやすい小さめを選ぶという手もあります。
【5】IH対応しているかもチェック
最近は一般家庭でもIHコンロが増えてきました。中華鍋にはIH対応しているものもあれば、ガス火専用タイプのものも存在します。ふだんIHコンロを使用している人でガス火専用タイプの商品を購入してしまうと、使えないので注意が必要です。
商品を選ぶ際は、IHに対応しているかどうかもあわせて確認しておきましょう。
なお、IH対応の中華鍋は底面が平らになっているので、ガスで調理する場合に扱いにくいということがあるかもしれません。形状のチェックも怠らずに!
>> エキスパートのワンポイントアドバイス
料理研究家/料理講師/ケータリングプランナー
本格的な中華料理を作りたいなら、中華鍋は必須!
中華料理店などでパラパラになったおいしいチャーハンを食べたことがあるでしょうか。お店のような味を自宅で再現するのであれば、調理器具に中華鍋は欠かせません。
ガス火がダイレクトに伝わる中華鍋にすれば、短時間で絶品の仕上がりになるはず。中華料理が好きな方であれば、酢豚や麻婆豆腐などさまざまな料理をプロのような完成度で作ることができるでしょう。
おすすめのメーカーをチェック 迷ったら確認しよう
いろんな中華鍋があるので、どれを選んでいいかわからない方のために、おすすめのメーカーをご紹介します。プロも愛用する、業務用を製作しているメーカーもあるのでチェックしてみてくださいね。
山田工業所:プロに認められる最高級の中華鍋
ひとつひとつハンマーで叩いて成型する、最高級の鍋を製造するメーカー。職人の目で確認しながら約5000回も叩いているため、プレスでは形作れない微妙な打ち出しが特徴です。
表面に微妙な凹凸があるので、油なじみが良く焦げ付きにくいのが特徴。また、鍋底部分を厚めに、側面を薄めにすることで、熱伝導率のいい鍋に仕上がっています。一生ものの中華鍋を手に入れたいなら、チェックしておくべきメーカーですよ。
遠藤商事:鉄製の調理器具ならお任せ!
1951年に創業した、ホテルやレストランで扱われる業務用の厨房用品を扱うメーカー。金属洋食器では全国シェア90%以上を獲得している新潟県燕市に本社を置いています。
寸胴鍋やフライパン、包丁、ボールなど、調理場で必要とされるいろんな調理器具を扱っています。中華鍋は軽量でサビにくい素材を使ったものや、エンボス加工で食材がこびりつきにくいようなものなど、実用性に即したアイテムを数多く展開。
中華鍋のおすすめ 片手 or 両手?タイプ別に選ぼう
ここからは、おすすめの中華鍋を「北京鍋」「広東鍋」と種類に分けて紹介します! 中華鍋をはじめて使う人はもちろん、ふだんよく使っている人もぜひ後悔のない商品を選んでください。
こちらからすぐチェック!
▼初心者でも使いやすい片手タイプの「北京鍋」
▼汎用性が高い両手タイプの「広東鍋」
▼おすすめ14選|初心者でも使いやすい片手タイプの「北京鍋」
まずは、初心者や女性でも使いやすい北京鍋のおすすめ商品からみていきましょう。フライパンのように片手で鍋を振って食材を炒めることができます。

ハンドルが取り替えられる中華鍋
特殊な熱加工がされており、非常にサビにくいのが魅力。強度も高いので、一度購入すれば長持ちしやすいでしょう。
この圧力鍋の大きな特徴は、なんといっても木製のハンドルが取り替え可能なこと。ハンドル部分が焦げてしまったときでも問題ありません。さらに鉄の欠点でもある錆びやすいというデメリットもしっかり克服しているので、お手入れにてこずることもないでしょう。
取扱説明書もついているので、はじめて中華鍋を扱う人でも安心して調理できます。


タマハシ『ファンシア 鉄製木柄北京鍋 お玉付 30cm』


IH対応! ノンスティック加工でお手入れも簡単
デンマークの老舗ブランドが販売している中華鍋。IHに対応しており、使い勝手がいいのが大きな魅力です。さらにステンレスやアルミ合金など、7層もの多層構造を採用。さらにフッ素樹脂で加工されているので、一度購入したら長持ちしやすいのが特徴。
ノンスティック加工もされているので、鍋が焦げつくこともなく、お手入れがしやすいと感じるでしょう。ちなみに10年保証がついているのもうれしい点。万が一何かあったときでも、安心して使用できるでしょう。
さまざまな料理が楽しめる中華鍋
アルミニウム合金でできた中華鍋。大きな特徴は、スチームコントローラーつきの鍋蓋です。鍋蓋があることで、蒸し料理や無水料理、さらには煮込み料理など、炒めもののみならずさまざまな調理が可能です。
さらに「テフロンプラチナプラス加工」という最高級なフッ素加工が施されており、耐久性も抜群。中華鍋でさまざまな料理に挑戦したい人に向いています。アルミで作られており、鉄と比較して軽く扱いやすいので、調理も楽々に感じるでしょう。
IHにも対応。炒めるのが楽しくなる一品
商品名の通り、軽さが売りの鉄製の炒めもの用の鍋。鉄鍋なのにこびりつきにくく、大きさも炒め物に最適です。フチに向かって薄くする仕上げを施すことで、軽量化されているのが特徴。
ガスコンロ、電磁調理器 (IH 100V・200V 対応)、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、シーズヒーターなど幅広い熱源にも対応していますので、使う人を選びません。
▼おすすめ3選|汎用性が高い両手タイプの「広東鍋」
ここからは、広東鍋のおすすめ商品を紹介します。両手タイプで慣れないうちは扱いにくいですが、底が深めなので安定感があり、食材が広がるので火を均等に入れやすいですよ。
「中華鍋」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 中華鍋の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの中華鍋の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
中華鍋を使った作り方レシピ チャーハンなど本格中華を手軽に!
ここからは、中華鍋を使ったかんたん料理レシピをいくつか紹介していきます!
チャーハン
中華鍋でパラパラのおいしいチャーハンを作るには、スピードが大切です。長ネギ、にんにくなど、入れる具材はすべてカットした状態で準備しておきましょう。卵や調味料なども手元に置いておくのがベストです。
まずは中華鍋を強火にかけ、煙が出てきたらサラダ油を流し、鍋全体になじませ、オイルポットなどに戻します。そのあと再度サラダ油を入れ、煙がたつまでしっかり加熱しましょう。卵を溶かずに割り入れ軽くほぐし、ほぐれたら長ネギなど具材を入れます。サッと炒めたらご飯を入れて混ぜ合わせます。塩など調味料を加えて完成です。
回鍋肉(ホイコーロー)
中華鍋を熱して油をなじませ、カットしたキャベツやピーマンを入れて炒めます。しんなりしてきたら一度取り出し、豚肉と長ネギを入れて炒め、肉にしっかり火が通ったらニンニクや豆板醤、しょうゆ、砂糖などの調味料を加えて炒めます。そのあとさきほど炒めたキャベツやピーマンを再度加えて炒めて完成です!
麻婆豆腐
中華鍋を熱してごま油をなじませ、ニンニクや生姜、豆板醤や甜麵醬など必要な調味料を入れて香りを出します。香りがでてきたらひき肉を入れ、火が通るまでしっかり炒めます。火が通ったらネギを入れ、ネギにも火が通ったらカットした豆腐を入れます。水溶き片栗粉を入れてとろみをつけたら完成です。
好みで山椒などを入れるとより本格的な麻婆豆腐に仕上がります。
中華鍋の使い方とお手入れ方法 中華鍋を育てよう! 上手な洗い方も
ほかの鍋と違い、中華鍋の使い方やお手入れには少々手間がかかります。ここでは、中華鍋の上手な使い方とお手入れ方法を紹介していきます!
購入後「油ならし」をして、くっつきにくい鍋に!
中華鍋を購入したら、最初に「油ならし」というものを行ないます。
<用意するもの>
・スポンジ
・中性洗剤
・キッチンペーパー
・油(サラダ油など)
<油ならしの手順>
1.中華鍋のホコリや汚れなどを洗剤とスポンジを使って洗い流す。
2.水分をキッチンペーパーなどでふき、中火で空焼きする。
3.火から下して熱が冷めたら、再度洗剤とスポンジを使って汚れを洗い流す。
4.フライパンを中火にかけて水分を飛ばしたら、油を入れて弱火にかける。
5.火から下ろして、冷めたらお湯で洗う
空焼きをすることで、表面についたホコリや汚れをしっかり取り除きます。油ならしをすることで焦げ付きを防止する効果があります。中華鍋を購入したら油ならしをしましょう。
ふだんのお手入れで洗剤の使用はNG!
空焼きの際は中性洗剤を使って中華鍋のお手入れを行ないましたが、ふだんのお手入れで洗剤を使用するのはNGです。
洗い方は、スポンジと水かお湯のみでOK。食材がこびりついたり焦げ付いたりしてしまっている場合は、たわしなどで軽くこすって水やお湯で洗い流しましょう。洗ったあとは、キッチンペーパーなどで水気をふき取り、自然乾燥させて完了です。
中華鍋のお手入れグッズ しつこい汚れもこれで楽々!
しっかりと中華鍋をお手入れして、長く愛用したい方は洗浄用具も適切なものを使いましょう。ここでは鉄製の中華鍋を洗う時に適した洗浄用具を紹介します。
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マイナビおすすめナビでは、炒め物におすすめのフライパンの記事も複数紹介しています! こちらも合わせてチェックしてくださいね。
形状や素材に注目して中華鍋を選ぼう! 利用シーンをイメージ!
料理研究家・指宿さゆりさんへの取材をもとに、中華鍋の選び方とおすすめの中華鍋を紹介しました。鉄製やチタン製など、素材によって扱いやすさが異なったりお手入れの方法も変わります。
持ち手についても、もしやけどが心配であれば、木柄になっているものを選ぶのが有効です。さらに自宅のコンロの形にも注目しておくことも忘れずに。自宅がIHなのにIH対応不可の中華鍋だと、購入したあとに後悔することになりかねません。
どんな場面で利用するのか、利用シーンをしっかりとイメージできれば、最適な中華鍋を選ぶことができるでしょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
神戸出身。アメリカなどでパーティ料理やオーガニックを学び、2002年に「菜々食CookingClass」を主宰。卒業生による教室開設やカフェ開業実績も多数。 企業向けのオリジナルレシピ開発を行う「レシピ制作専門スタジオ」では料理部門の代表として、料理動画のメニュー監修、タイアップ企画レシピ、連載レシピコンテンツ、飲食店のメニュー開発などに従事。また、大の蕎麦好きでもあり、蕎麦に関するグループも運営中。