タープとは?
タープとは、アウトドアで使う日よけや雨よけのための、シート状のアイテムです。テントは、おもに寝室の役割を果たすのに対し、タープはリビングなどの居住空間としての役割を果たします。
タープは、みんなで過ごすたのしいアウトドアの時間を、より快適で思い出深いものにするのに大いに貢献してくれるアウトドアグッズです。
【メーカー別】タープの選び方
ここからは、キャンプブロガーのSAMさんにお話をうかがい、メーカー別タープの選び方につてご紹介していきます。
ポイントは下記のつ5。
【1】種類
【2】人数
【3】素材
【4】機能性
【5】季節
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。

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キャンプで快適な時間を過ごすためにはタープ選びも重要になってきますよね。メーカーによってどのようなポイントを見ればよいのでしょうか。
【1】タープの種類 ヘキサタープ・スクリーンタープ・スクエアタープ・ワンタッチタープ・カーサイドタープ
タープにはいくつかの種類があります。ここからは、タープの種類と特徴についてご紹介していきます。
開放的な「ヘキサタープ」
名前のとおり六角形の布でできており、タープのなかでも主流となっているタイプです。ポールと屋根部分だけなので開放的で風とおしもよいのが特徴ですが、日差しや雨をよける機能もじゅうぶん果たしてくれます。
センターにテーブルを設置した状態で、たくさんの人数を収容できる効率のよさと、シンプルな見栄えのよさが特徴です。
テントのように使える「スクリーンタープ」
スクリーンタープは、屋根部分だけでなく、サイドの壁部分もついています。テントと違い床部分はありませんが、よりプライベート性があるリビング空間をつくれます。また、悪天候時にも雨風をしっかり防いでくれますし、虫や動物の侵入も防げます。
マットなどを使えば寝室としても使えるので、いつもより多い人数でキャンプに行くことになったとしても、対応しやすいのもメリットです。
シンプルに使える「スクエアタープ」
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名前のとおり、正方形の布のタープです。長方形のものは、「レクタタープ」と呼ばれることもあります。布がシンプルな四角形なので、収納時にきれいにたたみやすいのが特徴です。
ヘキサタープと同じように、屋根とポールだけの開放的なつくりのため、アウトドアの雰囲気を思う存分たのしめます。テーブルやいすなども配置しやすく、使いやすいタープです。また、屋根の角度のつくりかたによっては、プライベート性の高い空間をつくることも可能です。
かんたんに設営できる「ワンタッチタープ」(自立式)
折りたたみ式のタープで、ポールやフレームで自立するため、ワンタッチで組み立てできるようになっています。そのため、作業に慣れていないメンバーだけで出かけるというシーンでも、かんたんに設営できるのが特徴です。
折りたたみ式のために骨組みが多く、重量もあり、かさばってしまいますが、設営の労力を省けるのは大きな魅力です。
車と連携して使う「カーサイドタープ」
KingCamp カーサイドタープ 車 タープ テント タープ ポール付き 様々な車に対応 たーぷテント 車用タープ 日よけテント 単体使用可能 簡単設営 ツーリング 収納袋付き (グレー KT2004)
車と組み合わせてサイドやリアのドアに直結して、リビングスペースをつけ足せるようになっているタープです。オートキャンプ場などで、テントを持ち込まずに、車を寝室として使う場合に、拡張スペースとして、よりキャンプをたのしめるようになります。
車との接続は、吸盤でくっつけるタイプが主流。逆側は地面にペグ打ちして、より耐久性を高めることもできます。
【2】人数に合わせて選ぶ 4×4mが基準
いつもキャンプに出掛ける人数に合わせてタープを選びましょう。みんなが快適に過ごすには、テーブルなどがレイアウトでき、全員分の日よけや雨よけのスペースがあり、無理なくくつろげるようになっている必要があります。
また、いつもスペースが過剰に余ってしまうなら、設営に時間がかかってしまいがちな難易度が高い大きいタープを立てなければなりませんし、持ち運びのための労力も無駄になってしまいます。
【3】素材で選ぶ 耐水・遮光性ポリエステル・難燃素材のコットンなど
タープの素材で一般的なのは、ある程度耐水性があり遮光もできる、ポリエステルです。UVカット機能をプラスしたタープもあるので、紫外線対策としての性能を発揮してくれます。
また、タープの近くでたき火をたのしみたいなら、難燃素材のコットン生地のものを選びましょう。そうすれば、火の粉で生地に穴を開けてしまう心配も少なくなります。
【4】機能性で選ぶ 耐水圧1000mm~1500mmが理想
悪天候でもアウトドアアクティビティーをたのしむには、タープの布素材の耐水機能をよくチェックしましょう。耐水性能は耐水圧であらわされます。500mmで小雨対応、1000mmで通常の雨、1500mmは強い雨に対応できる生地であるということになります。
また、風が強くてもタープが壊れないように、きちんと縫製されているものを選びましょう。
【5】キャンプに行く季節で選ぶ 暖かい季節は「ヘキサタープ」「スクエアタープ」、冬は「スクリーンタープ」
キャンプに行く季節によっても、適したタープが異なります。あたたかい季節なら、ヘキサタープやスクエアタープが、開放感があり、気持ちよい風を感じながらくつろげます。日差しが強いので、UVカット性能も注目すべきスペックです。
寒い季節のキャンプで使うタープを探しているなら、しっかりと防寒ができるスクリーンタープがぴったりです。スクリーンにメッシュ切り替え機能があれば、通気性も確保できてより快適です。
【メーカー別】タープのおすすめ10選 スノーピーク・ロゴス・キャプテンスタッグ・モンベル・スノーピーク・DOD
タープの選び方のポイントをふまえて、スノーピーク・ロゴス・キャプテンスタッグ・モンベル・キャンパルジャパン・DODなどメーカー別おすすめ商品を紹介します。
五角形のデザインがかっこいい
1~2人での使用がちょうどよいサイズのタープ。生地が厚めなので、風や日差しを効果的に防いでくれます。ただし、タープの背が低いため、中腰を強いられます。天井が低い分、日差しが強い日は天井部分がやや熱く感じられるでしょう。
また、ポールは別売りなので、使用環境に合わせて用意するとよいでしょう。キャンパーのなかには、小川張りでテントと連結させて使用するユーザーも多いようです。
遮光率100%の日陰を楽しもう!
約2分で設営が終わるといわれている、ロゴスから出ているワンタッチタープです。遮光性が素晴らしく、UV-CUT率99.9%以上・遮光率100%と謳われています。木陰が少ないキャンプ場などで、さっと設営して強力な日陰を作り出せるのは、とてもありがたいことですね。
高さを3段階に変えられるので、ロースタイルで楽しみたい場合にも高さを合わせられます。オプションで遮光率100%のサイドウォールが販売されているので、横からくる強い日差しもシャットアウトできます。

最新化された伝統のメッシュタープ
「オルディナ」というヘキサタープとともにキャプテンスタッグの長い歴史を飾る大定番となったのが、この「レジーナメッシュタープ」です。積み重ねた経験でどんどん最新化され、スクリーンは虫の侵入を妨げながら通気性を損ないにくい1mmメッシュ。トップはUVカットシルバーコーティングが施され夏の日差しをより防いでくれるようになりました。
また、両サイドに大きく突き出たフラップが雨水が流れやすくしており、同時に日差しカットの延長になっているのも特徴的。なんといってもこれだけの大型タープでありながら比較的リーズナブルな価格であるのが、さすがキャプテンスタッグです。
たくさんの付属品が揃って大満足!初めてのタープ!
初めてのキャンプやデイキャンプなど、春〜夏に使いたいヘキサタープとしておすすめです。色はベージュよりも少し濃い黄褐色といった感じです。お持ちのテントやチェアなどさまざまな道具に合わせやすい優しい色です。多くのテントが連立する混んだキャンブ場でも、自分のサイトを見つけやすい組み合わせになりそうですね。
ランタンフックとして使える延長テープ、またペグやロープなどが付属されているので、あとは準備するものはハンマーくらいで、すぐに使えます。

伝統の「小川張り」直系の六角形ヘキサタープ
キャンパーのなかでは有名な「小川張り」という言葉があります。ヘキサゴン(6角形)タープの一方をセッティングテープで延長し、テントの上を跨ぐよう設置するとテープとテントが一体化する手法のことをそう呼んでいます。
この手法を最初に世に広めたのが、日本のキャンプを長年リードしてきた「ogawa」ブランドでした。システムタープ ヘキサDXはまさにその元祖モデルの直系。小川張りのよさはロープで作られるデッドスペースを最小限にし、なおかつテントの出入り口を効率よく確保できる点にあります。小川張りはキャンパーの想像力で多彩な張り方ができるので、キャンプに慣れた方のステップアップにも向いているでしょう。

小さくとも存在感を示す、歴史ある名品
モンベルのタープは特別な存在。なぜならこれだけ長い間基本構造をまったく変えずに同一のタープを提供し続けるメーカーはほかにないと言えるからです。それだけ堅実な信頼性と、飽きることがないデザインを兼ね備えている証明といってもいいでしょう。
ミニタープは国内では希少な「ウィング」型で、ツーリングキャンプ、ソロキャンプに適したコンパクトタープ。羽を広げたような姿が美しく、モンベル独自のグリーンやフォレストカラーを展開すると、誰が見ても「お、モンベルだ」と判る存在感があります。グロメットではない金具を使ったタープジョイント、難燃加工の本体など長年の経験が蓄積されています。ポールが別売なので購入時に注意です。
「メーカー別タープ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする メーカー別タープの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのメーカー別タープの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【メーカー別】タープに関するQ&A よくある質問
「~T」や「~D」とは何を意味しているのですか?

タープの生地の素材であるナイロンの繊維の密度を「T(タフタ)」で表します。たとえば、190Tなら、1平方インチ内に縦横合わせて190本の繊維が織り込まれていることを意味します。また、「D(デニール)」はポリエステルのの意図の太さの単位を表し、約9,000mで1g(1D)となります。
タープの寿命はどれくらいですか?

使用方法や回数・保管方法によっても異なりますが、一般的に5年~10年と言われています。使用後は完全に乾燥させ、通気性のよい場所で保管してください。
「小川張り」とは何ですか?

「小川張り」とは、テントとタープを境目なく連結させる方法のことです。テントの老舗ブランドogawa(現・キャンパルジャパン)が自社製品でテントとタープの連結方法について紹介して広まったのが由来です。
【関連記事】そのほかのタープをご紹介
キャンプシーン次第でタープの形も変わる
天井はUVカットシルバーコーティングで紫外線をブロック! 1mmメッシュが虫の侵入を防いでくれる。
キャンプのスタイルや目的に合わせて選択する
キャンプにおいてテントが寝室ならば、タープが作り出す空間は「リビングスペース」。キャンプ中もっとも長い時間すごす場所なので、とくにこれからキャンプをはじめる方にとってはタープ選びはかなり重要。快適なキャンプライフになるかどうかの分かれ目になると言えるでしょう。
一言でタープといっても言葉の意味のとおり「日よけ・雨よけ」のようなオープンタープのみならず、テント同様全方位を覆えるスクリーン型があります。さらにこまかくは夏の虫よけ重視の全面メッシュタイプ、冬のフルクローズ型とバラエティ豊か。これらをどう自分たちのスタイルや目的(人数、季節など)に合わせるかが最初の選択課題となります。
テントのコーディネートは大事
自由自在に張ることができる超大型タープ。同じDODの「カマボコテント」と組み合わせて「チーカマ」スタイルなどいかがだろう。
タープの面積・ポールの位置・張り綱を事前に確認
次によく考えておきたいのはテントとの組み合わせです。ひとつは「導線」の問題。限られたキャンプサイトのスペースで効率よく人が通れるか、ファニチャーやキッチンを並べられるかは、どのようなタープを選択するかに依存します。タープの面積、ポールの位置、張り綱がどう伸びているのかなどを事前によくチェックしておいてください。
もうひとつはテントとのデザインバランスやカラーコーディネートです。機能だけを考えすぎて、これらがチグハグでは美しいサイトになりません。なかには最初からテントの「連結」が考えられているものもあるので、テント選択時に念頭に置いておくというのもアリです。
メーカーごとの特徴を知るとさらに楽しい
組み立て3分のクイックシステムや多彩な使い方ができるパネルルーフなど、キャンパー目線にたったロゴス独自のシステムが盛り込まれている。
ブランドごとの背景に注目してみる
タープはテントとと同じく各社長い歴史があり、その経験値が活かされたキャンプアイテムの代表的存在です。キャンプメーカーごとの目指すもの、またキャラクターをよく反映しており、それを知るとより一層タープ選びが楽しくなっていきます。
総合キャンプ用品メーカーであるロゴスやキャプテンスタッグなら、テントなど各種他製品とセットでそろえられるのも楽しみのひとつ。モンベルやキャンパルジャパンのような老舗メーカーは、長い歴史から裏打ちされた信頼できる名品を展開しています。ほかにもDODのような最新の技術が反映された先進的なメーカーも。ブランドごとの背景に注目することで魅力的なタープに巡り逢えるでしょう。
タープは実用的なファッションアイテムのような存在 アウトドアライターからのアドバイス
実は私自身も長いキャンプ経験のなかで一番楽しんで選び、そして一番数多く所持しているのはタープです。メーカーによっても種類はさまざまなタープは、キャンプメーカーの象徴的なアイテムが多く、同時に使う側にとってはキャンプサイトを彩る存在なので、多数所有してもそうそう無駄にはならないものかもしれません。
たくさん迷って、たくさん調べて、そしてたどり着いたタープは間違いなく愛着のわく一品となっていくはず。自分のキャンプスタイルを如実にあらわすタープは、洋服選びのような気持ちでいるのも大切かもしれませんね。
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