軽量タープの選び方 アウトドアライターが解説!

Photo by David Castro on Unsplash
アウトドアライターの大森弘恵さんに、計量タープを選ぶポイントを教えていただきました。ポイントは下記の4つ。
【1】重量
【2】収納サイズ
【3】遮熱加工
【4】設営のバリエーション
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合う軽量タープを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】目安は小型タープで600g、大型なら1kg程度の幕
軽量タープといってもセット内容はさまざま
ひと口に軽量タープと言っても、タープ本体(幕)のみで販売されているものもあれば、張り綱やペグ(杭)が付属しているもの、ポールまですべてそろっているセットなどいろいろな形態で販売されています。
そこで、幕のみの重量で比較してみましょう。軽くて気軽に持ち運べるタープとなると、1〜3人向きの小型タープで600g、3〜5人で利用できるファミリーキャンプ対応の大型タープであれば約1kg以下が「軽さ」の目安です。
【2】収納サイズは参考程度に
収納袋は魅力だが出し入れに時間がかかりがち
軽量タープの素材は、非常に薄く、すべすべとした手触りのものが大半です。しわになりにくく美しく設営できるのですが、収納時に巻いているとどんどん重ねた部分がズレてしまったり、収納袋に詰め込むときにも内側だけが先に袋に入ってしまったりすることは珍しくありません。
小さな収納サイズ(収納袋)は魅力ですが、取り出すのはまだしも収納時に時間がかかってしまうものも多々あります。結局、別の袋を用意するはめになりかねないので、カタログの収納サイズは参考程度にするほうが現実的でしょう。
【3】遮熱加工がトレンドのひとつ
夏キャンプなら遮光・遮熱加工を施したタープを
薄くて軽いタープでも、防水性・耐水圧がじゅうぶん確保されていることはマスト。耐水圧は1,000mm以上ほしいですね。あとは縫い目の処理がきちんとなされていることを確認しましょう。
加えて気になるのが遮光性です。生地が厚く、色が濃いほど遮光性が高くなり、タープ下の温度上昇はゆるやかになります。軽量タープは薄く、遮光性があまり期待できませんが、最近は軽いタープでも遮熱加工を施したものが増えています。夏キャンプがメインなら、遮光・遮熱加工を施したタープを狙いたいですね。
【4】設営のバリエーションは確認項目のひとつ
どんなシーンでタープを使用するかを考えて選ぶ
ただ2本のポールで屋根を形作るだけでもいいですが、ヒモなどを通す穴のグロメット(ハトメ)やループがタープの周囲や幕のなかにも点在していると、雨の日に雨水を流れやすいようにしたり、風上側を長くしたり、ポールを立てられない場所は上から吊るすなど、いろいろな形にアレンジできて重宝します。
グロメットやループには力がかかるので、きちんと補強されていることも重要です。どんなシーンでタープを使用することが多いかを考え、設営バリエーションもチェックしましょう。
軽量タープおすすめ10選 アウトドアライターが厳選!
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、アウトドアライターの大森弘恵さんにおすすめの商品を選んでいただきました。

ハンモックの日よけ・雨よけのフライシートに最適
タープ周囲に16、センター付近に3つのループを装着しており、タープはもちろん簡易テントにもアレンジできます。とくにタープの中央にある3つのループは、ハンモックの日よけ・雨よけのためのフライシートを作るのに好都合。
カラーバリエーションは4色が用意されており、遮光性重視ならオリーブグリーン、ナチュラル志向はコヨーテブラウン、不測の事態に備えて目立たせるならオレンジといった具合に、いろいろなスタイルのキャンパーが選びやすくなっています。

薄くて明るいカラーでも遮光性・耐風性もあり!
2010年を最後に廃番となったウィングタープの傑作「ビスタウィング」を踏襲した七角形で、比較的風に強いのが特徴。
サンシールドという名前のとおり、裏側にシルバーのコーティングを施すことで遮熱性を高めています。アルミポール2本つきの重量が約1,470g。ポールの重量が1本約300gとすると、幕だけで約870g、1本400gなら約670gと、2〜4人向きサイズ、遮熱対策つきで1kg以下となる優秀な商品です。
張り綱を装着する角には、張り綱を収納できるポケットが装備されており、スッキリとまとめることができます。耐風性と遮熱性にこだわるキャンパーにおすすめです。

軽さと遮熱性を両立させた人気タープ
生地裏に粉末を入れたコーティング剤で加工を施す「ブラックピグメントPUコーティング」を採用しており、抜群の遮熱性を確保。その分、ほかの軽量タープに比べると重量はありますが、それでも3〜4人用の大きさで1,010gという軽さをキープしています。
タープの周囲に12のループを装備しており、そのループがすべて補強されているのはさすが。DAC社のタープポール2本、張り綱もセットにしての販売となっています。とことん遮熱にこだわるキャンパーにおすすめです。

テントの出入り口を邪魔しない名作
同社のシステムタープは、セッティングテープを付属することでテントとタープの連結がスムーズにできる通称「ogawa張り」を世に広めた名シリーズです。
2019年登場の『ペンタ3×3』は、同社のワンポールテント『グロッケ8』のAフレームと接続できるよう開発したタープ。もちろん、セッティングテープを使うことでグロッケ以外の小型テントとも接続できますし、セッティングテープなしの単体利用も可能です。創業100余年、「ogawa張り」の元祖であるタープを試してみてはいかがでしょうか。

渓流沿いに張ってもキレイをキープ
軽量タープは生地が薄く、テンションをかけて張ったつもりでも、湿気などの影響で時間がたつとだんだんタルミが生じてきます。タープの四辺と中央に田の字を描くように、超高強度の「ダイニーマ(イザナス)テープ」を縫い合わせ、この不満を解消したのが『ゴージュタープ』。沢登りや登山シーンで定評のあるファイントラックならではの発想です。
創業者はアウトドアスポーツに造詣が深く、また繊維のプロであったため、かゆいところに手が届くアイテムが多数ラインナップされています。いろいろそろえてみてはいかがでしょうか。
ポール1本で設営できる
離陸前の飛行機を思わせるような形にセットする、美しい変形五角形の小型タープです。ポール1本でもセッティング可能なほか、パドルやウォーキングポールでも設営できます。
撥水加工素材・ファブリック・遮光ピグメントPU加工の生地を重ねることで、しっかりと日光を遮るため、体感温度が低くなって、快適に過ごせるのが特徴です。
自在な形にセッティングできる
正方形のタープには、16カ所ものループベルトが取りつけられており、ロープとポールのセットの仕方を変えることで、多様な形に設営できるのが特徴です。
収納すると手のひらに乗るサイズでコンパクトなので、バックパックに入れてかんたんに持ち運べます。また、タープ生地にはUVカットコーティングが施されているほか、耐水圧も高く、天候を問わず活躍するでしょう。
専用ウォールと組み合わせ可能
ソロ向けのサイズで作られた、コンパクトサイズのタープです。UVカットタイプなので、強い日差しが気になる夏場にもぴったりでしょう。
さらに、防水機能も備えているため、急な悪天候にも対応できます。また、専用のウォールをセットすることで、シェルタースタイルも楽しめるなど、用途に応じてアレンジが利くのも魅力です。
軽量で丈夫なナイロン製のタープ
ソロキャンプやツーリングで活躍する、小型のタープです。生地に使用されているナイロン素材は、軽量ながらも強度にすぐれているのが特徴。
設置やアレンジがしやすい六角形デザインで、どなたでも扱いやすいでしょう。また収納時は、手のひらに収まるほどコンパクトにまとまります。シンプルながらも、ブランドロゴが目を引く、おしゃれなデザインも魅力です。
ソロキャンプ&ソロツーリングに
六角形にデザインされた小型のタープです。スペースに余裕のある作りになっているほか、風にも強いため、アウトドアシーンで使えば、快適に過ごせるでしょう。
キャンプのほか、荷物を軽くしたい自転車・オートバイのソロツーリングなどで利用するのにもぴったり。ヘッドランプを反射して光る、軽量の張り網やアルミペグなどが付属しています。
「軽量タープ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする タープ 軽量の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのタープ 軽量の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
その他の特徴あるタープもチェック おしゃれ、焚き火に、安い!
アウトドアライターからのアドバイス 薄いからこそリップストップ生地
軽量タープはシリコン系のリップストップがおすすめ
タープ本体の生地では、縦横を交互に織り密度の高いタフタ、数本ずつの生地を織ったオックスフォード、そして太めの糸を格子状に縫い込んだリップストップが代表的な織り方です。軽量タープは薄く、その分、裂けやすいのでリップストップ生地であることはマストの条件とも言えるでしょう。
また、通常、コーティングもポリウレタンコーティング(PU)よりも、繊維に染みこませるシリコンコーティングのほうが耐久性は増すので、シリコン系であるとなお安心です。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
オートキャンプ雑誌、アウトドア雑誌の編集部を経て、フリーランスに。 現在はアウトドア(おもにキャンプとウインターアクティビティ、野外料理)、旅をテーマに雑誌やWEBマガジンで活動。 趣味は30年ほど前からはじめた国内外でのオフロード・ツーリング&キャンプ。最近、ハンモック泊の心地よさに感激。