急速充電対応のモバイルバッテリーとは? スマホ・ノートパソコン・タブレットに!

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スマートフォンやタブレット、電子タバコやノートPC、携帯ゲーム機までも使用でき、充電できるモバイルバッテリー。旅行や出張といった外出時や災害時でも手軽に充電できる便利なアイテムです。
モバイルバッテリーを選ぶ際、とても重要になってくるのは急速に充電できるかどうかです。急速充電対応のモバイルバッテリーとは、この急速充電に対応しているモバイルバッテリーのことを指します。
「急速充電」には明確な定義はありませんが、一般的には各スマホが受け入れられる上限まで高速に充電できる状態を急速充電としているようです。
また時間で見てみると、通常のモバイルバッテリーに比べ、約1.5倍以上の充電スピードを発揮するものが、「急速充電対応」といわれています。なかには2倍、3倍だけでなく、4倍とうたわれているものまで。スマートフォンであれば、速いもので1時間ほどで満タン充電にできるものもあります。
本記事では、そんな急速充電が可能なモバイルバッテリーの選び方とおすすめ商品を紹介いたします。
急速充電対応モバイルバッテリーの選び方 「QuickCharge」や「USB Power Delivery(PD)」に注目!
電脳系フリーライターの早川厚志さんにお話をうかがい、急速充電対応のモバイルバッテリーのお選び方とおさえるべきポイントについてご紹介します。
最大出力値とスマホの充電性能を確認する
モバイルバッテリーでスマホを充電する際、電流が流れますが、それをA(アンペア)という単位で表します。急速充電対応の モバイルバッテリーを選ぶときは、アンペアをチェックしてください。
基本的にモバイルバッテリーの出力電流値(A)あるいは電力(W)の値が大きいほどスマホの充電時間は短くなります。ただし、バッテリー本体にUSBポートが複数ある場合、それらのポートを同時に使用するとポート単独での出力値は下がりますので、1つのデバイスを早く充電したい場合は、ポートごとの最大出力値が大きいものを選ぶとよいでしょう。
なお、急速充電であるか否かは、スマホの充電性能によって変わってきます。たとえモバイルバッテリーのパッケージに「急速充電」と書かれていても、スマホの充電性能が低ければその真価を発揮できませんし、逆にスマホの充電性能が高い場合は決して急速とは言えません。
「QuickCharge」などの充電規格に注目
Charmast 10400mAh モバイルバッテリー 軽量 PD対応 小型 コンパクト 18W USB-C入出力 2つUSB-Aポート QC3.0 急速充電 3台同時充電 【PSE認証済み】 iPhone iPad Android対応
急速充電にはいくつか規格があり、Androidデバイスの多くが「Quick Charge」(以下、QC)と呼ばれる急速充電規格に対応しています。QCには2.0や3.0といったバージョンがあり、数字が大きいほうが充電速度が向上しています。
たとえば、モバイルバッテリーとスマホ/タブレットがともにQC2.0に対応していれば、通常のUSB充電より約1.8倍高速に充電できますし、QC3.0対応なら通常の約4倍も高速に充電できます。なお、iPhoneやiPadはQC非対応なので、モバイルバッテリーがQC対応であっても通常の充電時間となります。
通常のモバイルバッテリーと急速充電のものでは、 充電時間がおよそ1.4倍の違いがあります。電池残量0%のスマホの場合、通常のバッテリーを使うと1時間で50%充電。急速充電対応のものでは1時間で70%充電されます。
選ぶときは充電時間のチェックが大切です。
「USB Power Delivery(PD)」の充電規格に注目
iPhone 8以降、あるいは最近発売された一部のAndroidスマホは、「USB PD」(USB Power Deliveryの略、以下PD)と呼ばれる充電規格に対応しています。PDは最大100W(20V/5A)の電力供給が可能で、さまざまなデバイスを高速に充電することが可能です。
10,000mAhクラスのPD対応モバイルバッテリーには、スマホの充電に適した最大出力18Wの製品が多いのですが、20,000mAhクラス以上のモバイルバッテリーなら最大出力27W〜60Wのものもあります。さらに、27,000mAhクラスになると最大100W出力に対応したモバイルバッテリーもありますので、ノートPCへの高速充電を求めている人はこうした製品を選ぶといいでしょう。
そのほかの便利機能をチェック 容量・サイズ・ポート数
急速充電に対応しているか以外にも容量・サイズ・ポート数も製品を選ぶうえで重要なポイントになります。用途、またはスマートフォンやノートパソコンなどお使いの機器の台数に応じて選んでみてください。
使い勝手を考えて容量をチェック
Charmast 10400mAh モバイルバッテリー 軽量 PD対応 小型 コンパクト 18W USB-C入出力 2つUSB-Aポート QC3.0 急速充電 3台同時充電 【PSE認証済み】 iPhone iPad Android対応
容量もモバイルバッテリーを選ぶ際に大切なポイント。何回も急速充電ができたとしたら、とても便利です。チェックすべきポイントは単位。モバイルバッテリーの単位は「mAh(ミリアンペアアワー)」と表記され、この数字が大きいほど充電容量が大きいことになります。
目安としては、10000mAhほどでiPhoneやAndroidを2~4回満タンにすることが可能。少なすぎても、自宅で本体を充電する必要がありますし、大きすぎても重くて持ち歩きに不便です。10000mAhを基準に重さなども考えながら、ピッタリの商品を選びましょう。
持ち運びを考えてサイズをチェック
Charmast 10400mAh モバイルバッテリー 軽量 PD対応 小型 コンパクト 18W USB-C入出力 2つUSB-Aポート QC3.0 急速充電 3台同時充電 【PSE認証済み】 iPhone iPad Android対応
持ち運びやすさに関係するため、サイズもしっかり確認しましょう。バッグに入れても重くなく、持ち運びやすいものがベスト。容量が大きくなればなるほど、サイズも大きく、重くなりがちです。容量との兼ね合いを考えながら、ポケットに入る大きさなのか、バッグに常備する大きめのタイプなのか、最適なサイズを選んでください。
複数充電のためのポート数をチェック
Charmast 10400mAh モバイルバッテリー 軽量 PD対応 小型 コンパクト 18W USB-C入出力 2つUSB-Aポート QC3.0 急速充電 3台同時充電 【PSE認証済み】 iPhone iPad Android対応
USBのケーブルなどを複数挿入できるポート数も確認しましょう。ポート数が多ければ多いほど、充電できるデバイスの数が増えますので、マルチデバイスの人は要チェックです。容量が少なめのモバイルバッテリーは1~2つのポート数を、容量が大きいモバイルバッテリーの場合は3~5つのポート数があれば、使い勝手はいいでしょう。
急速充電対応のメリット・デメリットは?
モバイルバッテリーは種類がたくさんあり、選ぶときに迷う方も多いことでしょう。選ぶときのポイントは充電の速さで、それを可能にするのが急速充電対応のモバイルバッテリーです。
ただし、急速充電対応にもメリットとデメリットがあります。
急速充電対応モバイルバッテリーのメリット
急速充電対応モバイルバッテリーのメリットは、まず スピーディーな充電が可能という点です。充電不足をうっかり忘れて慌てることはよくあります。そのような場合でも速く充電ができると、すぐにスマホを使えるようになります。
持ち運びができるというのも、急速充電対応モバイルバッテリーのメリットです。外出中に充電切れになっても、すぐに対応できます。移動中でもスピーディーに充電できるのはありがたいです。
急速充電対応モバイルバッテリーのデメリット
急速充電対応モバイルバッテリーのデメリットは、 本体が熱を持ちやすいという点でしょう。充電はバッテリーに化学反応を起こすことによりおこなわれます。本体が熱くなるのは、急速充電では化学反応が急速になるためです。
また、バッテリーへの負荷が高くなるので 劣化が早くなります。気をつけたいのは充電しながらスマホを使うこと。充電中は電源を切るようにしてください。
急速充電対応のモバイルバッテリーおすすめ13選 大容量で持ち歩きに便利な軽量モデル、人気のAnker(アンカー)も
前述した急速充電対応モバイルバッテリーの選び方のポイントをふまえて、電脳系フリーライターの早川厚志さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。
軽量で薄いタイプのものから、20000mAhサイズの大容量クラスまで、自分に合ったものをチェックしてみてください。


PD&QC3.0対応でありながら超コンパクト
タバコの箱と同等のコンパクトサイズでありながら、USB PD(18W)とQuick Charge 3.0に対応した、容量10,400mAhのバッテリーです。
iPhone 8以降なら、MFi認証(Made for iPod・iPhone・iPad:Appleが定める性能基準を満たした証)を受けたUSB-C - Lightningケーブルを使用することで18Wの大出力で高速充電が可能です。
また、QC3.0にも対応しているので、対応デバイスを約4倍速く充電できるほか、QC3.0対応の充電器ならバッテリー本体への充電も短時間で完了します。


大型ノートPC向け! PD100W出力&超大容量
27,000mAhという超大容量もさることながら、USB PDの出力が最大100Wというハイパワーなモバイルバッテリーです。
100Wと60Wの2つのUSB-Cポート(PD対応)と1つのUSB-Aポート(USB 3.0)の合計3つのポートを搭載し、100W側のUSB-Cポートを単独で使うことで、これまでのPD対応モバイルバッテリーでは高速充電が難しかった「MacBook Pro15インチ」(87W定格)などの大型ノートPCにもフルスピードで充電できます(対応ケーブルを使用した場合)。
また、USB-AポートはQuick Charge 3.0に対応し、同規格に対応したデバイスに18W出力で充電でき、最大3ポートで138Wの高出力に対応しています。さらに、バッテリー本体への蓄電もわずか1時間で完了します。MacBook Pro15インチのユーザーやPD対応デバイスを複数持っている人におすすめです。
「モバイルバッテリー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする モバイルバッテリーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのモバイルバッテリーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
急速充電対応モバイルバッテリーに関するQ&A よくある質問
バッテリーの寿命を長持ちさせる使い方を教えてください。

バッテリーの寿命を長持ちさせる方法は次の3つになります。
(1)充電が完了したらコンセントから抜きましょう。バッテリーをコンセントに挿したままにすると、バッテリーを劣化させる原因になります。
(2)バッテリー残量がゼロのまま放置すると「過放電」を起こしバッテリーの劣化につながります。バッテリー残量がゼロになる前に充電するようにしましょう。
(3)バッテリーにとって熱は大敵です。充電中にも熱が発生するため、なるべく充電中の操作は避けましょう。
モバイルバッテリーの処分方法について教えてください。

バッテリーの処分方法は次の3つになります。
(1)家電量販店の回収ボックスを活用する。
(2)携帯ショップで回収してもらう。
(3)リサイクルショップや買取業者に売却する。
急速充電対応のモバイルバッテリーに関するそのほかの記事 【関連記事】
急速充電対応のモバイルバッテリーの注意点 電脳系フリーライターからのアドバイス
電脳系フリーライター
18W PDではノートPCへの充電は厳しい
USB PD対応のモバイルバッテリーは、下位互換はあっても上位互換はありません。
たとえば45W以上の高出力タイプのもので18Wのスマホは充電できますが、18W出力どまりのモバイルバッテリーでノートPCを高速充電はできません(充電できた場合でもひじょうに時間がかかります)。ノートPCを充電したいなら、必要電力に応じたバッテリーを選びましょう。
なお、USB PDデバイスに充電する場合、ケーブルもUSB PDに対応している必要があります。USB PD対応のケーブルには3Aと5Aの2種類あり、スマホへの充電は3Aで問題なし、ノートPCへの充電なら5Aのものを選んだほうが安心です。
最大出力とポート数を確認して選びましょう
これまでの内容をうけ、急速充電対応のモバイルバッテリー選びの参考にはなりましたでしょうか。
おさらいですが、最大出力値とスマホの充電性能を確認し、「QuickCharge」や「USB PD」といった充電規格もしっかりチェックしましょう。そのうえで、容量やサイズ、必要なポート数など、自分が利用したい用途をちゃんと想定してから選ぶようにしましょう。
普段利用から災害対策の備えにまで利用できる、急速充電対応のモバイルバッテリー。あなたにぴったりの1台を探してみてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
1995年に初めてMacを購入して以来、アップル製品に魅せられ続けているフリーライター兼フォトグラファー。現在は月6本以上のライブをこなすシンガーソングライターとしても活動している。 1996年よりMac用新着ソフト情報サイト「新しもの好きのダウンロード」を主宰。 1997年よりMac関連雑誌に毎月20本以上はMacやiOSアプリの紹介記事を執筆。 決して「アップル信者」というわけではなく、魅力的ではない製品を認めたり、他人に勧めたりしないという冷静沈着な面もある。