急速充電対応のモバイルバッテリーとは スマートフォンやタブレット、ノートPCに

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スマートフォンやタブレット、電子タバコやノートPC、携帯ゲーム機までも使用でき、充電できるモバイルバッテリー。旅行や出張といった外出時や災害時でも手軽に充電できる便利なアイテムです。
モバイルバッテリーを選ぶ際、とても重要になってくるのは急速に充電できるかどうかです。急速充電対応のモバイルバッテリーとは、この急速充電に対応しているモバイルバッテリーのことを指します。
「急速充電」には明確な定義はありませんが、一般的には各スマホが受け入れられる上限まで高速に充電できる状態を急速充電としているようです。
また時間で見てみると、通常のモバイルバッテリーに比べ、約1.5倍以上の充電スピードを発揮するものが、「急速充電対応」といわれています。なかには2倍、3倍だけでなく、4倍とうたわれているものまで。スマートフォンであれば、速いもので1時間ほどで満タン充電にできるものもあります。
本記事では、そんな急速充電が可能なモバイルバッテリーの選び方とおすすめ商品を紹介いたします。
急速充電対応の見分け方や目安は? メリット・デメリット
モバイルバッテリーは種類がたくさんあり、選ぶときに迷う方も多いことでしょう。選ぶときのポイントは充電の速さで、それを可能にするのが急速充電対応のモバイルバッテリーです。
急速充電の見分け方として、 出力アンペアと充電時間について説明しましょう。
出力A(アンペア)をチェック
モバイルバッテリーでスマホを充電するときに電流が流れますが、それをA(アンペア)という単位で表します。急速充電対応の モバイルバッテリーを選ぶときは、アンペアをチェックしてください。
2Aぐらいになると急速充電ができますが、Androidユーザーは 「Quick charge」機能に注目。この機能があれば急速充電タイプのバッテリーです。
充電時間をチェック
通常のモバイルバッテリーと急速充電のものでは、 充電時間がおよそ1.4倍の違いがあります。電池残量0%のスマホの場合、通常のバッテリーを使うと1時間で50%充電。急速充電対応のものでは1時間で70%充電されます。
選ぶときは充電時間のチェックが大切ですが、急速充電対応モバイルバッテリーのメリット・デメリットを説明しておきましょう。
急速充電対応モバイルバッテリーのメリット
急速充電対応モバイルバッテリーのメリットは、まず スピーディーな充電が可能という点です。充電不足をうっかり忘れて慌てることはよくあります。そのような場合でも速く充電ができると、すぐにスマホを使えるようになります。
持ち運びができるというのも、急速充電対応モバイルバッテリーのメリットです。外出中に充電切れになっても、すぐに対応できます。移動中でもスピーディーに充電できるのはありがたいです。
急速充電対応モバイルバッテリーのデメリット
急速充電対応モバイルバッテリーのデメリットは、 本体が熱を持ちやすいという点でしょう。充電はバッテリーに化学反応を起こすことによりおこなわれます。本体が熱くなるのは、急速充電では化学反応が急速になるためです。
また、バッテリーへの負荷が高くなるので 劣化が早くなります。気をつけたいのは充電しながらスマホを使うこと。充電中は電源を切るようにしてください。
急速充電対応モバイルバッテリーの選び方 「QuickCharge」や「USB Power Delivery(PD)」に注目!
電脳系フリーライターの早川厚志さんへの取材のもと、急速充電対応のモバイルバッテリーのお選び方とおさえるべきポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください!
【1】最大出力値とスマホの充電性能を確認する
電脳系フリーライター
最大出力値をチェック
基本的にモバイルバッテリーの出力電流値(A)あるいは電力(W)の値が大きいほどスマホの充電時間は短くなります。ただし、バッテリー本体にUSBポートが複数ある場合、それらのポートを同時に使用するとポート単独での出力値は下がりますので、1つのデバイスを早く充電したい場合は、ポートごとの最大出力値が大きいものを選ぶとよいでしょう。
電脳系フリーライター
スマホ側の充電性能をチェック
なお、急速充電であるか否かは、スマホの充電性能によって変わってきます。たとえモバイルバッテリーのパッケージに「急速充電」と書かれていても、スマホの充電性能が低ければその真価を発揮できませんし、逆にスマホの充電性能が高い場合は決して急速とは言えません。
【2】「QuickCharge」などの充電規格に注目
電脳系フリーライター
急速充電にはいくつか規格があり、Androidデバイスの多くが「Quick Charge」(以下、QC)と呼ばれる急速充電規格に対応しています。QCには2.0や3.0といったバージョンがあり、数字が大きいほうが充電速度が向上しています。
たとえば、モバイルバッテリーとスマホ/タブレットがともにQC2.0に対応していれば、通常のUSB充電より約1.8倍高速に充電できますし、QC3.0対応なら通常の約4倍も高速に充電できます。なお、iPhoneやiPadはQC非対応なので、モバイルバッテリーがQC対応であっても通常の充電時間となります。
【3】「USB Power Delivery(PD)」の充電規格に注目
電脳系フリーライター
iPhone 8以降、あるいは最近発売された一部のAndroidスマホは、「USB PD」(USB Power Deliveryの略、以下PD)と呼ばれる充電規格に対応しています。PDは最大100W(20V/5A)の電力供給が可能で、さまざまなデバイスを高速に充電することが可能です。
10,000mAhクラスのPD対応モバイルバッテリーには、スマホの充電に適した最大出力18Wの製品が多いのですが、20,000mAhクラス以上のモバイルバッテリーなら最大出力27W〜60Wのものもあります。さらに、27,000mAhクラスになると最大100W出力に対応したモバイルバッテリーもありますので、ノートPCへの高速充電を求めている人はこうした製品を選ぶといいでしょう。
【4】そのほかの便利機能をお好みでチェック 容量・サイズ・ポート数
(a)使い勝手を考えて容量をチェック
容量もモバイルバッテリーを選ぶ際に大切なポイント。何回も急速充電ができたとしたら、とても便利です。チェックすべきポイントは単位。モバイルバッテリーの単位は「mAh(ミリアンペアアワー)」と表記され、この数字が大きいほど、充電容量が大きいことになります。
目安としては、10000mAhほどでiPhoneやAndroidを2~4回満タンにすることが可能。少なすぎても、自宅で本体を充電する必要がありますし、大きすぎても重くて持ち歩きに不便です。10000mAhを基準に重さなども考えながら、ピッタリの商品を選びましょう。
(b)持ち運びを考えてサイズをチェック
持ち運びやすさに関係するため、サイズもしっかり確認しましょう。バッグに入れても重くなく、持ち運びやすいものがベスト。容量が大きくなればなるほど、サイズも大きく、重くなりがちです。容量との兼ね合いを考えながら、ポケットに入る大きさなのか、バッグに常備する大きめのタイプなのか、最適なサイズを選んでください。
(c)複数充電のためのポート数をチェック
USBのケーブルなどを複数挿入できるポート数も確認しましょう。ポート数が多ければ多いほど、充電できるデバイスの数が増えますので、マルチデバイスの人は要チェックです。容量が少なめのモバイルバッテリーは1~2つのポート数を、容量が大きいモバイルバッテリーの場合は3~5つのポート数があれば、使い勝手はいいでしょう。
急速充電対応のモバイルバッテリーおすすめ12選 軽量や大容量モデル、人気のAnkerなど!
ここまでに紹介した急速充電対応モバイルバッテリーの選び方のポイントをふまえて、電脳系フリーライターの早川厚志さんに選んでもらったおすすめ商品と編集部が厳選した商品を紹介します。
軽量で薄いタイプのものから、20000mAhサイズの大容量クラスまで、自分に合ったものをチェックしてみてください。

SUNVALLEY『RAVPower 10000mAh モバイルバッテリー QC(RP-PB077)』


















出典:Amazon
容量 | 10000mAh |
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入力ポート | - |
出力ポート | - |
最大出力 | 18W |
本体サイズ | 約146×72×16mm |
カラー | ホワイト、ブラック |
重さ | 約193g |

Charmast『10400mAh Mini Power Bank(W1052)』














出典:Amazon
容量 | 10400mAh |
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入力ポート | Micro USB、Type-C(PD3.0) |
出力ポート | USB 1/2(QC3.0)×2、Type-C(PD/QC3.0) |
最大出力 | 18W |
本体サイズ | 90.5×62×22.2mm |
カラー | ブラック |
重さ | 187g |
PD&QC3.0対応でありながら超コンパクト
タバコの箱と同等のコンパクトサイズでありながら、USB PD(18W)とQuick Charge 3.0に対応した、容量10,400mAhのバッテリーです。
iPhone 8以降なら、MFi認証(Made for iPod・iPhone・iPad:Appleが定める性能基準を満たした証)を受けたUSB-C - Lightningケーブルを使用することで18Wの大出力で高速充電が可能です。
また、QC3.0にも対応しているので、対応デバイスを約4倍速く充電できるほか、QC3.0対応の充電器ならバッテリー本体への充電も短時間で完了します。

Anker『PowerCore+ 19000 PD』


















出典:Amazon
容量 | 19200mAh |
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入力ポート | USB-C(PD対応) |
出力ポート | USB-C(PD対応)、PowerIQ 1.0/2.0 |
最大出力 | 27W |
本体サイズ | 約169×77×22mm |
カラー | グレー |
重さ | 426g |

SUNVALLEY『RAVPower モバイルバッテリー(RP-PB159)』
















出典:Amazon
容量 | 20100mAh |
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入力ポート | Micro USB×1(QC対応)、USB-C×1(PD対応) |
出力ポート | USB-A×1、USB-C×1 |
最大出力 | 45W |
本体サイズ | 約160×78.5×23mm |
カラー | ブラック |
重さ | 400g |

Earth Ship『Less is more Mighty 100』
















出典:Amazon
容量 | 27000mAh |
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入力ポート | USB-C(PD3.0) |
出力ポート | USB-C×2(PD3.0)、USB-A(QC3.0)×1 |
最大出力 | 100W |
本体サイズ | 183×85×21mm |
カラー | シルバー |
重さ | 620g |
大型ノートPC向け! PD100W出力&超大容量
27,000mAhという超大容量もさることながら、USB PDの出力が最大100Wというハイパワーなモバイルバッテリーです。
100Wと60Wの2つのUSB-Cポート(PD対応)と1つのUSB-Aポート(USB 3.0)の合計3つのポートを搭載し、100W側のUSB-Cポートを単独で使うことで、これまでのPD対応モバイルバッテリーでは高速充電が難しかった「MacBook Pro15インチ」(87W定格)などの大型ノートPCにもフルスピードで充電できます(対応ケーブルを使用した場合)。
また、USB-AポートはQuick Charge 3.0に対応し、同規格に対応したデバイスに18W出力で充電でき、最大3ポートで138Wの高出力に対応しています。さらに、バッテリー本体への蓄電もわずか1時間で完了します。MacBook Pro15インチのユーザーやPD対応デバイスを複数持っている人におすすめです。
KYOKA『モバイルバッテリー 30000mAh』


















出典:Amazon
容量 | 30000mAh |
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入力ポート | Lightning 5V/2.1A(Max)、Micro USB 5V/2.1A(Max) |
出力ポート | ライトニング、Type-C、MicroUSB、USB:USB 5V/2.1A(Max) |
最大出力 | 111W |
本体サイズ | 145×68×30mm |
カラー | - |
重さ | 約391g |
FITROM『モバイルバッテリー 25000 mAh』














出典:Amazon
容量 | 25000mAh |
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入力ポート | Type-C |
出力ポート | Type-C、USBポート×2 |
最大出力 | 18W |
本体サイズ | 15 x 7.5 x1.5 cm |
カラー | - |
重さ | 約365g |
Anker『PowerCore II 10000(A1230)』














出典:Amazon
容量 | 10000mAh |
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入力ポート | Micro USB |
出力ポート | USB-A(PowerIQ2.0)×1 |
最大出力 | 18W |
本体サイズ | 約96×62×22mm |
カラー | ブラック、ホワイト |
重さ | 約195g |
maxell(マクセル)『モバイル充電バッテリー(MPC-CW10000P)』

出典:Amazon
容量 | 10050mAh |
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入力ポート | Micro USB |
出力ポート | USB-A×2 |
最大出力 | 15W(2口合計) |
本体サイズ | 63.5×96×22mm(突起部を除く) |
カラー | ブラック、ホワイト |
重さ | 約180g |
Poweradd『モバイルバッテリー 20000mAh(Pilot X7)』


















出典:Amazon
容量 | 20000mAh |
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入力ポート | Micro USB |
出力ポート | USB-A×2 |
最大出力 | 17W(合計最大値) |
本体サイズ | 152×80×21.5mm |
カラー | ブラック+レッド、ブルー+ホワイト |
重さ | 366g |
TSUNEO『モバイルバッテリー 10000mAh(PB-01)』
















出典:Amazon
容量 | 10000mAh |
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入力ポート | Micro USB、Lightning、Type-C |
出力ポート | USB-A×2、Micro USB×1、Lightning×1 |
最大出力 | 12W |
本体サイズ | 135×70 ×12.8mm |
カラー | ブラック |
重さ | 198 g |
Philips(フィリップス)『モバイルバッテリー ACアダプター付き 20000mAh(DLP8720C)』














出典:Amazon
容量 | 20000mAh |
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入力ポート | Type-C(USB PD) |
出力ポート | USB-A(QC3.0)×2、Type-C(PD/QC3.0) |
最大出力 | 15W |
本体サイズ | 153×78×23mm |
カラー | ブラック |
重さ | 400g |
「モバイルバッテリー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする モバイルバッテリーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのモバイルバッテリーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
急速充電対応のモバイルバッテリーの注意点 電脳系フリーライターからのアドバイス
電脳系フリーライター
18W PDではノートPCへの充電は厳しい
USB PD対応のモバイルバッテリーは、下位互換はあっても上位互換はありません。
たとえば45W以上の高出力タイプのもので18Wのスマホは充電できますが、18W出力どまりのモバイルバッテリーでノートPCを高速充電はできません(充電できた場合でもひじょうに時間がかかります)。ノートPCを充電したいなら、必要電力に応じたバッテリーを選びましょう。
なお、USB PDデバイスに充電する場合、ケーブルもUSB PDに対応している必要があります。USB PD対応のケーブルには3Aと5Aの2種類あり、スマホへの充電は3Aで問題なし、ノートPCへの充電なら5Aのものを選んだほうが安心です。
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モバイルバッテリー全般についてはこちら
モバイルバッテリーは外出時にひとつもっていると安心のアイテムです。容量や性能、形状、急速充電対応など、考慮すべきポイントがいくつかあります。
ノートパソコン向けモバイルバッテリーの記事はこちら
外出先でノートパソコンの充電が切れてしまうと、資料や報告書などを作成できなかったり、顧客へのプレゼンができなかったりと、仕事にさまざまな影響がでてしまいます。そんなときに便利なのがノートパソコンにも使えるモバイルバッテリーです。
Ankerのモバイルバッテリーの記事はこちら
本記事では、電脳系フリーライターの早川厚志さんへの取材をもとに、Ankerモバイルバッテリーを選ぶときのポイントとおすすめ商品をご紹介します。Ankerのモバイルバッテリーは品質やデザイン性、技術、コストパフォーマンスなどにすぐれており、購入後のサポートが充実しているのも特徴です。
大容量モバイルバッテリーはこちら!
複数のデバイスを充電したり、泊まりがけの旅行やキャンプに持っていったり、家族や友人と一緒に使うときなどには、大容量のモバイルバッテリーがあると安心です。
まとめ
これまでの内容をうけ、急速充電対応のモバイルバッテリー選びの参考にはなりましたでしょうか。
おさらいですが、最大出力値とスマホの充電性能を確認し、「QuickCharge」や「USB PD」といった充電規格もしっかりチェックしましょう。そのうえで、容量やサイズ、必要なポート数など、自分が利用したい用途をちゃんと想定してから選ぶようにしましょう。
普段利用から災害対策の備えにまで利用できる、急速充電対応のモバイルバッテリー。あなたにぴったりの1台を探してみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/2/2 コンテンツを追加更新しました(協力:マグスター 掲載:マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
1995年に初めてMacを購入して以来、アップル製品に魅せられ続けているフリーライター兼フォトグラファー。現在は月6本以上のライブをこなすシンガーソングライターとしても活動している。 1996年よりMac用新着ソフト情報サイト「新しもの好きのダウンロード」を主宰。 1997年よりMac関連雑誌に毎月20本以上はMacやiOSアプリの紹介記事を執筆。 決して「アップル信者」というわけではなく、魅力的ではない製品を認めたり、他人に勧めたりしないという冷静沈着な面もある。