ISOFIX(アイソフィックス)とは?
ISOFIX(アイソフィックス)とは、ISO(国際標準化機構)で定められたチャイルドシートの固定方法の規格です。チャイルドシートを車側の金具にカチッと差し込むだけで固定できる取り付けることができです。
車側のISOFIX金具は2012年以降発売の日本車・欧州車には全車標準装備となり、ISOFIX金具が装着されています。車側のISOFIX金具は位置がわかりにくい場合がありますが、基本はどの車も後部座席の左右両方、背もたれと座席の座面(腰の下のほうが当たる部分)の間に手を入れると、2カ所に金具があります。
近年はISOFIX対応チャイルドシートの種類も増え、価格も下がってきていることから支持が高まっています。ほとんどの車にはISOFIXのタグがついているはずです。購入の際には、必ず車種適合を確認してください。
ISOFIX対応チャイルドシートの選び方 ~公認チャイルドシート指導員が教えます~
公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに取材した、「どんな点に注意してISOFIX対応のチャイルドシートを選んだらいいか」をご紹介します。
対象年齢をチェック! 初めて買うなら新生児用を選ぶ

出典:マイナビおすすめナビ

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チャイルドシートは、6歳未満の子どもを対象に装着が義務づけられています。新生児から1歳ごろまでは「ベビーシート」、1~4歳ころは「チャイルドシート」、4~12歳ごろ向けは「ジュニアシート」とも呼ばれます。
はじめてチャイルドシートを購入する場合は、新生児から使える商品を選びましょう。このときに、1歳ごろまで使えるベビーシートか、4歳までの乳幼児兼用シートか、4歳以降も使えるジュニアシート兼用タイプにするかを決めましょう。
0歳から使えて、さらに7歳以降も使えるシートなら買い替えの必要がありませんが、それぞれの年齢に合わせてチャイルドシートを買い替えるのも、ひとつの方法です。
固定方法で選ぶ
ISOFIX対応のチャイルドシートを車に固定するときには、ISOFIXでのみ装着可能な商品、専用のベースを使う商品、シートベルトとISOFIXの両方が可能な商品があります。
シートベルト固定もできるタイプ
現在、販売されているISOFIX対応チャイルドシートの多くはシートベルト装着も可能となっていますが、なかにはISOFIXでのみ装着可能なシートもあります。
家の車につけるときはISOFIX専用で問題ないかもしれませんが、たとえば車の修理や車検で代車を使うようなときには、その代車にISOFIXの金具が備わっていないケースも考えられます。
どんな車でも3点式ベルトさえついていれば装着ができるよう、ベルト固定とISOFIX固定、両方装着ができるチャイルドシートが安心です。
ISOFIXベースを使って固定できるタイプ
ISOFIXで固定するチャイルドシートのなかには、専用のベースを使って固定する商品があります。
4~5WAYで使える乳児専用チャイルドシートは、ベビーキャリーとして赤ちゃんをシートに乗せたまま移動したり、ベビーカーにドッキングして使うなど、取り外すことも多いでしょう。その場合、別売りのISOFIXベースは常時、車に装着しておいて使うほうが便利です。ISOFIXベースを使わない場合はベルト固定になります。
またこれらのISOFIXベースは幼児用、学童用のシートも兼用できるようになっています。
安全基準を満たした「Eマーク」がついている商品を選ぶ
欧州の厳しい安全基準をクリアしている製品には「Eマーク」がついています。日本が欧州の基準を取り入れる前の基準を満たしている製品についているのが「自マーク」です。
「自マーク」でも安全基準は満たしてはいますが、Eマークよりは基準は緩めなので、できるだけEマークがついているチャイルドシートを選びましょう。
便利な機能に注目して選ぶ
チャイルドシートに搭載されている機能にも注目すると、快適に使えます。
向きを変えられる「回転式」
扉の方向にシートの向きを変えられるタイプを選べば、車への乗り降りがカンタンになります。小さな赤ちゃんを抱っこしながら乗せるときも、回転タイプなら車内に身を乗り入れることなくハーネスの装着ができます。
回転タイプのチャイルドシートは重量がありサイズも大きいので、車内が狭くならないかどうかはきちんとチェックしてください。
長時間でも快適な「リクライニング機能」
リクライニング機能があるチャイルドシートなら、子どもが寝てしまったときなども姿勢に合わせて角度を変えられるので、子どもも快適に過ごせます。通気性やクッション性もチェックしておくと、快適度がさらによくなるでしょう。
ただし、チャイルドシートを取りつけたあとでは角度が変えられないタイプもあるので、購入前に確認してください。
お手入れのしやすさもチェック
チャイルドシートは子どもが使うので、飲み物や食べ物などで汚れがちです。汗やよだれなども汚れの原因になります。そんな汚れやすいチャイルドシートを衛生的に使うためにも、お手入れのしやすいタイプを選びたいところです。
チャイルドシートのなかには、カバーをはずして丸洗いできるものや、素早く汗を吸い取れる素材が使われているタイプもあるのでチェックしてみましょう。
ISOFIXでも、アメリカ基準のチャイルドシートは要注意
まれにアメリカ基準のISOFIXタイプのチャイルドシートが販売されていることがあります。アメリカの安全基準(FMVSS 213規格)のISOFIXタイプは、固定方法が全く異なり、日本車や欧州車には使えないケースがあります。なかにはベルト固定に対応しているシートもありますが、よく検討してから購入したほうがよいでしょう。
ISOFIX対応チャイルドシートのおすすめ11選 ISOFIXとシートベルト固定兼用タイプも!
ここからは自動車生活ジャーナリストで公認チャイルドシート指導員の加藤さんと編集部おすすめのISOFIX対応チャイルドシートを紹介していきます!
【先輩ママの口コミ】
産院を退院するときから「必須のグッズだから早く買わなきゃ」と思いながらも、どれも高額なので軽い気持ちでは購入できず……。かなり迷った末にこちらを購入。いちばんの魅力は、コンパクトカーに設置しても、隣に親が座れるくらい余裕があることです。大型ワゴンを運転できない私にとっては、車内空間を有効に使えて助かっています。(Tさん/1歳女の子)
新安全基準R129に適合、横からの衝撃も軽減
新安全基準R129(i-Size)に適合したISOFIX対応のチャイルドシート。その特徴のひとつは、前後だけでなく側面からの衝撃も強化されていることです。たとえば両サイドの頑丈なプロテクター「サイドシードル」やヘルメットのような構造のクッションが未熟な体を衝撃から守ります。
身長40~70cmでは「横向きベッド」、身長60cmかつ首すわり~87cmでは「後向きシート」、身長76cmかつ月齢15カ月以上~100cm、体重17.5kg以下では「前向きシート」として、3ステップで使用が可能です。
フットステップをはじめ独自の装備が魅力
ベッド型にならないイス型回転シートです。1台でISOFIXとシートベルトのどちらでも取り付けができます。
後ろ向きの乳児用として使う際には内角130°のゆったりとした角度で赤ちゃんの自由な姿勢をキープ。
幼児用として前向き使用時に使えるフットステップがとても便利です。姿勢が安定し、車のシートを靴で汚すこともありません。面倒な肩ベルトの高さ調整も、ヘッドサポートと肩ハーネスの連動によって正面からひとつのレバー操作だけで7段階の高さ調節ができます。
かんたん操作! 回転やリクライニングが指1本で!
コンビの「クルムーヴ スマート」シリーズのベーシックモデル。ISOFIX固定のみになります。
赤ちゃんやママにやさしいかんたん操作が特徴。シートを回転させたり、3段階リクライニングの切り替えの操作が指1本でできます。
赤ちゃんの頭を守るヘッドガードやヘッドクッション、通気性を高めた構造なども充実。
ISOFIX、回転式で機能性が高いのに安い!
R129(ヨーロッパ安全基準)適合のチャイルドシート。『i-Arc360°』は、ISOFIX+回転機能にくわえて、6段階調節可能なヘッドレスト(肩ベルト)もかんたんに調整可能。コンパクトサイズなので軽自動車やコンパクトカーでの装着もストレスがありません。
また、最大の特徴は4歳ごろまで後ろ向きでの使用が可能ということ。チャイルドシートはできるだけ後ろ向きで使うことが安全とされていますので、長い期間、両方向で使える仕様はとても貴重です。
ISOFIX、回転式でコンパクトサイズ!
確実に取り付けられるISOFIX固定で、使いやすさと心地よさも追求したモデル。360°回転するシートながらコンパクトサイズで、小さな車に設置しても車内の圧迫感が少なくなっています。
回転させるのは指一本で操作できるので抱っこしたままでも操作が可能。シートのリクライニング調節も指一本で操作できて便利です。
回転式では日本初!新安全基準クリア
アップリカの『クルリラ プラス』は、国内で販売されている回転式チャイルドシートの中で、初めてR129に合格したISOFIXチャイルドシートです。
頭部には「マシュマロGキャッチ」という独自の衝撃吸収素材を使用。植木鉢を落としても割れないほどの衝撃吸収力で、赤ちゃんの頭をやさしくつつみ込みます。
新生児~12歳ごろまでのロングユースタイプ
新生児から12歳ごろまで長く使うことができるので、買い換えのことを考えなくてもいいチャイルドシート。ISOFIX固定とシートベルト固定両方使えるタイプです。回転式で赤ちゃんの乗せおろしもラク。
実売価格で2万円台というリーズナブルな価格帯ながら、機能性もとても高いのでコストパフォーマンスも抜群のチャイルドシートとなっています。

マグネットタイプのバックルで使い勝手が素晴らしい
側面衝突にそなえた「エアパッド」は、側面衝突時にパッド内部の空気を逃がしながら効果的に衝撃エネルギーを吸収するタカタ独自の機能。
肩(ハーネス)は、成長にあわせてベストな位置に調整できます。扱いやすさも素晴らしく、マグネットつきタングはタング同士を近づけるだけでピタッと装着。バックルに差し込むときも片手でOK。シートベルトを扱っていたタカタだからこその機能です。
Maxi-Cosi(マキシコシ)『Pearl Pro 2 i-size』
より安全性が高くなる後ろ向きが4歳頃まで!
安全基準R129適合で、より安全性が高くなる後ろ向き取り付けで4歳頃まで使用できる機種。別売りのISOFIXベースを使って固定します。
チャイルドシートでの乗せ降ろし時はハーネスがピタッと立ち上がるので、ハーネスが邪魔!というストレスが軽減されます。ヘッドレストを操作すると肩ベルトも連動して動くので、子どもの成長にあわせてかんたんに調節することができます。
ジョイソン・セイフティ・システムズ『チャイルドガード1.0』
側面衝突に強いダブルエアパッド
チャイルドシートは横から衝撃がくわわると、座面にダイレクトにダメージを受けます。『チャイルドガード1.0』は、頭部にエアパッドを2枚使用することで側面からの衝撃を吸収。子どものやわらかい頭をしっかり守ります。
ハーネスにはシートベルトメーカーならではの工夫がされてあり、ハーネスのタング部分にはマグネットを内蔵し、片手での脱着操作を可能にしました。使わないときにはシート側面にタングを固定してハーネスがたれ下がるのを防ぎます。間違った使い方を防止するため、ISOFIXのコネクター部分は確実にロックされると赤から緑へとかわります。初めて付ける人にもわかりやすい表示が便利です。

ハンドル調整とボタン一つで簡単脱着
メルセデス・ベンツをはじめ、多くの自動車メーカーが純正品として採用する乳児専用のシートベルト固定、ISOFIX対応(別売りの専用ベースが必要)の定番チャイルドシートです。
脱着はかんたんで、ベビーキャリーやロッキングチェアとして使えるほか、専用のアダプターを装着したベビーカー(エアバギーなど)にドッキングして使用することが可能です。
ヘッドレストや肩ベルトの位置はワンタッチで調整可能。ヘッドレストと連動して背もたれの角度がゆるやかになり、新生児の姿勢が楽になるように設計されています。ハンドル調整・ベビーカーからの脱着がハンドルのボタン操作ひとつで可能なので扱いもかんたん。
ISOFIX対応ジュニアシートおすすめ2選
こちらは1歳から11歳ごろまで1台のシートで長く使えるISOFIXシートです。成長にあわせてレバーひとつでヘッドサポートや肩ベルトの高さだけでなく横幅の調節もOK。ジュニアシートとして使う場合も、より安全性が高い背もたれとヘッドサポートがついた状態で使える希少なシートです。
チャイルドシート本体の上部にあるベルトを、車についているテザーアンカーに引っかけて、締めて固定するトップテザー形式なのでサポートレッグが邪魔にならず、2列目がスライドできるシートでも使い勝手が良好です。
成長に合わせたサイズ調整でロングユース
1歳から11歳ごろまで1台のシートで長く使えるISOFIX固定のチャイルド&ジュニアシートです。成長にあわせてレバーひとつでヘッドサポートや肩ベルトの高さだけでなく横幅の調節もOK。
ジュニアシートとして使う場合も、より安全性が高い背もたれとヘッドサポートがついた状態で使えるのが大きな特徴です。
チャイルドシート本体の上部にあるベルトを、車についているテザーアンカーに引っかけて締めて固定するトップテザー形式です。サポートレッグが邪魔にならず、2列目がスライドできるシートでも使い勝手がいいですよ。
安全性だけでなく、ママ&パパのことも考えた設計
座面が低い安心の低重心設計に加え、肩ハーネス跳ね上げ機構と相まって乗せ降ろしがしやすいシートです。
1~11歳頃まで使用可能で、ISOFIXでの取り付けのほかシートベルトでの固定も可能(ISOFIXコネクタは収納できます)。背もたれナシのブースターシートはシートベルトを使って固定しますが、身長125cm、体重22kgを超えてからの使用が義務付けられています。
おすすめ商品の比較一覧表 ISOFIX対応チャイルドシート
ISOFIX固定のチャイルドシートの取り付け方 取扱説明書もしっかりチェックしよう
ISOFIX対応チャイルドシートは、車についているISOFIXの金具にチャイルドシート側のISOFIX金具をはめ込んで装着します。金具をガチャッとはめ込むだけなので、シートベルトでの固定よりもはるかにかんたんで、確実な取り付けができます。
ISOFIXベースが必要な商品など、商品のタイプによって違いもあるので、取り扱い説明書やメーカー公式サイトの動画などを確認しましょう。
これから買うならISOFIXがおすすめ 公認チャイルドシート指導員がアドバイス
チャイルドシートの固定方法にはISOFIXと車用シートベルトでの固定のふたつの方法があります。先にご説明したように、近年はISOFIXシートの支持が急激に高まっています。ISOFIXはベルト固定に比べて誰でもかんたんに確実な装着ができますので安全性も格段に高くなりますよ。
ISOFIXで固定した場合も、チャイルドシートのハーネスをしっかりしめる(指2本入るくらい)ことが重要。ユルユルだと、急ブレーキ程度の衝撃でも赤ちゃんがハーネスの間から抜け出て転げ落ち、大けがをすることもありますので注意しましょう。
そのほかのチャイルドシート関連アイテムはこちら
ISOFIXを正しく取り付けてドライブを楽しもう!
どんなに注意して運転していても、事故に巻き込まれてしまうことがあります。そんな万が一のときに、大切なお子さんを守るためのチャイルドシート。小さなお子さんがいる車生活に、取り付けが確実でかんたんなISOFIXチャイルドシートは安心です。
11歳ごろまで使えるロングユースタイプから360°回転のタイプなど、自家用車の利用に合わせた使い方をぜひ比較検討してみてください。ISOFIXチャイルドシートで家族のお出かけを楽しみましょう。
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