「R129(i-Size)」とは?
「R129(i-Size)」は、チャイルドシートに関わる最新の安全基準です。従来の安全基準は「R44」です。
「R44」と違って、「R129(i-Size)」は、
●15カ月未満まではチャイルドシートを後ろ向きで装着する
●使用できる時期を「体重」基準から「身長」を基準にする
などです(そのほか、製品の衝突試験の項目にも違いがあります)。
衝突事故の際、後ろ向きシートと前向きシートでは、後ろ向きのほうがチャイルドシートのシェルで背中側から衝撃を分散することが可能。そのため、後ろ向きで使うほうが衝突安全性が高いという結果が出ています。
R129(i-Size)チャイルドシートの選び方 公認チャイルドシート指導員が解説
公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに、R129(i-Size)対応チャイルドシートを選ぶときのポイントを教えてもらいました。新しい安全基準R129(i-Size)対応の商品を選ぶうえで、覚えておきたいポイントをおさえておきましょう。
「体重」ではなく「身長」の基準をチェックする
前述の通り、チャイルドシート最新の安全基準である「R129(i-Size)」とこれまでの安全基準「R44」とのおもな違いは、子どもの体格の目安がこれまでの体重から身長に変わることです。
チャイルドシートを紹介するスペックの部分に、適合身長「身長40~83cm」などのように書いてあれば、それはR129に適合したチャイルドシートであることを意味します。お子さまの身長に適したチャイルドシートを選ぶようにしましょう。
後ろ向きで使用できる期間をチェックして選ぶ
R129(i-Size)では、後ろ向きに設置する乳児用シートの使用を生後15カ月まで義務づけています。
R129(i-Size)に適合している乳児用チャイルドシートは、使用期間が「0~15カ月」と書かれています。もちろん、15カ月をすぎても適合身長を超えるまでは後ろ向きで使用したほうが安全です。
安全先進国の欧州製シートのなかには4歳まで後ろ向きで使えるシートも。長く後ろ向きで使いたい方は、対象年齢もチェックしておきましょう。
前向きで使えるようになる「身長」と月齢(生後15カ月以上)になってから、何歳まで使用できるかも確認しておきましょう。身長100cm前後(4歳頃)まで使用できる商品が多いですよ。
欧州メーカーか国内メーカーかで選ぶ
現在のところ、日本国内で流通しているR129(i-Size)の安全基準を満たしたチャイルドシートは、欧州メーカー製のものが主流です。マキシコシ、ブリタックスレーマー、サイベックスのISOFIX乳児用シートは、新しいものはすべてR129(i-Size)に適合しています。
日本のメーカーではアップリカ、コンビ、リーマンなどから発売されています。また、ホンダなど一部自動車メーカー純正のチャイルドシートでR129(i-Size)基準に適合したものがあります。
R129対応チャイルドシートおすすめ9選 コンビやアップリカ、回転式など厳選してご紹介
うえで紹介したR129(i-Size)対応チャイルドシートの選び方のポイントをふまえて、公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに選んでもらったおすすめ商品と編集部セレクト商品を紹介します。

確実な装着が確認できるインジケーターを新採用
サイベックスは先進のテクノロジーと高いデザイン性をあわせ持つことで人気のブランドです。
『シローナS i-Size』は『シローナ』の後継機種で、最新安全基準R129(i-Size)(UN R129/02)に準拠しています。
ISOFIX対応なので脱着はかんたんに行なえますが、さらに同製品には新たに見えやすい場所にインジケーターが搭載され、より安心で確実な装着が可能。お子さんと車で出かける機会が多いご家庭など、スピーディーで正確な着脱を求める方におすすめです。
日本製でラクに乗せられる回転式
R129基準で、乗せ降ろしがラクな回転機能を求めている方におすすめのチャイルドシート。
シートの両サイドにワンタッチ操作で回転ができるボタンがあり、赤ちゃんを抱っこしながら乗せたり降ろしたりがしやすいです。一般的に回転式は座面が高くなりがちですが、このチャイルドシートは低座面・低重心の設計で、より乗せ降ろしがしやすくなっています。
赤ちゃんが呼吸しやすい姿勢になるようなシートパッドにも工夫がされています。

4歳ごろまで後ろ向きで使える
こちらの製品は、乳児・幼児兼用タイプの国産R129(i-Size)チャイルドシートとしては、はじめて4歳ごろ(身長100cm)まで後ろ向きで使うことを可能にした非常に安全性の高いシート。
R129(i-Size)の安全基準に合わせて側面衝突(ドア側から衝撃を受けた場合の安全試験)にも対応した「3層構造のサイドプロテクション」や「エアプロテクター」も新たに採用されています。
衝撃吸収性にこだわったR129(i-Size)対応チャイルドシートを求める人におすすめです。
「重くて取り付けづらい」を解消! 簡単取り付け
チャイルドシートは本体重量が重いものが多く、取り付けが大変という悩みを解消してくれるのが、「ラクラク取付 セパレート構造」。チャイルドシートのベース部分とシート部分に分かれていて、ベース、シートの取り付けがかんたん。
ベースとシートは難しい操作がいらずにしっかりと固定されるので、新米ママ・パパも安心です。
コンビ独自の衝撃吸収素材「エッグショック」で赤ちゃんを衝撃から守ってくれます。
平らなベッド状態で赤ちゃんの呼吸をサポート
フラットなベッド状態で赤ちゃんを固定し、乗せられるチャイルドシートです。低月齢の腹式呼吸の赤ちゃんも快適に過ごせます。
両サイドにサイドシールド、全身マモールクッションを装備し衝撃から赤ちゃんを守ります。後ろ向きシート、前向きシートと赤ちゃんや子どもの成長に合わせて3ステップで長く使えます。
操作しやすい集中インジケーター付き
360度回転できて赤ちゃんの乗せ降ろしがかんたんにできるチャイルドシートです。回転レバーは両側にあるため、ドアの方向を選ばずに使えます。
ISOFIX固定やサポートレッグ、回転などが正常に作動しているときには、緑のランプが点灯する集中インジケーターが付いています。すべての作業を一か所で管理できるため、チャイルドシートの取り付けや乗せ降ろしに慣れていないときにも便利です。

安全性と人間工学に基づいた完ぺきな姿勢を実現
世界トップクラスの安全性と使いやすさを誇るブリタックスレーマーのR129(i-Size)チャイルドシートです。後ろ向き専用で身長83cmまで使用可能。より安全により快適に使える装備を満載しており、たとえばヘッドレストの高さ調整と同時に、肩ベルトの位置と背もたれの角度が最適な状態に動きます。
お子さんの体が小さいときにはよりフラットに、成長するにつれて直立姿勢に近づく仕様となっています。別売りの『FLEX BASE』を使ってISOFIXの固定が可能です。ベースなしで単体でのシートベルト固定にも対応しているので、ISOFIX金具がついていない少し古い車など幅広い車種に適合します。乳幼児期のお子さんを車に乗せるうえで、高い安全性を求める方におすすめです。
安全性に加えて、乗せ降ろしのしやすさも抜群
側面衝突時の頭頸部(とうけいぶ)の安全性をより強化するため衝撃吸収素材を採用するなど、R129(i-Size)で求められる側面衝突対応をさらに強化しています。また、インナークッション「ハグインレイ」を内蔵。フィット感を高めるなど、乗り心地のよさにも配慮しています。
マキシコシといえば、子どもの乗せ降ろしのしやすさが魅力のメーカー。「ウィングハーネス」と「スプリングクロッチ」が赤ちゃんを乗せる際に、邪魔になる肩ベルトと股バックルを立ち上げるので、ストレスなく赤ちゃんを乗せることができます。

R129(i-Size)初の360度回転シート
『クラウド Q』の後継機となる『クラウドZ i-Size』は、回転可能なベビーシートです。高い安全性と乗せ降ろしのスムーズさを両立させています。
トラベルシステムにも対応しているので、指定ベビーカーにドッキングして使ったり、ベビーキャリーやロッキングチェアとして多様に使うことが可能。チャイルドシート以外にあらゆる用途で使えるアイテムを探している方におすすめです。
また、『クラウド Q』に比べてシートカバーはより高級感のある素材を採用したことで、さらにスタイリッシュなビジュアルを実現しています。
「R129(i-Size)チャイルドシート」のおすすめ商品の比較一覧表
機能面だけでなく正しい使用方法を理解することが大事 公認チャイルドシート指導員からアドバイス
欧州最新安全基準R129(i-Size)に適合したチャイルドシートは今後、日本メーカーを含めて、どんどん増えてくることが予想されます。R129(i-Size)は高い安全性が魅力ですが、大事なことは子どもの体にあったチャイルドシートを正しい向き、確実な取りつけで使うことです。
シート自体が先進の安全性をマークしていても、使い方を間違ったりハーネスがゆるかったりすれば、万が一の事故の際に子どもの命を守れない危険性もじゅうぶんにあります。
子どもの成長に合ったチャイルドシートを選ぶことはもちろん、正しい使い方をしっかり理解したうえで使用するようにしましょう。
【関連記事】回転式のチャイルドシートもチェック
チャイルドシートはレンタルも選択肢にしよう
できれば購入したいけど、ほかにもたくさんの赤ちゃんグッズをそろえなければならないママやパパにとっては優先順位をつけてベビーグッズを購入していきたいですよね。
チャイルドシートは、ベビーグッズの中でも高額な商品が多くなっています。気になる商品があるけど使いやすいかどうか不安な方や実際に使用して試してみたい方はレンタルをしてみるのもおすすめ。
また、レンタルなら使わなくなったときの処分の手間がかからないというメリットもあります。
これからチャイルドシートを買うならR129
欧州最新安全基準R129(i-Size)のチャイルドシートの選び方、おすすめ商品をご紹介してきました。
赤ちゃんの命を守るために、車に乗せるときにはチャイルドシートを装着する義務があります。これから生まれる赤ちゃんのために新しくチャイルドシートを購入するなら、最新安全基準R129(i-Size)がおすすめです。
日本メーカーや日本製のR129製品も少しずつ増えてきました。回転式かどうか、座面の高さ、乗せ降ろしのしやすさなど、以前よりも商品選びの選択肢が広がっています。
後ろ向きで乗せられる期間や赤ちゃんを守るシートの特徴、快適性などの点から、いろいろな商品を比較して、ベストなチャイルドシートを選んでくださいね!
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下関市出身 大学在学中に車に目覚め、大学時代は神奈川県内のトヨタディーラーで納車引き取りのアルバイトを経験。大学卒業後、日刊自動車新聞社に編集記者として入社。 1989年FIA 公認のクロスカントリーラリー「オーストラリアン・サファリ」に出場。 1995年会社を辞めてフリーランスの道へ。 1999-2000日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。 2000年に第一子出産後、妊婦のシートベルト着用を推進する会を立ち上げ、チャイルドシートと共に胎児と赤ちゃんの命を守る啓発活動を展開している。 月刊誌『MONOQLO』(晋遊舎)、All About、citrus、オートックワン、乗りものニュース、くるまのニュース、JAFMATEなどに自動車生活関連(運転マナー、車の税金、維持費、メンテナンス、カスタム、海外車事情など)の記事を年間300本以上寄稿している。 また、(一財)日本交通安全教育普及協会公認チャイルドシート指導員としてチャイルドシートの正しい装着や子連れドライブの楽しみ方と危険回避に関する講演、啓発活動なども積極的に行っている。