「ベルギービール」のおすすめ商品の比較一覧表
ベルギービールは伝統に縛られない自由な味が魅力!
ドイツ、フランス、オランダに隣接するベルギーは、四国の約1.5倍程度の国土に200近いビールの醸造所があり、1000種類以上の銘柄のビールが造られています。
ブドウが採れない土地柄のため、中世からビール造りに知恵や創意工夫を凝らし多様なビールを生み出したベルギー。歴史的にも隣接する大国との軋轢(あつれき)を避けるため、相手を尊重して干渉しないことに徹してきたことで、良い意味で個性が自由に存在する場所となりました。
製造方法も多岐にわたり、ベルギービールだけで800種類以上のものがあります。ビールの種類や銘柄によって専用のグラスで飲むのもベルギービールの魅力です。またビールの銘柄ごとにいろいろなデザインが楽しめます。
毎年大人気のベルギービールウィークエンド
ベルギーでは毎年9月の第一週末にストブリュッセルの広場で、ベルギービールの祭典「ベルギービールウィークエンド」が行われています。都内でも開催されており、六本木ヒルズでは100種類以上のベルギービールを堪能できるイベントです。初心者の方にもおすすめのイベントです。
ベルギービールの選び方
ビアジャーナリストの宮原佐研子さんに取材をして、ベルギービールの選び方のポイントを教えていただきました。ポイントは下記。
【1】醸造方法から選ぶ
【2】代表的な種類から選ぶ
【3】有名なブランドから選ぶ
【4】アルコール度数もチェック!
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】醸造方法から選ぶ
ベルギービールの醸造方法には、下面発酵、上面発酵、自然発酵がありそれぞれのプロセスで味わいが異なります。醸造方法による味わいの特徴で選びましょう。
「上面発酵=エール」はフルーティーな味わいと香りを楽しめる
上面発酵とは、上面発酵用の酵母を使って約15~25℃の高温で発酵させることです。発酵中に酵母が上のほうに浮かんでくるので、上面発酵と呼ばれています。
上面発酵によって作られたビールは、フルーティでふくよかな味わいと香りが楽しめるのが特徴です。上面発酵で作られたビールの総称がエールです。幅広い種類のあるベルギービールの多くは、上面発酵によって作られています。
「下面発酵=ラガー」はホップの苦みとのどごし感を楽しめる
下面発酵用の酵母を使い、約5℃の低温でゆっくりと発酵、長時間貯蔵して作るのが下面発酵です。発酵が末期になると酵母が下に沈むため、下面発酵と呼ばれています。
雑味のない、すっきりとしたのどごしが特徴です。下面発酵で造られたビールを総称して、ラガーと呼びます。なお、ラガービールのひとつであるピルスナーは、世界でもっとも作られているビールです。
「自然発酵=ワイルド」は醸造所オリジナルの味わいを楽しめる
上面発酵の一種であり、ベルギービールならではの醸造方法が自然発酵です。麦汁を浅い容器に入れて空気にさらすことで、野生の酵母を取り入れます。その野生の酵母が発酵させるのです。
野生の酵母はベルギービールの醸造所に住み着いているので、自然発酵のベルギービールはその醸造所ならではの味わいが楽しめる魅力があります。
【2】代表的な種類から選ぶ
ベルギービールは発酵の方法ごとに、さまざまな種類のビールが作られています。味わいや香りなど、ベルギービールの種類による特徴で選ぶと、好みのものが見つかりやすいです。
修道院の敷地でつくられる「トラピストビール」
世界中で限られたところ、そのなかでもベルギーでは6カ所の限られた修道院敷地内の醸造所でしか作られていないのが、トラピストビールです。それ以外の修道士が作るビールはアヴェイビールと呼ばれて区別されています。
もともとは司教様がきたときにふるまわれるビールとして作られ、現在も昔ながらのレシピそのままに作られています。高いアルコール度数と複雑な味わいが特徴です。
ビールの苦味が苦手なら「ホワイトビール」
ベルジャンホワイトは、原料に小麦や大麦麦芽、ホップ、そして副原料にオレンジピールやコリアンダーを使った、フルーティかつスパイシーで、やわらかい甘さとさわやかさが楽しめるビアスタイル。白濁した色は小麦のたんぱく質や酵母が残っている証拠。白濁するほどまろやかになる一方、透明感があるものはすっきりと楽しめます。ビール独特のホップ由来の苦みが苦手という方はぜひお試しください。
赤茶色が特徴の「レッドビール」
レッドビールは濃い赤茶色が特徴的なベルギービールで、「フランダースエール」とも呼ばれています。オーク樽で作られており、しっかりと熟成されているため、フルーティーで深い香りを楽しむことができます。ワインのような味わいなので、ワインが好きな方にもおすすめです。
「ゴールデンエール」は柑橘系の香りが特徴
明るい金色が特徴的で、スッキリしていながらまろやかさも感じられるベルギービールです。爽やかな柑橘系の香りと、くせのない飲みやすさを持っています。しかし、アルコール度数は高めで、お酒が弱い人は抵抗があるかもしれません。
日本のビールの味に近い「ピルスナー」
ピルスナー(ピルス)はラガーを代表するビールです。チェコのピルゼンで生まれたのが名前の由来です。淡い色できりっとしたのどごしと、すっきりした味わいが楽しめます。
ベルギービールのピルスナーは、一般的なラガーよりもエールに近い味わいのものもあります。日本で作られているビールもピルスナーと同じタイプなので、身近な味わいが楽しめます。
ホップのさわやかな苦味が好みなら「セゾンビール」
長期保存するためにホップを多用してつくるセゾンビールは、さわやかなホップの苦味が特徴ですが、フルーティなものやスパイスを使うものなど、さまざまなタイプがあり個性豊か。原料表示をチェックしてさらに好みのタイプを探してみましょう。
3年以上寝かせたホップを使う「ランビック」
ランビックは、3年以上寝かせたホップを使うため、ホップ由来の苦味が少なくドライで軽い口当たりを楽しめます。熟成させたランビックとできたてのランビックをブレンドし、瓶内で二次発酵させた「グースランビック」、発酵中のランビックにフルーツを加えた「フルーツランビック」など、気分に合わせて好みの味を選んでみてくださいね。
甘酸っぱくて飲みやすい「フルーツビール」
ビールにいろいろな果実をつけこんでできたのがフルーツビールです。使われるのはサクランボ、キイチゴ、カシス、モモ、イチゴ、バナナ、パイナップルとさまざまあります。
生の果実をビールにそのまま投入する、果実を使った濃縮ジュースをビールに添加するなど、作り方は醸造所によってさまざまあります。フルーツの香りと甘酸っぱさが楽しめるフルーツビールは、スタイリッシュな瓶のまま飲んだり、細めのグラスでおしゃれに飲んだりして楽しめます。
【3】有名なブランドから選ぶ
日本のビールと同様に、ベルギービールにも定番で有名なブランドが存在します。ここからは、ベルギービールの有名なブランドについて解説していきます。迷った時はブランド名で決めてみるのもいいかもしれません。
ベルギービールといえば「シメイ」
「シメイ」は、エノー州シメイのスクールモン修道院で作られるビールです。フルーティーなレッド、苦みのあるホワイト、香りが楽しめるゴールド、濃厚でコクのあるブルーなど様々な種類があり、好みの味を選ぶことができます。
フルーツビールで有名な「リンデマンス」
200年近く続いている伝統的な醸造所で、フルーツ果汁を加えた「フルーツビール」が人気なブランドです。老舗ならではの味を楽しみたい方や、フルーティーな味わいが好きな人におすすめです。銘柄は他にもあり、好きなものをチョイスすることもできます。
ビアパブでもよく見かける「ヒューガルデン」
ヒューガルデン村で修道士が作ったホワイトビールから始まり、500年以上進化を続けてきたブランドです。スパイスが絶妙に組み合わさっており、苦みの少ない味わいが特徴的です。ワールドビアカップでは6回も金賞を受賞したことがあり、世界でも人気なブランドなのです。
【4】アルコール度数もチェック!
ベルギービールにはアルコール度数の高いものと低いものがあります。アルコール度数の高いものは、香りやコクを味わいながらゆっくり飲みたいときにおすすめです。飲み過ぎには注意が必要ですが、ビールの美味しさを深く感じることができるでしょう。
一方、アルコール度数の低いものは、さっぱりした味わいを楽しみたいときにおすすめです。のどごしを楽しんだり、気軽に飲めるためお酒が弱い人でも、ベルギービールを堪能できます。
ベルギービールのおすすめ8選
ベルギービールの選び方のポイントをふまえて、ビアジャーナリストの宮原佐研子さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。
シメイのベルギービールを堪能できるセット
有名ブランド「シメイ」のベルギービールを堪能できる魅力的なセットです。濃い味のものから、ルビー色のビールまで様々な味わいを楽しむことができます。まずはベルギービールのお試しとして購入したいと考えている人にもおすすめのセットです。お土産やギフトとしても喜ばれるベルギービールなので、贈り物に悩んだ時にもぴったりです。
複雑な香りと味わいが特徴の世界一魔性を秘めたビー
「世界一魔性を秘めたビール」で、複雑な香りと味わいが特徴的な商品です。ビンに詰めた後、温度差のある2種類の貯蔵庫で2ヶ月間も熟成されて作られます。明るいゴールドのカラーのビールで、柑橘系の香りを楽しむこともできます。爽やかさの中にもスパイシーな風味を感じられ、バランスのいい味わいが魅力的です。また、温度によって味わいが異なるので、いろんな楽しみ方ができるでしょう。
華やかで甘みがあるデザートのような味わい
はちみつ入りのビールで、オレンジがかった明るいゴールドのカラーが特徴的です。はちみつのような華やかさのある香りが特徴的で、花のような雰囲気すら感じられます。柔らかな甘味が強いですが、その中にもスパイシーさがあり、バランスの取れた味わいになっています。サラダやフルーツなどのデザートと一緒に飲むのがおすすめです。

世界的に人気のあるベルジャンホワイト
コリアンダーのスパイシーさとオレンジやリンゴ、アプリコットのような風味を楽しめる大人気のビール。ボトルタイプのほかに缶タイプも登場しています。
ベルギー名物のフリットやムール貝のビール蒸しと合うのはもちろん、パクチーを使ったサラダやタイ料理、フルーツたっぷりのふわふわパンケーキとの相性も抜群。ビールはグラスにおよそ2/3ほど注いだら、ゆっくりとボトルをまわして底に溜まった酵母を混ぜ、残りをすべて注ぐことでおいしさを存分に楽しめます。

自然素材にこだわったさわやかな後味が魅力
悪魔の名を持つ「Duvel(デュベル)」をつくるデュベル・モルトガット醸造所の若者向けブランド、ヴェデット。「ヒューガルデンホワイト」の生みの親であるピエール・セリスとの共同開発によって生まれたブランドで、その中心的存在がこの「ヴェデット・エクストラ ホワイト」です。
このビールには厳選された自然原料のみが使われており、オレンジピールやコリアンダーをアクセントとするフルーティでスパイシーな味わいが特徴で、さわやかな後味のビールを探している人におすすめ。

ホップの魅力を存分に楽しむセゾンビールの代表格
「セゾン・デュポン」はベルギー・ワロン地方でつくられてきた伝統的な製法を踏襲(とうしゅう)してつくり続けているフラッグシップのビールです。
ボトルの栓を抜くと、レモンのようなさわやかな香りが鼻をくすぐり、グラスに注げば、きめこまやかな泡がしっかりと立ちあがります。ひと口飲めば、キレのよいさわやかさが喉へと流れ込み、ホップの苦味がしっかりありつつも、酸味や旨味がバランスよく味わえます。
洗練とは異なる、大地の恵みを感じるようなこのビール。ウォッシュタイプの多少クセのあるチーズとの相性もぴったりです。

伝統製法を守り抜くランビック・グースの代表
味わい、製造年の異なる複数のランビックをブレンドして、瓶内で二次発酵を1年程度行ない発酵させたビールです。伝統製法をかたくなに守ってつくられる「カンティヨン・グース」は有機原料を使用。レモンや酢のような強い酸味とキレが際立ち、はまる人は大いにはまるビール。
原料に使う古いホップが防腐剤の役割を担いつつ苦味を抑え、どこかチーズのような香りもつくので、ブルーチーズやモッツアレラチーズ、トマト、漬物などとの相性もぴったり。ボトルラベルにはブリュッセルの小便小僧と、農薬を使う土地では育ちにくいケシの花が描かれています。

カシス果汁を加えた風味豊かなフルーツランビック
野生酵母を使う自然発酵のビールづくりは、今も10月から4月の間のみ、というリンデマンス醸造所でつくられるフルーツランビック。本商品は、オールドグースにフルーツジュースを加えたシリーズのひとつとして、1986年に商品化されました。
当初は本物のフルーツを使用しましたが、アメリカへの輸出がはじまった1970年代から生産量の増加とともに無糖のジュースに変更となりました。嫌味のない自然な甘さで世界中に愛されるこのシリーズは、ほかにサクランボ(クリーク)、ラズベリー(フランボワーズ)、リンゴ(アップル)、モモ(ペシェリーゼ)などがあります。果物やチーズケーキ、チョコレートなどとの相性も抜群です。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ベルギービールの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのベルギービールの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ベルギービールは、専用グラスで飲んでみよう! ビアジャーナリストからアドバイス
ビアジャーナリスト・パンコーディネーター
この記事でご紹介したベルギービールは、ごく一部です。いわば、ベルギービールへの迷宮の入り口にちょっぴり手が触れた程度。まだまだたくさんの魅惑のビールが存在しています。
また、ベルギービールには、それぞれに専用グラスがあり、ビールの魅力を引き立ててくれます。ベルギービール専門店で、さまざまなグラスによる味わいの違いも楽しみましょう。
もっといろんなビールが知りたい方はこちらもチェック!
ビールの選び方とおすすめの商品を紹介しています。
飲みすぎ注意! 程よい量を楽しんで!
「早速ベルギービールのお店に行ってみよう!」と思ったあなたにちょっぴり忠告。口当たりのよいビールが多いのがベルギービールの魅力ですが、それとは裏腹にびっくりするほどアルコール度数が高いものもあるので飲み方にはご注意。勢いよく飲み干さず、ゆっくり味わいをかみしめれば、さらなる迷宮への扉が開くかもしれません。さあ、よい旅を!
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ビールやパン、ワインなどの魅力にはまり、国内外のオイシイもの探しに足をのばし、胃袋を広げる毎日です。 日本パンコーディネーター協会認定パンコーディネーター、日本ビアジャーナリスト協会所属ビアジャーナリストとして日本ビアジャーナリスト協会HP、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)、世界22カ国158本のビールを紹介するe-MOOK『ビールがわかる本』(宝島社)、ビアエンタテインメントムック誌『ビアびより』(KADOKAWA)他執筆。 『ビール王国』では、ビールと料理のペアリングやビール列車などの記事を担当。日本パンコーディネーター協会主催世田谷パン大学でパンとビールのペアリング体験講座も実施。