フルーツビールとは?
フルーツビールは、ビールにフルーツのフレーバーを混ぜて製造されており、ビールとフルーツジュースのいいとこ取りをしたアルコール飲料です。オレンジやチェリーなどの香りを楽しみながらビールの苦みも味わえます。フルーティな口当たりなので、ビールをあまり飲まない人でもおいしく楽しめます。女性でも飲みやすいビールに仕上がっています。
フルーツビールは、麦芽とホップの醸造過程のなかで生のフルーツを加えて醸造することでフルーツの味が強くなるように作られています。ほかにもフルーツから抽出されたエキスや香料を加えて醸造する方法もあり、フルーツの香りが高くビールの味も感じられる製品もあります。
フルーツビールの選び方
フルーツビールを選ぶときは、次のポイントに注目してみましょう!ポイントは下記。
【1】フルーツの種類で選ぶ
【2】甘いビールが好きならアルコール低めのタイプを
【3】産地から選ぶ
【4】ギフトにするなら飲み比べセットがおすすめ
【5】発泡酒と表記されていても気にしなくてOK
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】フルーツの種類で選ぶ
フルーツビールに使われる果実の種類は、りんご、グレープフルーツ、マンゴーといった聞き慣れたものから、シークヮーサーまで、実にさまざま。人によって好みは異なると思いますので、まずは自分が好きなフルーツを使ったビールを選びましょう。
甘口で飲みやすい「ベリー系」
フランボワーズやさくらんぼなどベリー系の果実を使ったフルーツビールは、ほどよく甘酸っぱい味わいのものが多いです。ベルギーには、ブラックチェリーを漬け込んだフルーツビール「クリーム」もたくさんあります。果実の甘みがしっかり残るので、ビールの苦みが苦手な人でもおいしく飲めます。
ジュースのようなフルーツビールを探している人、少しでも苦いものは苦手な人にぴったりです。
さわやかな酸味の「柑橘系」
さっぱりとした味わいのフルーツビールが飲みたいなら、柑橘系のフルーツビールがよいでしょう。レモンやグレープフルーツ、オレンジ、ゆずといった柑橘系のくだものを使ったフルーツビールは、甘さが控えめで食事とも合わせやすいです。
さわやかなのど越しが楽しめるものも多く、暑い時期によく冷やして飲んでみてください。
トロピカルな甘みの「南国フルーツ系」
パイナップルやマンゴーといったトロピカルフルーツを使ったフルーツビールは、濃厚な味わいが特徴です。果実の豊かな味わいとまろやかな甘みが感じられます。苦味が穏やかなので、苦いビールが苦手な人でも飲みやすいでしょう。
お風呂あがりなどのリラックスタイムに、ゆったりとフルーツビールを味わいたい人にぴったりです。
ジュース感覚で飲める「ピーチやリンゴ系」
カクテルのような味わいのフルーツビールが飲みたいなら、ピーチやリンゴを使ったフルーツビールを選んでみましょう。甘さがありつつもさっぱりとしていて飲みやすいです。
アルコール度数が低いものもたくさんあるので、ふだんお酒を飲まない人にもぴったり。なじみがあるフルーツそのままの味わいなので、ジュース感覚で飲めます。
【2】甘いビールが好きならアルコール低めのタイプを
発酵前にフルーツを入れる場合は、麦汁に加えることが多いのですが、その際、フルーツの糖を酵母が食べてしまうため、フルーツの香りはしっかりあっても、甘味はさほど残らなくなります。
一方、発酵後にフルーツを入れる場合は、フルーツの味わいがそのままプラスされるため、香りだけでなく甘味も残ることがほとんど。また、こちらのケースはビアカクテルのようなイメージですので、アルコール度数も低めに仕上がるようになります。
【3】産地から選ぶ
フルーツビールは世界各地でつくられています。最近は日本でも国産の果物を使ったフルーツビールがつくられているので、詳しく見ていきましょう。
甘いフルーツビールなら「海外産のフルーツビール」
海外のフルーツビールは、たとえばベルギーのランビックという酸味の強いビールをベースにしたものがあり、こうした甘酸っぱい味わいのフルーツビールは、日本ではつくることができません。このような特徴を知ったうえで、フルーツビールを購入してみるといいでしょう。
日本でつくられた「国産のフルーツビール」
国内のフルーツビールの場合、日本やその地域特産のフルーツを使ってつくられることが多くあります。ゆずを使ったビールは海外ではあまり見られないものですし、りんごのフルーツビールであれば、特定の地域で栽培されたものを使っていたりしています。
【4】ギフトにするなら飲み比べセットがおすすめ
お歳暮など贈り物としてビールを選ぶことも多いですよね。地ビールやクラフトビールは、ビール好きの方にぴったりのギフトです。各地ビールメーカーから、さまざまなスタイルの地ビールを飲み比べできるよう、飲み比べセットや詰め合わせのギフトが販売されています。
定番のラガービールや女性に人気のホワイトビールなど、さまざまなスタイルを楽しむことができるので、ぜひ選んでみてくださいね。
【5】発泡酒と表記されていても気にしなくてOK
フルーツビールとして紹介しているものでも、ラベルを見ると「発泡酒」と書かれている場合があります。これは日本の酒税法によるもので、フルーツの使用量が多かったり、麦芽の使用量が少なかったりする場合、海外でビールとされるものでも「発泡酒」と表記しなければいけないことになっています。
節税型の発泡酒を使っているということではないので、発泡酒と書かれてあっても気にせずに飲んでみてください。
フルーツビール【海外産】おすすめ15選 ベルギーやアメリカ、台湾も!
フルーツビールは、世界各地でつくられています。さくらんぼやレモンのほか、マンゴーやパイナップルといったトロピカルフルーツを使ったものもあるので、ぜひ味わってみてください。海外産のフルーツビールをご紹介します!

さわやかなチェリー風味のフルーツビール
リーフマンスは、ビールにチェリーを漬け込んで長期熟成させたあと、ストロベリーやラズベリー、ブルーベリーなどのジュースを加えてつくられたベルギービール。一般的なビールとは異なる赤い色合いが特徴的です。
また、苦味はほとんどなく、酸味と甘味も適度でさわやかに飲める味わいになっています。夏の暑い時期には氷を入れて楽しむのもいいですし、冬には温めてホットビールにしてみてもいいでしょう。
ゴクゴク飲める!天然レモン果汁入りの爽やかビール
ビールに天然レモンの果汁を合わせた南ドイツ地方の定番飲料、ラドラー。ドイツ語の自転車乗りという言葉からその名がついたと言われており、ドイツやオーストリアではサイクリングやジョギングなど運動後の水分補給や糖分補給として飲まれるほど、人気の高いフルーツビールです。
甘すぎずすっきりとした軽い飲み心地で、どんな料理とも相性がいいのが特徴。低アルコールでレモネード感覚で飲めるので、お酒が苦手な人にもおすすめです。
英国No.1ブルワリーの自信作!革新的なIPA
高品質なビールとオリジナリティ溢れるマーケティング手法で、英国トップクラスの売上げを誇るブリュードッグ。エルビスジュース グレープフルーツIPAは創業者ジェームズ・ワットがビールファンへの挑戦と表すほど、独創的で革新的なフルーツビールです。
5種類のホップを使用したIPAに、グレープフルーツピールを加え、苦味とシトラスフレーバーが絶妙にマッチするビールに仕上げました。フルーツビール好きはもちろん、フルーツビールを飲んだことがない、苦手という方にもおすすめです。
ボトルデザインとは裏腹な爽やかな味わいが魅力
怒った犬のラベル、首輪モチーフの瓶口ラベル、骨が書かれた王冠など、インパクトのあるボトルデザインが目を引くシリー醸造所のピンクキラー。
パンチの効いたパッケージを裏切る優しいピンクの色合いと、ピンクグレープフルーツの甘みと苦味が味わえる人気のフルーツビールです。すっきりとした爽やかな口当たりで、アルコール感やビール感がほとんどないので、暑き時期やお風呂上がりにジュースのように飲んで楽しむのがおすすめです。
※Amazonは6本セットです

まるでマンゴージュースを飲んでいるかようなビール
台湾の大手ブランド台湾ビール「台灣啤酒(タイワンピージォウ)」のフルーツビールシリーズ。そのうちのひとつ、台湾ビール マンゴーは、缶を開けるだけでマンゴーの香りが漂います。
麦のフレーバーは感じますが苦味はまったくなく、まるでマンゴージュースを飲んでいるかのような味わい。甘味の強い仕上がりになっており、飲んだ後もマンゴーのフレーバーが口のなかに広がっています。アルコール度数は2.8%と低めなので、食後のデザートビールとして軽く飲むのにもいいかもしれません。
ルビーレッドが美しいベルギー産フルーツビール
ベルギーの老舗醸造所、ハーヒト醸造所が手掛けるフルーツビール、ミスティックチェリー。フレッシュ感のある無濾過のホワイトビールと甘酸っぱく香り高いチェリージュースを25%もブレンドした、ジュース感覚で飲めるフルーツビールです。
鮮やかなルビーレッドカラーが美しいおしゃれなビールなので、普段使いはもちろんパーティーや女子会にもピッタリ。アルコール度数が低めに設定されているので、お酒が苦手な人にもおすすめです。
老舗醸造所が手掛ける個性際立つバナナビール
ベリー系や柑橘系が目立つベルギー産フルーツビールの中では珍しい、バナナを使用したフルービール、シャポーバナナ。同商品を手掛けるデ・トロフ醸造所は、120年以上の歴史を誇りながら、革新的な商品を次々と生み出すブルワリーです。
シャポーバナナはバナナの強い香りとバナナジュースのような甘い口当たりの中に、ランビック特有の酸味が感じられる、バランスの取れたユニークな味わいが魅力。後味はすっきり爽やかなので、甘いビールやバナナ好きの方はもちろん、フルーツビール初心者の方にもおすすめです。
酸味と甘みのバランスが抜群のこだわりビール
ワールドビアカップで金賞を受賞した経験もある王道フルーツビール、ブーン クリーク。夏の時期に収穫したさくらんぼを1〜2年程度熟成したランビックに漬け込み、さらにオーク樽で寝かせるというこだわりの製法で造られています。濃いルビー色の色味とさくらんぼの爽やかな香りが特徴で、甘酸っぱいさくらんぼの味わいの中にランビックの旨味を感じるバランスの取れたビールです。
肩ラベルにはさくらんぼ収穫年をヴィンテージ。ワインのような楽しみ方もできるおすすめのフルーツビールです。
※Amazon・Yahooは12本セット、楽天は24本セットです
フルーツビール【日本産】おすすめ8選 国産のフルーツを使った味わいも
ゆずやいちご、りんごなどの国産フルーツを使ったフルーツビールもあります。日本産のフルーツビールをご紹介しましょう!

沖縄県産シークヮーサーのフレーバーが魅力
沖縄県のヘリオス酒造がつくっているフルーツビール。小麦麦芽を使った白い見た目のホワイトエールに、沖縄県産のシークヮーサーを使用しています。
シークヮーサーは沖縄で栽培されている柑橘系の果物で、すっきりとした味わいのホワイトエールには相性ぴったり。飲んでみるとホワイトエールらしく軽やかな味わいで、シークヮーサーのフレーバーが口のなかに広がります。心や体をリフレッシュしたいときにおすすめのビールでしょう。

ふんだんに使われた国産ゆずのフレーバーが漂う
茨城県の常陸野ネストビールがつくるフルーツビール。もともとは海外向けにつくられていたものですが、国内でも販売されるようになりました。
使っているのは、国産のゆず。ビールに鼻を近づけるだけで、心地よいゆずの香りが漂ってきます。
飲んでみると、ゆずのフレーバーがより強く感じられますが、すっきりとした味わいのラガーとのバランスが至極の一本。いつまでも飲んでいられるような味わいになっています。

マスカットの風味がふんだんに感じられるピルス
マスカットピルスは、岡山県の独歩ビール(宮下酒造)が岡山県産のマスカットを使って醸造したフルーツビール。一次発酵と二次発酵の際に、果肉と果汁を加えてじっくりと熟成工程を経ているので、甘すぎず、すっきりとした仕上がりになっています。
それでいて、マスカットのフレーバーはしっかりと感じられる味わいが魅力。苦味はほとんどないので、苦くないビールが好きな方におすすめしたいビールです。

ホットにしてもおいしいりんごのビール
神奈川県厚木市の醸造所サンクトガーレンが、毎年秋冬限定でつくっているフルーツビール。
原料のりんごを、焼きりんごにしてから使っており、メイプルシュガーとシナモンを加えることで、まるでアップルパイのような風味に。砂糖などを加えてホットビールにしてもおいしく味わえます。
ちなみにサンクトガーレンは春夏限定で、オレンジを使った「湘南ゴールド」とパイナップルを使った「パイナップルエール」というフルーツビールも販売しています。
「フルーツビール」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする クラフトビールの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのクラフトビールの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フルーツビールの作り方
フルーツビールとひと口に言っても、作り方がふたとおりあります。
ひとつは、ビールの発酵前に果実を入れ、麦汁と果実をいっしょに発酵させる方法です。麦汁と果実をいっしょに発酵させることで、ビールに豊かな果実の味わいが加わります。甘さはひかえめで、よりビール感が強い味わいです。
もうひとつは、ビールができあがったあと(発酵後)に果汁を加える方法です。ビールをジュースで割るため、アルコール度数が低く、ビールが苦手な人でもジュース感覚で飲める飲みやすいフルーツビールになります。
おつまみ特集!チーズやナッツはいかがですか? 【関連記事】
フルーツビールでビールデビューしてみませんか?
フルーツビールは、通常のビールよりも苦みが穏やかでフルーティーな味わいのものが多くあります。ビールの苦みが苦手な人でも、好きなフルーツを使ったフルーツビールであればおいしく飲めることも多いです。
フルーツビールは世界各地でつくられています。同じフルーツを使ったものでも味わいが生産地によって変わるので、ぜひいろいろなビールを味わって、お気に入りの銘柄を見つけましょう。
フルーツビール選びに迷ったときは、記事中で紹介した選び方のポイントや商品を参考にしてください。
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「地域とビール」をテーマに活動しているビアライター。 出版社・編集プロダクション・英字新聞社などで編集者・ライターとしてコンテンツ制作に携わり、現在はWeb、紙を問わずさまざまな媒体で記事を執筆。 日本ビアジャーナリスト協会のビアジャーナリストアカデミーなど、執筆以外にビール関連の講師も務める。 著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)など。