雑穀の選び方 栄養や糖質、雑穀の種類を解説
料理家で栄養士の玉利紗綾香さんに、雑穀を選ぶときのポイントを教えてもらいました。雑穀の種類や特徴もあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
栄養素で選ぶ! 雑穀ごとの特徴をチェック
お米に少量混ぜて炊くだけで、プラスαの栄養素が摂れます。
料理家/栄養士/スポーツ栄養学講師
雑穀はお米と比べて多くの栄養素を含んでいるので、お米に少量を混ぜて炊くだけで、ご飯では摂りきれない栄養素プラスαの栄養素を摂ることができます。
それぞれの雑穀に含まれる栄養素は異なるので、鉄分を摂取したいなら「きび」、ビタミンを摂取したいならビタミンB1、B2が豊富な「押し麦」、多くの栄養素を摂りたいのであれば、ブレンドされているものがおすすめです。
食物繊維が豊富な「もち麦」
もち麦は食物繊維を豊富に含み、なかでも水溶性の食物繊維であるβ-グルカンは白米の20倍以上ともいわれています。一般的な麦よりもちもちしており、噛んだときにプチっとはじけるような食感が楽しめます。
味にクセがなく、いろいろな料理に加えやすいのも魅力的なポイント。白米と混ぜるのはもちろん、スープやサラダなどに入れてもおいしく味わえます。
必須アミノ酸をバランスよく含む「キヌア」
「母なる穀物」として、古代から大切に食べられてきたキヌア。穀物では不足しがちな必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが特徴です。キヌアは、糖質の吸収と血糖値の上昇がゆるやかな低GI値食材でもあります。
キヌアの粒は胚芽でぐるりと囲まれており、コシのある食感です。風味にコクがあり、味に深みが感じられます。
GABAを豊富に含む「発芽玄米」
玄米をわずかに発芽させたものが発芽玄米です。GABA(ガンマアミノ酪酸)が豊富で、鉄分やマグネシウム、食物繊維なども含んでいます。
発芽玄米は、弾力とボリュームのある食感で、噛むほどに味わいが増すのが特徴。深みのある風味と独特のうまみが感じられます。普通の玄米よりも食べやすい食感で、栄養価が高いのもポイントです。
ポリフェノールたっぷりの「黒米・黒豆」
黒米や黒豆の黒い色素のなかには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれています。白米と混ぜて炊くと、ごはんがほんのり紫色に色づくので、食卓やお弁当に彩りがほしいときにもぴったりです。
黒米はほのかに甘みがあり、もっちりとした食感をしています。一方、黒豆はほっくりとした食感で、煮たり茹でたりしてもおいしいです。
プチプチ食感が楽しい「アマランサス」
アマランサスは中南米を原産国とする作物です。良質なたんぱく質に加えて、カルシウム、マグネシウム、鉄分といったミネラルを豊富に含んでいます。
アマランサスの種子はけしの実ほど小さく、噛むとプチプチした食感が楽しめます。白米と混ぜて炊く以外にも、サラダやスープのトッピング、ドレッシングの材料など、食感を生かしたアレンジが豊富です。
クセのない「あわ」やふっくら食感「もち麦」なら食べやすい
はくばく『お豆ホクホク十六穀ごはん』
野菜と混ぜてサラダとしても。異なった食感が楽しめます。
>> Amazonで詳細を見る料理家/栄養士/スポーツ栄養学講師
初心者の方におすすめなのが、鉄分、カルシウムも豊富な「あわ」です。クセがないため、初心者でも食べやすいのが特徴です。
雑穀ならではのざらざら、もしくは、つぶつぶした食感が気になる方は、食べやすいふっくら食感の「もち麦」をおすすめします。
主要栄養成分と同様、それぞれの味や独特な異なった食感が面白いのが、雑穀の楽しさでもあります。
お料理に使うならクセのない「もち麦」「もちきび」「押し麦」から サラダや味噌汁、おかずに使う場合
料理家/栄養士/スポーツ栄養学講師
栄養素が豊富で低カロリーな雑穀は、お料理にも大活躍します。サラダ、お味噌汁、お惣菜にプラスすると日常的に摂ることができ、習慣にすることができるでしょう。
お料理に使うなら、クセもなく食感も楽しめて食べやすい「もち麦」「もちきび」「押し麦」です。
雑穀に慣れてきたら「赤米」や「黒米」などもおすすめです。
産地が明確なものを選ぼう
雑穀の産地や製造工程、農薬使用の有無などもチェックしておきたいポイントです。海外産や国内産、有機JAS認定品など、さまざまな商品が販売されています。
しっかりこだわって選びたい方は、パッケージだけでなく、商品のホームページも確認するといいでしょう。具体的な産地や品質に対するこだわり、製造工程などが掲載されていれば、ひとつの判断基準になるはずです。
ブレンド雑穀に注目!
複数の雑穀を混ぜたブレンド雑穀にも注目してみましょう。ブレンド雑穀はバリエーションが豊富で、数種類の雑穀をブレンドしたものから、10種類以上の雑穀をブレンドしたものまで、いろいろな商品が販売されています。不足しがちな栄養素を補えるように、栄養バランスを考慮してブレンドされたものも多くなっています。
さまざまな雑穀の食感を同時に楽しめるのもブレンド雑穀の魅力といえるでしょう。
便利な小分けタイプも 炊き方かんたん
手軽に雑穀を取り入れたいなら、1パックずつ個包装されたタイプが便利です。雑穀を量る手間がかからないので、忙しい方にもぴったり。炊き方はいつものお米にサッと入れるだけ。かんたんに雑穀ごはんができあがります。湿気にくく、保管しやすいのもよい点です。
ただし、個包装タイプはコストがかかるぶん、少々割高になることも。値段とのバランスを考えて選んでみてくださいね。
雑穀のおすすめ13選 ダイエット中の満腹感にもおすすめ!
ここまでに紹介した雑穀の選び方のポイントをふまえて、実際に栄養士の玉利紗綾香さんにおすすめ商品など、幅広くご紹介します。

はくばく『お豆ホクホク十六穀ごはん』

出典:Amazon
原材料 | 黒豆(大豆)、ひよこ豆(ガルバンゾ)、極小黒大豆、もちあわ、黒米、発芽玄米、もち麦、焙煎大麦、大豆、黒ごま、白ごま、小豆 など |
---|---|
栄養成分 | 1袋(30g)あたり:エネルギー118kcal、たんぱく質6.8g、脂質3.7g、炭水化物16g、糖質12.5g など |
内容量 | 180g(30g×6) |

タマチャンショップ『三十雑穀』


















出典:Amazon
原材料 | 胚芽押麦、うるち玄米、もち麦、もち玄米 など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー365kcal、たんぱく質11.2g、脂質6g、炭水化物69.0g、食塩相当量0.0g など |
内容量 | 300g |

種商『国内産十六穀米 業務用』

出典:Amazon
原材料 | 押麦、はだか麦、黒米、もち玄米、黒大豆(遺伝子組み換えでない)、発芽玄米 など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー355kcal、タンパク質9.6g、脂質3.1gなど |
内容量 | 500g |

TOMIZ/cuoca(富澤商店)『はと麦(国産)』

出典:Amazon
原材料 | はと麦(栃木県) |
---|---|
栄養成分 | - |
内容量 | 200g |

旭食品『ふだんの雑穀 日髙シェフ』












出典:Amazon
原材料 | 黒米、大麦、もちきび、もちあわ、発芽玄米、赤米、はとむぎ、たかきび、キヌア、アマランサス、とうもろこし、うるちひえ など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー359kcal、たんぱく質9.1g、脂質4.6g、糖質68.5g、ナトリウム1.2mg など |
内容量 | 180g(30g×6個) |
はくばく『まいにちおいしい雑穀ごはん』










出典:Amazon
原材料 | 発芽玄米、もちあわ、大麦、黒米、アマランサス、はと麦、キヌア、白ごま、もちきび、とうもろこし、赤米 など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー374kcal、たんぱく質10.3g、炭水化物70.6g、糖質66.3g、食物繊維4.3g など |
内容量 | 500g |
OSK『やく膳健康食品 韃靼そば米』

出典:Amazon
原材料 | ダッタンそば |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー350kcal、たんぱく質8.3g、脂質1.5g、糖質73.3g、食物繊維5g など |
内容量 | 300g |
九州の大自然しらき『黒米』


















出典:Amazon
原材料 | 黒米 |
---|---|
栄養成分 | - |
内容量 | 200g |
やずや『発芽十六雑穀お徳用サイズ』


















出典:Amazon
原材料 | 発芽もち玄米、発芽はだか麦、胚芽押し麦、発芽青玄米、発芽もち黒米、発芽もち麦、発芽ハト麦、発芽もち赤米など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー367kcal、たんぱく質9.0g、脂質3.9g、糖質66.6g、食物繊維7.3g |
内容量 | 750g |
神明『管理栄養士おすすめ十八穀米』

出典:Amazon
原材料 | 押麦、はだか麦、もち玄米(国産)、青肌玄米(国産)、黒米(国産)、もちきび、白ごま、キヌアなど |
---|---|
栄養成分 | 1包(25g)あたり:エネルギー86kcal、たんぱく質2.3g、脂質1.1g、炭水化物17.9g、食物繊維2.2g |
内容量 | 550g |
はくばく『大戸屋 もちもち五穀ごはん』

出典:Amazon
原材料 | 大麦、黒米(国内産)、黒ごま、白ごま、とうもろこし |
---|---|
栄養成分 | 30g当たりエネルギー:107kcal、 たんぱく質2.7g、 脂質1.5g、 炭水化物22g、 ナトリウム0mg |
内容量 | 180g |
はくばく『まるで白米 もっちり雑穀』

出典:Amazon
原材料 | 強化精麦(大麦)、大麦、ひえ、もち米、アマランサス、はと麦、キヌア、発芽玄米/貝カルシウム、乳酸カルシウムなど |
---|---|
栄養成分 | 25gあたり:エネルギー84kcal、たんぱく質1.9g、炭水化物18.5g、食物繊維1.0g、カルシウム453mg |
内容量 | 150g |
味源『未来雑穀 21』


















出典:Amazon
原材料 | 裸麦α(国産大麦)、黒米、裸押し麦、もち麦、赤米、黄大豆(割り)、黒千石大豆、米粒状こんにゃく加工食品など |
---|---|
栄養成分 | 100gあたり:エネルギー346kcal、たんぱく質11.3g、脂質3.3g、炭水化物69.6g、食物繊維9.8g |
内容量 | 920g |
「雑穀」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 雑穀の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの雑穀の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
雑穀にはこんなアレンジ、利用法も マンネリ化を防げ!
食べごたえがあってヘルシー! 雑穀肉団子
雑穀を毎日の生活に取り入れてみたものの、毎日同じメニューだと飽きてしまうかもしれません。しかし、毎日食べ続けることで健康効果を高めることができます。そこで、マンネリ化してきたときに試したいのが、アレンジ料理です。玉利紗綾香さんも、オムレツやサラダに雑穀を混ぜることをおすすめしています。
ここでは、雑穀と挽肉を使った雑穀肉団子を紹介します。雑穀を混ぜることで、挽肉の使用量が減るため、ヘルシーかつリーズナブルです。さらに、歯ごたえのあるもち麦などを使うことで、満腹感も得られます。
【準備するもの】
雑穀米40g、粗びきミンチ200g、卵1個、ナツメグ、塩コショウ、パセリをそれぞれ適量
【作り方】
沸騰したお湯に雑穀米を入れ、表示時間どおりに茹でます。
ボウルに、粗びきミンチと雑穀米、塩コショウ、ナツメグを入れ、しっかり混ぜあわせましょう。
混ぜあわせた肉をひとくちサイズに分け、丸めてから蒸し器で蒸します。もしくは、油をひいたフライパンで丸めた肉の表面を焼き、少量の水を加えて蓋をし蒸してもよいでしょう。
●トマトソース
【準備するもの】
トマトジュース180ml、ケチャップ大さじ2、砂糖小さじ2、中濃ソース大さじ1、オリーブオイル小さじ1、バジル粉末小さじ2
【作り方】
バジル粉末以外の材料を、フライパンに入れて中火で煮詰め、すこし水分が飛んでからバジル粉末を入れ、弱火で煮込みます。
このトマトソースを、肉団子にかけて完成です!
雑穀を美味しく食べるプロのレシピを参考にしよう!
『雑穀をおいしく食べる RECIPE BOOK』(朝日新聞出版)
日本雑穀協会認定の雑穀クリエイター&雑穀アドバイザーの田中雅子さん監修の雑穀レシピ集です。サラダやおかず、ごはん、スープやデザートなど、幅広くレシピが紹介されています。
効果的に雑穀を取り入れるなら、プロのレシピを取り入れてみては?
雑穀の旬は?
雑穀にも旬がある
野菜や果物と同じように、雑穀にもそれぞれ旬があります。どの穀物を取り入れようか悩んだときは、旬の雑穀からチャレンジしてみるのもよいでしょう。旬の時期に食べると、他の時期に比べてうまみや香りが豊かです。そのため、雑穀の味をしっかり感じることができるのです。
料理する際は、調味料を少なめにすることで、より雑穀の味を引き立たせることができます。
さらに、他の時期に比べると、旬の時期の穀物は栄養価が豊富です。鮮度がよく価格も安い傾向にあるため、自分好みの雑穀を探したい人や、新しい雑穀にチャレンジしてみたい人は、特に旬で選ぶのがおすすめです。
主な雑穀の旬
春が旬の雑穀は麦です。麦は、一般的に5月末~6月中旬にかけて収穫します。麦にもいろいろな種類があり、例えば、もちもちした食感が特徴のもち麦があります。大麦の一種で、食物繊維が豊富。特に、βグルカンが健康維持やダイエットに役立つとして注目を浴びています。中近東が原産であるはだか麦も、食物繊維が豊富です。その量は、白米の15倍以上にもなります。
ハト麦は、9月末~10月にかけて収穫時期を迎える雑穀です。東南アジアを起源とし、日本では薬用として親しまれてきた歴史があります。タンパク質が豊富で、アミノ酸バランスもよいため、美容によいとされています。
あわやキビは、10月ごろに収穫時期を迎える雑穀です。あわは、縄文時代から栽培されている日本最古の穀物であり、稲が伝来する前は主食とされていました。ポリフェノールやパントテン酸が豊富です。キビも抗酸化作用があるといわれるポリフェノールが豊富です。
同じく10月ごろに収穫時期を迎える雑穀が、玄米です。白米に比べ、約5倍もの食物繊維を含み、ビタミンやミネラルも豊富です。さらに、糖の吸収が穏やかなため、体重管理をしたい人にも好まれています。
冬が近づくと、小豆の収穫時期となります。品種にもよりますが、10~11月にかけてが収穫時期です。古くから日本で親しまれてきた豆で、質のよいタンパク質と、必須アミノ酸が含まれています。
雑穀初心者は、ぷちぷち食感の「もち麦」がおすすめ! 栄養士からのアドバイス
料理家/栄養士/スポーツ栄養学講師
雑穀は栄養素が豊富に含まれているとは聞くけれど、なかなかはじめるキッカケがないとスタートできない商品でしょう。私も最初はなじみがなかったものの、「もち麦」をためすキッカケがあり、そこから習慣化してほかの雑穀もためすようになりました。まずは、ぷちぷち食感も楽しめる「もち麦」をおすすめします。
また、ブレンドされている商品も多いので、豆好きな方は表記をみて豆が入っているものを、豆が苦手な方は豆なしの商品を探してみるといいでしょう。
中には、豆なしの商品を買い、缶などの豆を自分で入れて炊く上級者さんもいらっしゃるようです。雑穀は楽しみながら食生活を豊かにできるので、いろいろと楽しんでみてください。
まずは1種類から! 背伸びをしないのが長続きのコツ
雑穀の世界は広く奥深いものです。さまざまな選び方を参考に、まずは1種類ずつ、自分に足りないと思われる栄養素を補ってくれる雑穀を無理なく摂取していきましょう。
クセのないものからはじめることで、よりハードルは下がります。そして少しずつ自分の好みを知り、ブレンドしたものにチャレンジしてみましょう。
自分でブレンドするようになれば、貴方も雑穀名人の仲間入りです。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/1/28 コンテンツの追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 中村亜紀子)
栄養士免許取得後、食品会社に勤務。プライベートブランド商品の開発過程に携わる。 その後、料理研究家のもとで修行後、栄養士、料理家として独立。 現在は、自身のスポーツ経験、栄養士の知識を活かし、 スポーツ専門学校でスポーツ栄養学の講師や、CM、書籍、雑誌、料理教室等を開き、多方面で活動中。