山梨ワインの特徴とは? 世界的コンクール受賞多数!
まずはじめに、山梨ワインの特徴について解説していきます。
山梨ワインと勝沼ワイン
山梨ワインは、山梨の名産品である白ぶどう品種の「甲州」や「マスカット・ベーリーA」などを使用したワインのことです。
「甲州」は山梨ワインだけでなく、国内で製造されている白ワインの原料の半分を占めており、ワインの原料として業界では大変有名です。
ちなみに、山梨県甲州市の旧勝沼町地域で作られているのが『勝沼ワイン』です。山梨県のなかでも特にワイン生産が盛んなのが勝沼地区で、大小さまざまなワイナリーがあります。
山梨ワインは世界に通用する?
日本のワインのなかで原産地の地理的表示(Geographical Indication/GI)が認められているのは、2019年1月時点で「山梨」と「北海道」のみ。山梨のワインには「GI Yamanashi」が表記されますが、これはワインとしての信用力の高さと品質のよさの証にもなっています。
また、山梨ワインも、国際コンクールで金賞に輝くなど、世界から注目を浴びています。つまり、山梨ワインは、世界を代表するワインとして評価されているといえるでしょう。
山梨ワインの歴史 実は歴史あるワイナリーが多い!
山梨県にブドウが根づいてから、およそ800年になるといわれています。地域の生活に強く関わってきたブドウやワインは、地元のイベントにもたびたび登場します。山梨県には多数のワイナリーがあり、それぞれのワイナリーで行われるブドウの剪定体験や試飲会を楽しみにしているファンの方も大勢います。特に甲州市勝沼町が主催する「かつぬまぶどうまつり」は、2019年で第66回を迎えたほど歴史あるイベントとして人気です。
山梨ワインの選び方 ブドウの品種やワイナリーに注目!
山梨県は日本最大のワインの産地です。山梨県固有のブドウ品種「甲州」を使った白ワインをはじめ、赤ワインやロゼワイン、スパークリングワインなどといったさまざまな種類のワインが生産されています。そのため、どれを選んだらよいのかと戸惑う人も多いかもしれません。
まずは、好みや用途、合わせる料理などにポイントを置いて決めてみましょう。こうすることで、ワイン選びもぐっとラクになるはずです。では、さっそく選び方を説明していきますね!
ポイントは下記。
【1】ブドウの品種から選ぶ
【2】ワイナリーから選ぶ
【3】料理との相性で選ぶ
【4】山梨県産のぶどうが使われているか確認する
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ブドウの品種から選ぶ
山梨ワインはいろいろなブドウの品種から作られていて、品種ごとに味わいや風味などが異なります。ブドウの品種ごとの山梨ワインの選び方を紹介します。
軽くてスッキリ飲める『甲州』
甲州は日本固有品種の白ブドウです。軽やかですっきりとした味わいが楽しめます。白ワイン用の「甲州」の特徴は、かんきつ類のような香りと、ほのかな酸味と苦み。どことなく日本酒特有の香り「吟醸香」も感じられ、寿司や焼き魚などの魚介類を使った和食との相性が抜群です。
フルーティーな『マスカット・べーリーA』
赤ワイン用の品種として多く栽培されているのが、「マスカット・ベーリーA」です。マスカット・ベーリーAは、日本では甲州に次ぐ2番目に多くワイン造りに使われている品種です。タンニンが軽いためしぶみが少なく、きりっとした酸味と果実感が楽しめます。イチゴやキャンディのような甘い香りと、フルーティーでしぶみの少ない味わいが特徴と言えるでしょう。
重く濃厚な味わいの『カベルネ・ソーヴィニヨン』
シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、外国原産のブドウ品種も多数育てられています。赤ワイン醸造に使用される品種で、深いタンニンが特徴。重厚で濃厚な味わいが楽しめます。このように、山梨県では多様なブドウが栽培されているので、好きなブドウ品種からワインを選ぶのもよい方法です。カベルネ・ソーヴィニヨンを使ったワインは、世界のどこで作っても品質が高いものが生まれるため、世界でもっともワイン造りに利用されている品種です。
なめらかな味わいの『メルロー』
メルローとは、フランス・ボルドー地方が原産の黒ブドウの品種です。カベルネ・ソーヴィニョンやピノ・ノワールと同じく、ワイン造りに使われるブドウの国際的な品種として知られています。
タンニンがきめこまかいため、渋みが少なく丸みのある、なめらかな味わいが特徴です。赤ワインの渋みが苦手な人でも飲みやすくなっています。
白ワインの女王『シャルドネ』
シャルドネは、フランスのブルゴーニュ地方が原産の白ブドウです。早熟で寒冷地でも栽培できることから、世界のいろいろな国で栽培されています。白ワインの女王ともよばれる、とても著名な品種です。
ブドウとしての個性がない品種のため、シャルドネの白ワインは栽培された環境によって味わいや風味が変化するのが特徴です。
【2】ワイナリーから選ぶ
山梨県のなかでも特にワイン生産が盛んなのが勝沼地区です。大手のワイナリーから中小規模のワイナリーまで、多くのワイン生産者が集まっています。
生産者ごとにブドウの栽培方法や醸造方法などが異なるため、同じ地区・同じ品種のワインでもその個性は多種多様です。それぞれの生産者のヒストリーや理念、取り組みなどの違いもワイン選びのポイントになってくるでしょう。
勝沼地区にあるワイナリーの特徴を解説します。
フランスの影響を受けた『まるき葡萄酒』
まるき葡萄酒創業者の土屋氏は、ワインを学ぶためフランスに留学経験があります。そのときにフランス料理とワインのマリアージュに感動。日本料理にあう甲州ぶどうの研究にまい進しました。
まるき葡萄酒は明治24年に設立された、歴史のあるワイナリーです。日本ワインコンクールで金賞を受賞した経歴を持っています。
世界に山梨ワインを広めた『中央葡萄酒』
中央葡萄酒は、1923年創業の家族経営ワイナリーです。現在醸造家としても活躍する、4代目の三澤氏が生み出した『グレイスワイン甲州』は、6年連続で金賞を受賞しました。世界的に山梨ワイン(甲州ワイン)の名を轟かせたきっかけとなったワインです。
三澤氏の娘はボルドー大学卒業後、栽培醸造責任者として農園の責任者を務めています。
ローカルワイン造りをおこなう『白百合醸造』
白百合醸造は、創業70年になる歴史のあるワインセラーです。ローカルなワイン作りを念頭においたワイン醸造をおこなっているのが特徴です。
山梨県の勝沼地区にある自社畑で栽培されたブドウを使用した、自社ブランドワイン「ロリアン」を製造、販売しています。ロリアンは東洋という意味で、ヨーロッパに負けない、ローカルを大切にするワイン造りへの願いが込められています。
【3】料理との相性で選ぶ
料理にワインは欠かせない存在です。料理と相性のよいワインについて解説します。
山梨の赤ワインは肉料理やソースに合う
山梨の赤ワインはフルーティーで甘みが強いタイプが多いので、デミグラスソースを使ったもの、ボロネーゼなど旨みと濃厚さがある料理との相性がよいと言われています。逆にあっさりとした海鮮や和食にはあまり相性はよくないでしょう。
山梨の白ワインは和食に合う
山梨の白ワインは甲州が有名です。甲州は柑橘系の香りのなかにほのかな酸味があるので、寿司や魚介類などと相性がいいでしょう。料理の邪魔をすることなく素材そのものの旨味を感じながら味わうことができます。逆に味の濃い料理にはあまり相性はよくないでしょう。
【4】山梨県産のぶどうが使われているか確認する
ワイン法により、国産ブドウを100%使っているものでなければ「日本ワイン」とは表示できなくなりました。
ところが、外国産の輸入ブドウなどを使って国内で醸造した場合は「国産ワイン」と表示できます。ただし、輸入原料を使用していることは明記しなければなりません。
「せっかく山梨ワインを飲むのなら山梨県産のブドウで造られたものがいい」と思っている人は、ワインを選ぶときにこの点を確認してみると良いでしょう。
この記事では、山梨県産のブドウを使用して造られているワインをメインに紹介しています。
山梨ワイン【赤】おすすめ7選 ナチュールワインも紹介!
ここまで紹介した、山梨ワインの選び方のポイントをふまえて、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの石関華子さんと編集部が選んだ山梨ワイン【赤】のおすすめ商品をご紹介します。

マスカット・ベーリーAの魅力に迫れる1本
シャトー・メルシャンは、1877年(明治10年)に創業された日本最古の民間ワイン会社・大日本山梨葡萄酒会社をルーツに持ちます。1966年(昭和41年)には国際ワインコンクールで日本初となる金賞を受賞。その後も日本の風土にあったブドウ造りと高品質な日本ワイン造りを目指し、日本ワイン業界をリードし続けているのです。
そのシャトー・メルシャンが手がけるこの赤ワインには、山梨県産「マスカット・ベーリーA」が使用されています。ラズベリーやフランボワーズ、キャンディのような香りに、バニラのニュアンス。ほどよい酸味と果実の凝縮感、穏やかな渋みがほどよく調和しています。日本産ブドウ「マスカット・ベーリーA」の実力と魅力が味わえる1本です。

欧州ワインを思わせる力強い濃厚な赤ワイン
1917年(大正6年)、甲府市に創業したサドヤは、1936年にはフランスから取り寄せたブドウの苗木による栽培に成功しました。甘口ワインが主流だった当時、いち早く本格辛口ワインの製造に乗り出したのです。サドヤはこれまで数々の受賞ワインを生み出してきました。なかでも、最高峰と言えるブランド「シャトーブリヤン」を、より手頃な価格で楽しめるようにしたセカンドラベルがこのワインです。
使用されているブドウ品種は、甲府市善光寺町のサドヤ農場で栽培された「カベルネ・ソーヴィニヨン」。世界で最も広く栽培されている品種のひとつです。
カシスやブラックベリー、いちじくのコンポートのような香りに、ハーブや樽の香りが複雑にからみ合い、豊かで力強く厚みのある味わいに仕上がっています。ヨーロッパ産ワインにも引けを取らない本格派の赤ワインと言えるでしょう。

華やかでチャーミングなスパークリングロゼ
1877年(明治10年)創業という長い歴史と伝統を持つシャトー勝沼。「ブドウの栽培から醸造、販売まで、すべて一貫した手作り」をポリシーに、ワイン造りを続けてきました。そのシャトー勝沼が手がける人気の1本が、このスパークリングロゼです。
使用されている品種は山梨県産の「甲州」と「マスカット・ベーリーA」です。イチゴやラズベリーのような果実の香りに、フレッシュでフルーティーな味わいで、さまざまな料理に合わせやすいのも魅力のひとつと言えるでしょう。
全体的にチャーミングな印象で、ワイン初心者にもおすすめ。食卓にあればその場がパッと明るくなるようなワインです。
入門に最適! 安価かつ堅実な赤ワイン
鹿児島の老舗焼酎酒造・本坊酒造は、山梨県でのワイン造りにも力を入れています。1960年(昭和35年)には山梨県笛吹市に「マルス山梨ワイナリー」を設立し、「マルスワイン」のブランド名で多数のワインを生み出してきました。なかでも、マルスセラーは日本人の味覚に合わせて造られた山梨ワインのシリーズです。
「カベルネ・ソーヴィニヨン」と「マスカット・ベーリーA」の2種のブドウを組み合わせて醸造した赤ワインで、肉料理やチーズにピッタリ。ベリー系のさわやかなフレーバーが特徴的で、ややしぶめの本格的な味わいが魅力と言えるでしょう。価格が手頃なので、甘いワインを卒業したいという人に向いた一本です。
一味違う「なまもの」ワイン
「勝沼生まれの生ワイン 赤」のリニューアルバージョンで、熱処理をせずに造られた生ワインです。さらっとした甘さが特徴的で、飲みやすいワインとして人気を集めています。気になる酸化防止剤も無添加。
生の赤ワインには輸入や国産の「コンコード」を、白ワインには勝沼産の「甲州」が使用されています。日本ではまだまだ生ワインは珍しいので、未体験の人に飲んでみてほしい一品です。
華やかな甘口のスパークリングワイン
果実味がしっかりしている赤のスパークリングワインですが、ほかにはないオリジナルな味わいを楽しめます。
とても飲みやすくて、木いちごや野いちごのコンポート、チェリージャムのような華やかな香りを楽しめる甘口のスパークリングワインです。
口のなかにさわやかな泡が広がり、濃厚な甘みと適度な酸味が特徴のワインです。
山梨ワイン【白】おすすめ5選 オレンジワインも紹介!

すべてにこだわった「ザ・山梨ワイン」
1885年(明治18年)の創業時以来「本物のワインは本物のブドウから」をモットーに掲げているルミエール。その高品質なラインナップのなかでも特におすすめしたいワインが、このスパークリングワインです。
使用されているブドウ品種は、笛吹市南野呂地区で栽培された「甲州」のみ。フランスのシャンパーニュと同じく、瓶のなかで二次発酵をさせて発泡性を生み出す製法で造られています。この製法に由来するきめ細やかな泡立ちは上質そのもの。
優雅なひとときを演出してくれるでしょう。日本のかんきつ類特有の清々しい香りと、豊かでコクのある味わいが楽しめます。ゴールドのラベルには高級感があり、ギフトにも最適です。
人気のスパークリングワイン
繊細な泡が長く続くスパークリングワインです。淡い黄金色がついており、見た目にもとても上品なので、お祝いの席などにもぴったりです。ブドウは甲州種で、上品な香りと柔らかい味わいをしっかりと楽しむことのできるスパークリングワインに仕上がっています。辛口タイプなので、さまざまな料理と合わせておいしくいただくことができます。
和食にマッチする白ワイン
山梨県産の甲州種ぶどうを贅沢に100%使用した上質な白ワインです。香りのバランスがよく、クセがありませんので繊細な和食ととてもマッチするワインに仕上がっています。基本的にはスタンダードな白ワインですが、香りや味わい、余韻などあらゆる面においてとてもクオリティが高いので、ワイン好きな方にこそ一度ためしていただきたい逸品です。
キレのある超辛口
深いコクとキレのある味わいを楽しむことのできる超辛口タイプの白ワインです。酸味も適度ですっきりとした味わいに仕上がっていますので、晩酌にぴったりです。ワインですが、日本酒を思わせる味のキレと繊細さ、コクを持ち合わせていますので、和食全般との相性が抜群です。特に白身魚の焼き物や、天ぷらとよくマッチします。
山梨ワイン【一升瓶】おすすめ2選 今話題の一升瓶ワイン!
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 山梨ワインの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでの山梨ワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
長野や山形のワインもおすすめ!
日本ワインの代表・山梨ワインに親しもう!
大小たくさんのワイナリーが点在する山梨県は、日本ワインの生産量やワイナリーの数が日本一。日本ワインを代表するワイン王国です。
2018年から国産ブドウを100%使用したワインだけが日本ワインと名乗れるようになったことは、各方面に少なくない影響をもたらしています。これによって、ますます国内外で日本ワインへの注目が高まっているのです。
この記事を読んで山梨ワインに関心を持ったなら、一度実際に味わってみることをおすすめします! 日本ワインを代表する山梨ワインの魅力と実力にふれてみてはいかがでしょうか。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。