白ワインの選び方
ひとくちに「白ワイン」といっても、値段や産地もさまざまです。種類も豊富でリーズナブルに購入できるものから、手の届かない値段の高級なものまであり、選ぶ楽しさもあります。ここでは、おいしい白ワインの選び方をおさえておきましょう。ポイントは下記。
【1】初心者は、辛口か甘口かで選ぶ
【2】ぶどうの品種から選ぶ
【3】慣れてきたら、産地ごとの味の違いを楽しもう
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】初心者は、辛口か甘口かで選ぶ
白ワインのことを深く知らない方は、辛口・甘口の違いをチェックしましょう。好みの味を見つけることで、ブドウの種類や産地なども覚えやすいでしょう。
キリっとした飲み口の「辛口」
フランスのブルゴーニュ最北部の地名がついた「シャブリ」はシャルドネワインのなかでも飲み口がキリっとしているのが特徴です。辛口に仕上げられていますが、上品な香りもあり、うまみが詰まっています。
果実味を味わえる「甘口」
デザートワインと呼ばれる白ワインのなかにも、甘口タイプと極甘口タイプのものがあります。セミヨンやリースリングであれば味わい深く、ふくよかで果実の風味を感じられます。
また、日本ワインと呼ばれる日本が生産地のものも、甘口の白ワインが多いです。山梨ワインや長野ワインなどをチェックしてみましょう。
【2】ぶどうの品種から選ぶ
白ワインには、さまざまな品種のブドウが使われています。それぞれの特徴をご紹介します。
香り高くふくよかな味わいの「シャルドネ」
世界で最も多く栽培されている白ワイン用のブドウ品種であると同時に、高級白ワインを生み出す品種でもあります。香り高く、辛口で厚みのあるふくよかな味わいのワインを生み出す品種です。樽(たる)作りをされているものも多いので、樽香(たるこう)であるバニラやナッツのニュアンスが生まれます。
フレッシュな酸味を感じる「ソーヴィニョン・ブラン」
「ソーヴィニョン・ブラン」は、さわやかなハーブの香りと酸味の豊かな味わい。フランスやニュージーランド、イタリアなどが原産地です。ソーヴィニョン・ブランを使ったワインは、骨格のある酸味とイキイキとしたフレッシュなニュアンスが特徴。さっぱりとした白ワインを好む人にぴったりです。
しっかりとした酸味が特徴の「リースリング」
ドイツのラインガウ地方が原産のリースリングは、小ぶりの白ブドウです。ドイツで栽培されるようになったのは15世紀のこととされ、18世紀になるとリースリングを使った貴腐ワインの醸造がはじまりました。リースリングを使ってつくられたワインは、しっかりとした酸味と豊かな香りが特徴です。さっぱりとした辛口のワインから、スイーツなどとも相性がよい極甘口のワインまで幅広い味わいのワインがリースリングからつくられます。
厚みのある味わいの「ピノ・グリ」
ピノ・グリ(イタリア語では「ピノ・グリージョ」)を使ったワインは、果実味が豊かでボリュームのある味になります。香りは控えめであるものの、味わいに厚みが感じられて、コク深い料理との相性がばっちりです。卵、チーズを使用した料理のほか、魚、鶏、豚などともよく合うので、肉料理と一緒に味わいたいときに適しているでしょう。
フルーティーさのある「甲州」
甲州は日本固有品種の白ブドウです。軽やかですっきりとした味わいが楽しめます。白ワイン用の「甲州」の特徴は、柑橘類のような香りと、ほのかな酸味と苦み。どことなく日本酒特有の香り「吟醸香」も感じられ、寿司や焼き魚などの魚介類を使った和食との相性が抜群です。
【3】慣れてきたら、産地ごとの味の違いを楽しもう
白ワインの産地によっても味わいが異なります。産地ごとの特徴を見ていきましょう。
フルーティーでふくよかな味わいの「ボルドー産」
ボルドー地方は、フランスのなかでもとくにすぐれたワイン生産地として知られています。おもに赤ワインが生産されていますが、おいしい白ワインも作られているのでチェックしてみてください。
5大シャトーに数えられている生産者が生み出す白ワインは、フルーティさとふくよかな味わいが魅力です。上質なボルドー産は、ワイン好きには見逃せないでしょう。
単一品種のみつくられている「ブルゴーニュ産」
ブルゴーニュ地方は、ボルドーにならぶワインの生産地です。修道院でワインが製造されていた長い歴史を持っており、現在はクリュ(畑)ごとにワインが格付けされています。
また、単一品種のワインのみがつくられているのも大きな特徴です。シャルドネから醸造した白ワインは、美しいゴールドの色合いと、力強さのある味わいが楽しめます。
カジュアルな白ワインなら「トスカーナ産」

トスカーナでは、テーブルワインから上質な白ワインまでが生産されています。
イタリアのワイン産地、トスカーナ。温暖な気候を生かしながら、2000年も前からブドウの栽培がおこなわれています。赤ワインの生産量が80%ほどを占めているものの、高い品質を誇る白ワインもあるので、味わっておきたいところ。
また、上質なテーブルワインも生産されており、カジュアルに飲める白ワインがたくさんそろっているのも、うれしいポイントです。
白ワインの一大生産地の「アルザス産」
アルザス地方は、白ワインの生産量が9割以上を占めている、一大産地です。雨が少なく、日差しが強い環境で、繊細で気高く、華やかな香りの白ワインに仕上がります。白ワインにはさまざまな品種が使われているので、品種による味の違いを楽しむのもいいでしょう。
また、アルザス産ワインは、「フルートボトル」と呼ばれる細長い瓶に詰められるのも特徴です。深緑のスタイリッシュなボトルで、店頭でも見つけやすいでしょう。
甘口から辛口までバリエーション豊かな「イタリア産」
イタリアでは、全土において広くワイン生産がおこなわれており、世界を代表するワイン産地として知られています。数百種類にもおよぶ固定品種が栽培されているのが特徴です。ガルガーネガ種を使用した軽快な口あたりの白ワインをはじめとして、バリエーション豊富なラインナップから選べます。
海に近いワイン産地もたくさんあるため、シーフードとの相性がばっちりです。新鮮な海鮮を活かした和食メニューにも合わせやすいでしょう。
ミネラルを感じる「スペイン産」
スペインワインというと、濃厚な赤ワインをイメージする人も多いことでしょう。しかし、実際は白ワインの生産量も約50%を占めています。とくにアイレン種の栽培面積が世界的に見ても広大で、たくさん醸造されています。
また、海沿いにあるリアス・バイシャスという産地では、「海のワイン」と呼ばれているアルバリーニョ種のワインが作られており、ミネラルを感じる味わいで魚介類を使った和食メニューにも合わせやすいです。
甘口白ワインなら「ドイツ産」
ドイツは、高級の甘口白ワインが人気の地域で、原料ブドウの果汁の糖度から、ワインが格づけされています。
リースリング種のブドウは、国境が接しているアルザス地方では辛口ワインになりますが、ドイツでは辛口だけでなく、甘口ワインも幅広く醸造されているのが特徴です。甘めのワインをお好みの場合は、ドイツワインをチェックしてみるといいでしょう。
新世界ワインの「チリ産、カリフォルニア産、南アフリカ産」
チリ、カリフォルニア、南アフリカ、オーストラリアなどは、16世紀からワイン造りが盛んになった新興国で、「新世界のワイン」と呼ばれています。
果実味がしっかりと感じられる味わいが魅力です。歴史あるフランスやイタリアなどの「旧世界のワイン」よりも、人件費や関税などのコストが抑えられることから、販売価格がリーズナブルなのもうれしいポイント。力強いワインが多いので、味の濃い料理とも合わせやすいでしょう。
白ワイン『辛口』おすすめ15選
ここからは、辛口のおすすめ白ワインをご紹介します。

豊かな味わいの虜に……世界最高峰のモンラッシェ
フランスの5大白ワイン「モンラッシェ」に使われる最上級のぶどう畑が広がるシャサーニュモンラッシェ村。シャサーニュ・モンラッシェ・ブランは、「シャルドネの聖地」として有名なブルゴーニュ地方に位置するこの村の名前を冠した白ワインです。
豊かな味わいが特徴で、ワインラヴァーはもちろんのこと、初心者の方までも虜(とりこ)にしてしまうほどの豊満なワインです。ヘーゼルナッツやアーモンドのニュアンス、そしてアカシアの花の蜜(みつ)を濃厚に感じられ豊富なミネラルが口中に広がります。
クリームソースを使った濃厚な味わいのお食事のお供におすすめですよ。

世界が注目のニュージーランド、マールボロ産
ソーヴィニョン・ブランの原産地はフランスですが、世界のワイン通が今注目している話題の国がニュージーランドです。
この品種では刈ったばかりの草の香りや、ハーブの香りが特徴の白ワインが造られます。グレープフルーツなどの柑橘類(かんきつるい)のさわやかさもあわせ持つ特徴が、最大限に引き出されているのがニュージーランド産なのです。
なかでも南島に位置するマールボロ地区は、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランの85%が栽培されている聖地でもあります。こちらの白ワインは、魚の香草焼きやレモンを使った料理との相性が抜群です。コスパがとてもよいところも、手軽に楽しんでいただけるカジュアルワインとしておすすめです。


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白ワイン『甘口』おすすめ7選
次は、甘口のおすすめ白ワインをピックアップしました。
白ワイン『飲み比べセット』おすすめ4選
次に、飲み比べセットでおすすめの白ワインをみていきましょう。
「白ワイン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 白ワインの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの白ワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
白ワインの美味しい飲み方
白ワインは、適温に冷やして飲むことが大切です。冷やしすぎると味がぼやけてしまうため、甘口なら5~8度、辛口なら7~12(コク深いタイプは10~14)度を目安にしてください。
ワインクーラーに氷水を入れて、ボトルを首のところまで漬ければ、1分ごとに温度が約1度下がります。また、繊細な味わいを感じやすいよう、グラスは赤ワイン用よりも小さく、薄めのものを選びましょう。
白ワインに合う料理やおつまみを紹介
白ワインにぴったりの食べ物も、ぜひ一緒に楽しみましょう。
チーズやフルーツ
白ワインには、チーズや生ハム、フルーツなどのおつまみが合います。とくに、少し甘めの白ワインとクリームチーズの相性は抜群。スーパーで手軽に購入できるカマンベールチーズなどはクセがないので酸味のおさえめな白ワインと合います。
フルーツを合わせるときは、そのワインの香りや味わいを意識して選びましょう。酸味がある白ワインにはイチゴやオレンジ、甘さが感じられる白ワインにはマンゴーやももといった甘みにあるフルーツを合わせてみてください。
アクアパッツァや鶏もも肉のソテー
白ワインには、白身魚を使った料理のほか、鶏肉を使った料理、クリームを使った料理を合わせるのもいいでしょう。
魚をシンプルにトマトやオリーブオイルなどと一緒に煮込んだ「アクアパッツァ」は王道ですね。白ワインに合う肉料理は塩コショウを振ってこんがりと焼いた「鶏もも肉のソテー」がおすすめ。ホワイトソースを使った「ポテトグラタン」などは、かんたんに作れて相性もいいです。
アップルパイやチーズケーキ
白ワインにはアップルパイやチーズケーキ、フルーツのシャーベットなどを合わせてみましょう。とろっとしたテクスチャーも感じられる貴腐ワインやアイスワインには、チョコレートなども合います。
デザートに合わせるときは、キリッとした酸味が感じられる辛口の白ワインのほか、発泡性の白ワインを合わせてみるのもおもしろいです。いつものデザートの時間を簡単にアレンジすることができます。
白ワインに関するQ&A
歴史が古くて種類が豊富なワインは、とても奥が深い飲み物。基本的な知識や情報を知ることは、白ワイン選びにも役立ちます。白ワインに関するよくある質問をみて、基礎知識を身につけましょう。
白ワインと赤ワインの違いは?

白ワインと赤ワインでは、使用するブドウ品種が異なるため、できあがったワインの色に違いが出ます。通常、白ワインには白ブドウ、赤ワインには黒ブドウが使用されますが、一部のワインでは、赤みがかった皮のついたブドウも利用されています。
また、赤ワインは渋味のもととなるタンニンを多く含んでいますが、白ワインは皮と種を取り除いてからブドウの果汁を絞っているので、タンニンが少ないです。
白ワインの保存方法は?

残った白ワインを持ち越す場合、しっかりとボトルの栓を締めることが大切です。できるだけ空気に触れさせないことで酸化を防げるため、味わいや香りをキープできます。冷蔵庫で保管すれば、約1週間ほどおいしい状態で楽しめるでしょう。
また、残った白ワインが少ない場合は、ボトルから小さな瓶などに移し替えて保管するのも有効です。瓶の口元まで白ワインを入れて栓をすれば、白ワインが空気に触れる面積が減るため酸化が抑えられます。
ワインに関連するアイテムもチェック 【関連記事】
世界各地の白ワインをもっと楽しもう
白ワインには、歴史あるフランスやイタリアのほか、リーズナブルな価格が魅力のチリ、オーストラリアなど、数多くの産地があります。
生産地域や原料となるブドウ品種によって、ワインの風味や味わいが変化するため、それぞれの特徴をチェックしながら、自分好みの白ワインを探してみましょう。
また、おいしく飲むためのポイントや保存方法なども、ぜひ参考にしてください。あなたも、各地の白ワインを楽しみながら、よりいっそう豊かな食卓を楽しみましょう。
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