トイレ洗剤の選び方
汚れの原因と相性のよい洗剤の選び方を住生活ジャーナリスト・藤原千秋さんに伺いました。さっそくみていきましょう。
ポイントは下記の通り。
【1】中性 or 酸性 or 塩素系
【2】種類
【3】除菌・消臭・防汚など付加機能
【4】香り
上記のポイントをおさえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】汚れの種類に合わせて液性を選ぶ
トイレの便器の汚れは大きく3つあり、水垢・黄ばみ・黒ずみです。まずは汚れの原因や特徴を把握し、その汚れを落とすにはどんな洗剤が最適なのかを考えてみましょう。「中性」「酸性」「塩素系」の3種類があり、それぞれ特性に違いがあります。特徴についてもご紹介します。
全般的な汚れには便器を傷めない「中性」洗剤がベスト
トイレ掃除では便器以外にも、手洗いカランやハンドル、床、クロスなどさまざまな素材があり、それぞれ適した洗剤があります。「中性」洗剤の洗浄力は比較的おだやかなので、素手でも使用できるほど手肌にもやさしいのが特性です。
素材を傷めない程度の洗浄力のため、ついたばかりの汚れは落としやすく、毎日のトイレ掃除に向いています。
水垢や黄ばみには「酸性」洗剤が最適
水垢は、水のなかに含まれるカルシウムやマグネシウムが、尿石は、尿のなかに含まれるカルシウムがかたまったものです。これが便器や水栓などに付着して起こります。両方の汚れともアルカリ性なので、相反する酸性洗剤が最適となります。
「酸性」洗剤は洗浄力が高いため、毎日のトイレ掃除に使用していると素材を傷めてしまう可能性があります。使い終わったらすぐに洗い流すのが重要です。また、こびりついた尿石に効果を発揮するため、月1回の集中洗浄に使用しましょう。しかし、天然石タイルや金属類への使用は与えるダメージが大きいため、控えてください。
黒ずみ汚れには「塩素系」洗剤が効果的
トイレ掃除をさぼったら出てくる黒ずみ汚れの原因は「黒カビ」です。一度黒カビが発生してしまうと、通常のトイレ洗剤ではきれいに落とせません。しつこいトイレの黒ずみ汚れには、強アルカリ性の特性を持つ「塩素系」洗剤が効果的です。
ただし、「酸性」洗剤と混ざると有害ガスが発生するため、一緒に使用しないように注意してください。肌をいためてしまうため直接さわらず、ゴム手袋をして使うようにしましょう。
【2】掃除の仕方にあわせて種類を選ぶ
トイレ洗剤にはスプレータイプ以外にも、手洗いタンクに設置する置き型やスタンプなどさまざまなタイプがあります。便器に直接吹きつけるスプレータイプや粘度の高いジェルタイプなど、ご自宅のトイレに適したタイプはどんな商品なのか、それぞれの特徴をご紹介します。
粘着度が高い「液体タイプ」
トイレ洗剤で一般的によく使われているのが液体タイプです。製品によって洗浄力は異なりますが、特徴は粘着度が高くてドロッとした液体であること。粘着度が高いので便器の裏まで密着して、ゆっくりと汚れを落としてくれます。
粘着度の高い液体タイプはブラシが不要なものが多いので、掃除の時間も短縮可能です。トイレ掃除を少しでもらくにしたい方に向いています。
サッと拭きかけるだけの「スプレータイプ」
スプレータイプのトイレ洗剤は便器内に噴射して使います。スプレータイプは広範囲に吹きかけられますが、細かい部分まで掃除するのには向いていません。洗浄力は液体に比べると落ちるため、毎日トイレ掃除をする人に向いています。
またトイレットペーパーなどにスプレーを吹きかけることで、便器周辺を掃除できるので便利です。スプレータイプが1本あれば、トイレ掃除をすべて完了できます。
毎日の蓄積汚れを軽減してくれる「スタンプタイプ」
便器の内側にギュッと洗剤を押しあてて、ジェルタイプの洗剤を便器にスタンプするだけです。流すたびにスタンプした洗剤が流れて洗浄してくれるので、トイレ掃除の回数も減らせて便利。汚れだけでなく、香りが広がる商品もあるのでトイレのにおい対策も一緒にできます。
1回のスタンプで一定期間効果が持続するので、こまめに掃除ができない方、効率的に掃除をしたい方などに向いています。ただし、便器の形状によってスタンプする場所が違ってくるので、事前にチェックが必要でしょう。
手軽な掃除アイテムの「ブラシタイプ」
ブラシタイプのものは、トイレ洗剤用のブラシとそれを固定するハンドルがセットになっている製品です。トイレ掃除をするときはハンドルの先端に洗剤つきブラシを差し込んで使います。
便器内をブラシで掃除したら、そのままブラシを外して洗い流せるのが特徴。汚れたブラシを便器内で流せるのであと始末の手間がなく、トイレ掃除がかんたんです。
流すだけで洗浄できる「タンク置き型タイプ」
置き型タイプは、毎日のトイレ掃除から解放されたい方に使ってほしいトイレ洗剤です。トイレの手洗いタンクに置くだけで、使用後に流れる水に洗剤が溶け出し洗浄してくれます。ブラシでこすらずに洗浄できるので素材を傷めません。汚れがつきにくくなるため、黒ずみ汚れの予防としても使えます。
しつこい汚れに最適「泡タイプ」
粘度の高いジェルや泡タイプは、洗剤をしっかりと汚れに密着させることができるのがメリットです。フチの裏側や便器内側の側面、つるつるした表面など、液体では洗剤が流れ落ちてしまうところにも使いやすくなっています。
ジェルや泡が密着し、汚れに長時間薬剤を浸透させることができるので、汚れ落としの効果も高まります。
見えない汚れは「タブレットタイプ」を
タブレットタイプのトイレ用洗剤は、錠剤をそのままトイレのなかに入れて使います。トイレブラシではとどかない、水たまりの奥にたまった汚れもきれいにできるのが特徴です。洋式にはもちろん、和式トイレにも使用できます。
トイレのなかの水たまりに入れてから、汚れを落とすために一定時間放置しなければいけません。就寝や外出前に使うとよいでしょう。
【3】除菌・消臭・防汚など付加機能も注目!
掃除をした際に便や尿による汚れが取れるというものに加えて、水を使う場所ならではの水道水由来の汚れや、においのもとになるバクテリアを滅菌したり繁殖を防いだりするプラスアルファの要素がある商品を選びましょう。また、掃除のあと汚れが再付着しにくいような、コーティングの効果や消臭効果の有無も重視するポイントです。
【4】好みの香りを選ぶ
無臭・無香料のトイレ用洗剤・洗浄剤もありますが、どうしても便器内のにおいが立ちこめてしまいがちです。過剰な香りづけは、掃除によって得られる爽快な効果が半減してしまう傾向があると思います。
しかし、程よい香りや残り香のある洗剤は、掃除を行ったという証拠にもなるため、そのようなものを選ぶとよいでしょう。
トイレ洗剤のおすすめ20選
上で紹介したトイレ洗剤の選び方のポイントをふまえて、住生活ジャーナリスト・藤原千秋さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。
▼トイレ洗剤のおすすめ3選【液体タイプ】
まずは、液体タイプのトイレ洗剤からご紹介します。
黄ばみや尿石を強力に落とす
トイレ洗剤としては歴史の古いサンポール。強力な酸のちからとマイナスイオンの相乗効果で、こびりついてしまった便器の黄ばみや尿石をきれいに落としてくれます。
汚れのたまっている便器の淵やその裏側にも液剤が掛けやすいスミズミノズルもなかなか便利。液を掛けた2~3分後に便器をこすって洗い流すタイプなので、お間違いなく!
かけて流すだけで除菌できる
除菌用の液がドロッとしており、便器内の汚れた場所にかけて待つだけのトイレ洗剤です。ブラシなどでこする必要がなく、待って流すだけで汚れが落とせ、除菌できます。便器のふち裏など掃除がしにくい場所にもかけやすく、トイレ掃除がらくです。
この商品の特徴は除菌力が強く、しかも刺激臭を抑えてあること。こまめに使用すれば、つねに便器を除菌でき衛生さをキープできます。

粘度の高いジェルでブラシを使わず掃除可能
トイレブラシをどうしても使いたくないという方に向いている商品です。ジェルを便器の縁裏などに行き渡らせ、強い洗浄力でブラシなしでの便器内掃除を可能にしています。
塩素系、つまり「カビキラー」などと似通った原材料なので、酸性のクエン酸や酢、アンモニアやアルコールと同時に使用すると危険です。なお、便器外(便座、フタ、床、壁など)の掃除には使用できません。
▼トイレ洗剤のおすすめ7選【スプレータイプ】
続いては、スプレータイプのおすすめ商品をご紹介します。
便器だけでなく床も掃除できる
スプレー式のトイレ洗剤なので、便器内の見えない場所の掃除に便利です。便器内だけでなく便座やトイレの床掃除もできる、ひとつで何役にも使える便利な商品。
トイレのニオイが気になる場合は、用便前や流したあとで便器内にスプレーすれば消臭や便の付着を防げます。トイレ内をさわやかなシトラスミントの香りでキープ。誰でもかんたんにトイレ掃除ができる商品です。

便器の外のお掃除の相棒に
便座、便座裏、フタ、便器外周、床、壁などの掃除の際にトイレットペーパーに含ませてもボロボロにならず、なにかと使い勝手のよい洗剤です。
「トイレ掃除用のシートを買うのがもったいない!」という方に向いています。便器内は洗浄力を上げる必要があるので、別の洗剤を用意したほうがより効果的でしょう。
なお、掃除に使ったトイレットペーパーは少量なら問題ありませんが、掃除の際には排便時より多量になりがちで「詰まり」の原因になりやすいので、別でまとめて捨てたほうが安心です。

便器内も便器外も、これ一本で快適に
従来品の「トイレマジックリン」の消臭力、除菌力、汚れの付着防止力などをより強力にした商品です。フレッシュハーブの香りがするので、使用することでトイレを快適な空間にしてくれます。
また、中性なので、便座や床、壁などを拭くことも問題なく、さらには子どものおまるやポータブルトイレなどのケアにも使用できます。子どもやお年寄りがいらっしゃるご家庭に便利な商品だといえるでしょう。
おしゃれボトルのオーガニックトイレ洗剤
お子さまから高齢者まで、安心して使える石けんづくりに尽力する木村石鹸のトイレ洗剤です。シンプルでおしゃれなボトルなので急な来客でも安心。
純石けんを主成分にクエン酸や炭酸塩を配合し、洗浄力にもすぐれています。ラベンダーのやさしい香りに癒されますよ。
バイオの力で汚れを落とす
逆さまでもスプレーできるボトルで、便器や便座の汚れをキレイに洗浄できるトイレ洗剤です。優しいミントの香りなので、トイレ洗剤のきつい香りが苦手な方にもおすすめです。
お掃除の後は、バイオの働きによって排水パイプの汚れも落とすことができます。排水パイプのお掃除も同時にできるハイテク洗剤です。
植物由来の環境に優しいトイレ用洗剤
ヤシの実から採れるパーム油を洗浄成分に使用した植物由来の洗剤。優しい洗浄成分なので、肌が弱い方でも試しやすいでしょう。ニオイの気にならない無香料タイプです。
お掃除後トイレに流した洗浄成分は、微生物によって分解されるので環境にも優しく使えます。
逆さまでも噴射しやすいスプレーボトルは、無印良品らしいシンプルでおしゃれなデザインなので生活感がでません。出しっぱなしでも雑多な印象にならないところも魅力です。
おしゃれなスプレーボトルのトイレ用洗剤
人に優しい原料を使うことをコンセプトにしているMurchison-Hume(マーチソン・ヒューム)のトイレ洗剤です。とくに国内製造品はとくに高い評価を受けています。
茶色のボトルは遮光性にすぐれており、なかの洗剤が光によって変化するのを防いでくれます。英字プリントのラベルとも相性がよく、インテリアアイテムとして置いたままにしておきたくなるトイレ洗剤ですね。
▼トイレ洗剤のおすすめ2選【スタンプタイプ】
ここからは、スタンプタイプのおすすめ商品をご紹介します。
▼トイレ洗剤のおすすめ1選【ブラシタイプ】
ここからは、ブラシタイプのおすすめ商品をご紹介します。
▼トイレ洗剤のおすすめ3選【タンク置き型タイプ】
ここからは、タンク置き型タイプのおすすめ商品をご紹介します。
▼トイレ洗剤のおすすめ3選【泡タイプ】
ここでは、泡タイプのおすすめトイレ洗剤をご紹介します。

吹きつけておくだけ! 便器の縁裏までスッキリ
寝る前などに便器のなかに吹きつけておくだけで、朝には便器内がスッキリ。掃除の手間がかからない商品を求めている方にぴったりの商品です。
高密度で噴出する泡を便器の縁裏まで行き渡らせることができ、少量の泡とトイレットペーパーで床、便座などの掃除もできます。
香りがあまり強くないので、洗剤のにおいが気になる方にも向いています。
▼トイレ洗剤のおすすめ1選【タブレットタイプ】
最後は、タブレットタイプのおすすめトイレ洗剤をご紹介します。
「トイレ洗剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする トイレ洗剤の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのトイレ洗剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
トイレ洗剤を使う時に注意すること
トイレ掃除をするときは、安全のためにトイレ洗剤の使用上の注意を守りましょう。特に、酸性やアルカリ性の洗浄力が高いトイレ洗剤は、人体に影響を及ぼす危険性があります。掃除中や掃除後は、窓を開けるなどして換気を徹底することが大切です。
また、「混ぜるな危険」という表記のある洗剤は特に注意して扱う必要があります。塩素系の洗剤と酸性の洗剤が混ざると有毒な塩素ガスが発生し、目や鼻の痛み、呼吸困難などの症状が出る恐れがあります。子どもの手の届かない場所に置くなど、取扱いにはじゅうぶん注意してください。
トイレ洗剤を効果的に使うコツ
トイレの汚れを落とすには、強力なトイレ洗剤を使えばいいというものではありません。汚れの種類や状態に合わせて適した洗剤の成分やタイプを選ぶことが、トイレ掃除を効果的にするコツです。
また、頑固な汚れは一度に落とそうとしないこともポイントです。無理に汚れを落とそうとしてこすると傷がついてしまう恐れがあるので、数日に分けて少しずつ掃除をするようにしましょう。
自家製トイレ洗剤の作り方
トイレの黒ずみ汚れは酸性なので、アルカリ性の「重曹」を、水あかや尿石はアルカリ性なので酸性の「クエン酸」が効果的です。
自家製トイレ洗剤は「重曹」を1カップ、「クエン酸」を1/2カップを混ぜ合わせたものに、消毒用アルコールまたは水を少しずつ加えていきます。手でぎゅっとつかめるくらいのかたさになったら、小さいボール状にまるめていきましょう。
半日ほど乾燥させた自家製トイレ洗剤は、2~3日に1回、トイレの便器に入れるだけ。入れたあと、少し時間をおいてから流すだけできれいな状態を保てます。
もし、汚れが落ちない場合は自家製トイレ洗剤を入れたあとにブラシでこすってみてください。
住生活ジャーナリストからアドバイス
昨今のトイレ用洗剤は、トイレの形状や便座の機能に合わせて多様化が目覚ましいです。
何年も同じものを使い続けていてなんとなくトイレのにおいが気になっていたり、もっとラクできないかと感じていたりするのであれば、いつもと違った商品にぜひ「トライ」してほしいと思います。案外あっさり悩みが解決するかも知れません。
トイレブラシやトイレクリーナーも合わせてチェック 【関連記事】
お掃除が楽になるトイレ洗剤を選ぼう
トイレ洗剤の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。毎日使う場所だからこそ、快適な空間になるよういつでもきれいにしておきたいですよね。
置いておくだけで洗浄できたり、トイレをこすらないで洗浄できたりとさまざまなタイプがあります。頻繁に掃除したい方は業務用を購入するとよいでしょう。この記事を参考に、自分に合ったトイレ洗剤を見つけてみてくださいね。
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木質プレハブ系大手住宅メーカー営業職出身。 主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して約20年。企画、広告等多様な業務に携わる。 TBS系『マツコの知らない世界』に1000種類の掃除グッズを試した主婦として出演。 プライベートでは三女の母。