トイレ洗剤の選び方
汚れの原因と相性のよい洗剤がわかったので、ここからは住生活ジャーナリスト・藤原千秋さんに伺ったトイレ洗剤を選ぶときのポイントを解説します。
トイレ汚れの種類に合わせて選ぶ
トイレの便器の汚れは大きく3つあり、水垢・黄ばみ・黒ずみです。まずは汚れの原因や特徴を把握し、その汚れを落とすにはどんな洗剤が最適なのかを考えてみましょう。「中性」「酸性」「塩素系」の3種類があり、それぞれ特性に違いがあります。特徴についてもご紹介します。
全般的な汚れには便器を傷めない「中性」洗剤がベスト
トイレ掃除では便器以外にも、手洗いカランやハンドル、床、クロスなどさまざまな素材があり、それぞれ適した洗剤があります。「中性」洗剤の洗浄力は比較的おだやかなので、素手でも使用できるほど手肌にもやさしいのが特性です。
素材を傷めない程度の洗浄力のため、ついたばかりの汚れは落としやすく、毎日のトイレ掃除に向いています。
水垢や黄ばみには「酸性」洗剤が最適
水垢は、水のなかに含まれるカルシウムやマグネシウムが、尿石は、尿のなかに含まれるカルシウムがかたまったものです。これが便器や水栓などに付着して起こります。両方の汚れともアルカリ性なので、相反する酸性洗剤が最適となります。
「酸性」洗剤は洗浄力が高いため、毎日のトイレ掃除に使用していると素材を傷めてしまう可能性があります。使い終わったらすぐに洗い流すのが重要です。また、こびりついた尿石に効果を発揮するため、月1回の集中洗浄に使用しましょう。しかし、天然石タイルや金属類への使用は与えるダメージが大きいため、控えてください。
黒ずみ汚れには「塩素系」洗剤が効果的
トイレ掃除をさぼったら出てくる黒ずみ汚れの原因は「黒カビ」です。一度黒カビが発生してしまうと、通常のトイレ洗剤ではきれいに落とせません。しつこいトイレの黒ずみ汚れには、強アルカリ性の特性を持つ「塩素系」洗剤が効果的です。
ただし、「酸性」洗剤と混ざると有害ガスが発生するため、一緒に使用しないように注意してください。肌をいためてしまうため直接さわらず、ゴム手袋をして使うようにしましょう。
トイレ洗剤のタイプで選ぶ
トイレ洗剤にはスプレータイプ以外にも、手洗いタンクに設置する置き型やスタンプなどさまざまなタイプがあります。便器に直接吹きつけるスプレータイプや粘度の高いジェルタイプなど、ご自宅のトイレに適したタイプはどんな商品なのか、それぞれの特徴をご紹介します。
スタンプ型はタンクレストイレに便利
スタンプ型のトイレ洗剤は、手洗いタンクがないタンクレストイレに向いています。使い方はとてもかんたん。便器の内側にギュッと洗剤を押しあてて、ジェルタイプの洗剤を便器にスタンプするだけです。流すたびにスタンプした洗剤が流れて洗浄してくれます。汚れだけでなく、香りが広がる商品もあるのでトイレの臭い対策も一緒にできます。
1回のスタンプで一定期間効果が持続するので、こまめに掃除ができない方、効率的に掃除をしたい方などに向いています。
置き型タイプは流すだけで洗浄してくれる
置き型タイプは、毎日のトイレ掃除から解放されたい方に使ってほしいトイレ洗剤です。トイレの手洗いタンクに置くだけで、使用後に流れる水に洗剤が溶け出し洗浄してくれます。ブラシでこすらずに洗浄できるので素材を傷めません。汚れがつきにくくなるため、黒ずみ汚れの予防としても使えます。
スプレータイプは汚れにピンポイントで噴射できる
スプレータイプのトイレ洗剤は、どちらも便器内に噴射して使います。汚れにピンポイントで液剤をかけれるのがメリットです。液体と泡の2種類があり、泡タイプは、便器によく密着して汚れを浮かせて落とすのが得意です。スプレータイプはその手軽さからこまめに掃除したい方に向いています。
ジェルや泡タイプはしつこい汚れにしっかり密着
粘度の高いジェルや泡タイプは、洗剤をしっかりと汚れに密着させることができるのがメリットです。フチの裏側や便器内側の側面、つるつるした表面など、液体では洗剤が流れ落ちてしまうところにも使いやすくなっています。
ジェルや泡が密着し、汚れに長時間薬剤を浸透させることができるので、汚れ落としの効果も高まります。
タブレット型は見えない汚れに
タブレットタイプのトイレ用洗剤は、錠剤をそのままトイレのなかに入れて使います。トイレブラシではとどかない、水たまりの奥にたまった汚れもきれいにできるのが特徴です。洋式にはもちろん、和式トイレにも使用できます。
トイレのなかの水たまりに入れてから、汚れを落とすために一定時間放置しなければいけません。就寝や外出前に使うとよいでしょう。
除菌・消臭・防汚など付加機能も注目!
掃除をした際に便や尿による汚れが取れるというものに加えて、水を使う場所ならではの水道水由来の汚れや、においのもとになるバクテリアを滅菌したり繁殖を防いだりするプラスアルファの要素がある商品を選びましょう。また、掃除のあと汚れが再付着しにくいような、コーティングの効果や消臭効果の有無も重視するポイントです。
好みの香りを選ぶ
住生活ジャーナリスト
無臭・無香料のトイレ用洗剤・洗浄剤もありますが、どうしても便器内のにおいが立ちこめてしまいがちです。過剰な香りづけは、掃除によって得られる爽快な効果が半減してしまう傾向があると思います。しかし、程よい香りや残り香のある洗剤は、掃除を行ったという証拠にもなるため、そのようなものを選ぶとよいでしょう。
トイレ洗剤のおすすめ13選
上で紹介したトイレ洗剤の選び方のポイントをふまえて、住生活ジャーナリスト・藤原千秋さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。

花王『トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー 消臭ストロング』










出典:Amazon
内容量 | 400ml |
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原材料・成分 | 界面活性剤(5%脂肪酸アミドプロピルベタイン)、金属封鎖剤、泡調整剤、安定化剤 |
液性 | 中性 |
香り | フレッシュハーブ |

アイリスオーヤマ『トイレのモコモコ泡スプレー』












出典:Amazon
内容量 | 335ml |
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原材料・成分 | 界面活性剤(5.0%未満、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアミンオキシド)、可溶化剤、着色料、エタノール、香料 |
液性 | アルカリ性 |
香り | グリーンアップル |

ライオン ルックプラス『まめピカ 抗菌プラス トイレのふき取りクリーナー』








出典:Amazon
内容量 | 210ml |
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原材料・成分 | 水、エチルアルコール、アルキルベタイン、アルキルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、水酸化カリウム、ほか |
液性 | - |
香り | クリアミント |

ジョンソン『 スクラビングバブル 超強力トイレクリーナー』














出典:Amazon
内容量 | 400g |
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原材料・成分 | 水酸化ナトリウム(2%)、次亜塩素酸塩、界面活性剤(アルキルアミンオキシド) |
液性 | アルカリ性 |
香り | - |
大日本除虫菊『サンポール』

出典:Amazon
内容量 | 500ml |
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原材料・成分 | 塩酸、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ほか |
液性 | 酸性 |
香り | - |
小林製薬『トイレ洗浄中』














出典:Amazon
内容量 | 150g(6錠) |
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原材料・成分 | モノ過硫酸水素カリウム、過ホウ酸ナトリウムほか |
液性 | 弱アルカリ性 |
香り | フレッシュミント |
小林製薬『ブルーレットおくだけ』








出典:Amazon
内容量 | 25g |
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原材料・成分 | 外層:香料、界面活性剤(陰イオン、非イオン)、色素/内層:界面活性剤(陰イオン、非イオン)、色素、キレート剤 |
液性 | 中性 |
香り | ブーケ、ハーブ、ブルージャスミン、ラベンダー、心地よいピンクソープ |
ダスキン『トイレ用洗剤防汚剤(容器付)』

出典:Amazon
内容量 | 25g/個 |
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原材料・成分 | - |
液性 | - |
香り | - |
花王『トイレマジックリン 流すだけで勝手にキレイ』

出典:Amazon
内容量 | 80g(74ml) |
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原材料・成分 | 界面活性剤(29%アルキルグリコシド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩)、安定化剤(エチレングリコール)、表面親水化剤など |
液性 | 中性 |
香り | ほのかなライトブーケの香り、エレガントローズの香り、シトラスミントの香り |
SCジョンソン『スクラビングバブル トイレスタンプ』




出典:楽天市場
内容量 | 38g(6回分) |
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原材料・成分 | 界面活性剤(32% ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、溶剤、香料 |
液性 | 弱酸性 |
香り | リフレッシュミント |
小林製薬『ブルーレットスタンピー除菌効果プラス』










出典:Amazon
内容量 | 28g(約30日分) |
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原材料・成分 | 界面活性剤(34%ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)ほか |
液性 | 弱酸性~中性 |
香り | リラックスアロマ |
木村石鹸『SOMALI(そまり)トイレクリーナー』

出典:Amazon
内容量 | 300ml |
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原材料・成分 | 純石けん分(8% 脂肪酸カリウム)、炭酸塩、重曹、クエン酸塩、エチルアルコール、乳酸、天然ラベンダーオイル |
液性 | 弱アルカリ性 |
香り | ラベンダー |
Murchison-Hume(マーチソン・ヒューム)『ボーイズバスルームクリーナー』






出典:Amazon
内容量 | 480ml |
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原材料・成分 | 界面活性剤(0.9% アルキルグリコシド)、セージエキス、グレープフルーツ果皮油、アロマエッセンス、有機酸 |
液性 | 弱酸性 |
香り | ホワイトグレープフルーツ |
「トイレ洗剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする トイレ洗剤の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのトイレ洗剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
自家製トイレ洗剤の作り方
トイレの黒ずみ汚れは酸性なので、アルカリ性の「重曹」を、水あかや尿石はアルカリ性なので酸性の「クエン酸」が効果的です。
自家製トイレ洗剤は「重曹」を1カップ、「クエン酸」を1/2カップを混ぜ合わせたものに、消毒用アルコールまたは水を少しずつ加えていきます。手でぎゅっとつかめるくらいのかたさになったら、小さいボール状にまるめていきましょう。半日ほど乾燥させた自家製トイレ洗剤は、2~3日に1回、トイレの便器に入れるだけ。入れたあと、少し時間をおいてから流すだけできれいを保てます。
もし、汚れが落ちない場合は自家製トイレ洗剤を入れたあとにブラシでこすってみてください。
トイレブラシやトイレクリーナーのおすすめ記事
ハウスクリーニング技能士でありライフアレンジニストの有賀照枝さんに聞いた、トイレブラシの選び方とおすすめの商品を厳選! 頑固な汚れも落とす「ブラシタイプ」、頻繁に掃除するのに向く「スポンジタイプ」、そのまま流せる「使い捨てタイプ」とタイプ別に紹介します。記事の後半には、各通販サイトの人気売れ筋...
「流せるトイレクリーナー」は、使用したあとそのままトイレに流せるのが便利ですよね。便器や便座はもちろんのこと、トイレ内の壁や床なども掃除できる商品も販売されています。シートの大きさや香りもメーカーごとにさまざま。使い捨てのものなので、できる限りコスパがよいものを選びたいものです。そこで、住生活...
家事ライターの楠本知子さんへの取材をもとに、おすすめのお掃除グッズと掃除方法をご紹介します。アンモニアや水アカといったアルカリ性の汚れが多いトイレ掃除は、酸性のクエン酸が大活躍しますよ。専用の洗浄剤や使い捨てのお掃除シートをうまく使いこなすことも、トイレ掃除をラクに進めるポイント。
住生活ジャーナリストからアドバイス
住生活ジャーナリスト
使用しているトイレ洗剤とタイプの違うものを試して
昨今のトイレ用洗剤は、トイレの形状や便座の機能に合わせて多様化が目覚ましいです。
何年も同じものを使い続けていてなんとなくトイレのにおいが気になっていたり、もっとらくができないかと感じていたりするのであれば、いつもと違った商品にぜひ「トライ」してほしいと思います。案外あっさり悩みが解決するかも知れません。
編集部より一言
住生活ジャーナリストの藤原千秋さんに、トイレ洗剤の選び方をうかがいました。毎日使う場所だからこそ、快適な空間になるよういつでもきれいにしておきたいですよね。トイレの素材を傷めにくい成分や、機能性や香りなどにも着目して、ご紹介したおすすめ商品から自分に合ったトイレ洗剤を見つけてみてください。また、毎日のトイレ掃除がラクになる防汚タイプや、おしゃれなボトルのトイレ洗剤を選ぶと楽しくトイレ掃除できるかもしれませんね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/15 記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 渡辺裕美)
木質プレハブ系大手住宅メーカー営業職出身。 主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して約20年。企画、広告等多様な業務に携わる。 TBS系『マツコの知らない世界』に1000種類の掃除グッズを試した主婦として出演。 プライベートでは三女の母。