ローカットトレッキングシューズの選び方 目的・サイズ・素材などに注目
山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんに、ローカットトレッキングシューズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。サイズや素材などの選び方を参考に、自分に合った1足を選んでみてください。ポイントは下記。
【1】目的にあったシューズを選ぶ
【2】ワンサイズ大きめでワイドなものを選ぶ
【3】素材の耐久性と防水・通気性にも注目
【4】ローカットの弱点は靴ひも部分でカバー
【5】ソールに注目! 歩きやすい横ミゾ、安全重視の縦ミゾ
【6】同じサイズでも、メーカーによって形が異なる
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】目的にあったシューズを選ぶ
低い山や自然のなかを歩くトレッキング。けっして平坦とはいえない道を歩くためにつくられたのがトレッキングシューズです。しかし、実は一般的にトレッキングシューズと呼ばれているものにも3種類あります。
トレッキングシューズ | 中級程度の登山向き
トレッキングシューズは、一泊二日程度の登山に向いているシューズです。アッパーやソールは硬めに作られているのでごつごつした岩場があっても疲れにくく、シューズの重量により安定して歩けます。
ローカットタイプは、足首を固定してしまわない程度に柔軟性があり、さらに防水性がある素材のものであれば、悪天候などで足場が悪い日のハイキングなどにもぴったりです。
ハイキングシューズ | 低い山や平坦な道向き
遊歩道など、整備された平坦な道を歩くときや、低い山を登る際に用意したいシューズです。整備された道で会ったとしても、荷物を背負って数時間歩くのは足腰に負担がかかります。適度にクッション性のある厚めのソールのものを選びましょう。
山の天候は変わりやすいので、防水性のある素材で軽量のものであれば心配はないでしょう。
トレイルランニングシューズ | 山道を駆け抜ける
トレイルランニングとは山道を駆け抜けるアクティビティのひとつです。その目的で作られたシューズをトレイルランニングシューズ、略してトレランシューズと呼ぶこともあります。
トレイルとは本来未舗装の道を指す言葉で、山中の岩や木の根などにも影響を受けないように、ソールの凸凹が大きくはっきりしていることや、全体的なプロテクションがしっかりしている必要があります。ソールは地面の様子を足でキャッチできる「感覚」タイプと、足腰への負担を避ける「クッション」タイプから選べ、初心者はクッションタイプからはじめるといいでしょう。
アプローチシューズ | 登山靴とタウンユースの中間
クライミングを楽しむ人が、岩場までの山道を歩く目的で作られたアプローチシューズ。それほど険しくない岩場や、山道にも向いています。タウンユースとしてもぴったり。
大きな特徴としては、つま先の部分にクライミングゾーンがついていること。クライミングする際に滑り止めになるラバー製のパーツなので、足場が悪い場所でのトレッキングにも重宝します。
ほかにも選択肢はあるが、山歩きならトレッキング
山歩きに使えるローカットタイプのシューズとして、トレランシューズやアプローチシューズがあります。しかし、トレランシューズは「山を走る」ことを想定したやわらかなつくり、アプローチシューズは「岩場を歩く」ことも想定したかたいつくりとなっており、その特徴や用途がはっきり分かれているのです。
トレッキングシューズはそれらのちょうど中間に位置し、「山を歩く」ためにバランスのよいかたさに調整されています。一般的なトレッキングや低山ハイクに使うことを考えれば、同じような見た目でもトレランシューズやアプローチシューズは使いにくくなりますので、トレッキング用のシューズとして開発されたものを選びましょう。
【2】ワンサイズ大きめでワイドなものを選ぶ
登山用の靴下には「クッション性」「つま先の保温」「足の吸汗」などの目的があり、デイリーユースの靴下より厚めにできています。そのため、トレッキングシューズを選ぶ際には、自分のサイズより0.5~1cm大きめのサイズを選びましょう。
靴幅も少し広めのものを選ぶと、シューズのなかにゆとりがある分、下りの道でも疲れにくくなります。ただしあまり大きいサイズだと、足が不安定になるおそれもあるので注意しましょう。
【3】素材の耐久性と防水・通気性にも注目
ローカットタイプは軽量性と足さばきのよさを重視したデザインのため、アッパーに使われている素材も軽量でうすいものが中心です。そのままでは耐久性に欠けてしまうため、傷みやすい部分に補強素材を組み合わせたり、樹脂をコーティングして耐久性を増したりしています。
補強の程度によっては歩行中に違和感が生まれる場合もありますので、自分の足になじむものを探すとよいでしょう。アッパーが華奢(きゃしゃ)なタイプは、その内側に張られた透湿防水性メンブレン(膜)が傷みやすく、使用しているうちに防水性が損なわれていきます。長く使いたい方は、いくぶん重くなりがちですが、強靭(きょうじん)なレザーのものを選ぶというのもひとつの手です。
予算に少し余裕があるのであれば、アウトドア用に開発されたゴアテックスを使用したシューズを選択肢に入れてもいいでしょう。これまでゴアテックスは防水機能にウェイトを置いていましたが、通気性や保温性にも着目した製品を作っています。また類似する機能をもつ素材も多く開発されています。
快適でトラブルのないトレッキングを楽しむために、初期投資としてハイスペックな素材を使用したものを選ぶのも必要です。
【4】ローカットの弱点は靴ひも部分でカバー
アッパー(足の甲をおおう部分)が足首までおおっていないローカットタイプは、必然的に靴ひもで絞められる部分が足先から足首の曲がる部分までしかありません。そのため、ハイカットやミッドカットタイプよりもフィット感の調整が不得意といえます。
したがって、靴ひもを通すフックやアイレットに工夫があり、しっかりとフィット感を調整できるものを選びましょう。また、かかとの部分がずれやすくもなるので、かかとのホールド感にも着目してください。
【5】ソールに注目! 歩きやすい横ミゾ、安全重視の縦ミゾ
ローカットタイプのトレッキングシューズはスニーカーに近いデザインで足首が自由に動くため、その特性をいかして前方への推進力を重視したモデルが多くなっています。とくにソールがやわらかくて曲げのばししやすいもののほうが蹴りだしやすく、無駄な力を使わずに歩くことができます。
ソールのパターンもスニーカーと同様で、つま先を上にしてソールを見たときに、横方向のミゾが深く刻まれているものは前方へ進みやすいです。前への推進力が多少犠牲になってもスリップを減らして安全に歩きたい方は、縦方向にミゾが切られているものを選ぶとよいでしょう。
【6】同じサイズでも、メーカーによって形が異なる
トレッキングシューズは、各メーカー、ブランドにより基準となる足形がオリジナルで作られています。そのため、同じサイズでも、メーカーやブランドによって足幅が違ったり、クッションがある部分に違和感を感じたりすることもあります。
シューズ選びに失敗しないためにも、ベストなのは、ショップで試着して歩いてみることですが、近くに取り扱っている店がない場合は、公式サイトやレビューをリサーチして、選びましょう。
ローカットトレッキングシューズおすすめ20選 人気のノースフェイスやサロモンなど
上で紹介したローカットトレッキングシューズの選び方のポイントをふまえて、山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。
防水性・防湿性に優れたゴアテックス仕様
防湿性に優れたゴアテックスを採用したトレッキングシューズ。防水仕様にもなっているため、じめじめとした梅雨の間や雨の日でも安心して履くことができます。また、アウトソールはグリップ力の高い自社独自の設計で、濡れた路面でも安定して歩けるのも魅力的です。サイズは同じ規格でもやや小さめになっているので、普段のサイズより少し大きいものを選択するのがオススメです。
抜群のフィット感と履き心地が魅力
グリップ力、クッション性、安定感を備えたトレッキングシューズです。軽量な点やオーダーメイドのようなフィット感による抜群の履き心地が魅力!防水性で通気性も良く、かといって外部の湿気を取り込むこともない点も嬉しい特徴です。また、靴紐がほどけにくくて頑丈な点もおすすめポイントだということができるでしょう。かっこいい見た目の本製品を履いてアウトドアに繰り出してみてはいかがでしょうか。
長距離を歩いても疲れにくい抜群の履き心地
履き心地にこだわったキーンのトレッキングシューズです。ソールユニットや素材にこだわり、高いクッション性能と軽さを両立しています。また、アッパー素材を中心に、高い通気性と履き心地を実現する素材を採用しているため、10km以上歩行しても疲れにくいのも魅力的です。登山や普段使いにもちょうどいいおしゃれなデザインなので、様々な場面で活躍しますよ。
頑丈でしなやかなフラッグシップモデル
Targhee IIを進化させたトレッキングシューズです。頑丈でありながらしなやかで、つま先部分に余裕があって足への負担が少ない点が嬉しい特徴!フィット感がよく履き心地抜群な製品で、滑りやすい山道をはじめとしたほとんどの地形で素晴らしいグリップ力を発揮します。防水性能がついていて、雨の日でも問題なく使用できる点もおすすめポイントです。本製品を履いて、登山などに赴いてみてはいかがでしょうか。
足への負担が軽いトレッキングシューズ
『VECTIV』システムを搭載したトレッキングシューズです。軽量でグリップ力、安定性、推進力を兼ね備えているので、足への負担を減らしながら歩いたり走ったりすることができます。また、防水性能も備えていて雨の日も問題なく使用できる点も嬉しい特徴!本製品を履いて、少し遠出をしてみたりハイキングやファストパッキングに行ったりしてみてはいかがでしょうか。
ダイヤル調整で得られるフィット感
Boaクロージャーシステムを搭載したトレッキングシューズです。ダイヤルを操作することでホールド感を調節し、靴を簡単に自分の足にフィットさせることができる点が魅力!防水が可能で、なおかつ軽量化がなされている点も本製品の特徴です。本製品を履いて簡単な登山などに行ってみてはいかがでしょうか。
軽くて丈夫なローカットモデル
防水透湿性、グリップ感、安定感のあるトレッキングシューズです。軽くて生地も柔らかく、ある程度の伸縮性があるのでフィット感があり履き心地が抜群!クッション性も良いので、長時間舗装路を歩いても足裏が痛くならない点も嬉しい特徴です。また、柔らかくて軽い反面、頑丈な点もおすすめポイントだといえるでしょう。アウトドア全般で本製品を履いてみてはいかがでしょうか。
「Moab」の進化版で着脱が簡単
「Moab 3」は「Moab」を進化させたさせたトレッキングシューズです。屈曲性や透湿・防水性、軽量性や履き心地の良さに加え、さらにサポート性やホールド性が高くなっている点が魅力!ローカットタイプで履き口が大きいので紐を解かずに着脱できる点も嬉しい特徴です。幅広いシーンで活躍する本製品を履いて、街を歩いたり山に登ったりしてみてはいかがでしょうか。
優れた反発力のワイドサイズモデル
クッション性やグリップ力、快適性を備えたトレッキングシューズです。本製品の特徴は高い耐久性と反発力!少ない力で踏み出すことができるので足への負担が少なくなっている点が魅力です。また、ワイドサイズのモデルなので足幅が広い人でも痛みを感じずに快適に履いていただける点もおすすめポイント。キャンプやフェス、ハイキングなどの様々なアウトドア活動で本製品を使用してみてはいかがでしょうか。
ぬかるんだ道でもパフォーマンスを発揮!
雨の日やぬかるみ、起伏の多い地面にも左右されにくい軽量トレランシューズです。どんな地形であっても、耐久性と防水性に優れたシューズが雨をはじき、足を前へと進めてくれます。
天候を気にせず使えるトレイルランニングシューズをお求めの方におすすめです。

アウトドアでもおしゃれは欠かせない、という方に
アッパーには落ち着いた色合いのスエードを使用し、靴ひもを通すハトメはシンプルなデザイン。アウトドアシューズらしからぬ上品さが魅力です。街なかでもはきたくなるシックなデザインのものをお探しの方に適しています。
デザイン性を重視しながらも、タンの部分や足首まわりにはメッシュ素材を使用することでムレの対策をしており、ほかのトレッキングシューズと比べても機能性が劣ることはありません。ソールには定評あるビブラム社の製品を採用し、対摩耗性(まもうせい)にすぐれているのもポイントのひとつです。
履き心地と外観に優れたトレッキングシューズ
時代を問わず履かれている、エドウィンのトレッキングシューズです。この商品のポイントは洗練されたデザインと履き心地の良さ。つま先とヒールはラバーゴム素材で耐久性能が高く、アウトソールが2点をしっかりとガードしてくれます。また、履き口には通気性・速乾性が高いメッシュ素材を使用しているため、長時間でも快適に歩くことができますよ。
高いグリップ性能で疲労を軽減
グリップ性能と耐久性に優れたハイキングシューズです。アウトソールにはグリップ性能の高いVibram(R)メガグリップを採用し、足腰の負担を軽減してくれます。また、アッパーにはGORE-TEX ファブリクス撥水素材を使用しているため、防湿性・防水性能もバッチリ。トウキャップとヒールも耐摩耗性に優れているので、長時間履いても安心です。
落ち着いたデザインで履きやすさもバッチリ
アウトドアブランド、MAMMUT(マムート)のトレッキングシューズ。落ち着いた色合いにブランドのロゴマークが刻まれており、普段使いもしやすい見た目になっています。フラットなヒールやしっかりとした裏地のクッションなど、誰でも履きやすいデザインが魅力。また、ゴアテックス素材を使用しているので、防水性能・防湿性にも優れています。
初心者にもオススメなゴアテックスモデル
黒を基調としている落ち着いたデザインが特徴的なトレッキングシューズ。裏地にはゴアテックスを採用しており、長時間でも快適に履けるのがポイントです。また、軽くて丈夫なつくりになっているので、山でも安心して履き続けられます。履き口もやや広めでフィットしやすい形状なので、登山靴の入門にピッタリ。ハイキングや小屋泊登山を楽しみたい方にもオススメです。
環境にやさしい独自のメンブレンを採用
一部のパーツにリサイクル材を50%使用した、環境にやさしいシューズです。素材にはリサイクルプラスチックを使用したTimberland独自のメンブレンを採用しており、防湿性・防水性も十分に備えています。また、自然に溶け込むような落ち着いた見た目も特徴的で、靴も含めて登山の服装にこだわりたい方には特におすすめです。
履き心地の良さとオシャレなデザインが魅力
1982年から続くニューバランスのブーツ「RAINIER」のローカット版です。本製品でもVibramアウトソールを搭載しており、履き心地は抜群です。アッパーはヘアリースエードとテキスタイルの両方を採用し、さらにコーデュラナイロンを一部に使用したことで軽くて丈夫な仕上がりになっています。印象的でありながら落ち着いたブラウンのカラーリングもオススメしたいポイントです。
通気性良好な軽量モデル
様々な地形に対応可能な軽量トレッキングシューズ。アッパーには軽くて通気性の良い3Dメッシュを使用しており、湿気がこもりにくいので早いペースでも快適に歩けます。また、ソールにMichelin Free Crossを採用してグリップ性能を確保しているので、未舗装の道でも安全です。明るくオシャレなカラーリングで普段のウォーキングに使うこともできますよ。
長時間の歩行をサポート! 安定性抜群
疲れにくさに配慮した構造のため、登山やハイキング・旅行などの長時間の歩行におすすめ。オールシーズン履くことの出来る登山靴です!
つま先部分と踵部分には保護設計を採用、足をしっかりと保護し安定性を実現。スエード素材でにおいを防いでくれるのもポイントです。
汚れにくくコスパも十分
お手頃な値段で購入できる防水トレッキングシューズです。撥水・防水加工として「BIONIC FINISHR」を施しており、ぬかるんだ道を歩くときも滲みにくく、汚れも付きにくいのがポイント。また、ハニカム構造のインソールを採用しているため、接地した時の衝撃を和らげてくれます。サイズは同規格だとやや大きめなので、足の幅が広い方はフィットしやすいはずですよ。
「ローカットトレッキングシューズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ローカットトレッキングシューズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのローカットトレッキングシューズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
一緒にチェックしたいトレッキングアイテム デイパック、ポール、熊鈴
おしゃれなトレッキングシューズもチェック メンズ・レディース・ユニセックス
エキスパートからのアドバイス 安全に軽やかに山を歩くために!
街歩きよりもはるかに足へ負担がかかるアウトドアでは、本来ならばハイカットやミッドカットを選ぶのが無難です。しかし、アッパーの面積が少なくて湿気が抜けやすいローカットは、暑い時期に適した形状であり、もっと積極的に使用してもいいといえます。とくに、高山よりも気温が高い低山では、活躍の機会が多くなるでしょう。
ローカットをはくことに少しでも不安がある方は、まずはハイカットかミッドカットを購入し、2足目のシューズとしてローカットを選ぶという方法もあります。自分の足に合うシューズを探し、たっぷりと野山を楽しんでください。
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