キヤノン 広角レンズの選び方 写真家に聞く
写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに、キヤノン 広角レンズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。

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最初は標準レンズを使って撮影をしていれば満足だったけれど、慣れてくると「もっと広く風景を切り取りたい!」と思ったりしませんか。そんな方はぜひ、広角レンズを使った撮影に挑戦してみてください。
カメラのマウントに対応したレンズを選ぶ
写真家、カメラ評論家
レンズ選びでは、自分が使用しているカメラボディのマウントに適応したものを選ぶことが必須です。一眼レフ(フルサイズ判・EPS-C判)、ミラーレス(フルサイズ判・EPS-C判)の4種類それぞれ別のマウントです。同じキヤノン製のレンズであっても使用できないか、仮に取りつけることができても満足に使うことができません。
キヤノンの交換レンズにはマウント別に4つのシリーズがラインナップされています。シリーズが違うと取りつけることができないものもあれば、専用のマウントアダプターを介することで使用することができるものもあるので、自分が持っているカメラボディのマウントに対応したレンズを必ず確認しましょう。
手軽に撮影を楽しみたい人は価格を重視して選ぶ
撮影時のオートフォーカスをよりなめらかにスピーディーにする「ステッピングモーター」、そして「手ぶれ補正」機能を搭載した超広角レンズ。
写真家、カメラ評論家
キヤノンの交換レンズには、キヤノンが定めた厳格な評価性能を満たした「Lレンズ」とよばれるプロ用の高性能、高価格のレンズがあります。では、それ以外のレンズは性能が劣るのかと言えば、決してそんなことはありません。そこまでの高い性能は必要ないので、手軽に、そしてなにより価格をおさえたレンズを使って撮影を楽しみたいという人は、あえて「Lレンズ」を選ぶ必要はありません。
また、一般的にですが大口径レンズのほうが開放F値が明るいなどの性能がよく、高価で大きくて重くなります。高価なレンズを無理して1本購入するよりも、同じ予算で少し開放F値が暗くても低価格なレンズを2~3本購入したほうが写真撮影を楽しむことができるでしょう。
撮影を体得できる単焦点か便利なズームレンズか
写真家、カメラ評論家
広角レンズには、焦点距離が固定の単焦点広角レンズと、一定の範囲内で自在に焦点距離を変えて撮影できる広角ズームレンズがあります。単焦点広角レンズは、画角が一定で変えることができないので不便なときもあります。しかし、単焦点レンズのたったひとつの画角を努力をしながら使いこなすことで、その画角のクセや表現力がしっかりと体得できます。
ズームレンズは指先で素早くズームリングを操作するだけで画角が変えられるため、便利ではありますが、つい無精をして撮影してしまい、意図しない歪んだ写真になってしまうなどの残念な結果がおこりがちです。むろん、そうした無精な撮影はしないぞ、と言い切る自信のある方にはズームレンズをおすすめします。ズームレンズにはほかには代えがたい便利さとスピーディーさがあります。また、広角レンズとズームレンズは使い勝手のうえからも相性抜群です。
焦点距離で選ぶ
焦点距離とは、レンズの中心からカメラ内部のイメージセンサー(撮像素子)までの距離のことを指します。その距離を示すのがレンズに記されている「~mm」の数字になります。その数字(距離)によって画角(写せる範囲)が変わってきます。
パナソニックが採用している「マイクロフォーサーズ」センサーのレンズは、記載されている距離を約2倍にした画角が撮影可能となっています。すなわち、25mmと記載されていれば、50mmの焦点距離となりますので、目安にしておくとよいでしょう。ちなみに、人の見ている景色に近い画角が50mmとされています。
その50mmより短い距離が広角です。望遠レンズが遠くの被写体を離れた場所から撮影できるのに対し、広角レンズは集合写真を撮る際や迫力ある風景を撮るのに適しています。
キヤノン 広角レンズ11選 最短撮影距離・最大撮影倍率・手ぶれ補正の有無もチェック!
上で紹介したキヤノン 広角レンズの選び方のポイントをふまえて、実際に写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

Photo by Miss Zhang on Unsplash
広角レンズの最大の特徴は、なんといってもダイナミックで迫力のある写真が撮れること。旅先で風景などを撮影したい場合に欠かせない一本と言えます。

キヤノン『EF16-35mm F4L IS USM』








出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 12群16枚、9枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.23倍 |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ、重さ | φ82.6mm×112.8mm、約615g |
手ぶれ補正 | 4.0段分※(CIPAガイドライン準拠) |

キヤノン『EF24mm F2.8 IS USM』






出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 9群11枚、7枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.20m |
最大撮影倍率 | 0.23倍 |
フィルター径 | 58mm |
最大径×長さ、重さ | φ68.4mm×55.7mm、約280g |
手ぶれ補正 | 約4.0段分※(キヤノン測定基準による) |
24mmを使いこなすと、腕が上がるかも
フルサイズ判一眼レフカメラのEOSシリーズ用交換レンズです。手ぶれ補正(IS)を内蔵しています。24mmという広角画角のレンズを使いこなすのは決してカンタンではありません。しかし狭い場所をワンカットで写しこめることや、遠近感を強調してダイナミックな写真を撮ることができます。
また、24mmの画角しかないため、構図を決めるにしてもズームレンズのように指先ひとつで画角を変えることができません。自分が動いて最適な構図にしなければならないのです。めんどうですが、それが写真の上達につながります。広角レンズのなかでは、ぜひ1本持っていたいおすすめレンズです。

キヤノン『EF28mm F2.8 IS USM』






出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 7群9枚、7枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.23m |
最大撮影倍率 | 0.20倍 |
フィルター径 | 58mm |
最大径×長さ、重さ | φ68.4mm×51.5mm、約260g |
手ぶれ補正 | 約4.0段分※(キヤノン測定基準による) |
手ぶれ補正内蔵の使いやすい28mm
フルサイズ判一眼レフのEOSシリーズ用交換レンズです。キヤノンEFレンズには開放F値の異なる2本がラインナップされていますが、おすすめしたいのは、こちらの開放F値がF2.8レンズ。おすすめする理由は手ぶれ補正(IS)を内蔵していること。広角単焦点レンズで手ぶれ補正を内蔵させた世界初のレンズです。
「広角レンズに手ぶれ補正など必要ない」との意見もありますが、決してそうではありません。ISが備わっていることで、ぶれの少ないシャープで解像感のすぐれた写真を撮ることができます。広角単焦点レンズで、手ぶれ補正を内蔵させたレンズをお探しの方におすすめしたい一本です。

キヤノン『EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM』


































出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群14枚、7枚 |
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最小絞り | 22~29 |
最短撮影距離 | 0.22m |
最大撮影倍率 | 0.15倍 |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ、重さ | φ74.6mm×72mm、約240g |
手ぶれ補正 | 4.0段分※(CIPAガイドライン準拠) |
小型軽量で手ぶれ補正も内蔵
APS-C判センサーを使用するEF一眼レフカメラ用の広角ズームレンズ。
約240グラムという軽量さが特徴です。最短撮影距離はズーム全域で約20センチ。最短撮影距離とはイメージセンサー面からの距離ですから、全長が約7センチの10~18mmズームのレンズ先端部からですと、約10センチまで近づいて撮影することができます。つまり、超広角近接撮影ができるというわけです。
また、シャッタースピード換算で約4段ぶんの手ぶれ補正(IS)機能を内蔵しているところもうれしいポイント。手ぶれ補正機能を内蔵した、軽量なEF一眼レフカメラ用レンズをお探しの方におすすめです。

キヤノン『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』












出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 9群12枚、7枚 |
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最小絞り | 1:22-32 |
最短撮影距離 | 0.15m |
最大撮影倍率 | 0.30倍 |
フィルター径 | 55mm |
最大径×長さ、重さ | φ60.9×58.2 mm(レンズ収納時)、約220g |
手ぶれ補正 | 3.0段分※(CIPAガイドライン準拠) |
APS-C判ミラーレス用の小型軽量ズームレンズ
APS-C判センサーを使用するミラーレスカメラEOS Mシリーズ用の広角ズームレンズです。小型(全長約58mm)、軽量(約220グラム)で、最大で約3段分(シャッタースピード換算)の手ぶれ補正(IS)機能を内蔵しています。
構成レンズには非球面レンズやUDレンズなど特殊光学ガラスを採用しているので高画質な画像が得られます。
AF用モーターにはステッピングモーター(STM)を採用し、静止画撮影だけでなく動画撮影でも高速でスムーズなピント合わせができます。また、AFでピントを合わせたあとに、切り替え操作をしなくても手動でピント補正をすることもできるので便利。ミラーレスカメラEOS Mシリーズ用のレンズで、手ぶれ補正機能を内蔵した、小型・軽量なものをお探しの方におすすめです。

シグマ『20mm F1.4 DG HSM | Art キヤノン』






















出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群15枚、9枚 |
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最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 1:7.1 |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ、重さ | φ90.7㎜×129.8㎜、約950g |
手ぶれ補正 | - |
お求めやすいF1.4大口径広角レンズ
キヤノン製ではありませんが、汎用交換レンズメーカーであるシグマ製の大口径超広角レンズ。フルサイズ判のキヤノンEF一眼レフカメラシリーズ用です。20mmという広角レンズでは開放F値がF1.4を達成した初のレンズでもあります。
やや大きくて重いレンズですが、F1.4という明るいF値を生かすことで、暗いシーンでもより高速のシャッタースピードで撮ることができますし、超広角レンズでぼけを利用した写真表現をすることもできます。描写性能が大変にすぐれているためプロカメラマンで愛用している人も多いレンズです。プロ仕様のレンズをお手ごろな価格で探している方に!
キャノン『EF16-35mm F2.8L III USM』












出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群16枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.25倍(35mm時) |
フィルター径 | 82mm |
最大径×長さ、重さ | φ88.5mm×127.5mm、約790g |
手ぶれ補正 | なし |
キャノン『EF17-40mm F4L USM』


















出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 9群12枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.24倍(40mm時) |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ、重さ | φ83.5mm×96.8mm、約475g |
手ぶれ補正 | なし |
キャノン『EF24mm F1.4L II USM』










出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 10群13枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ、重さ | φ83.5mm×86.9mm、約650g |
手ぶれ補正 | なし |
キャノン『EF24-70mm F2.8L II USM』












出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 13群18枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.21倍(70mm時) |
フィルター径 | 82mm |
最大径×長さ、重さ | φ88.5mm×113.0mm、約805g |
手ぶれ補正 | なし |
キャノン『EF24-105mm F4L IS II USM』














出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 12群17枚 |
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最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.24倍(105mm時) |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ、重さ | φ83.5mm×118mm、約795g |
手ぶれ補正 | 約4段分※(CIPAガイドライン準拠) |
「キヤノン・広角レンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする キヤノン・広角レンズの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのキヤノン・広角レンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
手ぶれ補正を搭載したレンズがおすすめ
手ぶれ補正機能が備わったレンズであれば、そのぶんシャッタースピードを早く切れ、ISO感度も低く抑えることが可能なため、より多くの光量を取り込むことができます。
写真家、カメラ評論家
キヤノンの広角レンズには、単焦点レンズ、ズームレンズを問わず、手ぶれ補正(IS)機能を内蔵したレンズと、そうでないレンズのふたつのタイプが用意されています。
手ぶれ補正なしのレンズは、F1.4やF2などの大口径で(開放F値が明るい)レンズも大きく重く、そして高価なものばかりです。一方、IS内蔵レンズは小型軽量で比較的安価なレンズが多いという傾向があります。
確かに開放F値がF1.4などの大口径レンズは魅力いっぱいですが、レンズ購入の予算をできるだけ抑えたいというのであれば、F2.8クラスで手ぶれ補正を内蔵したレンズを選ぶことをおすすめします。撮影目的や予算に合わせて、ぜひ自分にあったレンズを探してみてください。
キヤノン広角レンズに関するそのほかの商品 【関連記事】
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2019/12/16 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。