フルサイズミラーレスの選び方 画素数、AF測距点、防塵防滴、交換レンズ、各種機能ほか
まずはフルサイズミラーレスの選び方をチェックしていきましょう。写真家・カメラ評論家の田中希美男さんのアドバイスも紹介しています。
【1】画素数
【2】AF測距点の数
【3】基本性能のスペック
【4】防塵・防滴機能
【5】交換レンズの豊富さ
【6】予算
【7】夜間撮影やWi-Fi、Bluetooth機能など
これらのポイントを押さえて、自分に合う製品を選びましょう。一つずつ解説していきます。
【1】画素数で選ぶ 2000万画素クラスで十分
画素数が多いほど解像力にすぐれ描写できる
フルサイズミラーレスのイメージセンサーは、2000万画素クラスから4000万画素以上まで画素数に幅があります。画素数が多いほど解像力に優れ、細部のディテールまでしっかりと描写できることが最大の利点。しかし、高画素になるほど画像1枚あたりのファイルサイズも大きくなり、撮影時には十分に余裕のあるメモリーカードも必要です。ストレスなく画像処理しようとするとそれなりの高性能なパソコンが必要となります。
逆に、2000万画素程度の画素数になると画像の取り扱いや画像処理、高速連写での撮影などが相当に軽快になります。画質については、フルサイズ判センサーで2000万画素ぐらいあれば、一般に使用するぶんには不満を感じません。
風景や商品撮影などより微細な描写を最優先したい人には4000万画素以上を、そのような必要がなく手軽にフルサイズで撮影を楽しみたい人には2000万画素クラスのカメラを選ぶのがいいでしょう。
【2】AF測距点の数が多いモデルを選ぶ 動く被写体を撮るなら
動く鉄道や動物など動く被写体を撮影する場合、AF測距点の数が多い機種がいいでしょう。AF測距点とは、ピントを合わせられる位置のことです。
ファインダーやモニターのなかに点や四角が表示されていますが、この測距点の数が多い機種であれば撮りたいものを捉えやすくなります。なお、AF速度も重要ですが、たいていのフルサイズミラーレスはじゅうぶんな速度を備えています。
【3】基本性能のスペックで選ぶ 連写性能、高感度性能、手ぶれ補正機能など
手持ちで撮る際の強い味方が高感度・手ぶれ補正機能
高速連写にすぐれているほど、動きのある被写体を確実に写し止めることが可能です。ただし撮影コマ速度だけではなく、AF/AE(自動焦点/自動露出)の機能を活かしながらの最高の連写速度はどのくらいか、最大何コマまで連写可能なのかもチェックしておきましょう。
一般的に画素数が少ないほど、画素数の多いカメラにくらべて高ISO感度の画質は良好です。暗いシーンでの撮影をする機会がある人には、高感度での画質がよい機種を選ぶのがいいでしょう。高画素数のカメラは低感度を選んでじっくりと高画質な画像を撮影する人におすすめです。
いつも三脚を使って撮影するという人は手ぶれ補正の機能にこだわる必要はありません。しかし手持ち撮影をする機会が多い人には、ボディ内、レンズ内にかかわらず手ぶれ補正の機能があるかどうかは重要なチェックポイントです。使用するレンズの種類を選ばないという点でボディ内手ぶれ補正のカメラのほうに優位性があります。
【4】防塵・防滴機能があるかで選ぶ 屋外での撮影がやりやすい
フルサイズミラーレスは、カメラ上級者の使用も想定し設計されていますので、ある程度頑丈にできているモデルが多いです。耐久性に不安はないものの、自然のなかなど屋外での撮影が多い人は、雨や砂ぼこりを防いでくれる防塵・防滴機能が必須です。
頑丈とはいえカメラは精密機械なので、ダメージを回避できるような機能を備えたカメラを選びましょう。
【5】交換レンズの豊富さで選ぶ レンズの「ラインナップ数」と「互換性」
フルサイズミラーレスのカメラは、本体のみが販売されているケースが多いですが、リーズナブルなレンズキットが選べるものもあります。
自分の好みでレンズを選びたい場合は、本体のみの商品を選ぶのもいいですが、とりあえずなにか撮影したい、という場合はレンズキットのほうがリーズナブルに購入できます。また、自分で後々レンズを選ぶ場合も出てきた場合、レンズとボディのマウント同士が適合しているかを確認する必要があるので、注意しましょう。
レンズの互換性とラインナップも重要な確認事項
フルサイズ判一眼レフカメラ用の交換レンズ数にくらべると、ミラーレスカメラ専用の交換レンズの数はだいぶ少ないのが現状です。それを補うためにマウントアダプターがあります。そのアダプターを利用することで、一眼レフ用の交換レンズの性能をほぼ保ったままミラーレスカメラに使用することができます。
ニコンやキヤノンなどの一眼レフユーザーは、そのレンズをミラーレスカメラにも使えるという利点があります。ソニーのカメラにもマウントアダプターはありますが、もともと専用交換レンズのラインナップも豊富なうえに、サードパーティ製の交換レンズも多くあるのが特長です。
パナソニックとシグマ、ライカは「Lマウントアライアンス」に賛同していてお互いの交換レンズに互換性があり、さらに多数のレンズをそろえているシグマの交換レンズも使用できるというメリットがあります。
【6】予算によって、新品・中古・型落ちを検討する 安いモデルがほしい人は
フルサイズミラーレスのカメラはボディのみで10万円以上、高額なものだと100万円近いモデルまであります。また、10~20万円台のカメラはミドルクラス、30~50万円前半のカメラはハイアマチュアクラス、50万円台後半以上のモデルはプロフェッショナルモデルと言われます。
また、中古や型落ちモデルであれば、ハイアマチュアモデルやプロフェッショナルモデルもリーズナブルに購入できます。ビギナーではもの足りないけどそれ以上のモデルは予算に合わない、という場合は中古や型落ちモデルも検討してみてもいいでしょう。
【7】夜間撮影やWi-Fi、Bluetooth機能などもチェック ISO感度、通信機能を確認
夜間撮影を行ないたい方は、ISO値の設定可能な幅をチェックしておきましょう。星空などを撮影したい場合、撮影しやすさを左右するものなので、スペック表のISO感度の部分は確認が必要な項目です。
また、Wi-FiやBluetooth対応も、撮った写真をタブレットなどを使ってその場で確認したい場合に必要な機能です。付随する機能も便利に使えるので、ぜひチェックしておきましょう。
フルサイズミラーレスのおすすめ15選 キヤノン、ソニー、ニコン、パナソニックほか
ここからは、プロの選んだフルサイズミラーのおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介していきます。選び方のポイントであがった特徴をもつ機種が紹介されています。
どんな環境でもパワフルに対応
堅牢性のあるボディは、登山やアウトドア、-10℃の真冬のロケーション撮影など、どんなシーンでも1日中活躍します。縦横4軸チルト式画像モニター搭載だから、どんな角度でも撮りたい構図をしっかり捉えて撮影できます。
最大6.0段の手ブレ補正効果があるので、手持ちだけで低速シャッタースピードでの撮影や、望遠レンズでの撮影に効果的です。
人や動物を捉えて追いかける
撮りたい被写体にレンズを向け、シャッターボタンを半押しすると、被写体にオートフォーカスして追跡してくれる「リアルタイムトラッキング」機能は、運動会や発表会など、大勢の中から特定の被写体を撮りたいときに有効です。
また、最大約10コマ/秒で撮影できるので、撮りたかったあの一瞬の表情をも逃しません。
オートフォーカス性能がアップ!
有効画素数は最大約2420万のフルサイズのセンサーと、映像エンジン「DGIC X」を搭載。ボディ内に5軸の手ブレ補正機構を備えているので、きれいな写真や映像を手ブレなく撮影することができます。
AFの性能も高く、人やペットの顔、車などに加え、新たに馬と鉄道、飛行機を検出できるようになり、決定的な瞬間をとり逃す心配がより少なくなりました。もちろん4K動画の録画にも対応!
最高の一瞬を逃さず確実に写せる
新採用の「デュアルEXPEED 6」にはEXPEED 6が2基搭載されており、高い捕捉力で決定的瞬間を逃しません。高速連写性能も向上していて、AF/AE追従だと約14コマ/秒で、最大124コマまで連続撮影ができるので、鉄道やネイチャーの高速連続撮影時も快適です。
フォーカスポイントが273点あり広範囲をカバーしていて、シーンや被写体に最適なピントを素早くそして高精度に合わせてくれます。フルHDでの120pハイフレームレートの撮影が行え、普通速度の動画用としても使えます。

先行機だけにユーザー数や互換レンズともに多い
フルサイズ判ミラーレスの先駆者でもあるソニーの、人気のある機種です。使用するユーザー数の多さもフルサイズ判ミラーレスのなかではトップクラス。そのためソニー製の専用交換レンズだけではなく、互換性のあるサードパーティ製の交換レンズの種類も多くバラエティに富んでいます。
ボディ内にはすぐれた手ぶれ補正の機能を備えています。画素数は2420万画素ありじゅうぶんな高画質が得られ、最高ISO204800もの高感度で撮影が可能で、約10コマ/秒の高速連写ができます。あらゆる撮影シーンでストレスなくすぐれた画質の写真を確実に撮りたい人におすすめ。
いっぽう、カメラ基本性能は共通で画素数が4240万画素もの高画質タイプの「α7R III(ILCE-7RM3)」もあります。こちらは、じっくりとカメラを構えて風景などを撮影したい人におすすめです。

フルサイズで軽量小型! リーズナブルな価格も魅力
フルサイズ判ミラーレスとしてはコンパクト軽量で、誰もが扱いやすい操作性と撮影機能を備えたカメラです。はじめてミラーレスカメラにチャレンジしてみたい、わかりやすいカメラ操作で画質のよい写真を写したい、できるだけ小型で軽いカメラがいい、より少ない予算でフルサイズ判ミラーレスがほしい、そんな人にはイチ押ししたいカメラです。
画素数は2620万画素ありじゅうぶんな高画質写真が得られます。最高ISO感度はISO40000までで、非常に暗いシーンでも的確にピントを合わせられるAF機能も装備。専用レンズのRF35mmF1.8のマクロレンズやRF24-240mmズームレンズとセットのキットモデルも販売されていて、それぞれ個別に購入するよりも少し安い価格になっています。はじめての人にはこちらがおすすめです。
暗いシーンでも美しく撮影
4K/フルHD撮影が可能なフルサイズミラーレスカメラ。ISO感度25600の動画撮影は、夏の花火や、BBQシーンなども、美しくノイズの少ない映像に仕上がります。また、デジタルテレコン処理で、レンズを交換しなくても最大4倍のズーム撮影が可能です。
瞳にしっかりフォーカスしてトラッキングしてくれるので、撮りたい被写体をクリアに映し出すことができます。
有効約6100万画素、圧倒的な映像美
α史上最高の解像性能を持つ、フルサイズミラーレスカメラ。臨場感のある8Kの高画質な映像美は、目で見たままの美しさを再現してくれます。被写体の瞳にピントを合わせて追跡するリアルタイムトラッキング機能は、障害物に隠れた後でもしっかりと被写体を見分けてトラッキングします。
高性能手ブレ補正機能が搭載されているので、手持ちでの撮影でも安定した撮影が実現できます。
長寿命バッテリーで、思う存分撮影可能
5.0段の高い手ブレ防止機能を備えたミラーレスカメラ。常用感度ISO 51200と、高感度画質で、暗いシーンでの撮影もノイズを気にすることなく明るい映像が撮影できます。約60コマ/秒の高速フレームキャプチャが、今まで撮り逃していた一瞬の表情をしっかり捉えます。
「サイレント撮影」を使えば、シャッター音、機構ブレなしで撮影できるので、寝ている赤ちゃんや、動物の表情もしっかりキャッチできます。
ノイズを抑えて、狙った画が撮れる
CMOSセンサーを搭載し、見たままを映し出す忠実な色再現性能や、暗いシーンでの撮影に欠かせない低ノイズ性能など、撮りたい映像を思いのままに撮影可能なミラーレスカメラ。まるで映画のような撮影ができる「シネマティックVlog設定」や「S-Cinetone」など、リアルで美しい映像が簡単に撮れます。
アプリを使えば、スマホ連携やアップロードもラクラク。SNS投稿も簡単にできるのが、さすがVlog用カメラと言ったところですね。
V-Log撮影や、映画制作に
歩き撮り時の手ブレ補正性能や、9600万画素相当のハイレゾモードなど、撮影の自由度が高いデジタル一眼カメラ。防塵・防滴仕様だから、急な雨にもしっかり対応できます。さらに、ボディは耐久性の高いマグネシウム合金フレームを採用。万が一を想定した嬉しい仕様です。
24.2M フルサイズCMOSセンサー搭載で、誰でも簡単に臨場感のある自然で滑らかな映像を残すことができます。
無制限に連続撮影できる
画像処理エンジン「LEICA MAESTRO III(ライカ・マエストロ・スリー)」の搭載で、メモリーカードの空き容量限界まで、無制限に連続撮影が可能なライカのミラーレスカメラ。最高ISO感度100000と高感度かつ、オートフォーカス機能で、撮りたい一瞬を逃しません。
これまで静止画撮影が支持されてきたライカですが、このモデルではプロレベルの動画撮影も実現。静止画同様に美しいシーン撮影が可能です。
日常使いしやすいフルサイズ
普段の生活の中で、手軽にフルサイズカメラを使用してほしいという思いから誕生した、FPシリーズ。発売当時、フルサイズミラーレスカメラとしては世界最小・最軽量で、持ち運びしやすく、撮りたいときにすぐに取り出せるコンパクトさが魅力です。
動画・静止画撮影もボタンひとつで簡単に切り替えられ、撮りたいシーンを逃すことなく、瞬時に記録できます。

撮影シーンを選ばないオールマイティなカメラ
フルサイズ判で5軸手ぶれ補正を内蔵させたミラーレスカメラです。画素数が2420万画素、最高感度はISO204800、最高9コマ/秒の高速連写などすぐれた撮影機能を備えています。撮影シーンを選ばないオールマイティなカメラです。パナソニックのフルサイズ判ミラーレスには、カメラボディや基本性能はほぼ同じで画素数が4730万画素もある「DC-S1R」も同時に発売されました。そちらはより高画質な写真を求める人におすすめ。
両機種ともライカやシグマと3社共同で「Lマウントアライアンス」をスタートさせ、それを前提に設計、開発されたカメラです。3社それぞれのカメラとレンズに完全互換性をもたせているので、「S1」も「S1R」もライカやシグマがラインナップしているLマウントレンズを使用して撮影ができますし、今後のシステム展開も楽しみなカメラです。
コンパクトボディでも性能はフルサイズ
持ち運びに便利なコンパクトボディですが、高画質、動画性能、オートフォーカス性能といった機能がしっかりと搭載されています。信頼の高いソニー製のフルサイズ性能を手軽に持ち運ぶことができます。
キットレンズも静止画や動画撮影に最適な設計にもかかわらず約167gを実現しており、ボディと組み合わせても小型軽量なので機動力は抜群です。5.0段分の補正効果がある「光学式5軸ボディ内手ブレ補正」が採用されていて、動画の撮影時も5軸手ブレ補正が行われます。
「フルサイズミラーレス」のおすすめ商品の比較一覧表
【ランキング】通販サイトの最新人気! ミラーレス一眼の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのミラーレス一眼の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【まとめ】エキスパートのアドバイス
当たり前のことですが、レンズ交換式カメラはカメラボディと交換レンズをセットにして撮影します。カメラボディだけの小ささや軽さにばかり注目して選んでも、使用する交換レンズが大きく重ければカメラボディの軽さや小ささの利点は少なくなります。
とくにミラーレスカメラは、一眼レフカメラと比較してコンパクトさや軽さに大きな魅力があります。その魅力を大切にしたカメラ選びをするには、使用する頻度の高い標準的なレンズを選んでから、その「ボディ+レンズ」の重さと大きさをチェックしておくことです。
望遠レンズや広角レンズなどと交換して使うとしても、ふだん持ち運びしたり撮影頻度の高いレンズとの組み合わせ状態を最優先してチェックしておきたいものです。
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