防湿庫の必要性
カメラやレンズは、精密機器。防湿庫は、そんなデリケートなカメラ機材を、密閉空間で湿度を一定にたもちながら、保管できる商品です。
カメラ機材は、ホコリや湿気に弱く、放っておくとカビが発生し、コーティングがはがれるなど、かんたんに劣化してしまいます。
一度カビが発生すると、もとの状態で撮影するためには、高額な修理代がかかります。しばらく使わなかった機材は、修理さえできないことも。
カメラを購入しても、なかなかカメラの管理まで気を配れる方は少ないでしょう。防湿庫はいらない、使わないと考える方もいるでしょうが、せっかくのカメラやレンズをいつまでもコンディションよく使うために防湿庫は必要不可欠です。
防湿庫の適切な湿度は?
カメラ・レンズのカビの発生や機材の劣化を防ぐために、防湿庫の湿度は40~60%が適当です。湿度の高すぎはカビなどの菌が育ちやすく、湿度の低すぎは機材のコーティングに影響が出ると言われています。
カビがよく育つ湿度は、60%超という研究結果も。この温度は、温度とは関係ないので、高温多湿な梅雨時や台風シーズンの雨対策だけでなく、一年を通して湿度管理をする必要があります。
また、1日~2日といった短期間でもカビは繫殖します。防湿庫は、湿度を除去してくれるといっても、雨や汗で濡れたまま、汚れたままで機材を入れないよう気をつけましょう。
防湿庫の種類・タイプ
カメラ防湿庫には、金庫のように部屋に備え置いて使うものと、簡易ボックス型で携帯や移動などもしやすいタイプに大別されます。一つひとつ特徴を解説していきます。
備え置きタイプ:湿度を自動で管理してくれるタイプ
据え置きタイプは、カメラやレンズの保管専用に作られたタイプ。価格は高くなりますが、湿度を自動で適切にコントロールしてくれるうえ、乾燥材を入れ替える手間がないため、管理がラク。自宅のスペースや収納したいカメラやレンズの数に合わせたサイズなど、適切な商品を選びましょう。
ちなみに、据え置きタイプの除湿方式には「ペルチェ方式」と「乾燥材方式」があります。ペルチェ方式は除湿がスピーディで運転音が静かですが耐用年数が短く、乾燥材方式は電気効率が高く耐用年数は半永久的ですが、乾燥剤に吸着させた湿気を排出する間は除湿が止まってしまうという特徴があります。
「簡易タイプ」は持ち運びに最適
簡易タイプは価格が低めで扱いやすいですが、湿度のチェックや調整を自分でやらなければならないタイプ。
一般に販売されているのは、プラスチックケースに湿度計が設置されたものタイプや、持ち運びができるバッグタイプのカメラ防湿庫もあります。前者は自作することも容易で、後者は外出や出張、旅行などのときにも重宝します。
カメラやレンズを抜くと折りたたんで持ち運べる、乾燥剤などを入れられるメッシュポケットがついているなど、商品によっていろいろな機能が付属しています。
カメラ防湿庫の選び方
それでは、カメラ防湿庫の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
【1】サイズ
【2】カメラやレンズが固定できか
【3】湿度計の有無
【4】内蔵コンセントの有無
【5】光触媒が施されているか
【6】容量
上記の6つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズをチェック
防湿庫は、手持ちのカメラやレンズを納めても、余裕のあるサイズを選びましょう。機材が増えるたびに防湿庫を購入するよりも、手間だけでなく、スペースや費用もおさえられます。
また、防湿庫は容量が違っても、1台あたりのランニングコストはあまり変わりません。今後を考えて、ぜひ大きめの防湿庫を選んでみてください。
大きいサイズの防湿庫にためらいがある方は、簡易型の重ねて使えるタイプもあるので、チェックしてみましょう。
【2】カメラやレンズが固定できるかチェック
防湿庫は、万が一倒れてしまったときのことも考えて、ひとつひとつの機材が固定できる防湿庫を選ぶこともポイントです。
カメラやレンズは精密機器で、高価なものも多いです。自分の留守中に防湿庫が大きく揺れたり倒れたりしても、専用のクッションやトレーがあれば、機材の損傷は最小限ですむでしょう。
大切な機材の保管に、機材を重ねずに収納できる、滑り落ちないなどの工夫がある商品を、ぜひ選んでください。
【3】湿度計の有無をチェック
防湿庫には、つねに庫内を清浄にたもつ光触媒機能、庫内でカメラの充電ができるコンセントつき、庫内の湿度が確認できる湿度計つきなど、さまざまな機能を備えている商品があります。
なかでも、湿度計はぜひ備えておきたい機能です。電源が必要な通電型だけでなく、簡易型で湿度計がある商品もあります。すぐれた機能を持つ防湿庫がたくさんあるので、機能面もポイントとして知っておくと、防湿庫選びの役に立つでしょう。
【4】内蔵コンセントの有無をチェック
据え置きタイプに限った話になりますが、防湿庫の内部にコンセントがあるかどうかも確認しましょう。
コンセントがあれば、カメラ自体の充電も可能。保管するだけでなく、新たに充電する手間も減るので便利です。さらに、カメラの予備バッテリーやカメラフラッシュといった周辺機器も、保管+充電することができます。
【5】光触媒が施されているかチェック
光触媒とは、太陽や蛍光灯といった「光」が物質に当たることで、物質の表面に酸化が起こり、防カビや抗菌の作用がある技術のこと。住宅やビルの外壁に施される技術ですが、この光触媒を使用した防湿庫も販売されています。
光触媒が施されていれば、防カビ剤などを用いなくても防カビの効果が期待できるため、とても便利です。さらにカビだけでなく、ホコリやニオイの素となる不純物も分解してくれます。
価格は高くなってしまいますが、カメラ機器を長く使用するためにも、チェックしておきたい機能です。
【6】容量をチェック
容量を確認する際、現在保有している機材の容量ぴったりで選ぶのではなく、少し容量に余裕のあるものを選ぶようにしましょう。容量ぴったりの防湿庫だと、機材が内部でぶつかったり、出し入れがしにくかったりするためです。
目安として、50L以下のものは保有する機材が少ない初心者向け、100L前後であれば一眼カメラ数十台と関連機材を収納できます。150L以上のものが必要になるのは、プロのカメラマンや機材を数多く持っている方くらいでしょう。
フォトグラファーのアドバイス
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所代表
使用環境や保管機材などを考えて選ぼう
カメラ防湿庫は、カメラを湿度やほこりなどから守り保管するために使うものです。湿度などによりカメラのような精密機器はダメージを受けやすいことを理解することで、防湿庫の選び方もわかりやすくなるでしょう。
また、使用する環境や保管する機材の容量などにより選択肢は異なります。場合によっては、簡易タイプの防湿庫のほうが使い勝手がよくてカメラを保管できる状況もあるわけです。それぞれに応じたタイプ、容量から最適のものを選んでみてください。
おすすめ16選|据え置きタイプ
それでは、カメラ防湿庫のおすすめ商品をご紹介いたします。まずは据え置きタイプの商品です。ぜひ参考にしてください。
HOKUTO『HSシリーズ 防湿庫 HS-25L』
















出典:Amazon
東洋リビング『オートクリーンドライ ED-120CATP』
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出典:楽天市場
BOLTLINK『カメラ防湿庫』














出典:Amazon
Re:CLEAN『防湿庫』














出典:Amazon
サンワサプライ(SANWA SUPPLY)『防湿庫 200-DGDRY001』






出典:楽天市場
MOKUSTO『防湿庫』














出典:Amazon
トーリ・ハン『防湿庫「ドライ・キャビ」PHシリーズ』
















出典:Amazon
東洋リビング『全自動防湿庫 オートクリーンドライ ミニドライシリーズ』












出典:Amazon
HAKUBA『ハクバ E-ドライボックス』
























出典:Amazon
HOKUTO『防湿庫・ドライボックス HBシリーズ』
















出典:Amazon
トーリ・ハン『防湿庫 薄型 NTシリーズ』

出典:Yahoo!ショッピング
東洋リビング『オートクリーンドライEDー55CAT』












出典:Amazon
Re:CLEAN『ドライボックス21L』














出典:Amazon
MOKUSTO『防湿庫』














出典:Amazon
HAKUBA『防湿庫KED-85W』






























出典:Amazon
東洋リビング『オートクリーンドライED240CAWP2』














出典:Amazon
おすすめ3選|簡易タイプ
続いては、簡易タイプのカメラ防湿庫です。こちらもぜひ参考にしてください。
HAKUBA『ドライボックスNEO KMC-39』


























出典:Amazon
ナカバヤシ『キャパティ ドライボックス DB-27L-N』










出典:Amazon
HAKUBA『ハクバ ドライソフトボックス』














出典:Amazon
「カメラ防湿庫」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする カメラ防湿庫の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのカメラ防湿庫の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
自作のカメラ防湿庫の作り方
カメラを保管するには防湿庫が必要なことがわかっても、すぐに用意できなかったり、購入商品が届くまでに時間がかかるといった場合は、自作で簡易的に防湿庫を作ることがおすすめです。
本稿では、安く、簡単にホームセンターやドラッグストアなどで売っているもので作れる簡易防湿庫を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
◆用意するもの
用意するのは、「プラスチックケース」「防湿剤」「湿度計」「粘着テープ」の4つ。
◆自作の防湿庫を作る手順
手順は簡単。まずプラスチックケースにカメラのセットを入れます。
↓
そこに、防湿剤を1〜4個、湿度計を見える形で入れます。カメラの保管には湿度40%ほどが最適とされているので、湿度計で湿度を計りながら、防湿剤の個数を調整していきます。
↓
最後に、粘着テープで隙間を塞ぎ、湿った空気が入らないようにすれば完了です。
もちろん、ずっとカメラを保存するのにはおすすめできません。しかし、一時的に保存する分には、野ざらしで置いておくよりよっぽど安心です。プラスチックケースなどは、もともと自宅にあるものでも大丈夫なので、新しい防湿庫が来るまで、ぜひ試してみてください。
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カメラのために、しっかり防湿庫を選ぼう
本記事では、カメラ防湿庫の種類や特徴、選び方、そして、タイプ別のおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、商品ごとの特徴を踏まえた上で、カメラや周辺機器が入るサイズか、カメラやレンズは固定できるか、湿度計はあるかなどを確認し、そして、内蔵コンセントや光触媒機能があるかなども確認すると、より使い勝手のいい便利な防湿庫を選ぶことができるはずです。
当たり前ですが、カメラは湿気に弱い精密機器。だからこそ、防湿庫で適切に保存することで、長く安心して使用することが可能になります。カメラをしっかり守るためにも、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
米国ウィスコンシン州立大学などで写真を学び、帰国後に独立。 1995年からプロカメラマンとして人物、ウェディング、料理、建築、海外取材など広い分野の撮影をする傍ら、写真講座やメディア出演、執筆などを通じて撮影テクニックやフォトライフの楽しみ方を伝えている。 さらに動画撮影、ドローン撮影にも着手。画像や動画を未来につなげる活動を提案している。2018年には、長崎県五島市アンバサダーに就任。 写真と映像で行う地域貢献や海外に向けた日本文化の映像発信にも積極的に取り組んでいる。