コットンテントのメリット・デメリット 雨や結露に強い半面、手入れやカビ取りが必要な場合も
オールシーズン使える「コットンテント」は最近日本でも注目をあびてきています。まずは、コットンテントのメリット・デメリットを紹介します。
コットンテントのメリット 雨に強くオールシーズン対応
コットンテントのメリットは、オールシーズン利用できるという点です。夏は涼しく冬は暖かくキャンプを楽しめます。コットンは、ほかの化学繊維に比べ空気の層を厚く持つことができるため、外気の熱がなかにつたわりづらいという特徴をもっています。
また、結露が少ないのも魅力。コットンテントは水分をたくわえる性質があり、外気との温度差がはげしいときでも、結露が発生しづらい環境をつくってくれます。さらに、その丈夫さも他のテントとくらべ群を抜いています。
コットンテントのデメリット カビ対策や手入れが面倒
コットンテントのデメリットの1番は重さです。先程のメリットにもあるように水分をたくわえる性質があるため、雨が降ったときなどは非常に重くなってしまい、持ち運びが大変になってしまいます。
そして次に気を付けるべきはカビです。湿ったまま収納しようものなら大変。乾かすのに数日は要してしまうことや広げておくスペースを確保する問題なども発生してしまいます。使用後の手入れの大変さは大きなデメリットになるでしょう。
最後は価格でしょう。一般的なテントに比べ高価になるケースが多いです。
コットンテントの選び方 耐水圧、素材とコットン比率、ソロか2人用か、設営時間など
アウトドアライターの夏野 栄さんに、コットンテントを選ぶときのポイントを教えてもらいました。うえでのメリット・デメリットを踏まえて、選び方の参考にしてみてください。
耐水圧を参考に選ぶ 350mmの耐水圧があればじゅうぶん
耐水圧とは、どれぐらいの水圧に耐えることができるか、という意味あいをあらわしています。 多くのテントでは1,500mm前後の耐水圧が一般的ですが、コットンテントの場合は水をよく吸収するので350mmの耐水圧があればじゅうぶんなものが多いです。
それでも雨が心配という方は水滴が下へ流れる円錐形のタイプを選ぶとよいでしょう。
初心者はポリコットンテントを選ぶ 素材とコットン比率に注目!
作家/アウトドアライター
コットンテントの主役は素材といっても過言ではありません。コットン100%やポリエステルとコットンの混紡素材(ポリコットン)など、コットンの比率によってテントのキャラクターが変わります。
コットンの比率が高ければ、よりコットンらしい質感と風合いを楽しめますが、同時に使い勝手の面で難しさが出ます。コットンの比率が低い場合、コットンらしさは減少するものの、水に強く軽くなります。
しかし、100%コットンに防水加工を施した幕体(テントの布地)などもあるため、いずれにせよ「素材」には注目してみてください。
利用人数に合ったテントのサイズを選ぶ ソロか2人用か
作家/アウトドアライター
コットンテントは一般に、代表的な「ベルテント」(ベルのような形をした、側面下部が垂直に立ち上がっているテント)というタイプを始め、比較的人数を多く収容する大型テントが一般的です。
大型のテントを少人数で立てるのはなかなか面倒ですし、重くかさばるテントは少人数での軽快なキャンプにはマッチしません。その部分が合わないとキャンプが億劫になり頻度が減ってしまうことも。
そのためソロやデュオでコットンテントを楽しみたい場合には、まずその人数にマッチしたサイズのテントを探す必要があります。種類は多くはないものの、コンパクトサイズもちゃんと存在しますので、後ほどおすすめをご紹介します。
テントの設営時間や方法を事前に確認して選ぶ 設営の手軽さか耐久性重視か
作家/アウトドアライター
コットンテントは通常のポールを通すテントとは違い、独自の複雑な機構があったり、逆にガイライン(テントが飛ばないようにする固定用ロープ)を使わないというシンプルなテントも存在したりと、設営方法がさまざまです。購入前に確認しておいてください。
その上でスピードや設営の手軽さを重視するか、耐久性を重視するかを選択してください。キャンプの経験値や好みに合わせて、マッチする機構のテントを選んでおけば後々ストレスなく使えます。
コットンテントのおすすめ|エキスパート厳選 ソロキャンプ、2人用、ファミリーキャンプ向け、安いモデルも
ここまで紹介したコットンテントの選び方のポイントをふまえて、アウトドアライターの夏野 栄さんと編集部がおすすめする商品を紹介します。

Cozy house(コージーハウス)『コットンキャンバス ベルテント』










出典:Amazon
使用時サイズ | 300×300×200cm |
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収納時サイズ | 約112cm×25cm×25cm(直径3mテント) |
重量 | 約20kg(直径3mテント) |
幕部分素材 | 100%コットンキャンバス(285gsm)、グランドシート:PVCフロア(540gsm) |
幕部分耐水圧 | アッパーカバー:3,000mm、グランドシート:5,000mm |
収容人数 | ー |
付属品 | ポール、ペグ、抗UV風ロープ |

ROBENS(ローベンス)『フェアバンクス2019(130143)』






出典:楽天市場
使用時サイズ | 365×300×185cm |
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収納時サイズ | 約77×20cm |
重量 | 約9.1kg |
幕部分素材 | ハイドロテックス ポリコットン:35%コットン・65%ポリエステル、グラウンドシート:210Tオックスフォード100%ポリエステ |
幕部分耐水圧 | グラウンドシート:5,000mm |
収容人数 | 4人 |
付属品 | ポール、パックサック |
コットン系に珍しいコンパクトサイズで扱いやすい
ローベンスは北欧、デンマークのブランドで、このフェアバンクスというモデルはコットンにポリエステルを混紡した自社開発の「HydroTex ポリコットン」という素材が使われていて、通常のコットンテントよりも通気性に優れ耐久性も高くなっています。
また珍しいのがサイズ感。コットンテントといえば大型の幕が多いなか、フェアバンクスは3名前後で、もてあますことのないコンパクトさなんです。その大きさから扱いは非常に楽。
同時にセンターポールが室外に立てられる仕様で邪魔にならず、室内は無駄なくたっぷり使えます。少人数で軽快に頻度高くキャンプしたい方にぴったりです。

tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)『サーカスコットンバージョン』












出典:Amazon
使用時サイズ | 442×420×280cm |
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収納時サイズ | ー |
重量 | 約13.58kg |
幕部分素材 | 100%コットン(撥水抗カビ加工) |
幕部分耐水圧 | ー |
収容人数 | 1~2人 |
付属品 | ポール、ペグ、張り網、設営用ガイドセット、収納袋 |
人気ワンポールテントのコットンバージョン
フィールドのニーズと時流にマッチした独自のプロダクトを次々発信する国内ブランド『テンマクデザイン』。
人気テントとして定着し、キャンプ場でも見かけることの多い“サーカス”のコットンバージョン。
まずは使い勝手抜群でサイズ感もほどよい、ソリッドなモノポールデザインがコットンになることで一層「ティピー(アメリカインディアンが使用していた移動用住居)」なムードのあるテントになっています。
またテンマクデザインらしい、ぬかりない仕様でポリエステル素材のスカートを装備、風雨の侵入もしっかり防いでくれます。
安心して使えて雰囲気も楽しめる、さらに良コスパのコットンテントです。

Kodiak Canvas(コディアックキャンバス)『Flex Bow キャンバステント Delux』














出典:Amazon
使用時サイズ | 243×274×185cm |
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収納時サイズ | テントバッグ:約61×33cm、ポールバッグ:約14×89cm |
重量 | 約25kg |
幕部分素材 | ハイドロシールド100%コットン |
幕部分耐水圧 | ー |
収容人数 | 4人 |
付属品 | ポール、収納袋、説明書 |
タフで手軽なアメリカンクラシック
コディアックキャンバスはロッキー山脈から生まれたブランド。このフレックスボウはコットン100%に防水加工を施した素材を使用したタフなテント。
厚手のコットンで耐久性が高く加工により水にも強いのですが、その代償としてかなり重くなっています。設営はスプリングバーというフレーム構造のため、ガイロープ(張り網)で引く必要もなく非常にかんたんです。
重いけどタフでシンプル、アメリカンクラシックムードを手軽に楽しめます。
『カーカムス』という人気ブランドに近いテントがあるものの、あちらは生産量が少なくなかなか買えないという状況もありますので、コスパなど、もろもろ踏まえるとフレックスボウがおすすめです。

NORDISK (ノルディスク)『Legacy Tents Besic Asgard 12.6 ベーシック(NDK-0018-000)』






出典:楽天市場
使用時サイズ | 400×372×250cm |
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収納時サイズ | 約114×37cm |
重量 | ー |
幕部分素材 | 65%ポリエステル、35%コットン |
幕部分耐水圧 | ー |
収容人数 | 6人 |
付属品 | ポール、ペグ、収納袋 |

ogawa(オガワ)『グロッケ12T/C(2785)』
















出典:Amazon
使用時サイズ | 405×265×270cm |
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収納時サイズ | 約80×35×33cm |
重量 | 約14.7kg |
幕部分素材 | フライ:T/C・ポリエステル210d、グランドシート:ポリエステル210d |
幕部分耐水圧 | T/C:350mm、ポリエステル210d:1,800mm |
収容人数 | 5~6人 |
付属品 | ポール、ペグ、張り網、アイアンハンマー、収納袋 |
コットンテントのおすすめ|薪ストーブ対応 冬も温かくて快適! ファミリーや大所帯での登山に
テントの中で焚き火や薪ストーブが使えるコットンテントがあれば、寒い冬でも快適に過ごすことができます。ここではそんなコットンテントをご紹介します。
Robens(ローベンス)『Klondike Grande(クロンダイク グランデ)』






出典:楽天市場
使用時サイズ | 460×460×300cm |
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収納時サイズ | 92×35cm |
重量 | 21.1kg |
幕部分素材 | ハイドロテックス ポリコットン(コットン65%、ポリエステル35%)、グラウンドシート:ポリエステル100% |
幕部分耐水圧 | グラウンドシート:5000mm |
収容人数 | 9人 |
付属品 | Vペグ:12本、Jペグ:24本 |
Tentipi(テンティピ)『Zirkon 7 CP』






出典:楽天市場
使用時サイズ | 450×450×270cm |
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収納時サイズ | 27×62cm |
重量 | 11.7kg |
幕部分素材 | Breathable Cotpolmex C.(コットンとポリエステルの混紡素材) |
幕部分耐水圧 | ー |
収容人数 | 6~8人 |
付属品 | ペグ、ストームコード、ペグダウンの位置を決めるテンプレート、コンプレッション機能付き収納バッグ、日本語レファレンスガイド |
コットンテントのおすすめ|軽量・コンパクトタイプ ソロキャンプやデュオキャンプ(2人用)に!
コンパクトで軽量な、ソロキャンプにピッタリのコットンテントをご紹介します。
NORDISK (ノルディスク)『Asgard Tech Mini アスガルドミニ テント本体』

出典:楽天市場
使用時サイズ | 246×210×160cm |
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収納時サイズ | 28×20×26cm |
重量 | 4kg |
幕部分素材 | テクニカルナイロン(ルーフ)、テクニカルコットン(ドア・ウォール) |
幕部分耐水圧 | ー |
収容人数 | 1~2人 |
付属品 | なし |
UJack(ユージャック)『サーペントテント』














出典:Amazon
使用時サイズ | 300×240×230cm |
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収納時サイズ | 58×24×24cm |
重量 | 8~9kg |
幕部分素材 | フライシート:75Dポリエステルタフタ、インナーシート:T・Cクロス(ポリエステル65%・コットン35%) |
幕部分耐水圧 | フライシート:2000mm、フロアシート:5000mm |
収容人数 | 1~2人 |
付属品 | メインポール、キャノピーポール×3、ストームロープ×10(自在:蓄光発光仕様)、ペグ×10、収納袋 |
コットンテントのおすすめ|センターポール仕様 設営がカンタン初心者でも安心!
テントの中心にポールを立てるセンターポール仕様のコットンテントは、かんたんに組み立てることができて便利です。
ogawa(オガワ)『ピルツ15T/C 』




出典:楽天市場
使用時サイズ | 430×470×310cm |
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収納時サイズ | 90×40×35cm |
重量 | 幕体:13.4kg、ポール:4.2kg |
幕部分素材 | フライシート:T・C(ポリエステル・コットンの混紡)ほか、グランドシート:ポリエステル210d |
幕部分耐水圧 | フライシート:350mm、グランドシート:1800mm |
収容人数 | 8人 |
付属品 | グランドシート、張り出しポール180cm、スチールピン、張綱、アイアンハンマー、収納袋 |
NORDISK (ノルディスク)『Alfheim 19.6 』

出典:楽天市場
使用時サイズ | 500×500×350cm |
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収納時サイズ | 80×27cm |
重量 | 12kg |
幕部分素材 | コットン35%、ポリエステル65% |
幕部分耐水圧 | 350mm |
収容人数 | 8~10人(個室をつけると4人) |
付属品 | ポール、Vペグ28本 |
「コットンテント」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする コットンテントの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのコットンテントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
コットンテントの使い方のアドバイス 風合いをとるか、使い勝手をとるか、間をとるか
作家/アウトドアライター
コットンテントの魅力は、やはりそのルックスと風合いにつきます。
あとはどうコットン素材の弱点と付き合うかということがポイント。ポリエステルを混ぜたコットン混紡を選べば水に強くメンテ性が上がる一方、やはりコットンの質感は弱くなります。どこに重きを置くか、利用シーンとプライオリティーにあてはめて選ぶと最良の答えが見つかるはずです。
ひとつ裏技をご紹介すると、「風合い」と「耐水性とメンテ性」の両取りをしたい僕は、フルコットンテントの上部にポリエステルタープをフライシートのように重ねて使います。
色の薄いタープを使えば異素材でも「景観」はそこまで失われません。みなさんも工夫してコットンテントを楽しんでみてください。
コットンテント以外のアイテムをチェック 【関連記事】キャンプやアウトドアに役立つ
コットンテントについてポイントをおさらい まとめ
ここまでコットンテントの選び方とおすすめの商品を紹介してきましたが、おわかりいただけただろうか。おさらいですが、選び方のポイントは次のようになります。
1)コットンテントのメリット&デメリットを理解
2)耐水圧を目安に選ぶ
3)素材とコットン比率に注目!初心者はポリコットンテントを選ぶ
4)ソロか二人用か、利用人数に合ったテントのサイズを選ぶ
5)テントの設営時間や方法を事前に確認して選ぶ
コットンテントには雨の日でも使用できるものや、通気性がよく快適に過ごしやすいもの、そして少人数用のものから大人数が入れるものまでさまざまなタイプがあります。これらのポイントを参考に自分にあった一品を選びましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/17 コンテンツ追加、本文修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
作家、マルチクリエイター、アウトドア・ファッションのライター・エディターとして活躍。 アウトドア誌やファッション誌でジャンルを超えて連載。ライトノベルやゲームシナリオを執筆。 アウトドアでは『キャンプチャリ』の制作やキャンプ場プロデュースを手掛ける。またファッションマーケットの企画運営からプロダクト開発まで幅広く活動。山岳部出身、海育ちのテンカラ師。 『BE-PAL』や『camp hack』、『OCEANS』や『MonoMax』『Fine』といったメンズ誌のほか、女性ファッション誌にも参加。