薪ストーブとは? 薪ストーブの魅力を解説!
薪ストーブとは、薪を燃料とした暖房器具です。キャンプで薪ストーブを楽しむことの醍醐味は、なによりもまず暖かいこと。なかの空気量を調整できるので、焚き火をするよりも温度を上げやすかったり、長時間にわたって燃やすこともできます。
なかには、天板で調理ができるモデルや水を入れたケトルを置いておけば、加湿器の役割も果たしてくれます。薪ストーブと聞くと購入しにくい印象もあるかもしれませんが、ぜひ、本記事を薪ストーブ選びの参考にしてくださいね。
●メリット
薪ストーブの一番のメリットは、他の暖房器具に比べて圧倒的に暖かいこと。石油ストーブや電気ヒーターなどがありますが、薪ストーブは火力が強く、寒い時期のキャンプでも安心して過ごすことができます。
また、ゆらめく炎を見ながらゆっくりくつろげるのも薪ストーブの魅力。光や音で雰囲気を一気に盛り上げてくれます。
●デメリット
薪ストーブのデメリットは薪を用意しなくてはいけないこと、そしてサイズが大きいので持ち運ぶのが大変なことです。特に、煙突が付いているタイプは縦の幅が必要なので扱いづらい場合もあります。
ですが、最近では軽量でコンパクトなモデルも増えたので持ち運びやすいタイプも増えています。また、薪はECサイトやホームセンターなどで気軽に購入することができるので薪ストーブを検討している人も取り入れやすくなっています。
薪ストーブの選び方 キャンプライターに聞く!失敗しない!
キャンプライターの中山一弘さんに、薪ストーブを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
用途や楽しみ方にあった機能を選ぶ
薪ストーブを選ぶときはまず、どんな用途で使いたいのか、そのためにはどんな機能が必要かをチェックすることで自分にあったタイプを見つけることができます。いくつかまとめたのでぜひ、チェックしてみてくださいね。
炎の雰囲気を楽しみたいならガラス窓付きストーブ
薪ストーブはとても暖かく、調理などにも役立つものですが、ゆらめく炎を眺めたいという人も多いでしょう。窓付きのものだと、炎のゆらめきを眺めることができ、雰囲気をよりいっそう盛り上げてくれます。
これまで販売されていた小型薪ストーブの場合、窓がついておらず、なかの状態は扉を開けてみないとわからないものが普通でした。しかし、最近では炎を楽しめる窓付きのキャンプ用薪ストーブが増えています。モデルによっては、炎を楽しむことをメインにして、側面をほとんど窓にしたものまであります。薪の残り具合も確認できるので便利です。窓ガラスは耐熱仕様のものを選ぶとよいでしょう。
前面と左右それぞれの3面に窓がついているモデルも人気ですが、清掃などのメンテも必要になるので、そのあたりがやりやすいものを選ぶことも大切です。
料理で使うならどの調理法に対応しているかを確認
薪ストーブで手作りピザや料理もしたい、という人も多いはずです。その際、どの調理法に対応しているかを確認しておきましょう。
一般的なモデルは、天板の上にケトルを置いてお湯を沸かすなどができますが、なかには、かまど・オーブン・バーベキューグリルとしても使え、「焼く、揚げる、ゆでる、煮込む、炒める」ができるものもあります。
テントで使うなら煙突付きを
テントのなかで煙突なしの薪ストーブを使うと一酸化炭素中毒のリスクが高まります。テント内で薪ストーブを使用する際は、必ず煙突付きのものを選ぶようにしましょう。その際、テントのサイズに合った煙突の長さのものを選ぶことが重要です。なかには、パーツを買い足して延長することができるものもあります。ただし、煙突付きのものであったとしても、多くのメーカーではテント内で薪ストーブを使用することを禁止している場合がほとんどです。説明書をよく確認するようにしましょう。
また、自分のテントが煙突に対応しているテントかどうかも確認しましょう。対応しているテントには、基本的に入り口と煙突穴のほかに2か所のベンチレーション(換気口)があります。命に関わる部分なので、ベンチレーションの有無は確認しておきましょう。それでも心配な場合は、入り口を少し開けるなどして調整するとよいでしょう。
また、テント内でストーブを使う際には必ず「一酸化炭素チェッカー」を用意するのを忘れずに!
材質で選ぶ 錆びにくさのステンレスか暖かさの鉄か
ステンレス製|熱伝導率が低い/サビに強い/手入れが簡単
【メリット/デメリット】
錆びにくいため、手入れがかんたん。ただし、熱伝導率が鉄より低いため、暖まるまでに時間がかかります。
鉄製|熱伝導率が高い/すぐに暖まる/安価で丈夫
【メリット/デメリット】
安価で丈夫、熱伝導率も高いのがメリット。熱伝導率の高い「鋼板タイプ」と蓄熱性にすぐれた「鋳物タイプ」が選べます。ただし、錆びやすいのが弱点。
収納のしやすさで選ぶ 屋外でも便利な軽量・コンパクトモデルも!
キャンプ用に持ち運ぶことを前提にするなら、本体の重さは10kg前後までがターゲットになるでしょう。煙突についても、本体内に収納できるなら車に積むときにも手間が省けます。
とはいえ、煙突を延長する場合など、オプションで購入したものは収納できないので、別でトートバッグなどを使って持ち運びます。パーツを分解してコンパクトに収納できるタイプなら、専用バッグにすべてのパーツを収納することができるので、パーツをなくすという事態を防げます。
薪ストーブは一度使えば煤(すす)や灰がたくさん付くので、ケースに入れないと車が煤だらけになってしまいます。純正でケースが付属するものもありますが、よくある方法では家庭用の収納BOXを使って、本体+煙突をまとめてしまうというものです。
購入時には収納サイズもよく確認し、掃除のしやすさと後片付けのしやすいモデルかどうかも確認しておきましょう。
持ち運ぶなら軽さも大事! 折りたたみモデルも
10kg前後の製品であればなんとか持ち運べる部類の薪ストーブといえます。人気が高いモデルもこのくらいの重さのものが多いです。
とくに、冬場は何かと荷物が多くなりがち。そういったことも考慮し、取っ手付きなど持ちやすさも選ぶ際のポイントになってきます。また、なかには折りたたみ式のモデルもあるので、コンパクトがいいという方は、そういったタイプも検討してみてはいかがでしょうか。
薪の長さも重要なポイント 使用時のサイズを確認!
薪ストーブを購入してキャンプ場デビューしたとき、意外とあるのが「持ってきた薪が長くて全部入らない」というトラブルです。市販されている薪の場合、50×50×40cm程度のものが多いと思いますが、コンパクトな薪ストーブの場合は、「34cmまでしか入らない」など室内長の制限にそのとき気づくということもあるためです。
薪ストーブを購入するときには、カタログ値はもちろんですが、手元に届いたら実際に計ってみることが大切です。場合によっては、手持ちの薪を入る長さに切っておいたり、あるいはノコギリを持っていって現地で切るなどの作業が必要になります。よく購入する薪が決まっているのであれば、それが入るサイズの薪ストーブにするのが最も楽です。
二次燃焼タイプなら煙も少ない!
二次燃焼とは、一次燃焼で出た煙に空気が入ることで再燃焼させることです。二次燃焼タイプを選ぶことで煙も少なく、効率よく燃やすことができます。
近年では、三次燃焼タイプの商品も出てきていて、燃焼効率もさらにアップします。煙が気になる方は、ぜひ二次燃焼タイプを選びましょう。
薪ストーブおすすめ11選 口コミ・評判をもとに厳選!日本製も!
薪ストーブの選び方のポイントをふまえて、口コミ・評判をもとにキャンプライターの中山一弘さんと編集部が厳選したおすすめ商品を紹介します。

総合的なコスパがよくキャンプにも災害対策にも最適
わたしも所有していますが、1万円以下の価格でフルセット揃いコスパ良し。組み立てもほぼ不要なので最初の薪ストーブとしてもいいでしょう。標準で付属する煙突はあまり長くないので、延長用の直管を買い足すとさらに使いやすくなります。
煙突は100mm径タイプですが、ホームセンターなどで安価に購入できます。天板がしっかりしているので、重い鍋やダッチオーブンを置いても安心です。
さらに、天板の同心円状のプレートを外すと、羽釜をすっぽり置いて直火で調理でき、災害時の炊き出しなどでも活躍しそうです。
家庭用収納BOXの620というタイプがシンデレラフィットで、フルセット+小物類なども収まるので、組み合わせて購入すると便利です。

オプションが豊富で揃えていく楽しみもある
これも軍幕などとの相性がよい、ノルウェー発のコンパクトな薪ストーブです。前面の扉にはガラス窓と吸気口があります。
吸気口は回転させて開口部の面積を調整しますが、微妙な開閉度調整ができるので、効率的に燃焼させるのに役立ちます。
面白いオプションが豊富なのも特徴のひとつで、3リットルものお湯が沸かせるウォーターヒーターや、煙突に取り付けるオーブンなどもあります。
煙突もすべて本体内に収納でき、ステンレス製なので耐久性も高い仕上がり。本体上部の両サイドに広がる棚もあるので、調理中や薪の乾燥などにも使えます。
長く使えるコンパクトな薪ストーブがほしい人におすすめです。

キャンプで炎を楽しみ防災にも役立つオールインワン
ホームセンターなどではホンマ製作所の時計型モデルをよく見かけますが、そのなかでも最小サイズになっています。とはいえ、40cmの薪が入るので使いやすさはそのままです。
ステンレス製で耐久性が高く、なおかつコスパのよい魅力的なモデルだといえます。煙突径が100mmなので、同社製のクッキングストーブRS-41と共通です。こちらには煙突支えセットが付属しています。
天板に同心円状のふたが2ヵ所あるので、羽釜でご飯を炊きながら片方では別の調理をするなど、時短にも役立つ設計です。
従来の時計型とくらべると、3面窓付になっていて炎を楽しむことができます。防災用途も兼ねて、薪ストーブを使ってみたい人にもおすすめです。

錆びにくく熱伝導率が高い時計型薪ストーブ
正面扉がガラス窓となっており、火力の確認ができます。脚は鋳物製のため、安定性が高くなっています。冬場は暖をとることもできますし、熱伝導率が高いので、調理用としても活躍するでしょう。
また、ステンレスには耐食性を高めるため耐熱塗料を塗っており、腐食しにくく、お手入れもかんたんです。
アウトドアで大活躍!コンパクトで調理にも便利
『レジャーカマド』は、煙突がついていないコンパクトな薪ストーブです。本体の分解はできませんが、車に積める大きさで持ち運びもラクです。薪の入れ口が広いため大きめの薪も入れやすく、薪以外にも枯れ木などを燃やせます。鍋などを上に乗せて料理も簡単にでき、かまどの上の蓋が3段階で取り外し可能なので、鍋の大きさに合わせて調整できます。キャンプなどのアウトドアを楽しんだり、自宅の庭でキャンプ気分を味わったりと気軽に使えるのが魅力です。
小さなスペースでの使用におすすめの小型薪ストーブ
コストパフォーマンスがよく、手軽に購入できるのが魅力です。材質の鋳鉄は温まるまでの時間はかかりますが、蓄熱効果があるので、火が消えた後でもしばらくの間暖かさを保てます。最大40cmまでの薪を投入できます。暖房面積は、薪の状態や燃焼状況などさまざまな条件により異なりますが、およそ10~15坪です。小さなスペースで使用するのに適しているので、山小屋などの場所におすすめです。天板は広く使えるので、有効活用できるでしょう。

キャンプ用品の老舗メーカーが手掛ける薪ストーブ
いまでこそアウトドア用品店には、秋にもなれば薪ストーブが各種展示されていますが、ogawaは早くからキャンプ用薪ストーブを開発していたのを覚えています。
初代のちびストーブが発売されたのは十数年前ですが、それ以降改良を繰り返し、現在は3代目のモデルです。
ロストルが追加されるなど、ユーザーの声を受けての改良が施され、より使いやすく効率的な燃焼ができるモデルです。
煙突や足はすべて本体内に収納できるため、コンパクトな付属キャリーバッグで手軽に持ち運べます。
ちびストーブ3の奥行きはカタログ上は40cmですが、市販の40cmの薪をそのまま入れるのは難しいと思います。35cmくらいだとイメージしておくとよいでしょう。
スタイリッシュな見た目で機能性も抜群
アウトドアで、テントの内外で暖をとったり、天板を乗せて調理をしたりと機能性に優れています。天板部分が広いので、調理の際に広く使えるのが魅力的。奥行きのある構造なので、長めの薪も使用可能です。正面にガラス窓があり、薪が燃える様子が見られるので、より楽しい時間を演出してくれます。煙突部分を本体に収納できるため、コンパクトに持ち運びできます。組み立て方も簡単で女性一人でも安心。スタイリッシュなデザインで、世界的にも人気の薪ストーブです。

組み立てかんたんでファミリーにもおすすめ
人気のテンマクデザインのラインアップにも薪ストーブが加わりました。耐久性の高いステンレス仕様で、S、M、Lのサイズがありますが、車でキャンプサイトまでいける場所なら断然Lがおすすめです。
各モデルとも火力コントロールはもともとしやすいデザインですが、煙突径も太くなり、さらに安定した燃焼が望めます。
専用のウォータータンクや、防火シート、収納ケースがセットになったスペシャルパッケージもあるので、気になる人は要チェックです!
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 薪ストーブの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの薪ストーブの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
キャンプ用薪ストーブの使い方 事故や火事を防いで安全に!
薪ストーブの基本的な使い方を解説します。使用する前は、説明書をよく読んでから使用しましょう。
【1】慣らし焚き・着火
薪ストーブに使われている鋳物は急激な温度変化に耐えられないため、新品の薪ストーブを買ったらまず「慣らし焚き」(試し焚)という作業が必要です。初めは徐々に熱に慣れさせていきましょう。
(1)空気量を調整するバイパスダンパーを開き、供給する空気量を調整するエアーコントロールレバーを全開にします。
(2)ストーブ内に着火剤、細めの薪を組んで入れ、その上に中くらいのサイズの巻きを数本のせ、火をつけます。着火できたらドアを閉めましょう。
(3)ストーブが200℃以上にならないよう、エアーコントロールレバーで給気する量を調整。
(4)ストーブ本体が完全に冷えたら終了です。
慣らし焚きでは(1)~(4)までの作業を3、4回繰り返します。薪ストーブ内で着火する方法は慣らし焚きの方法とほぼ同じです。
【2】薪の補給
続いて薪の補給です。
(1)バイパスダンパーを開きます。
(2)ドアを開け、中の炎を均一に広げ、薪を足していきます。
(3)ドアを閉め、エアーコントロールレバーを全開にします。
(4)バイパスダンパーとエアーコントロールレバーを全開にしたまま5分くらい燃やし、バイパスダンパーを閉めます。あとはエアーコントロールレバーで火力を調整するだけでOKです。
【3】消化
消火するときは、エアーコントロールレバーを絞って給気を遮断します。ゆっくり薪が燃え尽き、消火することができます。
キャンプ用薪ストーブに関するQ&A よくある質問
設置場所は?

設置場所は必ずレンガやタイルといった不燃素材の水平な炉台の上に設置するようにしてください。
キャンプ用薪ストーブの寿命はどれくらい?

キャンプ用薪ストーブの耐用年数は平均5年とされています。ストーブが変形してきたら寿命が近づいていると考えましょう。
キャンプライターからの薪ストーブについてアドバイス 一酸化炭素チェッカーなども必需品! 日本製がベスト!
最初から煙突用の穴がテントに用意されている一部のモデルを除いて、たいていのテントメーカーではテント内での使用を禁止しています。これは一酸化炭素中毒や火災の危険があるためです。スクリーンタープなどでも、フルクローズの状態であれば同じく危険です。テント内でなくても、周囲が覆われている場所などでは、常に換気に注意しなければなりません。
最低でも、一酸化炭素チェッカーや表面温度を測る温度計などを、必ず用意しておきましょう。一酸化炭素チェッカーについては安い外国製ではなく、できれば性能が信頼できる国産品にしましょう。また温度計も、安定して燃焼しているかどうかをみるのに使えます。これらはセットで購入しておきたいものです。
キャンプ用薪ストーブの関連商品 【関連記事】
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。