スパークリング日本酒とは リーズナブルなものから高級なものまで
スパークリング日本酒は、炭酸を含んだ日本酒のことです。おしゃれな見た目や、比較的甘い味わいであることから、日本酒を初めて飲む方や若い女性の方から人気の高いお酒です。おしゃれな見た目なので、差し入れやパーティーなどの席でも、喜ばれるお酒の一つです。
コンビニエンスストアやスーパーなどでも手軽に手に入れることができるほか、人気の獺祭や澪など、高級なスパークリング日本酒なども発売されています。日常の楽しみとして、またパーティーやギフト・プレゼントなどまで幅広く活躍してくれます。
スパークリング日本酒の選び方
国際唎酒師の宇津木聡子さんにスパークリング日本酒を選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】好みの泡立ちを選ぶ
【2】辛口や甘口など味で選ぶ
【3】アルコール度数で選ぶ
【4】ラベルやボトルのデザインで選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】好みの泡立ちを選ぶ
製造方法によって泡のキメ細かさや強さが変わってきます。どんな泡度合いが好きなのかを想像して、選んでみてください。
「瓶内二次発酵」はきめ細かい泡を感じられる
まず1つめが、瓶内二次発酵。発酵の止まっていない醪(もろみ)を酵母が生きた状態で瓶詰めし、瓶のなかでさらに発酵を進めて炭酸ガスを閉じ込める、シャンパーニュと類似した方法です。自然な発酵力を利用した泡は、舌触りがきめ細かく穏やか。
強めの泡が好きなら「炭酸ガス注入法」
2つめが、炭酸ガスを注入する方法。一般的な炭酸飲料と同じで想像しやすいですね。瓶内二次発酵よりやや強めの発泡のものが多く、爽快感があります。
なめらかな泡を感じられる「活性にごり酒」
3つめが、活性にごり酒。発酵最中のお酒を、菌が生きた状態で粗く濾過(ろか)して瓶詰めしたものです。粗い濾過のみなので、「うっすら」から「とろり」までレベルはさまざまですがにごりがあるのが特徴。選ぶ際にどのタイプかを見て、その違いを楽しみましょう。
【2】辛口や甘口など味で選ぶ
辛口は「口当たりがシャープで、飲んだ後にすっきりしている」という味わいであり、甘口は「口当たりが柔らかく、飲んだ後の余韻を楽しめる」という味わいのことを指します。
辛口、甘口を見極める際は、日本酒度に注目しましょう。日本酒度は数字の「+3」「-1」などで表され、甘口、辛口の目安になります。糖分などのエキス分が多いお酒ほど重くマイナスに傾き、エキス分が少ない日本酒ほど軽くプラスに傾くということ。日本酒度がプラスであればあるほど辛口、マイナスであればあるほど甘口になります。
ラベルに記載があるので、選ぶ際の参考にしてみましょう。
【3】アルコール度数で選ぶ
幅広い方々に親しみやすいのがスパークリング日本酒の魅力のひとつです。甘めの味わいが多いですが、アルコール度数はしっかり高いものが多いです。普段あまり日本酒を飲まれない方やお酒があまり強くない方は、甘めの味わいでアルコール度数が低いものを選ぶようにしましょう。目安としては1ケタ台の度数のものから試してみることをおすすめします。
【4】ラベルやボトルのデザインで選ぶ
各蔵元がお酒の個性に合わせて工夫をこらしたネーミング、ボトルやラベルデザインも注目したいポイント! ときにはお酒のスペックだけでなく、飲むシチュエーションや個人的な好みで、ぱっと見て心惹かれたものや気になったものを選んでみるのも楽しいものです。
スパークリング日本酒の色味は実に多彩で、にごりの白色系、淡い黄金色など。はたまた、古代米や黒米など色素を持ったお米や、赤い色を発する赤色酵母などを使って、美しいピンクや赤っぽい色に仕上がっているものまでさまざま。プレゼントや自分用に選ぶ際は、お酒の色やラベルのデザインに注目してみてくださいね。
【専門家イチオシ】スパークリング日本酒のおすすめ8選
上で紹介したスパークリング日本酒の選び方のポイントをふまえて、国際唎酒師の宇津木聡子さんが選んだおすすめ商品を紹介します。

女性に大人気のスパークリング日本酒
1998年に誕生した、スパークリング日本酒の先駆者ともいえるお酒。スリムなボトルがおしゃれで、女性にも大人気のスパークリング日本酒です。“すず音”とは、注いだときに立ち上る涼しげな泡のイメージだそう。
瓶内二次発酵タイプで、きめの細かい泡がやさしい口あたり。さわやかな甘酸っぱい味わいで、淡い純白の色味があります。アルコール度数は低めの5%なのでとても飲みやすく、あまりお酒に強くない方にも楽しんでいただけます。
原料由来の色素を使って、ピンク色に仕上げた“花めくすず音”、ミモザイエローの“幸せの黄色いすず音”もあり、パーティーなどで、にぎやかに楽しむのもおすすめです。

スウィートで可憐な味わい
山口県岩国市、酒井酒造のブランドである五橋は、同市が世界でも珍しい橋として誇る、釘を1本も使わずに造られた木造アーチ橋「錦帯橋」の形にちなんでつけられた名前です。瓶内二次発酵タイプで、うっすらとにごりがあり、フルーティーな香りも楽しめます。甘口でありながら、穏やかな発泡とさわやかな酸味で、しつこさのない上品な味。
スパークリングは、開けてしまうと炭酸感が失われるのが心配ですが、小柄な女性をイメージさせるような300mlという小瓶が、飲み切れるサイズでうれしいですね。甘めのお酒を好む方、お酒があまり強くない方にもおすすめです。

カジュアルに気軽に楽しみたい
こちらは、スパークリング日本酒のなかでも目にしたことがある方が多いでしょう。さわやかなブルーの、ちょっとねじりがある独特なフォルムのボトルが印象的です。
炭酸ガス注入タイプで、さわやかな発泡感と酸味が軽やか、色はにごりのない透明です。CMなどで“澪パ”というパーティーシーンが提案されているのも、なるほどという感じ。気取らず、カジュアルに楽しめるスパークリング日本酒です。
おひとりでちょっと楽しみたいときには小さい300mlサイズ、仲間とにぎやかに楽しむときには大きい720mlサイズを選んでみては? よりすっきり感のある、ドライタイプもあります。
※Amazonは12本セット、楽天は6本セットです

ピンク色が目にも楽しくうきうき
丸本酒造は、岡山県南西部でお酒の原料であるお米に徹底的にこだわり、お米の栽培も手掛けながら酒造りに取り組んでいます。こちらは、女性にうれしい美容効果をもつハーブ、ローズヒップとハイビスカスの色素を加えて発酵させた、スパークリング日本酒。淡くかわいらしいピンク色が特徴です。
ボトルがフィルムで覆われていて、注ぐまではその美しい色は見えないため、グラスに注いだときのうれしい驚きは、ホームパーティーでの演出にもぴったり。
お米と酵母の自然な発酵力が生み出すナチュラルな甘味と穏やかな微発泡感があり、梨やバナナのような香りに加え、麹の香りがほんのり。ハーブ色素を加えていない、ブルーのストライプボトルのタイプもあります。

色白美人を思わせるスパークリング酒
美酒王国・秋田市内で、なんとマンションの1階で通年お酒造りをしているという秋田醸造。生産量は少ないながらも、徹底したていねいな造りでかずかずの銘酒を生み出しています。しぼりたての生酒の活性にごり酒で、一口飲むと心地よい発泡感がはじけます。
ゆきの美人というブランド名から彷彿させる“秋田美人”のような品のよい甘味、しぼりたてらしい爽快な酸が楽しめます。年に4回限定発売されるので、見つけたときがお求めどき! です。

日本酒だからこそ……のスパークリング
山梨・白州の名水の素晴らしさを体現する酒をモットーに酒造りをしている山梨銘醸が、シャンパンの製法を取り入れ、5年にわたる多くの試行錯誤、困難を経て生み出した瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒。
白州の山にかかる霞(かすみ)をイメージした情緒たっぷりのネームそのままに、きめこまかい泡、ごくごく淡いにごりがあります。お米の甘味・旨味、しっかりした発泡感がもたらすキレ、フルーティーな吟醸香は、ぜひともよく冷やしてからシャンパングラスで楽しんで。
グリーンのシャンパンボトルに黒のラベルというパッケージもとてもスタイリッシュで、パーティーへの持ち寄りなどにもおすすめです。

国内外で評価され大注目!
岩手の蔵元、南部美人がはじめて挑戦した瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒。初挑戦ながら、世界一おいしい市販酒が決まる日本酒コンペティションであるSAKE COMPETITIONの発泡清酒部門で2年連続GOLD賞を、世界最大規模のワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ2018」でもシルバーメダルを受賞するという快挙をあげました。
繊細な泡、色は透明で、すっきりとしたドライな味わいです。おうちでお祝いなどの少し特別なときに楽しむのはもちろん、国内外で認められたクオリティは、ギフトとしても自信を持ってセレクトできます。

エレガントに楽しみたい
豊かな自然に囲まれた田園が広がる群馬県川場村にある、永井酒造。世界に通用する日本酒を目指して、シャンパーニュの技法を学び、構想から10年かけて造りあげた、瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒です。世界のプロに認められ、ヨーロッパの三ツ星レストランなどでも提供されています。
グラスに注ぐと、細かな泡が線を描いて立ちのぼり、思わずうっとりする美しさ。クリアな発泡感、きりりとドライな味わいで、幅広いジャンルの料理に合わせられます。
フランスから直輸入のシャンパン仕様のボトルにゴールドのアクセントが効いたラベルで、なんともエレガント。ドライな味わいを好む方への贈りもの、パーティーへのお土産などにぴったり。
スパークリング日本酒【甘口】おすすめ6選
はじめての方やお酒があまり強くない方でも飲める、甘口スパークリングをご紹介していきます。
シャンパン瓶で熟成させたスパークリング日本酒
兵庫産の特A地区契約栽培の山田錦を使用した、精米歩合20%でアルコール度数16%のスパークリング日本酒です。
搾りたての生原酒と酵母と一緒に、フランス製のシャンパンの瓶に入れて、約1カ月以上も瓶の中で発酵させています。芳醇な香りと泡のきめこまやかさが特徴的で、クリーミーな泡で口当たり柔らかな薄にごりの生原酒をぜひお試しください。
新潟県産のお米を使用したスパークリング日本酒
ひと口含んだときに口の中でシュワッと力強くはじけるような泡が特徴的で、口に含んだ瞬間にその泡は踊りだします。お米の味が生き生きと感じられ、軽い舌ざわりなれどしっかりとした飲みごたえが楽しめます。
お酒が苦手な方でもこの商品ならクイっと飲めてしまうでしょう。
価格も比較的リーズナブルで、スパークリング日本酒に挑戦してみようと思っている方向けの一本と言えます。
獺祭のスパークリング日本酒
フルーティーなお米の香りが鼻からフワッと抜けていくところが純米大吟醸・獺祭の長所。その獺祭を瓶に詰めた状態で二次発酵しているため、炭酸ののど越しのよさが際立ちます。
あと味はさっぱりしていてキレも抜群。甘みもありながら、すっきりとさわやかな味わいのスパークリング日本酒が飲みたい方にちょうどいい商品です。
高級なスパークリング日本酒を飲みたい方へ
透明で綺麗な見た目をした高級品。シュワッと弾けるスパークリングの口当たりと、甘みがありながらも爽やかに楽しむことができる味わいです。
瓶内で二次発酵しているときに発生した炭酸をグラスに注ぐと、きめ細かく繊細な泡となって見た目も楽しませてくれます。にごりのない透明感はすっきりとした飲み心地をあらわしているでしょう。
アルコール度数低めのスパークリング日本酒
アルコール度数が7~8%と日本酒のなかでは低めなので、スパークリング日本酒でほろ酔いしたいときにはこれ。
「時を刻む」という想いを込めて名づけられ、日本酒でも乾杯ができるようにとの想いがたっぷりと詰まっています。きめのこまかい微炭酸が特徴で、炭酸が苦手な方でもスーッといけてしまうほど。
「紫黒米」由来の天然のほのかなピンク色が美しいロゼをご賞味ください。日本酒度は-60とかなりの甘口です。
おしゃれな見た目のスパークリング日本酒
シュワッと口のなかで泡立ちながら弾けるような、天然の炭酸が特徴的。日本酒としては珍しく、アルコール度数8%とかなり抑えられており、ほんのりと甘酸っぱい味わいに仕上げられているため、日本酒初心者の方でも気がねなく飲めるでしょう。
低めなアルコール度数と、白・金からなるラベルがおしゃれで、贈答品としても適しています。
スパークリング日本酒【辛口】おすすめ1選
辛口が飲みたい方向けのお酒をご紹介します。

はじめてでも飲みやすいやや辛口の微発泡タイプ
2014年IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)スパークリング部門でトロフィーを受賞した日本酒。お酒の旨みが感じられるやや辛口の純米吟醸で、華やかな香りに微発泡のシュワっとした飲み口が加わって、さわやかさも楽しめるスパークリング日本酒です。日ごろ日本酒を飲まない方でも楽しんでもらえるでしょう。
「スパークリング日本酒」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スパークリング日本酒の売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのスパークリング日本酒の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スパークリング日本酒の保存方法と賞味期限
保存方法
日本酒は種類によって保管方法が異なります。スパークリング日本酒は生酒が多いため、冷蔵保存が基本。種類によっては常温での保管も問題ない場合もあるので、パッケージなどを確認しておきましょう。
一般的に日本酒は、常温保存でも日に当たるところに保管すると劣化してしまうので必ず暗い場所、もしくは保管する際に日光が当たらないよう何かで包むようにして保管しましょう。スパークリング日本酒は炭酸が含まれているので、なるべく衝撃を加えないように保管してください。
飲み残しがある場合は日本酒の瓶を立てた状態で保管が必須。空気に触れる面積が大きくなると劣化の原因ともなりますので、開封後は早めに飲むようにしてくださいね。
賞味期限
多くの日本酒には賞味期限が記載されていません。これはスパークリング日本酒も同様で、未開封状態の日本酒は製造年月日から約1年間(加熱処理されている場合)が賞味期限と言われています。スパークリング日本酒の中には、300日を目安にしている商品もあるので、購入した商品の賞味期限をチェックする際はパッケージなどを参考にしてみましょう。
スパークリング日本酒は中に炭酸が入っているため、開封後はなるべく早く飲みきることが大切です。開封してから数日以内であれば、日本酒の美味しさを楽しめますよ。
スパークリング日本酒おすすめの飲み方 国際唎酒師からのアドバイス
まだまだおすすめしたいスパークリング日本酒はたくさんあります! “泡”というと最初の乾杯のイメージが強いかもしれませんが、最後にデザートとしてフルーツやチーズなどといただくのも、実はおすすめです。
また、カクテルのベースにしても、さまざまな楽しみ方ができます。味わい、舌触り、泡の姿や弾ける音、ボトルやラベルのデザインなど、スパークリング日本酒はぜひ、五感で楽しんでください。発泡性の強度によっては、開栓時に注意が必要なものがあるので、開ける前に注意書きはじっくりチェックしましょう。
おすすめのおつまみはこちら 【関連記事】
ポイントを押さえてスパークリング日本酒を楽しもう
おしゃれなスパークリング日本酒を選ぶ際は、泡立ちや味のタイプ、アルコール度数などを意識するようにしましょう。
あまりスパークリングの日本酒を飲み慣れない方も、これらを参考に自分にぴったりの一本を探してみてくださいね。
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日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。 外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から400人余りをお迎えしている。 日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。