ガンマイクとは? 動画撮影や録音に必要?
ガンマイクは指向性が鋭く、音源に向かってマイクを向けるため携帯しなければなりません。たとえば、野鳥の鳴き声を録音するとき、ほかの鳥の鳴き声や川の音などの自然音をできるだけ排除し、一方向からの野鳥の鳴き声のみをピックアップするというような用途に使用されます。
最近では動画サイトでの配信するために周囲のノイズを減らすというような場面でも使用されています。
ガンマイクの選び方 重量に注意!
ここからはガンマイクの選び方についてご紹介していきます。選び方のポイントは下記。
【1】サイズや重量
【2】電源、バッテリーのタイプ
【3】マイクの性能
【4】風防
上記のポイントをおさえることで、よりほしい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズや重量の目安
ガンマイクは手持ちで使用することも多いため軽量なものが求められることが多いのですが、屋外での使用を考えると、軽いプラスチックより多少重量のある金属筐体の方が耐久性があり安心です。
また、ガンマイクをアームに取りつけて使用する場合は、アームの重さも勘案して全体の重量が長時間の収録に耐えうるものかを考える必要があります。
【2】電源、バッテリーのタイプで選ぶ
ガンマイクにはコンデンサーマイクユニットが使用されており、コンデンサーマイクには電源が必要です。業務用のモデルはファンタム電源、民生用には乾電池や内蔵バッテリーが使用されます。その両方に対応しているマイクロフォンもあります。
ファンタム電源にのみ対応したマイクロフォンを使用するには、ファンタム電源搭載のミキサーやレコーダーを使用する必要があります。このモデルはスマートホンだけでは使用できません。バッテリーや乾電池のモデルは電池切れに注意が必要です。
【3】マイクの性能をチェック
ガンマイクは音声の録音を主として設計されているモデルがほとんどです。そのため周波数特性はそれほど広帯域ではなく、むしろ風の音をカットするためにフィルターが挿入されていることすらあります。そういったモデルは楽器の収録には向きません。
ガンマイクで楽器を収録するためには広帯域で低歪のものが必要になり、そういったモデルは高価です。
【4】風切り音を防ぐ風防の有無
屋外でガンマイクを使用する際には風防は必須です。風防は風切り音を軽減させるために使用しますが、あまりに効果が高い風防は高域特性が悪化することがあり注意が必要です。
逆に効果が低い風防は、周波数特性には影響を与えにくくなりますが、風の音を完全に遮断することはできません。風防はオプションで購入可能ですので、自分の録音目的に合ったものを使用しましょう。
ガンマイクの人気メーカーもチェック
ガンマイクはメーカー別に特色があります。メーカーごとの特徴や価格帯を把握しておくと、選定の際に迷うことも少なくなるかと思います。
RODE(ロード)
1967年にオーストラリアに設立されたマイクロフォンの専業メーカーで、多くの種類のマイクロフォンを製造しています。映画などで使用されるモデルもありますが、日本では一眼レフカメラ用のマイクロフォンとして人気があります。
価格も業務用のマイクロフォンほど高価ではなく、取りつけマウントなどのオプションも豊富です。
SENNHEISER(ゼンハイザー)
1945年ゼンハイザー博士によって設立された、ドイツの音響機器メーカー。高性能で耐久性の高い高信頼性のプロ用のモデルを多数発表しています。
マイナーチェンジを繰り返しながら永く続くモデルが多く、メンテナンスも長期間対応可能。国産モデルと比べれば価格は高めで、もっともテレビのロケで使用されているガンマイク「MKH416」のメーカーとして知られています。
SONY(ソニー)
1946年に東京通信工業としてスタートした日本の音響機器メーカーの草分けです。早くから放送機器の分野に進出し、ソニーのステージマイクC-38Bは『漫才マイク』として有名。
ソニーのマイクは、ソニーHandycamやαシリーズとの相性が良くなるよう設計されています。現在でも放送機器や業務用として使用されることが多い、信頼性の高い製品を開発するメーカーです。
audio-technica(オーディオテクニカ)
1962年アナログレコード再生用のカートリッジメーカーとして設立された国内メーカー。レコード用カートリッジとマイクロフォンは構造上共通点も多く、1978年からはマイクロフォンも生産。
オリンピックやグラミー賞に使用される業務用マイクロフォンをつくり上げるまでになりました。民生機器用の比較的安価なマイクロフォンにも注力しているメーカーです。
ガンマイクのおすすめ11選 プロ仕様からコスパに優れたモデルまで
ここからは、ガンマイクのおすすめモデルをご紹介します。本格的なものはもちろん、コストパフォーマンスにすぐれるものや各種デバイスに接続できるものなどを選びましたので、ご自分にピッタリなモデルを探してみてください。

スマホに差して使用可能
スマートフォンに直接差し込み、ボイスメモ機能を使用して録音することができるガンマイク。マイク本体にモニター用の3.5mmミニジャックがあり、ヘッドホンを接続して簡易録音機として使用することができます。
マイクロフォン全体を3.5mmミニプラグで支える設計のため無理な力が加わるとスマートフォンが故障する可能性があるので注意が必要です。

SONYのハンディカムに使用できる小型ガンマイク
このモデルはソニーのハンディカムで使用することを前提に設計されています。ふたつのモードがあり、指向性が高い『ガンモード』とハンディカムのズームに合わせてマイクの指向性が変化する『ズームモード』を切り換えて使用することができます。
全長10cm程度、重さは45gとたいへん小型のガンマイクです。 安価なマイクですのでハンディカムのユーザーの方はぜひ使ってみてください。

人間が聴ける音はすべて録音可能
内蔵のリチウムイオンバッテリーで使用できるほか、単3電池やUSB端子からの電源供給にも対応。カメラに電源が入ったことを検出してマイクロフォンの電源を自動的にON/OFFするオートパワー機能を有したモデル。
また、周波数特性が20Hz~20000Hzと広帯域で人間が聴くことができる可聴帯域すべてを録音することが可能。

コスパにすぐれた高級ガンマイク
ドイツ・ゼンハイザー社のコストパフォーマンスにすぐれた最高級の民生用ガンマイク。同じくゼンハイザー社のプロ用マイクロフォンMKH416に準じた使用感でありながら、MKH416と比較するとかなり安価となっています。
音質もナチュラルで歪感も少なく、趣味としての録音に使用するのであればこのモデルでじゅうぶんと思わせる製品です。

使い勝手のよさは一般使用におすすめ
ガンマイクとして必要で基本的な機能を有したガンマイク。民生用のマイクロフォンとしてはハイエンドの性能と価格です。本格的な業務用マイクロフォンのように保管場所や湿度に神経質にならなくてもよく、ビギナーにも使い勝手のよいマイクロフォンです。
ガンマイクとしては小型で取りまわしもよく、一般的な使用にはおすすめのモデル。

映画の撮影にも使用された本格派
RODE社のフラグシップモデルであり、映画やテレビの撮影にも使用された高性能高信頼性のガンマイク。このマイクロフォンは完全な業務用のためファンタム電源でのみ使用可能です。設計国はオーストラリアで、乾燥した気候です。
多湿の日本での保管時には、必ず付属の専用ケースに収納して乾燥した場所に保管してください。

軽くコンパクトなガンマイク
このモデルは本当にコンパクトに設計されています。100gにも満たない重量です。一見ビデオカメラ用の簡易的なマイクロフォンに見えますが、ガンマイクとしての性能は高く、指向特性も良好で歪もほとんど感じません。
業務用に使用されサブマイクとして使われている例も。単4乾電池1本で300時間使用できる点も評価できます。

オフィスにおすすめの卓上ガンマイク
おもに卓上で簡易的に使用するような用途のマイクロフォンです。本格的な業務用のガンマイクと比べると指向性はそれほど鋭いということはなく、会議で正確な議事録の作成のための録音などにおすすめです。
音質はリアルな音質を期待するのではなく、言葉の内容をはっきり区別できるような音質。比較的安価に入手できるモデルです。

ビデオカメラや一眼レフにも組み合わせられる
ソニーのビデオカメラ・ハンディカムや一眼レフカメラのαシリーズと組み合わせて使用する場合におすすめのマイクロフォン。アルカリ乾電池の電源供給にも対応しています。
このモデルは本来、自社のカメラや録音機用に使用するためのマイクロフォンという色合いが強く、他社製品と組み合わせる際にはアダプターなどを別途用意することが必要となる場合があります。

スタジオやコンサートホール内での録音に
ガンマイクといえば、屋外で人間の声を収録する用途が多いのですが、このマイクロフォンはスタジオ内やコンサートホール内でも使用されるマイクロフォン。
狭いスタジオ内で楽器と楽器の間隔が狭く、一般的なマイクロフォンでは特定の楽器だけを収録するのが難しいような環境で使用されます。周波数特性も広帯域で良好です。

テレビで見かけるあのガンマイク
テレビのロケでモコモコ(ウインドジャマー)がかぶせられ、画面の上の方に見え隠れするガンマイクはまずこのモデル。ガンマイクにはわずかに特有の歪感がありますが、このガンマイクは歪をほとんど感じません。
とても高価なガンマイクですが、どのような状況でも対応しなくてはならないプロの現場で絶対的な信頼があるマイクロフォンです。
「ガンマイク」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ガンマイクの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのガンマイクの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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本来は使用時に専任のスタッフが必要
テレビのロケでおなじみのように、本来のガンマイクの使用には音声専任スタッフが必要です。ガンマイクは指向特性が鋭いため、ほんの少しマイクロフォンの角度を変えただけでも音圧レベルが大きく変化するため、つねにマイクを音源に向けていなければなりません。
ビデオカメラや一眼レフカメラを使いひとりで簡易収録を行なう場合は、本格的なガンマイクはかえって使いにくいものになってしまいます。その場合、カメラにアダプタを使って取りつけるタイプの民生用マイクを選んだ方が無難です。
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専門は音響アンプの電子回路設計。筐体設計。真空管回路設計。2005年音響機器を開発・製造・販売する会社を設立。国内はもとより、欧州を中心に37ケ国に輸出。 2007年プロオーディオ事業、2013年ログハウス事業、2015年コンサート企画運営事業を開始。2018年から新規事業としてロシア製軍用時計の輸入を始める。その後、数ケ国の機械式腕時計や懐中時計をラインナップ。 2008年よりFM岐阜の長寿番組である『ムジカスタイル』(毎週木曜18:30~)のナビゲーターに。コラム等の執筆多数。総アクセス数370万を超えるブログは、現在も100万アクセス/年のペースで進行中。 ローカル鉄道養老鉄道支援組織『乗って残そう揖斐養老線実行委員会』会長。大垣ケーブルテレビ番組審議委員。