タジン鍋の特徴と魅力 タジン鍋はなぜ人気?
タジン鍋は、モロッコ(アフリカ北西部)発祥の調理器具で、とんがり帽子のような形のフタが特徴的な鍋です。調理方法は、いたって簡単で具材をいれて火にかけるだけ。大量の野菜を投入しても、蒸せばやわらかくなって見かけの量がかなり減るため、たくさん野菜が食べられます。
また、肉や野菜の水分だけでつくる無水料理で素材のうまみが凝縮されるだけでなく、油も少なくて済むということで、タジン鍋料理はヘルシーな料理として国内外で人気が高まっています。健康志向の方ならば、ぜひ一度は試してみたい鍋かもしれません!
タジン鍋の選び方 素材や大きさをチェック!
生活コラムニストのももせ いづみさんへの取材をもとに、タジン鍋を選ぶときのポイントを紹介します!ポイントは以下の6つです。
【1】熱源
【2】フタの素材と形状
【3】サイズ
【4】重さ
【5】食器としての活用が可能か
【6】フッ素加工されているか
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】使用する熱源に対応した鍋を選ぼう
本場モロッコで作られるタジン料理は、素焼きの鍋を直火にかけて作ります。素焼きはとても割れやすいので、ごく弱火で調理するのが特徴。高温の直火にかけると割れてしまうこともあり、火加減がとても重要です。
こうした背景もあり、日本で売られている鍋本体の素材は、割れにくく火加減の調整が必要ない、耐熱陶器、アルミ、鋳物製が主体で、直火、IH、オーブン、レンジなどさまざまな熱源に対応したものがあります。
気をつけたいのが、IH対応のものはレンジ不可ということ。どんな熱源で使いたいのかによって、選ぶ商品も違ってきます。使いたい熱源に合う商品を選びましょう。
【2】フタの素材と形状選びも大切なポイント
独特のとんがり帽子のような形状のフタが、タジン鍋の大きな特徴。土鍋のように蒸気を逃す穴は開いていません。この形状により、調理によって生じた蒸気が対流して、素材そのものの水分で蒸し料理のようなヘルシーな調理ができるのです。
素材の多くは陶器で、重くて中が見えないという欠点もありますが、調理の様子がよく見えるガラス製や、軽くて折り畳めるシリコン製のものもあります。
タジン料理の裏技として、フタの取っ手の穴に氷を置くことで、中の蒸気の発生を促すという方法も。試してみたい人は、取っ手の穴が大きめのものを選ぶのがコツです。
【3】調理時も保管時もサイズは重要!
タジン鍋は浅いので、あまり多くの素材が入りません。
鍋のサイズが20cm前後のものは、1人または2人分のおかずができる目安と考えるといいでしょう。家族用に使うなら、26cm前後のものを。パーティーなどの大人数で華やかに使うなら、32cmサイズもあります。
ただし、大きくなると保管場所を取ることを忘れないようにしましょう。タジン鍋のフタは高さがあり、ほかの鍋と重ねることもできないので、かなりの場所を取ります。張り切って大きなものを買ったけれど、置き場所がなくて棚にしまいこんだまま、使わなくなってしまったなんていう話もあります。サイズはよく吟味(ぎんみ)して買いましょう。
【4】テーブル移動の際は重さが大きなポイントに
タジン鍋の大きな魅力は、調理したらそのままテーブルに運んで、食器としても使えることです。フタを開けたときに立ち上る蒸気も、テーブルを囲む人たちにすてきな高揚感をもたらしてくれます。
つまり、タジン鍋は熱源からテーブルにフタをしたまま運ばれることを前提とする調理器具です。このため、重さは大きなポイントになってきます。
鋳物製の鍋に陶器のフタの組み合わせは、大きくなると女性にはかなりの重量感となりますので、場合によってはテーブル調理で使ってみるというのもいいかもしれません。フタも熱くなりますので、開けるときにグローブが必要なことも。滑らないよう、取っ手の形状もよく吟味しましょう。
【5】食器としての活用を踏まえて選ぼう
タジン鍋は調理器具というよりは、調理ができる食器といえるほど、そのデザインや色合いは食卓で大きな意味をもっています。日常使いで実用を重視するなら、丈夫でシンプルなものを。食卓のちょっとしたスパイスにしたいなら、個性的な色や柄を選びましょう。
「タジン料理」と大げさに考えず、鍋の部分だけをお皿代わりに使ったり、フタも食卓での保温用に活用したりするなど、応用して楽しく使いこなしましょう。
【6】フッ素加工のされた鍋は、お手入れがかんたん
タジン鍋は、水を用いずに調理ができるという利便性がある反面、慣れるまでは火加減の調整が難しい傾向があります。フッ素加工が施されている鍋を選ぶことによって、焦げつきを防ぎ、日々の手入れも簡単にしやすくなるでしょう。
生活コラムニストからアドバイス
蒸気を対流させるだけなら、土鍋のフタの蒸気穴を塞いで代用したり、シリコンスチーマーでのレンジ調理などで代用したりすることもできるという人もいます。
しかし、タジン料理の1番の醍醐味は、この愛らしいデザインのお鍋が食卓に並ぶという楽しさです。 難しいレシピでなくても、野菜やきのこなどを並べて火にかけるだけのシンプルな調理で十分です。
お皿に並べるだけでは寂しく見える料理も、タジン鍋で調理して、そのまま食卓でパッとフタを開けて蒸気が立ち上れば極上のごちそうに。
簡単だけれどしあわせな時間を演出してくれるタジン鍋。ぜひお気に入りをみつけて、食卓を楽しく演出してくださいね。
タジン鍋おすすめ15選 IH対応、電子レンジ、オーブンで使えるものも
ここまでに紹介したタジン鍋の選び方のポイントをふまえて、生活コラムニストのももせ いづみさんと編集部が厳選した、おすすめのタジン鍋を紹介します。
タジン鍋は、基本的に直火調理ができるものばかりですが、フタの素材や鍋底の素材によっては、IH対応可能、レンジ対応可能なもの(直火での使用がダメなものも含め)などがあります。さまざまな商品を紹介するので、ぜひチェックしてくださいね!

家庭用燻製器としても活用できる便利鍋
万古焼の本体に、耐熱ガラスのフタ。直火とレンジにのみ対応する商品ですが、金網とお試し用のスモークチップがセットになっていて、家庭で簡単に燻製料理も楽しめるというタジン鍋です。
ドーム型のフタが煙を均等に対流させるので、燻製も簡単にできるほか、鍋の深さが5、6cmあるので、ちょっとした鍋料理、少量なら炊飯もできるというマルチクッカー。
タジン料理だけではなかなか出番がないかも、と思われる人でも使用頻度が増えそうです。キャンプに持っていったらとても楽しそうですね。
朝は炊飯、午後は燻製、夜は鍋とマルチに活躍してくれそうです。三重県四日市市の伝統工芸品「万古焼」というのもうれしいですね。

ずっしり鋳物ホーロー製のIH対応タジン
フランスアルザスで生まれた鋳物ホーローの調理器具のトップブランド、ストウブ。重厚なココット鍋で作る煮物類は「ストウブ料理」と言われることもあるほど、人気のブランドです。
このストウブが作るタジン鍋は鋳物製。施されたエマイユ(ホーロー)加工が熱伝導と保温性を高めてくれるので、調理時間が短くてすむという利点もあります。
フタは陶器製ですが、ストウブらしい実用的でシンプルなデザインも好感がもてます。ちょっと重いですが、使う楽しみを感じることのできる商品です。ガスの直火、オーブン、IH(100/200V)で使用可能。電子レンジは不可なので注意。
オール熱源対応!IHから電子レンジまで
IH・レンジ・オーブン・直火と、さまざまな熱源に対応したタジン鍋。いろんな熱源で利用できるので、ちょっとしたものから、本格的なものまで色々な料理を作ることができます。
また、耐熱ガラスのフタを採用しているのも嬉しいポイント。フタが透明なので、調理中の様子を確認することが可能。食材の火の通り具合が確認しやすいので、初心者の方でも使いやすいですよ。
一人用にちょうどいいSサイズや、みんなで食べるのに便利なLサイズがあるので、食べる人数に合わせて選んでみてください。
シリコン製でコンパクトに収納
P製の深鍋に、シリコン製のタジン風フタが付いたアイテムです。電子レンジ調理で蒸す、炊く、煮るの3つの用途で使えます。シリコン製のフタは折りたためるため、使用しないときにはコンパクトに収納できます。
フタは、レンジキャップとしても使用可能です。鍋の内側には、蒸し調理の際に便利な目皿もついています。

鍋部分がアルミ製、軽くて洗うのも簡単
フタは陶器製ですが、鍋部分はアルミ製。陶器製に比べて軽く、洗うのも簡単です。気軽に使えて衝撃にも強いので扱いがとてもラクです。
直火、IH200Vに対応していますが、レンジやオーブンは不可なので注意してください。直火で毎日のお料理に気軽に使いたい人に、おすすめのタイプです。
こちらのシリーズは、22cmがサーモンピンク、27cmがタンジェリンオレンジと色がとてもきれいなのが特徴。特に22cmのサーモンピンクは、ほかではあまり見ない色合いです。そのまま食卓に出すと、ぱっと華やかになりますね。
IH対応! 陶器のタジン鍋
このタジン鍋は直火やラジエントヒーター以外にIH200V・100Vにも対応可能なのが特徴です(電子レンジ・オーブンには使えません)。鍋本体はアルミ製で熱伝導に優れているので、食材の調理がより早く、また陶器と違って割れる心配もありません。
鍋の内側はデュポン社のテフロン(フッ素)加工がなされているので、料理がこびりつきにくく、洗いやすいのもポイントです。料理も片づけもスピーディーにしたいという方にはピッタリの一品です。
見た目爽やか、食卓の清涼剤に。
スチームドームは、創業200年の歴史を持つ老舗のガラスメーカーである「石塚硝子」から出ているタジン鍋です。
こちらの商品は、ガラス職人による手作りでありながら、お求めやすい価格で楽しめる本格派です。美しく清涼感があるので、食卓のインテリアにも最適でしょう。美しいガラスは見た目だけでなく、調理中にも鍋の中身が見えるという機能上でも役立ちます。
幅広い熱源や食洗機に対応
オレンジ、ピンク、グリーンのカラーリングが選べるタジン鍋です。おしゃれな外見に、蒸す、炊く、煮るといろいろな用途で使える便利さを兼ね備えています。ガスの直火のほか、オーブンや電子レンジ調理も可能です。また、食洗機にも対応しています。
20cmといろいろな用途で使いやすいサイズのため、ひとつあると便利なタジン鍋です。
オーブン料理にも使えるタジン鍋
皿が耐熱セラミックス フタが磁器でできているタジン鍋です。フタは波佐見焼(有田焼)の黄唐草文様で、黄色をメインとしたデザインが非常に特徴的な一品です。
皿部分は高い温度まで耐えられるので、オーブンでも使用可。グラタン、ドリアなどの冬の定番料理にも応用できるのはうれしいですね。こちらはIHには非対応ですので、ご注意ください。
シンプルデザインで使いやすい
ひとり暮らしからおかず作りまで使いやすい、22cmサイズのタジン鍋です。陶器製のシンプルなデザインのため、キッチン周りのインテリアにもマッチしやすくなっています。
タジン鍋のなかで熱された食材から出る蒸気フタの上部で冷やされ、液化してなかに戻るため食材の水分をいかした無水調理ができます。
いろいろ使えるガラスフタつき
タジンのフタによる無水調理のほか、ガラスフタもついた19cmサイズのタジン鍋です。ガラスフタを使用すると、通常の鍋としても使えます。ガラス製のため中身も見やすく、タジン鍋で調理したものを温め直したいときにも便利です。
ガスのほかIH熱源にも対応しています。卓上IHクッキングヒーターで使える小鍋にするなど、幅広い用途で使えます。

中身がよく見えるから調理がしやすい!
タジン料理は、フタに集まった蒸気がまた鍋に戻り、少ない水分で蒸し料理のような効果が出ます。そのため、蒸気を逃さないように調理中にはフタを開けないのがお約束。
ただ、中身が見えないと火を止めるタイミングもわかりづらく、慣れるまで時間がかかるのも確かです。フタが耐熱ガラス製なら、蒸気が立ち上がる風景を楽しみながら、肉や野菜の火の通り具合も目で確かめることができて安心です。
本体は耐熱陶器製で、ガスの直火・電子レンジに対応していますが、フタのツマミが樹脂なので、オーブンには入れられません。IHも不可です。

陶器製の一人分のミニ・タジン。朝食用にも!
フランスの調理器具ブランド「ル・クルーゼ」のタジン鍋は、並行輸入品となるため価格が4万円超えと、ちょっと高嶺の花な存在。
でも、その独特な色合いとデザインの存在感は、食卓にあるだけで気持ちが華やぐパワーがあるものです。陶器製のミニ・タジンなら、手に入れやすい価格。
直径7.5cmのサイズは、一人分のちょっとした料理にぴったり。直火にかけることはできませんが、オーブン、電子レンジ、食洗機OKなので、朝食などに気軽に使うことができます。
実はモロッコでは、卵とほうれん草だけのタジン料理もポピュラー。朝の1品が手軽におしゃれに作れそうですね。
鋳鉄を使用したおもむきのある鍋
南部鉄器で著名な池永鉄工製のタジン鍋です。鍋本体には鋳鉄、フタ部分は陶器が使われているため熱の伝導性が高いのが魅力です。ガス火のほかにもIHに対応しています。
大きめサイズの26cmのため、メインのおかず作りや家族の多い家庭にも使いやすくなっています。シンプルな白のほか、ぱっと目を引く赤のカラーも選べます。
おしゃれなオレンジ色デザイン
トルネード模様がフタにつけられた、個性的なデザインが楽しめるタジン鍋です。オレンジをベースにしたカラーリングは、テーブルのうえでも目をひき料理も楽しくなるでしょう。
陶器製で、蒸し料理や陶板料理に使用できます。フタが少し低めの構造になっているため、収納するときにも便利です。直火のほか、電子レンジ調理もできます。
「タジン鍋」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする タジン鍋の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのタジン鍋の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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タジン鍋で日々にアクセントを 上手に使おう!
生活コラムニストのももせいづみさんからのアドバイスをもとにタジン鍋の熱源や素材・形状などタジン鍋を選ぶ際のポイントと、おすすめの商品をご紹介しました。
今回の記事でご紹介した内容を参考にして、無水調理や蒸し料理など広い用途に使えるお気に入りのタジン鍋を見つけてくださいね。
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暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。 日々の暮らしから生まれるコラム、忙しくてもゆるりと楽しく暮らすためのアイデア、時短レシピ、生き方のアドバイスは男女問わず幅広い世代から支持を集めている。 新商品や話題の家電、生活用品などのヒット予測、使用分析にも強い。「願い事手帖の作り方」「スープジャーレシピ」など著書多数。