ブルーチーズとは?
ブルーチーズは、その名前のとおりチーズ製造の工程で意図的に青カビをグリーンチーズ(加塩されたばかりの熟成前のチーズ)のなかに入れて、繁殖させて熟成したチーズです。チーズの内側にカビを繁殖させるため、複雑な断面模様が見られるのが特徴です。
「体に悪いのでは?」 と思われがちですが、ブルーチーズに使われるカビは安全性が高く安心して食べることができますよ。
日本でも料理によく使われるゴルゴンゾーラチーズも、ブルーチーズの一種です。見た目だけでなく、塩分が多くしょっぱいため味にクセがあり、苦手な人もいますが上質なものを選べばそのおいしさに気づくはずです。ブルーチーズの選び方をチェックして、気に入るブルーチーズを探してみてくださいね。
ブルーチーズの選び方
見た目やニオイで敬遠されがちなブルーチーズですが、逆にそのクセにハマる人も多いですよね。レパートリーも意外に多く、パスタやリゾットなどの主食や、クラッカーにのせたりワインのお供などのおつまみなど、さまざまな食べ方があります。まずは自分に合いそうなブルーチーズを探して、試してみませんか?
この記事では、ブルーチーズの選び方をご紹介します。初心者の方はどんなブルーチーズが試しやすいかなど、本記事をぜひ参考にしてみてください。
ポイントは下記。
【1】ブルーチーズの産地と種類に注目
【2】容量や容器も確認する
【3】「AOC」や「DOP」のブルーチーズは高品質
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ブルーチーズの産地と種類に注目
ブルーチーズは産地や種類によって味わいが異なります。ここでは、世界3大ブルーチーズと言われている「ゴルゴンゾーラ」「スティルトンチーズ」「ロックフォール」と、国産のブルーチーズの特徴や味わいを紹介していきます。
初心者はイタリアの「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」から試してみよう
ブルーチーズ初心者の方には、外側は白カビで内側に青カビが入っているものが、やさしい味わいでおすすめです。
イタリアのゴルゴンゾーラには、辛口な「ピカンテ」と甘口な「ドルチェ」のふたつのタイプがあり、「ドルチェ」は青カビの量も少なく塩気が控えめなので初めてのブルーチーズに向いています。白カビを外皮にまとったドイツの「カンボゾーラ」や、フランスから輸入されているロングライフタイプのチーズなどもおすすめです。
ナッツ系の味わいが楽しめる「スティルトン」
スティルトンチーズは、青カビが描く大理石模様がうつくしい、イギリスのブルーチーズです。水分が少ないのでシャープな味わいと濃厚なコクが楽しめます。
チェダーチーズのようなしっかりとした生地に青カビが静脈状に広がっていて、ナッティ(ナッツ系)な味わいがあります。
羊乳の風味が楽しめる「ロックフォール」
羊乳で作られた真っ白なチーズに、青カビのあざやかな模様が映える、フランスのブルーチーズです。羊乳製なのでより味わいが濃く、テクスチャーもなめらかでバターのような食感が楽しめます。クリーミーな味わいとブルーチーズ特有の刺激を楽しめます。
塩分も多く風味も個性的なので、ブルーチーズ通の方でも満足できるでしょう。
日本人に合う国産のチーズも試してみる
近年、日本でもブルーチーズは生産されていて、世界コンクールで賞をとるほどクオリティも上がっています。海外に比べるとマイルドな味わいなので、初心者の方にもおすすめのブルーチーズです。
とくに外国産と比べると、ニオイやクセがおさえられている製品が多いです。
【2】容量や容器も確認する
ブルーチーズの容量や容器は商品によってさまざま。使用シーンに合わせて使いやすいものを選びましょう。
ブロックタイプは切り分けやすい
チーズを手軽に切りわけたいなら、カットされた状態で販売されている「ブロックタイプ」を選んでみましょう。少量にカットされているタイプなら食べきれるので、保存の心配をする必要もありません。
はじめて購入するときには、ブロックタイプのブルーチーズを選んで、好みに合うかどうかをチェックしてみるのもいいでしょう。
調味料に使うなら保存のしやすさも確認
ブルーチーズは味わいにコクがあるため、パスタのソースやサラダのドレッシングとしても使えます。料理が好きな方は、大容量タイプで保存しやすい容器に入っているブルーチーズを選ぶと使いやすいでしょう。
長期保存をするなら密閉性の高さも要チェックです。毎日のように使うなら、あらかじめこまかく切ってあるタイプやクラッシュタイプを選んでみるのも、ひとつの方法でしょう。
【3】「AOC」や「DOP」のブルーチーズは高品質
「AOC」や「DOP」の表記があるブルーチーズは、限定された地域や製法で作られています。AOCはフランスの品質保証制度で、チーズに使われる青カビ菌の採取方法や種類、熟成のさせ方などが厳しくチェックされます。
DOPは、イタリアの厳しい基準をクリアしたブルーチーズについているマークです。品質や製法にこだわるなら、「AOC」や「DOP」を目安に選んでみてください。
ブルーチーズおすすめ15選
ここからは、選び方のポイントをふまえて、おすすめのブルーチーズをご紹介します。

すべての青カビ好きに!
スペイン北部のアストゥリアス州で生産されるブルーチーズ。カンタブリカ山脈のピコス・デ・エウロパにある天然の洞窟内で熟成されています。原料乳も季節によって配合が異なり、春夏には材料になる牛乳に羊乳や山羊乳が混乳されます。チーズ全体に青カビがぎっしりと広がり、しっかりとした青カビの味わいが通好みです。
季節によって味わいが異なるので、ぜひいろいろなシーズンで楽しんでもらいたいチーズです。生産地はシードルの産地でもあり、スペインシードルとの相性は抜群です。
臭い控えめのクリーミーなブルーチーズ
『ゴルゴンゾーラ ドルチェ D.O.P』は、しっかりと時間をかけて熟成し、甘さやクリーミーな味わいを楽しめる人気のブルーチーズ。ドルチェタイプなので、一般的なブルーチーズと比べて、ブルーチーズ独特の臭いは控えめです。
ワインなどのお酒のお供としてそのまま食べてもおいしいですが、はちみつやメープルシロップの甘さと合わせても相性抜群です。カルボナーラなどと絡めて食べてもおいしいです。ブルーチーズに苦手意識のある方も是非食べてみてください。
ブルーチーズ好きにおすすめ
『ゴルゴンゾーラ ピカンテ』はブルーチーズ独特の刺激や臭いが好きという方におすすめです。少量でもブルーチーズの美味しさを十分に感じられるでしょう。そのまま食べるのもよいですが、他にも美味しく味わえるアレンジレシピが多数あります。
チーズはパスタやリゾットとの相性がよく、加えることで、より濃厚な風味になります。クラッカーやトーストしたパンにも合います。低価格で高品質なチーズなので、自分なりのアレンジをいろいろと楽しんでください。
手軽にいつでも青カビチーズを!
ブルーチーズを日常に取り込んでいただけるカジュアルなチーズ。デンマーク産のこちらのチーズは日本での流通も多いので、お手ごろな青カビです。もともと、フランスのロックフォールをモデルに開発されたチーズ。
青カビらしいピリッとした味わいもあります。生クリームと混ぜてソースにしてステーキやパスタにかけたり、ブロック状に切ってサラダに混ぜたり、お料理への応用もいろいろ工夫できます!
本場で人気! ゴルゴンゾーラドルチェ
日本でもおなじみのゴルゴンゾーラ。原産国イタリアでは、「ドルチェ」と「ピカンテ」の2つのタイプがあります。この商品は「ドルチェ」で、青カビも少なくしっとりとした生地で、味わいがマイルドなのが特徴です。そのまま召し上がっていただいても、パスタソースやサラダにも応用できます。
ちなみに甘口のドルチェに対して、ピカンテは辛口です。ピカンテの方が青カビが多く、青カビ特有のピリッとした味わいが特徴。実は本場イタリアでは、「ドルチェ」の方がメジャーなんです。
白いチーズに綺麗に青が散りばめられたブルーチーズ
世界的にも有名なブルーチーズで、世界三大ブルーチーズの一つです。チーズというと牛をイメージしますが、羊の生乳で作られています。青カビのシャープな刺激に、ミルクの旨み、塩味の加減のバランスが絶妙。塩分がやや控えめに感じるほど、ミルクの甘みが強いです。
パンに塗ったりブルーチーズソースにしたり、または、パスタやサラダのトッピングにしてもおいしいです。
北海道の広大な大地で育まれた純国産ブルーチーズ
江別市小林牧場でゆったりと育てられた牛たちから搾った生乳のみを使用。小林牧場で生産されたブルーチーズを、さらに独自の方法で熟成させています。日本生まれながら本場に負けない、完成度の高さです。中心部はかたく締まり、皮に近い部分ではとろりとした食感が楽しめます。
独特の強い刺激と塩味は、スパークリングワインにピッタリ。また、その濃厚な味わいは調理に使っても個性を失うことなく、料理の味を引き立てます。
塩味控えめなマイルドさは初心者にもおすすめ
乳白色の生地にやや控えめに入った青カビは、ピカンテとくらべると見るからにやさしげな印象をあたえます。塩味も香りも抑えられているため、初心者でも抵抗なくそのまま食べられます。
野菜のうえにトッピングしたり、ナッツと合わせてディップとして使ったりするのにもピッタリ。生クリームを加えると一段とまろやかになり、どんな料理にでもマッチします。まずは刺激の少ないブルーチーズから、という方にでも受け入れやすい味わいです。
白カビと青カビ両方1度に楽しめるチーズ
外側は白カビに覆われ内部に青カビが入っている、1970年代にドイツで開発されたチーズ。名前の由来はカマンベールとゴルゴンゾーラの造語になります。
青カビ独特の辛味もありますが外皮の白カビの特徴もあり、味わいとしては大変マイルドで、青カビチーズにあまり親しんでいない方やチーズ初心者向け。朝食にもお手軽に食べていただけるチーズです。
初心者に適したロングライフタイプのブルーチーズ
近年になって開発された、白カビと青カビ融合タイプの新しいブルーチーズです。カマンベールのやさしい味わいに、ブルーチーズの濃厚さが加わり、青カビ初心者にも食べやすい商品となっています。
ロングライフタイプで日持ちもよく、また使い方のバリエーションも豊富なので、ひとつ買いおけばいろいろ使えて便利です。
ワインはもちろん甘味のあるドリンクにも合うため、いつでもくつろぎのひとときをすてきに演出してくれます。また、サラダやオムレツなど、毎日の食事でも味に彩りを添えてくれるでしょう。
自然豊かな北海道産の生乳を使用
北海道黒松内町産の搾りたて生乳を使用して作られたブルーチーズです。黒松内町は日本最北端の雄大なブナの原生林を有し、豊かな自然に囲まれています。大自然の中で丁寧に作られていて、成分無調整なので、コクや風味がありまろやかなくちどけです。
ブルーチーズは刺激のある風味が特徴ですが、塩分を少なめにしているので穏やかな味わい。カットしてそのまま食べたり、クラッカーの上に乗せて食べたりしてもよいでしょう。お酒のおつまみとしてもよく合うのでおすすめです。
クセが少なく食べやすいブルーチーズ
見た目は青カビ感が強いので、味や臭いも強そうに見えますが、青カビの味はしっかりとしていながらまろやかな味わいです。ブルーチーズ初心者の方も、好んでよく食べる方も食べやすいでしょう。
ワインに合うので、ワインを嗜みながら食べるとより美味しく味わえます。
食べやすくクリーミーな国産ブルーチーズ
早来町内の牧場で採れた牛乳・自然塩、フランス直輸入の青カビを使った国産ブルーチーズです。青カビのクセをおさえ、塩気が少なくまろやかなので、日本人でも食べやすくなっています。本体の味はカマンベールに近く作られています。
お酒のおつまみで食べる場合は、軽めの赤ワインやフルーティな赤ワイン、辛口の白ワインがよく合いますが、辛口のとろみのある純米酒にも合いますよ。
※Amazonは1個、楽天市場は3個セットです。
クラッシュしてあるので便利!
たとえばピザを作るときに、チーズをパラパラとかけるのに便利なクラッシュタイプです。カットする必要がないので、料理に使ってもそのまま食べてもラクですね。
クラッシュタイプはありそうで意外と少ないもの。カットするよりも分量の調節がかんたんなので、食べる頻度も多くなりそうですね。幅広く使えますよ。
ナッツの風味とさわやかな苦味|日本人向けのチーズ
工房のこだわりとして、「日本人のブルーチーズのイメージを変えること」を目標として作成されたブルーチーズです。食感はセミハードチーズで、多少かじりごたえのある硬さです。
ピリピリするようなブルーチーズ特有の刺激は抑えつつ、おだやかな風味とさわやかな苦味を特徴としている味わいがします。こだわりの味わいを出すために、熟成中の温度と湿度が厳重に管理され、青カビの繁殖をコントロール。ニセコチーズ工房の強い信念の元につくられたブルーチーズです。
「ブルーチーズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ブルーチーズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのブルーチーズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エキスパートからのアドバイス
チーズは栄養価も高く手軽な栄養源として注目されていますが、近年はブルーチーズに含まれる成分が注目されています。
青カビはちょっと……と敬遠される方も、初心者向けのブルーチーズからトライしていただき、ハチミツやジャムなどと一緒に食べていただくと案外おいしさの新発見につながるかもしれません。
ブルーチーズを上手に摂取して、健康的な食生活を目指しましょう!
ブルーチーズのおいしい食べ方レシピ
「ブルーチーズはクセが強くて料理に合わせにくい……」と思う方も多いのでは? ここでは、ブルーチーズを使ったおいしい食べ方レシピをいくつか紹介していきます。
ブルーチーズのパスタ
ブルーチーズはパスタとの相性が抜群です! パスタの種類もペンネやフリッジなどのショートパスタから、フィットチーネなどのロングパスタまで、どれに合わせてもおいしく食べられます。
カルボナーラ風やトマトパスタのトッピングなど、さまざまな具材とも相性がよいです。
ブルーチーズのハンバーガー
ハンバーガーの具材にブルーチーズを使ってもおいしく食べられます。バンズに焼いたパテをのせ、ブルーチーズやピクルス、玉ねぎやハラペーニョなど、好みの具材をのせてバンズではさめば完成です。
チェダーチーズなど、ほかのチーズと合わせてもさらにおいしくなりますよ。
はちみつやクリームチーズと合わせておいしく
とくにブルーチーズをはじめて食べる方におすすめしたいのが、はちみつとの食べ合わせです。はちみつとの相性も抜群なので、ブルーチーズの塩味とはちみつの甘さをバランスよく楽しめます。
また、クリームチーズと合わせるのもおすすめ。ワインのおつまみとしてもおいしいですよ。
フルーツとブルーチーズ
意外な組み合わせかもしれませんが、フルーツとブルーチーズも合うんです。
りんごやイチジク、洋梨など、酸味と甘みのあるフルーツとの食べ合わせがよいです。トーストとスライスしたりんごなどを焼いて、食べる直前にブルーチーズをのせたり、カナッペのようにするのもおすすめです。ホームパーティや記念日の食卓にぜひ試してみてください。ちなみに、お酒はウイスキーが合いますよ。
【チーズの保存方法】ブルーチーズは冷凍できる?
一度開封したチーズは冷蔵庫で保存すると、意外と早くに悪くなってしまいます。賞味期限が比較的短いブルーチーズは、とくに保存の方法に気をつけたいところ。ブルーチーズの保存には冷凍がおすすめなんです。冷凍保存すれば長持ちするのはもちろん、乾燥も防ぐことができます。
冷凍方法
ブルーチーズは使いやすい大きさにカットし、一切れずつラップに包み冷凍用保存袋に入れ空気を抜き冷凍する。
保存期間
冷凍庫で1か月程度保存が可能
解凍方法
凍ったまま加熱調理して使うことができます。お菓子作りなど、冷凍したままでは使いにくい場合は、冷蔵庫で解凍しておこう。30gにつき2〜3時間が目安。
【関連記事】ほかのチーズもチェックしよう
ブルーチーズでおいしい世界が広がる
フランスチーズ鑑評騎士・山田好美さんへの取材をもとに、ブルーチーズの選び方とおすすめの商品をご紹介しました。知るほどに多彩で、奥深いブルーチーズの世界には圧倒されます。
日本人はチーズになじんできた歴史が浅く、食についても和食など淡泊な味わいに親しんできました。そのため、ブルーチーズを苦手とする人もいまだ多いようです。しかし、ひと口にブルーチーズといってもその特徴はさまざま。
ブルーチーズ初心者は、まずは食べやすいマイルドなものから、慣れてきたら世界3大ブルーチーズや通向けの商品を食べてみてください。
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